hlw:de:chap2
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hlw:de:chap2 [2014/02/18 15:31] – [ドイツ北部における岩塩の分布] sahara.satoshi | hlw:de:chap2 [2017/05/23 19:29] – 外部編集 127.0.0.1 | ||
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
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- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み]]</ |
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- | 使用済燃料は右図に示したような複合構造の「Polluxキャスク」に収納して処分する方法が検討されています。この方法では、原子炉から取り出した使用済燃料集合体を解体し、燃料棒だけをPolluxキャスクに収納します。1999年にゴアレーベンにパイロット・コンディショニング施設が建設され、Polluxキャスクへの収納が試験的に実施されています。ただし、処分前の工程が複雑で時間もかかるため、代替の処分形態の検討も進められています。 | + | 使用済燃料は右図に示したような複合構造の「Polluxキャスク」に収納して処分する方法が検討されています。この方法では、原子炉から取り出した使用済燃料集合体を解体し、燃料棒だけをPolluxキャスクに収納します。1999年にパイロット・コンディショニング施設がゴアレーベンに建設されており、燃料棒のPolluxキャスクへの封入試験が行われる予定です。 |
またガラス固化体は、処分用のキャスクに収納して処分する方法が検討されています。 | またガラス固化体は、処分用のキャスクに収納して処分する方法が検討されています。 | ||
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+ | (1999年にゴアレーベンに建設) | ||
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(1999年にゴアレーベンに建設) | (1999年にゴアレーベンに建設) | ||
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===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ||
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+ | ドイツでは2013年に新たに制定された法律「サイト選定法」に基づき、サイト選定手続をやり直すことが決まっており、処分場サイトの母岩についても再検討することになっています。従来は、主に岩塩層における処分概念の検討が進められていました。 | ||
- | ドイツでは2013年に新たに制定された法律「サイト選定法」に基づき、サイト選定手続をやり直すことになり、処分場を設置する母岩種類についても再検討することになっています。 | ||
右の図は1979年~2011年までサイト特性調査が行われていたゴアレーベンでの処分概念を示したものです。地下840mの深さの岩塩ドームの中に処分坑道をレイアウトしており、その面積は約3km< | 右の図は1979年~2011年までサイト特性調査が行われていたゴアレーベンでの処分概念を示したものです。地下840mの深さの岩塩ドームの中に処分坑道をレイアウトしており、その面積は約3km< | ||
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- | <WRAP rss right 300px> | + | [48%{{ :hlw:de:design-variation.png|定置方式のバリエーション| |
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- | ゴアレーベンでは、放射性廃棄物をキャスク等の金属製容器の人工バリアで包んだ上で、岩塩層という地質構造を天然バリアとして利用する多重バリアシステムの適用が検討されてきました。定置方式は、廃棄物の種類などによって2 通りが考えられています。下図の左側は処分坑道横置き方式、右側は処分孔縦置き方式のイメージを示したものです。廃棄物の定置後に残る空間は、砕いた岩塩で埋め戻されます。 | + | ゴアレーベンでは、放射性廃棄物をキャスク等の金属製容器の人工バリアで包んだ上で、岩塩層という地質構造を天然バリアとして利用する多重バリアシステムの適用が検討されてきました。定置方式は、廃棄物の種類などによって2通りが考えられています。右図は処分坑道横置き方式と処分孔縦置き方式のイメージを示したものです。廃棄物の定置後に残る空間は、砕いた岩塩で埋め戻されます。 |
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==== ドイツ北部における岩塩の分布 ==== | ==== ドイツ北部における岩塩の分布 ==== | ||
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+ | }}] | ||
- | \\ | + | 放射性廃棄物を隔離する上で天然バリアが最も重要な役割を果たすとの考えから、1970年代から岩塩層での処分可能性が注目されました。ドイツでは、岩塩の採掘経験が100年以上あり、その特性が良く知られていました。ドイツの岩塩層では特別な支保なしで数十年間自立する地下空間を掘削できること、長期的には自然の働きで開削空間が閉じられていくこと(クリープ現象)が確認されています。また、岩塩は熱伝導度が高く、廃棄物から発生した熱を周囲に逃がすことができるため、発熱性放射性廃棄物に適していると考えられていました。 |
