諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:de:chap4 [2017/05/06 13:33] – [高レベル放射性廃棄物処分委員会] ss12955jphlw:de:chap4 [2017/05/06 13:52] ss12955jp
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   * サイト選定手続に係る組織と手続き、代替な検討の要件の提案   * サイト選定手続に係る組織と手続き、代替な検討の要件の提案
   * 公衆参加及び公衆への情報提供、透明性確保のための要件の提案   * 公衆参加及び公衆への情報提供、透明性確保のための要件の提案
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 +[imagebox1{{ :hlw:de:地球科学的な除外基準と最低要件.png?300|地球科学的な除外基準と最低要件|}}]
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 +高レベル放射性廃棄物処分委員会は、約2年間の検討結果をとりまとめ、2016年7月に同委員会の勧告を含む最終報告書を連邦政府、連邦議会に提出しました。最終報告書では、放射性廃棄物の処分方法について、意思決定の可逆性及び定置された廃棄物の回収可能性を考慮した地層処分を勧告しています。また、サイト選定基準として、以下などの基準・要件を提案しています。
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 +  * 地球科学的な除外基準・最低要件(右表参照)
 +  * 地球科学的な評価基準
 +  * 地域計画に関する評価基準
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 +これらの基準・要件は、サイト選定の各段階での絞り込み手続きに適用されます。
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 +また、高レベル放射性廃棄物処分委員会は、サイト選定手続きにおける公衆参加の枠組みとして、連邦レベルで社会諮問委員会、地域横断レベルで地域代表者専門会議、地域レベルで地域会議を設置することを提案しています。これらの組織は、地元住民がサイト選定の早期から対話に参加し、サイト選定における決定に関与することを実現するための広範な枠組みとして設置することが提案されています。
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 +<WRAP clear/>
  
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 <WRAP rss right 300px> <WRAP rss right 300px>
-{{:hlw:de:bulletin19790828.png?180&nolink|連邦と州首相のバックエンド決議(1979.9.28)}}\\+{{:hlw:de:bulletin19790828.png?120&nolink|連邦と州首相のバックエンド決議(1979.9.28)}}\\
 **連邦と州首相のバックエンド決議(1979.9.28)**\\ **連邦と州首相のバックエンド決議(1979.9.28)**\\
 <fs 90%>この決議文書では、ニーダーザクセン州が核燃料サイクル・バックエンドセンターをゴアレーベンに誘致する提案をしたことについて、連邦政府及び全州の首相からの感謝の意が述べられました。同決議には、ゴアレーベンの岩塩ドームについて、処分場としての適性を調査し、それが明らかとなった場合には、ニーダーザクセン州が許可を発給する意向であることも述べられ、1990年代末には処分場の操業を開始できるという見通しが示されていました。</fs> <fs 90%>この決議文書では、ニーダーザクセン州が核燃料サイクル・バックエンドセンターをゴアレーベンに誘致する提案をしたことについて、連邦政府及び全州の首相からの感謝の意が述べられました。同決議には、ゴアレーベンの岩塩ドームについて、処分場としての適性を調査し、それが明らかとなった場合には、ニーダーザクセン州が許可を発給する意向であることも述べられ、1990年代末には処分場の操業を開始できるという見通しが示されていました。</fs>
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-{{:hlw:de:ptb1983-report.png?180&nolink|ゴアレーベンのサイト調査の総括的中間報告書(PTB,1983年)}}\\ +{{:hlw:de:ptb1983-report.png?120&nolink|ゴアレーベンのサイト調査の総括的中間報告書(PTB,1983年)}}\\ 
 ゴアレーベンのサイト調査の総括的中間報告書\\ ゴアレーベンのサイト調査の総括的中間報告書\\
 <fs 90%>1983年に、当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)は、ゴアレーベンが処分場の建設地として適切であると評価しました。</fs> <fs 90%>1983年に、当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)は、ゴアレーベンが処分場の建設地として適切であると評価しました。</fs>
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 <WRAP round box> <WRAP round box>
 {{:wiki:付箋ポイント.png?100&nolink|ポイント}} {{:wiki:付箋ポイント.png?100&nolink|ポイント}}
-  * ドイツでは処分場の立地自治体等に対する制度化された地域振興方策はありません。ただし、処分場候補サイトとしてサイト特性調査が進められてきたゴアレーベンに関しては、過去に、連邦と州の協定により、連邦政府から関係自治体の地域振興のための補助金支払いが行われていました。+  * ドイツでは処分場の立地自治体等に対する制度化された地域振興方策はありません。ただし、処分場候補サイトとしてサイト特性調査が進められてきたゴアレーベンに関しては、過去に、連邦と州の協定により、連邦政府から関係自治体の地域振興のための補助金支払われていました。
   * また、すでに立地が決定している、低中レベル放射性廃棄物に相当する非発熱性放射性廃棄物の処分場であるコンラッド処分場の場合には、連邦と州、地元自治体の取り決めに基づき財団が設置され、事業者と連邦が地域振興を目的とした資金提供を行っています。   * また、すでに立地が決定している、低中レベル放射性廃棄物に相当する非発熱性放射性廃棄物の処分場であるコンラッド処分場の場合には、連邦と州、地元自治体の取り決めに基づき財団が設置され、事業者と連邦が地域振興を目的とした資金提供を行っています。
 </WRAP> </WRAP>
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 第1回目の協定は1979年2月に結ばれ、1979年から10年間にわたって合計3.2億マルク(1979年当時の日本円にして約440億円)の補助金が連邦政府から州政府に支払われました。 第1回目の協定は1979年2月に結ばれ、1979年から10年間にわたって合計3.2億マルク(1979年当時の日本円にして約440億円)の補助金が連邦政府から州政府に支払われました。
  
