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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
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===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ===== 処分場の概要(処分概念) ===== | ||
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- | **[6] オパリナス粘土とは… ** \\ オパリナス粘土({{popup>: | + | |
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- | NAGRAは、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場は、スイス北部の地下に分布する堆積岩「**オパリナス粘土**」[6]を母岩とする地層がある、深さ400~900mの場所に設置することを検討しています。 | + | [40%{{ : |
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- | <WRAP clear/> | + | オパリナス粘土のボーリングコアで見つかったアンモナイトの化石</ |
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+ | NAGRAは、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場は、スイス北部の地下に分布する堆積岩「**オパリナス粘土**」を母岩とする地層がある、深さ400~900mの場所に設置することを検討しています。オパリナス粘土は、約180億年前のジュラ紀に形成された堆積岩の一種です。 | ||
- | + | スイスでは「**監視付き長期地層処分**」概念に基づく処分場で処分する方針です。このため、地下には、高レベル放射性廃棄物の処分エリア、長寿命中レベル放射性廃棄物の処分エリアに加えて、**パイロット施設**が設けられます。 | |
- | NAGRAが「処分の実現可能性実証プロジェクト」で検討した地層処分場の概念を右図に示します。スイスでは「**監視付き長期地層処分**」概念に基づく処分場で処分する方針です。このため、地下には、高レベル放射性廃棄物の処分エリア、長寿命中レベル放射性廃棄物の処分エリアに加えて、**パイロット施設**が設けられます。 | + | |
パイロット施設は、少量の廃棄物を処分することにより、処分後に生じる変化や挙動をモニタリングし、予測モデルの正しさを確認したり、想定外の悪影響を早期に検出できるようにする目的で設置します。パイロット施設の設置は法律(原子力法及び同令)での要求事項となっています。 | パイロット施設は、少量の廃棄物を処分することにより、処分後に生じる変化や挙動をモニタリングし、予測モデルの正しさを確認したり、想定外の悪影響を早期に検出できるようにする目的で設置します。パイロット施設の設置は法律(原子力法及び同令)での要求事項となっています。 | ||
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==== 処分場の建設予定地の地質構造 ==== | ==== 処分場の建設予定地の地質構造 ==== | ||
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===== 処分事業の実施計画 ===== | ===== 処分事業の実施計画 ===== | ||
- | <WRAP rss right 300px> | + | 2005年2月に施行された原子力法及び同令において、原子力発電事業者は「放射性廃棄物管理プログラム」を5年ごとに作成し、規制機関の承認を受けることが義務づけられています。このプログラムは、廃棄物の種類や量、処分場建設の実施計画等を記述するものです。放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、放射性廃棄物管理プログラムを2008年10月に連邦政府に提出、2013年8月には連邦評議会が承認しました。 |
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+ | 連邦評議会はこの際に、同プログラムに沿って実施される研究開発計画、及び放射性廃棄物管理費用の見積りに関する報告書の提出に合わせ、次回の更新版のプログラムの提出を2016年にするようNAGRAに要求したことを受けて、NAGRAは2016年12月に放射性廃棄物管理プログラムの更新版を提出しました。 | ||
- | 2005年2月に施行された原子力法及び同令において、原子力発電事業者は「放射性廃棄物管理プログラム」を5年ごとに作成し、規制機関の承認を受けることが義務づけられています。このプログラムは、廃棄物の種類や量、処分場建設の実施計画等を記述するものです。放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、放射性廃棄物管理プログラムを2008年10月に連邦政府に提出、2013年8月には連邦評議会が承認しました。 | + | 2016年の廃棄物管理プログラムでは、処分場のサイト選定手続きが2031年に終了すると見込んでいます。地下特性調査施設の建設及び調査の実施後、処分場の建設を開始し、2060年頃に操業が開始される予定です。 |
- | 連邦評議会はこの際に、同プログラムに沿って実施される研究開発計画、及び放射性廃棄物管理費用の見積りに関する報告書の提出に合わせ、次回の更新版のプログラムの提出を2016年にするようNAGRAに要求しています。 | + | [{{ : |