- | {{: | + | |
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- | <fs 90%>北部ドイツには地中で大きく盛り上がった形に発達した岩塩ドームと、枕のような構造の岩塩鉱床が数多く分布しています。</ | + | <fs 90%> |
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- | 放射性廃棄物を隔離する上で天然バリアが最も重要な役割を果たすとの考えから、1970年代から岩塩層での処分可能性が注目されました。ドイツでは、岩塩の採掘経験が100年以上あり、その特性が良く知られていました。ドイツの岩塩層では特別な支保なしで数十年間自立する地下空間を掘削できること、長期的には自然の働きで開削空間が閉じられていくこと(クリープ現象)が確認されています。また、岩塩は熱伝導度が高く、廃棄物から発生した熱を周囲に逃がすことができるため、発熱性放射性廃棄物に適していると考えられていました。 | + | |
ドイツ北部のゴアレーベンでは、最終処分地としての適性確認を目的とした地下探査活動が1979年から続けられてきました。ゴアレーベンの地表から約260mより深い部分には「岩塩ドーム」が形成されています。岩塩自体は約2億6千万年前に出来たものです。この岩塩層の上部に堆積した地層との比重差によって、長い年月をかけてドーム状に盛り上がって形成された構造です。ゴアレーベンの岩塩ドームの規模は長さ約14km、幅が最大約4kmあり、岩塩層は一番深いところでは地下約3, | ドイツ北部のゴアレーベンでは、最終処分地としての適性確認を目的とした地下探査活動が1979年から続けられてきました。ゴアレーベンの地表から約260mより深い部分には「岩塩ドーム」が形成されています。岩塩自体は約2億6千万年前に出来たものです。この岩塩層の上部に堆積した地層との比重差によって、長い年月をかけてドーム状に盛り上がって形成された構造です。ゴアレーベンの岩塩ドームの規模は長さ約14km、幅が最大約4kmあり、岩塩層は一番深いところでは地下約3, | ||
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===== ゴアレーベンでの探査活動の現状 ===== | ===== ゴアレーベンでの探査活動の現状 ===== | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | ゴアレーベンの地下探査活動は、連邦政府の1998年からの脱原子力政策の影響を受けて、2000年10月から10年間にわたり、新規の活動が凍結されていました。凍結解除後の2010年11月から、探査の目的を処分場としての適性確認に改め、探査活動が再開されました。しかし、サイト選定手続きを見直す方針となったことから、2012年11月にゴアレーベンでの探査活動の一時停止が決定されました。その後、2013年7月に施行された新たな法律「サイト選定法」により、探査は一旦終了しました。 |
- | {{: | + | |
- | + | ||
- | <fc # | + | |
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- | ゴアレーベンの地下探査活動は、連邦政府の1998年からの脱原子力政策の影響を受けて、2000年10月から10年間にわたり、新規の活動が凍結されていました。凍結解除後の2010年11月から、探査の目的を処分場としての適性確認に改め、探査活動が再開されました。しかし、サイト選定手続きを見直す方針となったことから、2012年11月にゴアレーベンでの探査活動の一時停止が決定されました。その後、2013年7月施行となった新たな法律「サイト選定法」により、探査は一旦終了することになりました。 | + | |
- | サイト選定法では、ゴアレーベンは以下の場合には検討対象から除外されるとして、他の候補サイトと同列に扱うことを規定しています。 | + | サイト選定法では、ゴアレーベンは次の場合には検討対象から除外されるとして、他の候補サイトと同列に扱うことを規定しています。 |
*検討対象となるサイト地域に含まれない場合 | *検討対象となるサイト地域に含まれない場合 | ||
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したがって、ゴアレーベンが同法に基づく今後の手続きで改めて探査サイトとして指定されるまで、同地での探査は実施されません。 | したがって、ゴアレーベンが同法に基づく今後の手続きで改めて探査サイトとして指定されるまで、同地での探査は実施されません。 | ||
- | 右の図は、ゴアレーベンの地下探査坑道の概観を示したものです。ゴアレーベンの岩塩ドームには2本の立坑(933mと840m)が掘削されており、処分予定深度とされていた840mに探査用の水平坑道(総延長約7km)が展開されています。 | + | [48%{{ : |
+ | <fc #080>ゴアレーベン・サイトの概観</ | ||
+ | <fs 70%> | ||
+ | }}] | ||
- | これまでの探査活動は処分事業の実施主体であるBfSの委託を受けて、ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が中心となって実施していました。なお、こうした探査活動自体は、連邦鉱山法に基づく規制下で行われ、原子力法に基づく許可は必要とされていません。 | + | 右の図は、ゴアレーベンの地下探査坑道の概観を示したものです。ゴアレーベンの岩塩ドームには2本の立坑(933mと840m)が掘削されており、処分予定深度とされていた840mに探査用の水平坑道(総延長約7km)が展開されています。 |
+ | これまでの探査活動は処分事業の実施主体であるBfSの委託を受けて、ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が中心となって実施していました。なお、こうした探査活動自体は、連邦鉱山法に基づく規制下で行われていました。こうした探査活動自体は、連邦鉱山法に基づく規制下で行われていました。 | ||
