諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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sa:tspa-la:sysdesc

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sa:tspa-la:sysdesc [2011/02/19 15:01] – [処分概念(処分場の設計)] sahara.satoshisa:tspa-la:sysdesc [Unknown date] (現在) – 外部編集 (Unknown date) 127.0.0.1
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-[size=160%]**TSPA-LA (米国)**[/size]+<fs 160%>**TSPA-LA (米国)**</fs>
  
-====== 評価対象の処分システムについて ======+====== 処分システムと安全要件 ======
 (ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書 安全解析書: 2008年) (ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書 安全解析書: 2008年)
 ---- ----
-[[start|TSPA-LA]] | [[sysdesc]] | [[methodology]] | [[showcase]] | [[gallery|gallery]] +  * 1. [[start|安全評価書の位置付けとレビュー]] 
- +  * 2. [[sysdesc|処分システムと安全要件]]  | <wrap smaller>対象廃棄物 / 想定処分地 / 処分概念 / 放射線防護基準 </wrap> <- :!: NOW You are Here! 
-  * 1. 安全評価書の位置付け +  * 3[[methodology|安全評価の進め方]] | <wrap smaller>FEP シナリオ / モデル 不確実性の取り扱い</wrap
-  * 2. 対象廃棄物 +  * 4[[showcase|評価結果]]
-  * 3. 放射線防護基準 +
-  * 4処分概念 +
-  * 4a. <span fgred>安全評価の進め方  <- シナリオから分離する?(セーフティケースの国は特に…)</span> +
-  * 4b. <span fgred>FEP <- シナリオから分離する?</span> +
-  * 5. シナリオ +
-  * 6. モデル +
-  * 7. <span fgred>不確実性の取り扱い <- 入れどころに難。</span+
-  * 8. 評価結果 +
-  * 9. 規制機関によるレビュー+
  
 ---- ----
 \\ \\
-====== 対象廃棄物 ======+====== 処分システムの概要 ====== 
 + 
 +{{http://www2.rwmc.or.jp/images/misc/faq01/q02.gif?nolink}}どのような廃棄物を、どのような場所に、どのような方法で処分する場合の安全評価なのか... 
 + 
 +===== 対象廃棄物 =====
  
 (当該の安全評価で対象にしている廃棄物) (当該の安全評価で対象にしている廃棄物)
 +
 +<WRAP right box 300px>
 +{{popup>ym-sar-figure1.5.2-1.png|{{ym-sar-figure1.5.2-1.png?300|}}}}\\
 +図1
 +</WRAP>
 +
  
 商用原子力発電所から発生する使用済燃料、エネルギー省(DOE)が保有する核兵器製造過程で発生した高レベル放射性廃棄物、エネルギー省(DOE)が保有する兵器製造炉、研究炉もしくは舶用炉から発生する使用済燃料の3種類である。商用原子力発電所の使用済燃料が63,000t(重金属換算)、DOEのガラス固化体、使用済燃料が7,000t(重金属換算)の合計70,000t(重金属換算)が処分される予定である。(図1参照)  商用原子力発電所から発生する使用済燃料、エネルギー省(DOE)が保有する核兵器製造過程で発生した高レベル放射性廃棄物、エネルギー省(DOE)が保有する兵器製造炉、研究炉もしくは舶用炉から発生する使用済燃料の3種類である。商用原子力発電所の使用済燃料が63,000t(重金属換算)、DOEのガラス固化体、使用済燃料が7,000t(重金属換算)の合計70,000t(重金属換算)が処分される予定である。(図1参照) 
  
 +<WRAP clear></WRAP>
 +
 +<WRAP right box 300px>
 +{{popup>ym-sar-figure1.5.2-2.png|{{ym-sar-figure1.5.2-2.png?150|}}}}\\
 +図2
 +</WRAP>
  
