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hlw:ch:chap1 [2012/02/13 16:29] – [処分方針が決定されるまでの経緯] sahara.satoshi | hlw:ch:chap1 [Unknown date] (現在) – 削除 - 外部編集 (Unknown date) 127.0.0.1 | ||
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- | ポイント | ||
- | * 高レベル放射性廃棄物を含む全ての放射性廃棄物を、長期安全性と回収可能性を融合させた「**監視付き長期地層処分**」の概念に基づいて設計する処分場で処分することを法律で定めています。 | ||
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- | =====原子力エネルギー政策の動向===== | ||
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- | **[1] 連邦評議会とは? | ||
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- | 全国4カ所の原子力発電所に建設された5基の原子炉は、1969年から1984年にかけて運転を開始しました。その内訳は沸騰水型原子炉(BWR)が2基、加圧水型原子炉(PWR)が3基です。2003年に制定された原子力法(2005年2月施行)は、新規原子炉の導入凍結を解除するとともに、原子炉の運転期限の制限を撤廃していました。しかし、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故後に連邦評議会[1]は政策を転換し、原子炉が安全に運転可能な期間を50年とし、その期間が到達した原子炉を順次停止する方針を示しています。 | ||
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- | ===== 使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)===== | ||
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- | スイスでは、原子力発電から発生する使用済燃料は、各発電会社が個別に国外(フランスと英国)の会社と委託契約を結ぶことにより、再処理を実施してきました。しかし、原子力法により、2006年7月以降10年間にわたり新規の再処理契約の締結は凍結されています。この凍結以前に外国に委託した再処理に伴って返還されるガラス固化体は、スイス北部にあるヴュレンリンゲン中間貯蔵施設(ZWILAG)で貯蔵されています。 | ||
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- | 処分対象となる廃棄物の量について、2008年に放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が公表した見積りでは、国内5基の原子炉を50年間運転すると、累積で約3, | ||
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- | ===== 処分方針 ===== | ||
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- | **[2] 放射性廃棄物の管理義務の履行** \\ 原子力法は、次のいずれかが満たされた場合、放射性廃棄物の管理義務が履行されたものとすると規定しています。 | ||
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- | スイスでは、すべての放射性廃棄物を自国内で地層処分する方針です。しかし、その一方で、国際共同処分場への処分も可能としています[2]。2005年施行の原子力令において、国外での再処理委託に伴って返還されるガラス固化体に加えて、再処理しない使用済燃料も高レベル放射性廃棄物と定めています。また、地層処分場の構成として、主となる処分施設とは別に、少量の代表的な放射性廃棄物を収納して一定期間にわたりモニタリングする「パイロット施設」の設置を定めているのが特徴です。このような処分概念は「**監視付き長期地層処分**」と呼ばれています。 | ||
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- | ==== 処分方針が決定されるまでの経緯 ==== | ||
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- | **[3] EKRAの勧告** \\ 2000年のEKRAの報告書の主な勧告は、次の通りです。 | ||
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- | スイスでは、原子力分野における規制が、数多くの法令に分散していたことなどを理由として、原子力分野の法制度の刷新の必要性が認識されていました。1998年に連邦評議会は「エネルギー対話」ワーキンググループを設置し、新しい原子力法の制定に向けた検討を開始しました。このワーキンググループには、関係官庁やNAGRAに加えて、原子力発電事業者や環境団体も参加し、原子力発電の継続や再処理の実施についての議論が行われました。同ワーキンググループは、放射性廃棄物管理の問題に関して、廃棄物の回収可能性に関する検討を継続することを勧告しました。その後、連邦の環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)は、1999年に「放射性廃棄物の処分概念に関する専門家グループ」(EKRA)を設置し、技術と社会の両面から問題を検討・勧告するよう依頼しました。EKRAは2000年に最終報告書をまとめ、「監視付き長期地層処分」という概念を提案し、この概念で放射性廃棄物を処分することを法律で明確化するよう勧告しました[**3**]。 | ||
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- | EKRAは、従来の地層処分(GEL)― 保守を行なわず、回収の意志を持たずに、放射性廃棄物を生物圏から永久に隔離―する概念のほか、無期限の地層貯蔵(TDL)といった概念を比較検討しました。この結果、長期安全性と処分場からの廃棄物の回収可能性の観点を融合させ、モニタリングを積極的に組み込んだ「監視付き長期地層処分」概念(KGL)を考案しました。 | ||
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- | **[4] 処分の実現可能性実証プロジェクト** \\ スイスでは、法律等によって、国内における放射性廃棄物の処分の実現可能性の実証が求められていました。NAGRAは、結晶質岩と堆積岩に関する調査・研究を行った後、2002年12月にチュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土を対象とする「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書を公表しました。処分の実現可能性が実証されたことは、2006年6月に連邦評議会によって承認されています。ただし、今後の調査の対象を、チュルヒャー・ヴァインラントのオパリナス粘土に絞るというNAGRAの要求については、連邦評議会は退けています。 | ||
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- | EKRAの勧告を受け、処分実施主体であるNAGRAもKGL概念に基づく処分場システムの検討と安全評価を実施しました。2002年に取りまとめた「処分の実現可能性実証プロジェクト[4]」報告書において、KGL概念に基づいた高レベル放射性廃棄物の地層処分により長期安全性が確保できる見通しを明らかにしました。 | ||
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- | 連邦評議会は、原子力法制の改正準備を進め、新しい原子力法が2003年に制定され、2005年の同法の施行に合わせて、新しい原子力令を制定し、「監視付き長期地層処分」の方針が法律で明確化されました。 | ||
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- | ====== 〔参考資料〕 ====== | ||
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- | ===== エネルギー情勢 ===== | ||
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- | === 原子力発電の利用・導入状況 === | ||
- | *○稼働中の原子炉がある原子力発電所は4カ所(合計5基)、< | ||
- | *○総発電電力量 667億kWh、うち原子力は42% (2009年、IEA統計) | ||
- | *○総電力消費量 575億kWh (2009年、IEA統計) | ||
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- | ===== 原子力関連施設 ===== | ||
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- | スイスの主要な原子力関連施設の立地点 | ||
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hlw/ch/chap1.1329118186.txt.gz · 最終更新: 2012/02/13 16:29 (外部編集)