+ | なお、2013年7月に制定されたサイト選定法によるゴアレーベンでの探査終了を受け、地下探査坑道は一部を除き閉鎖されることが決まっています。 | ||
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<WRAP rss right box 320px> | <WRAP rss right box 320px> | ||
- | **[1] BMU** \\ 処分事業を管轄する連邦官庁である「BMU」は、2013年9月の総選挙後の同年12月に発足した新政権での省庁改編により、以下の通り名称が変更となりました。本冊子では、過去の事業については旧名称を、現状ならびに今後の動きについては新名称を用いています。(略称はBMUのままです。) | + | **[1] BMUB** \\ 2013年9月の総選挙後の同年12月に発足した新政権での省庁改編により、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)が「連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省」(BMUB)に名称が変わりました。 |
- | |旧名称|連邦環境・自然保護・原子炉安全省 | + | |<fs 90%>旧名称</fs>|<fs 90%>連邦環境・自然保護・原子炉安全省</ |
- | |新名称|連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省 | + | |<fs 90%>新名称</fs>|<fs 90%>連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省</ |
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- | ドイツでは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMU)のもと、連邦放射線防護庁(BfS)が実施主体として処分事業に携わります。従来、処分場の設置・操業に関する許認可手続は州当局の所管でしたが、2014年に新たに、BMU[1]の下に処分の専門官庁「連邦放射性廃棄物処分庁」が設置され、今後はこの連邦官庁が、サイト選定手続きの管理からサイト決定後の設置・操業・閉鎖に至るまでの規制を一貫して担うことになります。 | + | ドイツでは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)のもと、連邦放射線防護庁(BfS)が実施主体として処分実施主体として事業に携わってきました。しかし、2016 年に法改正が行われ、実施主体として**連邦放射性廃棄物機関(BGE)**が設置されることになっています。 |
+ | |||
+ | また、従来、処分場の設置・操業に関する許認可手続は州当局の所管でしたが、2014年に新たに、BMUB[1]の下に放射性廃棄物処分に関する規制機関として「連邦放射性廃棄物処分庁」(BfE)が設置され、今後はこの連邦官庁が、サイト選定手続きの管理からサイト決定後の設置・操業・閉鎖に至るまでの規制を一貫して担うことになります。 | ||
+ | なお、BfE の組織名称は、2016 年に法改正により「連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)」に変更されています。 | ||
<WRAP clear></ | <WRAP clear></ | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | [48%{{ : |
- | {{: | + | <fc # |
- | <fc # | + | (2013 年サイト選定法以降の計画) |
- | </ | + | }}] |
- | 2013年に公布された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)では、はじめに「高レベル放射性廃棄物処分委員会」を設置して、処分概念やサイト選定に関する基準や選定手続きのありかたを検討することが求められています。現在、同委員会の設置に向けた準備が進められています。 | + | 2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)では、はじめに「高レベル放射性廃棄物処分委員会」を設置して、処分概念やサイト選定に関する基準や選定手続きのありかたを検討することが求められています。現在、同委員会の設置に向けた準備が進められています。 |
+ | この委員会は2014年5月に正式に発足し、2016年6月末に検討結果をまとめた報告書を連邦議会・政府に提出しました。サイト選定基準等 | ||
+ | は連邦法として確定される予定です。サイト選定法に示されている今後のスケジュールの概要は以下の通りです。 | ||
- | 高レベル放射性廃棄物処分委員会は、2015年末までに検討結果をまとめた報告書を議会・政府に提出することになっており、これをもとに選定基準等が連邦法として確定される予定です。 | ||
- | |||
- | サイト選定法に示されているスケジュールの概要は以下の通りです。 | ||
- | |||
- | * 2015年末までに高レベル放射性廃棄物処分委員会最終報告提出 | ||
* 2023年末までに地下探査対象となる複数の候補サイトを選定(連邦法として確定) | * 2023年末までに地下探査対象となる複数の候補サイトを選定(連邦法として確定) | ||
* 2031年末までに処分場サイトを決定(連邦法として確定) | * 2031年末までに処分場サイトを決定(連邦法として確定) | ||
- | |||
- | |||
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- | /* ==== 2013年版 ========================================================== | ||
