(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター

諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

Learn from foreign experience in HLW management

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sahara.satoshi [処分場の概要(処分概念)]
hlw:ca:chap2 [2018/05/02 15:13] (現在)
sahara.satoshi
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-~~bc:​2.地層処分計画と技術開発~~+~~ShortTitle:​2.地層処分計画と技術開発~~
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 ==HLW:​CA:​chap2== ==HLW:​CA:​chap2==
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   *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</​fs>​   *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</​fs>​
   *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</​fs>​   *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</​fs>​
-  *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</​fs>​+  *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</​fs>​
   *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</​fs>​   *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</​fs>​
-  *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</​fs>​ +  *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</​fs>​
-  *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</​fs>​+
 </​WRAP>​ </​WRAP>​
  
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 ====== 2.1 処分計画 ====== ====== 2.1 処分計画 ======
  
-<​WRAP ​tip round box>+<WRAP round box> 
 +{{:​wiki:​付箋ポイント.png?​100&​nolink|ポイント}}
   * カナダでは、核燃料廃棄物を、当面(60年間)は、サイト貯蔵、必要に応じて集中貯蔵を実施し、最終的には地層処分するという長期管理アプローチ「適応性のある段階的管理」(APM)に基づいて管理することとしています。   * カナダでは、核燃料廃棄物を、当面(60年間)は、サイト貯蔵、必要に応じて集中貯蔵を実施し、最終的には地層処分するという長期管理アプローチ「適応性のある段階的管理」(APM)に基づいて管理することとしています。
 </​WRAP>​ </​WRAP>​
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 ===== 地層処分対象の放射性廃棄物 ===== ===== 地層処分対象の放射性廃棄物 =====
  
-<WRAP rss right 320px> +[48%{{ :​hlw:​ca:​candu-fuel-bundle.png?​nolink|CANDU炉用の燃料集合体|
-{{:​hlw:​ca:​candu-fuel-bundle.png?​300&nolink|CANDU炉用の燃料集合体}}+
 <fc #​080>​CANDU 炉用の燃料集合体</​fc>​\\ <fc #​080>​CANDU 炉用の燃料集合体</​fc>​\\
 ○直径約0.1m、長さ約0.5m、重さ約24kg\\ ○直径約0.1m、長さ約0.5m、重さ約24kg\\
 ○酸化物セラミックペレットのウラン燃料を収納\\ ○酸化物セラミックペレットのウラン燃料を収納\\
- (1 体あたり約19kg の天然ウランを含有)\\+ (1体あたり約19kgの天然ウランを含有)\\
 <fs 70%>​(出典:NWMO 技術レポートTR-2012-01)</​fs>​ <fs 70%>​(出典:NWMO 技術レポートTR-2012-01)</​fs>​
- +}}]
-</​WRAP>​+
  
 カナダの原子力発電所で運転されている原子炉はいずれもCANDU炉と呼ばれる形式です。 カナダの原子力発電所で運転されている原子炉はいずれもCANDU炉と呼ばれる形式です。
 この炉では燃料として天然ウランを用い、長さ約50センチメートルの短尺燃料集合体を使用しています。 この炉では燃料として天然ウランを用い、長さ約50センチメートルの短尺燃料集合体を使用しています。
-既存の原子炉が予定通り運転される場合、CANDU炉から発生する使用済燃料の総数は約360万体(ウラン換算で約68,000トン)となる見込みです。+既存の原子炉が予定通り運転される場合、CANDU炉から発生する使用済燃料の総数は約460万体(ウラン換算で約87,400トン)となる見込みです。
  
-<WRAP clear></WRAP>+<WRAP clear/>
  
 <WRAP rss right 320px> <WRAP rss right 320px>
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 \\ \\
 ==== 処分場の概要(処分概念) ==== ==== 処分場の概要(処分概念) ====
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 処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、処分場の候補岩種・処分深度・処分場の規模などの具体的な処分場設計を決定していませんが、2010年5月に公表したサイト選定プロセスの最終案を示した報告書『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』では、地層処分場を約500mの深さの場所に設置することを想定しています。 処分実施主体であるカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、処分場の候補岩種・処分深度・処分場の規模などの具体的な処分場設計を決定していませんが、2010年5月に公表したサイト選定プロセスの最終案を示した報告書『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』では、地層処分場を約500mの深さの場所に設置することを想定しています。
  
