hlw:ch:prologue
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
両方とも前のリビジョン前のリビジョン次のリビジョン | 前のリビジョン次のリビジョン両方とも次のリビジョン | ||
hlw:ch:prologue [2013/05/20 15:12] – 外部編集 127.0.0.1 | hlw:ch:prologue [2017/05/06 10:57] – 外部編集 127.0.0.1 | ||
---|---|---|---|
行 1: | 行 1: | ||
- | ~~bc: | + | ~~ShortTitle: |
<WRAP pagetitle> | <WRAP pagetitle> | ||
==HLW: | ==HLW: | ||
行 31: | 行 31: | ||
<WRAP round box> | <WRAP round box> | ||
- | ポイント | + | {{: |
* 高レベル放射性廃棄物を含む全ての放射性廃棄物を、長期安全性と回収可能性を融合させた「**監視付き長期地層処分**」の概念に基づいて設計する処分場で処分することを法律で定めています。 | * 高レベル放射性廃棄物を含む全ての放射性廃棄物を、長期安全性と回収可能性を融合させた「**監視付き長期地層処分**」の概念に基づいて設計する処分場で処分することを法律で定めています。 | ||
</ | </ | ||
行 38: | 行 38: | ||
=====原子力エネルギー政策の動向===== | =====原子力エネルギー政策の動向===== | ||
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 320px> |
**[1] 連邦評議会とは? | **[1] 連邦評議会とは? | ||
</ | </ | ||
- | 全国4カ所の原子力発電所に建設された5基の原子炉は、1969年から1984年にかけて運転を開始しました。その内訳は沸騰水型原子炉(BWR)が2基、加圧水型原子炉(PWR)が3基です。2003年に制定された原子力法(2005年2月施行)は、新規原子炉の導入凍結を解除するとともに、原子炉の運転期限の制限を撤廃していました。しかし、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故後に連邦評議会[1]は政策を転換し、原子炉が安全に運転可能な期間を50年とし、その期間が到達した原子炉を順次停止し、リプレースは行わないとする「エネルギー戦略2050」を閣議決定しました。また議会は、原子炉の新設を禁止する動議を2011年12月に可決しています。これらを受けて、政府は同戦略の実施に向けた法案を準備しており、2013年半ばに議会への提出を見込んでいます。 | + | 全国4カ所の原子力発電所に建設された5基の原子炉は、1969年から1984年にかけて運転を開始しました。その内訳は沸騰水型原子炉(BWR)が2基、加圧水型原子炉(PWR)が3基です。2003年に制定された原子力法(2005年2月施行)は、新規原子炉の導入凍結を解除するとともに、原子炉の運転期限の制限を撤廃していました。 |
+ | しかし、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故後に連邦評議会[1]は「エネルギー戦略2050」を閣議決定し、既設5基が営業運転を終了した以降はリプレースせず、段階的に原子力発電から撤退する方針に転換しました。連邦議会は2012年12月に原子炉の新設を禁止する動議を可決しています。 | ||
+ | 政府は同戦略に基づくエネルギー構造改革に向けた法案を2013年9月に連邦議会へ提出していますが、原子炉の運転寿命を巡って政党間で対立があり、法案の成立は早くとも2016年と見込まれています。 | ||
<WRAP clear></ | <WRAP clear></ | ||
+ | |||
===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)===== | ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)===== | ||
- | <WRAP rss right 350px> | + | <WRAP rss right 320px> |
- | {{: | + | {{: |
- | {{popup>: | + | <fc #080> |
+ | <fs 70%> | ||
</ | </ | ||
- | スイスでは、原子力発電から発生する使用済燃料は、各発電会社が個別に外国(フランスと英国)の会社と委託契約を結ぶことにより、再処理を実施してきました。しかし、原子力法により、2006年7月以降10 年間にわたり再処理を目的とした使用済燃料の輸出を禁止しています。このため現在は、燃料プールで使用済燃料を数年間冷却した後、所内または所外の中間貯蔵施設で中間貯蔵しています。 | + | スイスでは、原子力発電から発生する使用済燃料は、各発電会社が個別に外国(フランスと英国)の会社と委託契約を結ぶことにより、再処理を実施してきました。しかし、原子力法により、2006年7月以降10年間にわたり再処理を目的とした使用済燃料の輸出を禁止しています。このため現在は、燃料プールで使用済燃料を数年間冷却した後、所内または所外の中間貯蔵施設で中間貯蔵しています。 |
- | 発電所外の中間貯蔵施設には、原子力発電所を保有する4社が出資して建設されたヴュレンリンゲン中間貯蔵施設(ZWILAG、2001年操業開始)があります。この施設では、使用済燃料(乾式キャスク貯蔵)のほか、外国での再処理に伴って返還されるガラス固化体や他の放射性廃棄物を貯蔵しています。 | + | 発電所外の中間貯蔵施設には、原子力発電所を保有する4社が共同出資して建設したヴュレンリンゲン放射性廃棄物集中中間貯蔵施設(ZZL、2001年操業開始)があります。この施設では、使用済燃料(乾式キャスク貯蔵)のほか、外国での再処理に伴って返還されるガラス固化体や他の放射性廃棄物を貯蔵しています。 |