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- | ===== 処分事業の実施計画 ===== | ||
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- | <WRAP rss right 350px> | ||
- | {{: | ||
- | <fc # | ||
- | </ | ||
- | |||
- | |||
- | 処分事業を管轄する連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)及び処分実施主体の連邦放射線防護庁(BfS)は、ゴアレーベンでの探査活動の再開に向けて、2010年3月に今後のスケジュール案を公表しました。今後の実施予定について、以下のような考えを紹介しています。 | ||
- | |||
- | * BMUが策定中の「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」のゴアレーベン・サイトへの適用について、ニーダーザクセン州を含む各州の合意を得て、探査活動を再開 | ||
- | * 探査活動再開までに得られたデータ及び知見を基に、2012年末までに予備的安全評価を行い、2013年前半に評価結果及び処分概念について国際ピアレビューを実施 | ||
- | * 探査の結果等から最終処分サイトとしての適性が確認された場合、2017年頃から原子力法に基づく計画確定手続(許認可手続)を開始 | ||
- | |||
- | BMUは、上記のスケジュールに沿って許認可手続き及び処分場建設を進めた場合、処分場の操業開始は2035年頃になる見込みとしています。 | ||
- | |||
- | 2010年9月に、BMUと州政府はゴアレーベンへの安全要件の適用について協議しましたが、安全要件に幾つかの課題があることから協議を継続することとし、並行して安全要件の一部を見直すことになりました。なお、ゴアレーベンでの探査活動については、許認可当局であるニーダーザクセン州により連邦鉱山法上の許認可が発給したことを受け、2010年11月に再開していました。その後、2012年11月に探査活動は一時停止されることが決定しました。 | ||
<WRAP clear></ | <WRAP clear></ | ||
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- | ==== 計画確定手続き ==== | ||
- | <WRAP rss right 350px> | ||
- | {{: | ||
- | <fc # | ||
- | </ | ||
- | ドイツでは、処分場建設のためには「計画確定」と呼ばれる手続が必要となっています。計画確定とは、さまざまな分野、段階に及ぶプロジェクトについての許認可を個々の規制法毎に個別に許認可を発給するのではなく、一つの計画確定の声明によって、各法の要求を踏まえた上での事業承認を与える許認可の仕組みです。計画確定を行うための手続きは、行政手続法で定められています。 | ||
- | |||
- | 原子力法では、放射性廃棄物の処分場の建設に当たって、計画確定の手続きを行うことが必要となっており、この手続きの中で、環境適合性審査を行うことを義務づけています。 | ||
- | |||
- | 計画確定を所管する当局は、放射性廃棄物処分場の場合には、州の環境省であり、ゴアレーベンの場合にはニーダーザクセン州環境省です。 | ||
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- | ==== 2013年版 ============================================================== */ | ||
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- | <WRAP clear></ | ||
- | \\ | ||
{{anchor: | {{anchor: | ||
====== 2.2 研究開発・技術開発 ====== | ====== 2.2 研究開発・技術開発 ====== | ||
行 232: | 行 191: | ||
<WRAP round box> | <WRAP round box> | ||
{{: | {{: | ||
- | * 放射性廃棄物の最終処分のための研究開発は、地層処分事業の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)及び契約により実質的な作業をしているドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が行っています。 | + | * 放射性廃棄物の最終処分のための研究開発は、地層処分事業の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)及び契約により実質的な作業をしているドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が行ってきました。 |
* 地層処分の研究は、地質関係の研究所である連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)のほか、国立の3研究所、施設・原子炉安全協会(GRS)等の機関によっても進められています。 | * 地層処分の研究は、地質関係の研究所である連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)のほか、国立の3研究所、施設・原子炉安全協会(GRS)等の機関によっても進められています。 | ||
</ | </ | ||
行 239: | 行 198: | ||
===== 研究機関 ===== | ===== 研究機関 ===== | ||