-NWMOが示した地層処分概念を右図に示します。 
 使用済燃料は、特別に設計、認可された輸送容器に原子炉サイトで封入され、処分場で耐食性のある処分容器に再び封入されます。容器は定置区画まで搬送された後、岩盤に掘削された垂直または水平の処分孔内に定置され、ベントナイトにより埋め戻されます。 使用済燃料は、特別に設計、認可された輸送容器に原子炉サイトで封入され、処分場で耐食性のある処分容器に再び封入されます。容器は定置区画まで搬送された後、岩盤に掘削された垂直または水平の処分孔内に定置され、ベントナイトにより埋め戻されます。
 +
 +NWMOは、使用済燃料の処分容器として大きく2種類の予備設計を行っています。マーク1コンテナは、使用済燃料を324体収納する設計であり、重量は約23.5トンになります。小型軽量化を目指したマーク2コンテナは、使用済燃料48 体を収納する設計であり、重量は3トン未満です。
  
 使用済燃料は、地層処分の実施の全段階を通じてモニタリングされ、さらに、どの時点でも回収可能なようにされます。アクセス坑道や立坑は、自治体、NWMO、及び規制機関が適切であると合意した場合のみ埋め戻し、密封されます。 使用済燃料は、地層処分の実施の全段階を通じてモニタリングされ、さらに、どの時点でも回収可能なようにされます。アクセス坑道や立坑は、自治体、NWMO、及び規制機関が適切であると合意した場合のみ埋め戻し、密封されます。
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 ===== 処分事業の実施計画 ===== ===== 処分事業の実施計画 =====
ライン 119: ライン 118:
  
  
-<WRAP clear></WRAP>+<WRAP clear/>
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 {{anchor:​a2}} {{anchor:​a2}}
 ====== 2.2 研究開発・技術開発 ====== ====== 2.2 研究開発・技術開発 ======
  
-<​WRAP ​tip round box>+<WRAP round box> 
 +{{:​wiki:​付箋ポイント.png?​100&​nolink|ポイント}}
   * 処分の実施主体であるNWMO は、核燃料廃棄物処分の長期的アプローチとして採用された「適応性のある段階的管理」(APM)に関する段階的な方針決定をサポートするための技術的研究を進めています。技術的研究プログラムは、NWMOの他、カナダ国内の大学を含む専門技術者によって実施され、スウェーデン、フィンランド、スイス、フランスなどの海外の組織とも連携して進められています。   * 処分の実施主体であるNWMO は、核燃料廃棄物処分の長期的アプローチとして採用された「適応性のある段階的管理」(APM)に関する段階的な方針決定をサポートするための技術的研究を進めています。技術的研究プログラムは、NWMOの他、カナダ国内の大学を含む専門技術者によって実施され、スウェーデン、フィンランド、スイス、フランスなどの海外の組織とも連携して進められています。
 </​WRAP>​ </​WRAP>​
ライン 141: ライン 141:
 技術的研究プログラムはNWMOのほか、カナダ国内の大学を含む専門的な技術者によって実施され、独立技術評価グループ(ITRG)[3]により年に一度レビューされています。また、NWMOは、スウェーデン、フィンランド、スイス、フランスなどの海外の組織とも連携して研究を進めています。 技術的研究プログラムはNWMOのほか、カナダ国内の大学を含む専門的な技術者によって実施され、独立技術評価グループ(ITRG)[3]により年に一度レビューされています。また、NWMOは、スウェーデン、フィンランド、スイス、フランスなどの海外の組織とも連携して研究を進めています。
  
-<WRAP clear></WRAP>+<WRAP clear/>
  
 ===== 研究計画 ===== ===== 研究計画 =====
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 研究や技術開発に関する成果を含むNWMOの活動状況のレビューは、年次報告書と3年次報告書で行われています。 研究や技術開発に関する成果を含むNWMOの活動状況のレビューは、年次報告書と3年次報告書で行われています。
-これら2 種類の報告をNWMOが行う義務は、核燃料廃棄物法で定められています。最3年次報告書は、20082010年の活動を対象としたもので、2011年3りまとめられています。 +これら2 種類の報告をNWMOが行う義務は、核燃料廃棄物法で定められています。 
 +2017年3月に取りまとめられた2016年次報告書は、20142016年の活動を対象とした3年次報告書当たります。 
 +環境大臣は、NWMO の年次報告書に関する声明書を毎年発表しています。
  
