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hlw:de:chap5 [2016/03/23 14:45] – [5.2 処分費用の見積もり] sahara.satoshi | hlw:de:chap5 [2017/05/06 14:04] – 2017年版へ更新 ss12955jp | ||
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- | * 高レベル放射性廃棄物の処分費用は、全額廃棄物発生者が負担することが原子力法で定められています。処分費用を積み立てるための公的な基金制度は存在せず、廃棄物発生者である電力会社等が引当金を確保しています。現段階で発生する費用については、処分場の設置・運営の責任を有する連邦政府に対して、原子力発電事業者が毎年支払いを行っています。 | + | * 高レベル放射性廃棄物の処分費用は、全額廃棄物発生者が負担することが原子力法で定められています。 |
+ | * 処分費用を積み立てるための公的な基金制度は存在せず、廃棄物発生者である電力会社等が引当金を確保し、現段階で発生する費用については、処分場の設置・運営の責任を有する連邦政府に対して、原子力発電事業者が毎年支払いを行っていました。しかし、2016 年に新たな法律が制定され、公的な基金を設置し処分費用などを管理することが決定されました。 | ||
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===== 処分費用の負担者 ===== | ===== 処分費用の負担者 ===== | ||
- | ドイツの原子力法に基づき、放射性廃棄物処分場の設置・運営は、連邦政府の責任で実施されます。連邦政府は、この処分場を利用して処分する放射性廃棄物の発生者から、経費を徴収することが定められています。また、廃棄物の発生者は、連邦政府の経費を負担する以外にも、自らの廃棄物の処理、貯蔵、処分場までの輸送など、放射性廃棄物管理全般に関わる費用を負担します。 | + | ドイツでは、廃棄物の発生者は、これまで引当金として放射性廃棄物管理費用を確保してきました。しかし、2016 年に新たな法律が制定され、公的基金を設置し放射性廃棄物管理費用を管理することとなりました。廃棄物発生者が、基金に対して放射性廃棄物管理の将来費用と、リスクに備えるための保険料を払い込む代わりに、放射性廃棄物の輸送、中間貯蔵から処分までは連邦政府の責任で行うこととなりました。 |
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+ | 今後、資金確保を含め、放射性廃棄物管理に関する責任は連邦政府に移行し、基金への払い込み完了後は、費用が増大した場合でも、廃棄物発生者が追加の負担を求められることはありません。 | ||
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===== 処分費用の確保制度 ===== | ===== 処分費用の確保制度 ===== | ||
- | 連邦放射線防護庁(BfS)が処分事業の実施のために支出する費用は、「前払金令」に基づき原子力発電事業者などが決められた比率に基づいて連邦政府に毎年納付する「前払金」で賄われます。これには、サイト選定及びサイト決定後の処分場建設、操業、閉鎖に至るまでの一連の費用が該当します。 | + | ドイツでは、これまで放射性廃棄物管理費用の確保に関する公的な基金制度はありませんでした。このため、原子力発電事業者などは、原子炉の廃止措置のための費用や、放射性廃棄物の管理のために発生する将来費用を引当金として確保していました。 |
+ | しかし、資金確保制度のあり方については、「脱原子力に係る資金確保に関する検討委員会」が2015年10月に設置され検討が行われた結果、2016年4月に公的基金の設置などの勧告が行われました。この勧告に基づき、2016年12月に公的基金の設置等を規定した法律が制定されました。この法律により、廃棄物発生者である電力会社は、基金に対して放射性廃棄物管理の将来費用として約174億ユーロ(約1兆9, | ||
- | なお、サイト選定法に基づく発熱性放射性廃棄物の処分場サイト選定に係る費用は、同法に基づき、原子力発電事業者が負担することになっています。 | + | 払い込み後は、放射性廃棄物管理費用は、この基金から支払われ、不足した場合には連邦政府が負担することになります。なお、基金で賄われる放射性廃棄物管理費用には、放射性廃棄物の輸送、中間貯蔵、処分場の建設・操業・閉鎖の費用が含まれます。 |
- | ドイツでは、放射性廃棄物管理費用の確保に関する公的な基金制度はありません。このため、原子力発電事業者などは、原子炉の廃止措置のための費用や、全ての放射性廃棄物の管理のために発生する将来費用を引当金として確保しています。 | + | <WRAP clear/> |
- | ただし、資金確保制度のあり方については、「脱原子力に係る資金確保に関する検討委員会」が2015年10月に設置され検討が行われています。同委員会は、2016年1月までに検討結果を勧告として取りまとめ政府に提出する予定です。 | + | |
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- | 連邦経済エネルギー省(BMWi)が会計監査法人に委託し集計した結果によると、2015年8月現在で事業者によって引当金として確保されている資金の総額は約383億ユーロ(約5兆1, | + | |
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====== 5.2 処分費用の見積もり ====== | ====== 5.2 処分費用の見積もり ====== | ||
- | 連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が2015年に公表した見積りによると、発熱性放射性廃棄物処分場の建設・操業・閉鎖に係る費用は、約77億ユーロ(約1兆円)です。このうち、処分場の建設の費用が約39 億ユーロ(約5,200億円)、操業の費用が約34億ユーロ(約4,600億円)、閉鎖の費用が約4億ユーロ(約500億円)となっています。 | + | 連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が2015年に公表した見積りによると、発熱性放射性廃棄物処分場の建設・操業・閉鎖に係る費用は、約77億ユーロ(約8,800億円)です。このうち、処分場の建設の費用が約39億ユーロ(約4,400億円)、操業の費用が約34億ユーロ(約3,900億円)、閉鎖の費用が約4億ユーロ(約460億円)となっています。 |
- | また、サイト選定法に基づくサイト選定のための費用は、20億ユーロ(約2, | + | また、サイト選定法に基づくサイト選定のための費用は、20億ユーロ(約2, |
hlw/de/chap5.txt · 最終更新: 2018/05/02 16:50 by sahara.satoshi