諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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hlw:ch:chap6 [2017/05/10 20:08] – [特別計画「地層処分場」における 透明性確保とコミュニケーションに関する規定] ss12955jphlw:ch:chap6 [2017/05/10 20:19] – [安全性の確認と知見の蓄積] ss12955jp
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-{{:hlw:ch:opalinus-clay-core.png?300&nolink|oplinus clay}}\\ 
-<fc #080>チューリッヒ北部のベンケンで採取された\\ 
-オパリナス粘土のボーリングコアで見つかった\\ 
-アンモナイトの化石</fc>\\ 
-<fs 70%>source: NAGRA</fs> 
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 <fs 90%>「保証プロジェクト」報告書 「クリスタリン-I」報告書</fs> <fs 90%>「保証プロジェクト」報告書 「クリスタリン-I」報告書</fs>
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 スイスでは、1978年に連邦議会の「原子力法に関する連邦決議」により、原子力施設の建設許可及び運転許可の前提条件として、施設を建設しようとする者に対して、連邦評議会(内閣に相当)が発給する概要承認の取得が義務付けられました。既存の原子力発電所の運転の継続や新規発電所の認可条件として、放射性廃棄物が確実に処分可能であることが条件とされました。 スイスでは、1978年に連邦議会の「原子力法に関する連邦決議」により、原子力施設の建設許可及び運転許可の前提条件として、施設を建設しようとする者に対して、連邦評議会(内閣に相当)が発給する概要承認の取得が義務付けられました。既存の原子力発電所の運転の継続や新規発電所の認可条件として、放射性廃棄物が確実に処分可能であることが条件とされました。
  
 この「処分の実現可能性の実証」に向けて、連邦政府は1985年を期限として、実際の地質条件に基づいた、地層処分の実現可能性を評価する「保証プロジェクト」の実施をNAGRAに求めました。このプロジェクトではスイス北部の結晶質岩に注目して検討が進められました。このプロジェクト報告書を受けて、1988年に連邦評議会が示した評価では、地層処分場の建設可能性や安全性は確認されたものの、必要な大きさを備えた母岩を見つけ出せるかどうかについては立証できていないとし、堆積岩も調査対象とすることを要求しました。 この「処分の実現可能性の実証」に向けて、連邦政府は1985年を期限として、実際の地質条件に基づいた、地層処分の実現可能性を評価する「保証プロジェクト」の実施をNAGRAに求めました。このプロジェクトではスイス北部の結晶質岩に注目して検討が進められました。このプロジェクト報告書を受けて、1988年に連邦評議会が示した評価では、地層処分場の建設可能性や安全性は確認されたものの、必要な大きさを備えた母岩を見つけ出せるかどうかについては立証できていないとし、堆積岩も調査対象とすることを要求しました。
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 NAGRAは、既存の地質情報に基づきスイス全土から絞り込む形で粘土質を多く含む岩種に着目し、現地調査を行う第一優先区域として、1994年にはチューリッヒ州北部を選定しました。連邦当局の承認を得て、選定区域での3次元反射法地震探査を行うとともに、1998年からは同区域にあるベンケンという場所でボーリング調査も行われました。 NAGRAは、既存の地質情報に基づきスイス全土から絞り込む形で粘土質を多く含む岩種に着目し、現地調査を行う第一優先区域として、1994年にはチューリッヒ州北部を選定しました。連邦当局の承認を得て、選定区域での3次元反射法地震探査を行うとともに、1998年からは同区域にあるベンケンという場所でボーリング調査も行われました。
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 ジュラ東部とジュートランデンでは、地域会議が提案した地上施設の設置区域案をNAGRAが採用しました。 ジュラ東部とジュートランデンでは、地域会議が提案した地上施設の設置区域案をNAGRAが採用しました。
  
-地域会議の予算は、1つの地域会議あたり年間約50万スイスフラン(約5,650万円、1スイスフラン=113として換算)となっています。地域会議は予算案と活動費用に係る請求書を連邦エネルギー庁(BFE)へ提出し、BFEはこの予算案を承認し、係る費用をNAGRAへ請求します。この予算は地域会議の事務局の運営費のほか、広報活動や会議参加の費用などに割り当てられており、地域会議のメンバーは活動への参加に対する報酬を受け取っています。+地域会議の予算は、1つの地域会議あたり年間約50万~70万スイスフラン(約5,250~7,350円、1スイスフラン=105換算)となっています。地域会議は予算案と活動費用に係る請求書を連邦エネルギー庁(BFE)へ提出し、BFEはこの予算案を承認し、係る費用をNAGRAへ請求します。この予算は地域会議の事務局の運営費のほか、広報活動や会議参加の費用などに割り当てられており、地域会議のメンバーは活動への参加に対する報酬を受け取っています。
  
  
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hlw/ch/chap6.txt · 最終更新: 2017/05/23 19:34 by 127.0.0.1