 ===== 地下研究所 ===== ===== 地下研究所 =====
-<WRAP rss right 320px> + 
-{{:​hlw:​ca:​aecl-url.png?​200&nolink|AECLの地下研究所(URL)}}\\ +[30%{{ :​hlw:​ca:​aecl-url.png?​nolink|AECLの地下研究所(URL)| 
-<fc #​080>​AECL の地下研究所(URL)</​fc>​\\ +<fc #​080>​AECL の地下研究所(URL)</​fc>​\\ 
-2008 から閉鎖技術の実証試験などを進めつつ、閉鎖作業が開始されています。 +<fs 90%>2010に恒久的に閉鎖されました。“URL”は地下研究所の英語での略語でもありますが、この研究所の名称としても使われました。</fs> 
-</WRAP>+}}]
  
 NWMOが2002年に設置される以前に高レベル放射性廃棄物の処分・管理の研究開発を実施していたカナダ原子力公社(AECL)は、マニトバ州のホワイトシェル研究所近郊に地下研究所(URL)を建設しています。この施設は花崗岩の地下約450mにあり、処分候補母岩の存在するカナダ楯状地を対象とした原位置試験が行われていました。 NWMOが2002年に設置される以前に高レベル放射性廃棄物の処分・管理の研究開発を実施していたカナダ原子力公社(AECL)は、マニトバ州のホワイトシェル研究所近郊に地下研究所(URL)を建設しています。この施設は花崗岩の地下約450mにあり、処分候補母岩の存在するカナダ楯状地を対象とした原位置試験が行われていました。
  
-この地下研究所では、地表及び地下の特性調査、地下水・核種の移行研究、地下水の地球化学及び微生物学、温度及び時間の経過に伴う岩盤の変形及び破壊の特性分析、コントロールボーリング及び発破とその影響の評価、埋戻し材の開発と性能評価などの研究が行われました。1998年にAECLはURLを含むホワイトシェル研究所での作業を終了させることを発表し、その後、URLの廃止措置計画策定されました。AECLは、現在、こ計画に従いURLの廃止措置を実施しています。+この地下研究所では、地表及び地下の特性調査、地下水・核種の移行研究、地下水の地球化学及び微生物学、温度及び時間の経過に伴う岩盤の変形及び破壊の特性分析、コントロールボーリング及び発破とその影響の評価、埋戻し材の開発と性能評価などの研究が行われました。1998年にAECLはURLを含むホワイトシェル研究所での作業を終了させることを発表し、その後、URLの閉鎖作業2006年から開始され、2010年に恒久的に閉鎖されました。 
 + 
 +<WRAP clear/>​ 
 + 
 +\\ 
 +===== 地層処分の実施に向けた取り組み ===== 
 + 
 + 
 +<WRAP rss right 320px> 
 +{{:​hlw:​ca:​postclosure-case-studies.png?​300&​nolink|放射性物質の移行挙動のシミュレーション例}} 
 +</​WRAP>​
  
 +カナダでは、2002年にカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が設立される以前は、
 +核燃料廃棄物の地層処分研究はカナダ原子力公社(AECL)が実施していました。
 +AECLは1994年10月に取りまとめた『カナダの核燃料廃棄物の処分概念に関する環境影響評価書』(EIS)において、
 +仮想的な処分システムに対する最初のケーススタディと位置付けた安全評価を行いました。
 +AECLの処分概念に関するケーススタディは2004 年までの間に計3回実施されました。
  
 +NWMOは自身が検討している地層処分場の概念を対象とした
 +処分場閉鎖後の安全性に関するケーススタディを行っており、
 +2012年から複数回にわたって報告書を公表しています。
 +規制機関のレビューを受ける形の包括的な安全評価は今のところ実施されていません。
 +NWMO が2017年3月に策定した実施計画では、
 +検討中の処分場概念とバリア設計に対する安全評価を2017年に完成させることを目指すとしています。
  
-<WRAP clear></​WRAP>​ 
  
 \\ \\
ライン 189: ライン 210:
   *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</​fs>​   *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</​fs>​
   *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</​fs>​   *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</​fs>​
-  *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</​fs>​+  *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</​fs>​
   *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</​fs>​   *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</​fs>​
-  *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</​fs>​ +  *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</​fs>​
-  *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</​fs>​+
 </​WRAP>​ </​WRAP>​
  
hlw/ca/chap2.1386596910.txt.gz · 最終更新: 2013/12/09 22:48 by sahara.satoshi

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