- | 連邦エネルギー庁(BFE)は廃棄物管理プログラムのサイト選定スケジュールに関する部分が改訂されたことを2014年4月に公表しました。改訂後のスケジュールでは、サイト選定手続きが2029年に終了すると見込んでいます。地下特性調査施設の建設及び調査の実施後、処分場の建設を開始し、2060年頃に操業が開始される予定です。 | + | <fc # |
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===== 研究計画 ===== | ===== 研究計画 ===== | ||
- | 原子力令(2005年制定)において5年毎の策定が義務づけられている「放射性廃棄物管理プログラム」について、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は2008年に、第1回目のプログラムを公表しました。このプログラムの中で、処分事業の進捗の各段階で必要となる研究・開発事項などをまとめています。 | + | 原子力令(2005年制定)において5年毎の策定が義務づけられている「放射性廃棄物管理プログラム」について、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は2016年に、第2回目のプログラムを公表しました。このプログラムの中で、処分事業の進捗の各段階で必要となる研究・開発事項などをまとめています。 |
- | 原子力令の制定以前にも、NAGRAは、高レベル放射性廃棄物の処分研究に関する計画書を作成していました。1995年にNAGRAは、地質調査計画及びその実施スケジュール等も含めた「高レベル放射性廃棄物処分:目的、戦略及びタイムスケール」を公表しました。NAGRAのこれまでの研究成果は、2002年末に連邦評議会に提出された「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書に反映されています。 | + | NAGRAは、2016年12月に『スイスにおける放射性廃棄物処分のための研究・開発・実証計画書』(Nagra Technical Report 16-02)を作成しています。この計画書は「処分の実現可能性実証プロジェクト」及び連邦政府のプロジェクトに対するレビューから明らかになった課題、さらに今後5~10年に行うべき作業計画をまとめています。また、計画書の改訂を「放射性廃棄物管理プログラム」の次回更新に合わせて、2021年に予定しています。 |
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+ | なお、原子力令の制定以前にも、NAGRAは、高レベル放射性廃棄物の処分研究に関する計画書を作成していました。1995年にNAGRAは、地質調査計画及びその実施スケジュール等も含めた「高レベル放射性廃棄物処分:目的、戦略及びタイムスケール」を公表しました。NAGRAのこれまでの研究成果は、2002年末に連邦評議会に提出された「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書に反映されています。 | ||
- | またNAGRAは、2009年に「スイスにおける放射性廃棄物処分のための研究・開発・実証計画」を作成しています。同計画は「処分の実現可能性実証プロジェクト」及び連邦政府のプロジェクトに対するレビューから明らかになった課題、さらに今後5~10年に行うべき作業計画をまとめています。同計画については、「放射性廃棄物管理プログラム」の次回更新に合わせて、2016年半ばの改訂が予定されています。 | ||
===== 地下研究所 ===== | ===== 地下研究所 ===== | ||
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===<グリムゼル試験サイト>=== | ===<グリムゼル試験サイト>=== | ||
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この研究所は、1984年に放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)によって設置されました。同サイトでの調査活動には、ドイツ、フランス、日本、スペイン、スウェーデン、台湾、米国、欧州連合等の機関が参加しています。現在は長期的な実験が中心となっており、実スケールでの高レベル放射性廃棄物の定置概念の実証、及び人工バリアや周囲の岩盤における放射性核種の移行に関する実験など、処分場と同様の条件下での定置概念の現実的な実証に主眼が置かれています。 | この研究所は、1984年に放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)によって設置されました。同サイトでの調査活動には、ドイツ、フランス、日本、スペイン、スウェーデン、台湾、米国、欧州連合等の機関が参加しています。現在は長期的な実験が中心となっており、実スケールでの高レベル放射性廃棄物の定置概念の実証、及び人工バリアや周囲の岩盤における放射性核種の移行に関する実験など、処分場と同様の条件下での定置概念の現実的な実証に主眼が置かれています。 | ||
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===<モン・テリ岩盤研究所>=== | ===<モン・テリ岩盤研究所>=== | ||
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み]]</ |
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hlw/ch/chap2.txt · 最終更新: 2018/11/14 14:13 by yamamoto.keita