諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:de:prologue [2017/05/06 10:53] – 外部編集 127.0.0.1hlw:de:prologue [2017/05/06 11:16] ss12955jp
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 しかし、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を受けて連邦政府は、2011年3月に、17基の原子炉のうち8基(1980年以前に運転開始した炉)を停止させるとともに、予定していた原子炉の運転期限の延長を凍結しました。そして2011年6月、連邦政府は、停止させた原子炉8基を即時閉鎖し、残る9基も2022年までに閉鎖するとした、将来のエネルギー政策の見直しを閣議決定しました。これらの政策を含む改正原子力法は、2011年8月に発効しました。 しかし、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を受けて連邦政府は、2011年3月に、17基の原子炉のうち8基(1980年以前に運転開始した炉)を停止させるとともに、予定していた原子炉の運転期限の延長を凍結しました。そして2011年6月、連邦政府は、停止させた原子炉8基を即時閉鎖し、残る9基も2022年までに閉鎖するとした、将来のエネルギー政策の見直しを閣議決定しました。これらの政策を含む改正原子力法は、2011年8月に発効しました。
  
-9基のうち1基が2015年6月に営業運転を終了しており、2015年末時点で運転中の原子炉は8基となっています。+2015年末現在、ドイツで運転中の原子炉がある原子力発電所は8カ所あり、加圧水型原子炉(PWR)が6、沸騰水型原子炉(BWR)が2基です。これらの8基につても2022年末でに順次運転終了する予定です。
  
  
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 一部の使用済燃料は、原子力発電所から搬出され、ゴアレーベンとアーハウスの2カ所の集中中間貯蔵施設で貯蔵されています。 一部の使用済燃料は、原子力発電所から搬出され、ゴアレーベンとアーハウスの2カ所の集中中間貯蔵施設で貯蔵されています。
 電力会社などが出資しこれらの中間貯蔵施設を操業する原子力サービス会社(GNS)は、ゴアレーベン中間貯蔵施設において使用済燃料だけでなく、フランスと英国に委託した再処理からの返還ガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)を併せて貯蔵する計画でした。ゴアレーベン中間貯蔵施設では、1995年から使用済燃料を収納した「輸送貯蔵兼用キャスク」の受け入れが始まりました。 電力会社などが出資しこれらの中間貯蔵施設を操業する原子力サービス会社(GNS)は、ゴアレーベン中間貯蔵施設において使用済燃料だけでなく、フランスと英国に委託した再処理からの返還ガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)を併せて貯蔵する計画でした。ゴアレーベン中間貯蔵施設では、1995年から使用済燃料を収納した「輸送貯蔵兼用キャスク」の受け入れが始まりました。
-しかし、使用済燃料の輸送に対する反対運動が激しくなったことから、1997年を最後に使用済燃料の搬入は行われていません。外国からの返還ガラス固化体の受け入れは継続していましたが、2013年3月の連邦とニーダーザクセン州の合意に基づき、搬入を停止することになりました。+しかし、使用済燃料の輸送に対する反対運動が激しくなったことから、1997年を最後に使用済燃料の搬入は行われていません。外国からの返還ガラス固化体の受け入れは継続していましたが、2013年3月の連邦とニーダーザクセン州の合意に基づき、搬入を停止することになりました。今後返還されるガラス固化体は、原子力発電所サイトに貯蔵することが検討されています
  
 アーハウス中間貯蔵施設では、主として研究炉や高温ガス炉(実験炉と実証炉、いずれも1980 年代末に廃止)の使用済燃料を乾式貯蔵しています。なお、旧東ドイツに導入された原子力発電所の廃止措置に伴い、それらの発電所からの使用済燃料が、ノルト集中中間貯蔵施設において乾式貯蔵されています。 アーハウス中間貯蔵施設では、主として研究炉や高温ガス炉(実験炉と実証炉、いずれも1980 年代末に廃止)の使用済燃料を乾式貯蔵しています。なお、旧東ドイツに導入された原子力発電所の廃止措置に伴い、それらの発電所からの使用済燃料が、ノルト集中中間貯蔵施設において乾式貯蔵されています。
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 ===== 処分方針 ===== ===== 処分方針 =====
  
-<WRAP rss right 300px> +[50%{{ :hlw:de:waste-class-de.png?300|ドイツにおける放射性廃棄物の分類|
-{{:hlw:de:waste-class-de.png?300&nodirect|ドイツにおける放射性廃棄物の分類}}\\+
 <fc #080>ドイツにおける放射性廃棄物の分類</fc>\\ <fc #080>ドイツにおける放射性廃棄物の分類</fc>\\
-<fs 90%>発熱量の違いにより放射性廃棄物を区分ています</fs> +<fs 90%>発熱量の違い区分されています</fs> 
-</WRAP>+}}]
  
 ドイツでは2002年の原子力法改正以降、再処理のために既にフランスと英国に搬出した使用済燃料は再処理し、回収したプルトニウムなどを燃料として再利用するものの、それ以外の使用済燃料はそのまま高レベル放射性廃棄物として直接処分する方針です。従って、処分対象となる高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料と、外国(フランスと英国)に委託した再処理に伴って返還されたガラス固化体の両方があります。 ドイツでは2002年の原子力法改正以降、再処理のために既にフランスと英国に搬出した使用済燃料は再処理し、回収したプルトニウムなどを燃料として再利用するものの、それ以外の使用済燃料はそのまま高レベル放射性廃棄物として直接処分する方針です。従って、処分対象となる高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料と、外国(フランスと英国)に委託した再処理に伴って返還されたガラス固化体の両方があります。
hlw/de/prologue.txt · 最終更新: 2018/05/02 16:13 by sahara.satoshi