- | 地層処分に関する研究開発は、サイト候補地として地下探査も行われてきたゴアレーベンを中心とする調査と、より一般的な調査・研究とに分けられます。ゴアレーベンに関わる調査・研究は、実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)及び同庁との契約により実質的な実施主体としての作業を担当しているドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が行っています。 | + | 地層処分に関する研究開発は、サイト候補地として地下探査も行われてきたゴアレーベンを中心とする調査と、より一般的な調査・研究とに分けられます。ゴアレーベンに関わる調査・研究は、実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)及び同庁との契約により実質的な実施主体としての作業を担当しているドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が行ってきました。 |
+ | ゴアレーベンの岩塩ドームにおける地下探査坑道は、実質的に地下研究所としての機能を果たしてきたと言えます。 | ||
一方、一般的な調査・研究は各種機関がそれぞれの専門領域の研究活動を行っています。中心的な機関としては、地質関係の研究所である連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)、その他ユーリッヒ、カールスルーエ、ロッセンドルフの各国立研究所(FZJ、FZK、FZR)、施設・原子炉安全協会(GRS)、大学研究室等が挙げられます。 | 一方、一般的な調査・研究は各種機関がそれぞれの専門領域の研究活動を行っています。中心的な機関としては、地質関係の研究所である連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)、その他ユーリッヒ、カールスルーエ、ロッセンドルフの各国立研究所(FZJ、FZK、FZR)、施設・原子炉安全協会(GRS)、大学研究室等が挙げられます。 | ||
行 246: | 行 206: | ||
===== 研究計画 ===== | ===== 研究計画 ===== | ||
- | ゴアレーベン・プロジェクトについては、1977年7月に当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)により、ゴアレーベン最終処分場開発・調査計画が開始されましたが、その概要は、PTBとの契約により作業を行っていたドイツ核燃料再処理会社(DWK)の報告書にまとめられています。 | + | ドイツにおける地層処分に関する研究開発については、サイト固有のものとサイトに依存しない基礎研究とが存在しています。サイトに固有の研究開発については、ゴアレーベンにおいて行われてきましたが、2013年7月のサイト選定により新たにサイト選定が行われることになったため、現在は行われていません。 |
- | + | ||
- | また、基礎研究は連邦経済・エネルギー省(BMWi)、連邦教育・研究省(BMBF)を中心として行われています。高レベル放射性廃棄物の処分に関しては、処分対象として考えられていた岩塩の他に結晶質岩及び堆積岩、そして岩種に依存しない研究も行われています。 | + | |
+ | また、サイトに依存しない基礎研究は、連邦経済・エネルギー省(BMWi)、連邦教育・研究省(BMBF)を中心として行われています。高レベル放射性廃棄物の処分に関しては、処分対象として考えられていた岩塩の他に結晶質岩及び堆積岩、そして岩種に依存しない研究も行われています。 | ||
===== 地下研究所 ===== | ===== 地下研究所 ===== | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | 1965年に、放射性廃棄物の最終処分に関する調査・研究を実施するために、かつては岩塩鉱山であったアッセⅡ研究鉱山を当時の放射線・環境協会(GSF)(現在のミュンヘン・ヘルムホルツセンター)が取得しました。ここで1967年から77年まで中低レベル放射性廃棄物の試験的な処分が行われましたが、その後は高レベル放射性廃棄物の岩塩層への処分等に関する地下研究所となりました。 |
- | {{: | + | |
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- | 1965年に、放射性廃棄物の最終処分に関する調査・研究を実施するために、かつては岩塩鉱山であったアッセⅡ研究鉱山を当時の放射線・環境協会(GSF)(現在のミュンヘン・ヘルムホルツセンター)が取得しました。ここで1967年から77年まで中低レベル放射性廃棄物の試験的な処分が行われましたが、その後は高レベル放射性廃棄物の岩塩層への処分等に関する地下研究所となりました。 | + | |
現在はアッセⅡ研究鉱山の研究所としての機能は実質的に終了しています。2009年1月からは、連邦放射線防護庁(BfS)が同鉱山の閉鎖に向けた手続きを実施主体として進めています。 | 現在はアッセⅡ研究鉱山の研究所としての機能は実質的に終了しています。2009年1月からは、連邦放射線防護庁(BfS)が同鉱山の閉鎖に向けた手続きを実施主体として進めています。 | ||
行 273: | 行 225: | ||
- | + | <WRAP clear/> | |
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行 283: | 行 234: | ||
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- | {{: | + | {{: |
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み]]</ |
</ | </ | ||
hlw/de/chap2.txt · 最終更新: 2018/05/02 16:20 by sahara.satoshi