- | 2カ所の原子力発電所(ベツナウとゲスゲン)には所内に中間貯蔵施設があり、いずれも2008 年から使用済燃料の貯蔵を開始しました。ベツナウ中間貯蔵施設(ZWIBEZ)は乾式キャスクを用いた貯蔵方式であり、ゲスゲン原子力発電所の施設は湿式プール方式です。 | + | 2カ所の原子力発電所(ベツナウとゲスゲン)には所内に中間貯蔵施設があり、いずれも2008年から使用済燃料の貯蔵を開始しました。ベツナウ中間貯蔵施設(ZWIBEZ)は乾式キャスクを用いた貯蔵方式であり、ゲスゲン原子力発電所の施設は湿式プール方式です。 |
- | 2010年12月末時点で、スイス国内の使用済燃料貯蔵量は約1, | + | 2010年12月末時点で、スイス国内の使用済燃料貯蔵量は約1, |
行 67: | 行 71: | ||
===== 処分方針 ===== | ===== 処分方針 ===== | ||
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 320px> |
**[2] 放射性廃棄物の管理義務の履行** \\ 原子力法は、次のいずれかが満たされた場合、放射性廃棄物の管理義務が履行されたものとすると規定しています。 | **[2] 放射性廃棄物の管理義務の履行** \\ 原子力法は、次のいずれかが満たされた場合、放射性廃棄物の管理義務が履行されたものとすると規定しています。 | ||
* <fs small> | * <fs small> | ||
行 83: | 行 87: | ||
- | {{: | + | {{: |
- | + | <fc #080> | |
- | {{popup>: | + | |
<fs 70%> | <fs 70%> | ||
行 94: | 行 97: | ||
\\ | \\ | ||
- | ==== 処分方針が決定されるまでの経緯 ==== | + | ==== 処分方針が決定するまでの経緯 ==== |
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 320px> |
**[3] EKRAの勧告** \\ 2000年のEKRAの報告書の主な勧告は、次の通りです。 | **[3] EKRAの勧告** \\ 2000年のEKRAの報告書の主な勧告は、次の通りです。 | ||
* <fs small> | * <fs small> | ||
行 112: | 行 115: | ||
<WRAP clear></ | <WRAP clear></ | ||
- | <WRAP rss right box 350px> | + | <WRAP rss right box 320px> |
**[4] 処分の実現可能性実証プロジェクト** \\ スイスでは、法律等によって、国内における放射性廃棄物の処分の実現可能性の実証が求められていました。NAGRAは、結晶質岩と堆積岩に関する調査・研究を行った後、2002年12月にチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土を対象とする「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書を公表しました。処分の実現可能性が実証されたことは、2006年6月に連邦評議会によって承認されています。ただし、今後の調査の対象をチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土に絞るというNAGRAの要求は退けました。 | **[4] 処分の実現可能性実証プロジェクト** \\ スイスでは、法律等によって、国内における放射性廃棄物の処分の実現可能性の実証が求められていました。NAGRAは、結晶質岩と堆積岩に関する調査・研究を行った後、2002年12月にチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土を対象とする「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書を公表しました。処分の実現可能性が実証されたことは、2006年6月に連邦評議会によって承認されています。ただし、今後の調査の対象をチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土に絞るというNAGRAの要求は退けました。 | ||
</ | </ | ||
行 127: | 行 130: | ||
---- | ---- | ||
====== 〔参考資料〕 ====== | ====== 〔参考資料〕 ====== | ||
- | {{: | + | //{{: |
- | \\ | + | |
- | ===== エネルギー情勢 | + | ===== スイスの原子力発電利用状況 ===== |
+ | {{section>: | ||
- | {{section>: | ||
- | |||
- | {{section>: | ||
- | |||
- | {{section>: | ||
- | |||
- | |||
- | <WRAP clear></ | ||
- | \\ | ||
===== 原子力関連施設 ===== | ===== 原子力関連施設 ===== | ||
- | |||
スイスの主要な原子力関連施設の立地点 | スイスの主要な原子力関連施設の立地点 | ||
<WRAP 500px> | <WRAP 500px> |
hlw/ch/prologue.txt · 最終更新: 2018/05/02 11:40 by 127.0.0.1