 商用原子力発電所の使用済燃料は、内側がステンレス鋼製、外側がニッケル基合金製からなる耐腐食性に優れた処分パッケージに収納される。処分パッケージの寿命は10万年とされている。約90%の使用済燃料は、ステンレス鋼製の輸送・貯蔵・処分(TAD)キャニスタに収納されてユッカマウンテン処分場に輸送され、処分場の地上施設で処分パッケージに収納した上で処分される。また、DOEが所有する高レベル放射性廃棄物、使用済燃料は、地上施設で処分パッケージに収納して処分される。(図2参照) 商用原子力発電所の使用済燃料は、内側がステンレス鋼製、外側がニッケル基合金製からなる耐腐食性に優れた処分パッケージに収納される。処分パッケージの寿命は10万年とされている。約90%の使用済燃料は、ステンレス鋼製の輸送・貯蔵・処分(TAD)キャニスタに収納されてユッカマウンテン処分場に輸送され、処分場の地上施設で処分パッケージに収納した上で処分される。また、DOEが所有する高レベル放射性廃棄物、使用済燃料は、地上施設で処分パッケージに収納して処分される。(図2参照)
 +
 +<WRAP clear></WRAP>
  
  
 \\ \\
-====== 処分場の地質環境・立地条件(評価上の設定) ======+===== 処分場の地質環境・立地条件(評価上の設定) ===== 
 + 
 +<WRAP right box 300px> 
 +{{popup>ym-sar-figure2.2-16.png|{{ym-sar-figure2.2-16.png?300|}}}}\\ 
 +//Figure 2.2-16//  
 +\\ \\ 
 +{{popup>ym-sar-figure2.3.2-5.png|{{ym-sar-figure2.3.2-5.png?140|}}}} 
 +{{popup>ym-sar-figure2.3.2-6.png|{{ym-sar-figure2.3.2-6.png?140|}}}}\\ 
 +//Figure 2.3.2-5 // (左)\\ 
 +//Figure 2.3.2-6 // (右)\\ 
 +</WRAP>
  
 安全解析書(SAR)では、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書に記載されたサイトでの安全評価が行われている。 安全解析書(SAR)では、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書に記載されたサイトでの安全評価が行われている。
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 ユッカマウンテンサイトの地下水面は地下約488m~792mにあり、処分場は地表から約201m~488m(平均305m)の不飽和帯に建設される。処分場周辺の岩盤は、約1,100~1,400万年前の一連の噴火によって生じた火山灰が堆積した凝灰岩である。年間の降水量が少なく蒸発量が多い砂漠地帯にあって、更に地下水の流れが遅い不飽和帯に処分場を建設することにより、処分場での地下水の流入量を低減することが処分概念の特徴となっている。 ユッカマウンテンサイトの地下水面は地下約488m~792mにあり、処分場は地表から約201m~488m(平均305m)の不飽和帯に建設される。処分場周辺の岩盤は、約1,100~1,400万年前の一連の噴火によって生じた火山灰が堆積した凝灰岩である。年間の降水量が少なく蒸発量が多い砂漠地帯にあって、更に地下水の流れが遅い不飽和帯に処分場を建設することにより、処分場での地下水の流入量を低減することが処分概念の特徴となっている。
  
 +
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 +<WRAP clear></WRAP>
  
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-====== 処分概念(処分場の設計) ======+===== 処分概念(処分場の設計) =====
  
-処分場の地下施設は約5km<sup>2</sup>の広さがあり、直径5.5mの水平な処分坑道が108本掘削される。坑道の中心から隣の坑道の中心までの離間距離は約82mである。処分坑道は、地上と主要坑道を介して接続されており、処分パッケージは、搬送・定置車両により処分坑道まで搬送される(図3参照)。その後、レール上を移動する定置パレットに載せられ、隣のパッケージから約10cmの離れて定置される(図4参照)。処分坑道の掘削は、定置作業中の処分坑道での定置が終了した後に実施され、閉鎖時には処分パッケージの上部にドリップシールドが設置される(図5参照)。+処分場の地下施設は約5km<sup>2</sup>の広さがあり、直径5.5mの水平な処分坑道が108本掘削される。坑道の中心から隣の坑道の中心までの離間距離は約82mである。処分坑道は、地上と主要坑道を介して接続されており、処分パッケージは、搬送・定置車両により処分坑道まで搬送される(図3参照)。その後、レール上を移動する定置パレットに載せられ、隣のパッケージから約10cmの離れて定置される(図4参照)。
  