-第2回目の協定は1990年3月に締結され、1990年から6年間で総額9,000万マルク(1990年当時の日本円で約80億円)を支払う取り決めがなされました。2回目の協定による補助金の支払いは、最初の2年間で中断されました。+第2回目の協定は1990年3月に締結され、1990年から6年間で総額9,000万マルク(1990年当時の日本円で約80億円)を支払う取り決めがなされました。2回目の協定による補助金の支払いは、処分場計画に反対する州が受け取りを拒否したため、最初の2年間で中断されました。
  
-これらの補助金は法令に基づく制度的なものではないため、州を通じて支払いを受けた地元の郡及び自治体には、使途についての報告義務はありません。郡に支給された補助金については、防災関連の支出のほか、観光振興のための特別プログラムや名所・旧跡のための特別プログラムに対する支援、道路、公会堂や保養センター等の公共施設の建設等が主な使途として報告されています。 +これらの補助金は法令に基づく制度的なものではないため、州を通じて支払いを受けた地元の郡及び自治体には、使途についての報告義務はありません。支給された補助金については、防災関連の支出のほか、観光振興のための特別プログラムや名所・旧跡のための特別プログラムに対する支援、道路、公会堂や保養センター等の公共施設の建設等が主な使途として報告されています。
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-<WRAP clear></WRAP>+
  
 +<WRAP clear/>
  
 ===== コンラッド処分場における地域振興の枠組み ===== ===== コンラッド処分場における地域振興の枠組み =====
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-<WRAP clear></WRAP>+===== 高レベル放射性廃棄物処分委員会の勧告 ===== 
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 +高レベル放射性廃棄物処分委員会は、2016年7月に公表した最終報告書において、処分場の影響を受ける地域に対し、処分場の建設と廃棄物の輸送に伴って生じる負担に対する持続的な補償を行うことが必要であるとしています。同委員会は、地域ごとの補償内容に関する戦略を策定し、連邦政府と処分場サイトが存在する地方自治体が協定を結ぶことで実施することを勧告しています。 
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hlw/de/chap4.txt · 最終更新: 2018/05/02 16:37 by sahara.satoshi