 +処分坑道の掘削は、定置作業中の処分坑道での定置が終了した後に実施され、閉鎖時には処分パッケージの上部にドリップシールドが設置される(図5参照)。
  
 +
 +<WRAP left box >
 +{{popup>ym-sar-figure1.3.1-4.png|{{ym-sar-figure1.3.1-4.png?150|}}}}\\
 +図3 処分パッケージの輸送及び定置
 +</WRAP>
 +
 +<WRAP left box >
 +{{popup>ym-sar-figure1.3.1-5.png|{{ym-sar-figure1.3.1-5.png?150|}}}}\\
 +図4 典型的な処分坑道での処分パッケージの定置
 +</WRAP>
 +
 +<WRAP left box >
 +{{popup>ym-sar-figure2.1-7.png|{{ym-sar-figure2.1-7.png?150|}}}}\\
 +図5 閉鎖時に処分坑道に設置されるドリップシールド
 +</WRAP>
 +
 +
 +
 +<WRAP clear></WRAP>
  
  
行 57: 行 101:
 ===== ○ 個人防護基準 ===== ===== ○ 個人防護基準 =====
  
-  * 処分後の1万年: \\ 0.15mSv/年15mrem/年 +  * 処分後の1万年: \\ 0.15mSv/年 15mrem/年 
-  * 1万年以降の地質学的に安定な期間内 (処分後100万年間): \\ 3.5mSv/年350mrem/年(10 CFR 63案)、1mSv/年(10 CFR 63最終版)+  * 1万年以降の地質学的に安定な期間内 (処分後100万年間): \\ 3.5mSv/年 350mrem/年(10 CFR 63案)、1mSv/年(10 CFR 63最終版)
  
 ===== ○ 人間侵入に対する個人防護基準 ===== ===== ○ 人間侵入に対する個人防護基準 =====
行 64: 行 108:
 人間侵入に対する個人防護基準:水資源探査のボーリング孔の掘削に基づいた「様式化したシナリオ」が規定されている 人間侵入に対する個人防護基準:水資源探査のボーリング孔の掘削に基づいた「様式化したシナリオ」が規定されている
  
-  * 処分後の1万年: 0.15mSv/年15mrem/年 +  * 処分後の1万年: \\ 0.15mSv/年 15mrem/年 
-  * 1万年以降の地質学的に安定な期間内 (処分後100万年間): \\ 3.5mSv/年350mrem/年(10 CFR 63案)、1mSv/年(10 CFR 63最終版)+  * 1万年以降の地質学的に安定な期間内 (処分後100万年間): \\ 3.5mSv/年 350mrem/年(10 CFR 63案)、1mSv/年(10 CFR 63最終版)
  
 ===== ○ 地下水防護基準 ===== ===== ○ 地下水防護基準 =====
行 71: 行 115:
   * Ra-226とR-228の合計値:5pCi/L   * Ra-226とR-228の合計値:5pCi/L
   * Ra-226を含みRn(ラドン)とU(ウラン)を除くα核種の放射能量:15pCi/L   * Ra-226を含みRn(ラドン)とU(ウラン)を除くα核種の放射能量:15pCi/L
-  * β核種と光子放出核種の合計からの線量:0.04mSv/年4mrem/年+  * β核種と光子放出核種の合計からの線量:0.04mSv/年 4mrem/年
  
  
 \\ \\
 +====== ======
 +----
 +  * 1. [[start|安全評価書の位置付けとレビュー]]
 +  * 2. [[sysdesc|処分システムと安全要件]]  | <wrap smaller>対象廃棄物 / 想定処分地 / 処分概念 / 放射線防護基準 </wrap> <- :!: NOW You are Here!
 +  * 3. [[methodology|安全評価の進め方]] | <wrap smaller>FEP / シナリオ / モデル / 不確実性の取り扱い</wrap>
 +  * 4. [[showcase|評価結果]]
 +
 +----
  
sa/tspa-la/sysdesc.1298095307.txt.gz · 最終更新: 2011/02/19 15:01 (外部編集)