sa:psc2009i:methodology
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sa:psc2009i:methodology [2011/03/18 15:00] – [生物圏における放射性核種移行のモデル] sahara.satoshi | sa:psc2009i:methodology [2011/12/13 20:24] (現在) – 外部編集 127.0.0.1 | ||
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- | [size=160%]**Posiva Safety Case 2009 Interim (フィンランド)**[/size] | + | < |
====== 安全評価の方法論について ====== | ====== 安全評価の方法論について ====== | ||
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==== ① 処分場評価シナリオ : Repository assessment scenarios ==== | ==== ① 処分場評価シナリオ : Repository assessment scenarios ==== | ||
- | FIXME〔もう少し文を練って、わかりやすくする〕処分場評価シナリオは、処分場内部と外部で発生する潜在的に有害なFEPに伴う不確実性の結果として、放射性核種の放出に至る処分場の変遷として想定可能な初期状態とその後のプロセスを取り扱うものとして開発する。これらのシナリオは一般に発生確率の低いものであるが、一部には発生確率がまだ明確になっていないものもある。 | + | 処分場評価シナリオは、処分場内部と外部で発生する潜在的に有害なFEPに伴う不確実性の結果として、放射性核種の放出に至る処分場の変遷として想定可能な初期状態とその後のプロセスを取り扱うものとして開発する。これらのシナリオは一般に発生確率の低いものであるが、一部には発生確率がまだ明確になっていないものもある。 |
処分場評価シナリオには、以下の表に示すシナリオが含まれる。 | 処分場評価シナリオには、以下の表に示すシナリオが含まれる。 | ||
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^ 処分場評価シナリオ | ^ 処分場評価シナリオ | ||
| **欠陥キャニスタシナリオ** (__D__efective __c__anister __s__cenarios) | | **欠陥キャニスタシナリオ** (__D__efective __c__anister __s__cenarios) | ||
- | | DCS-I:貫通欠陥の発生時期が遅い(10000年後)FIXME 1万年後でもベースケースよりは早いはず | + | | DCS-I:貫通欠陥が処分後10000年に発生する(設計寿命の1/ |
- | | DCS-II:貫通欠陥の発生時期が早い | + | | DCS-II:貫通欠陥が処分時点(t = 0)で存在する |
| **補足的なシナリオ** (__Ad__ditional scenarios) | | **補足的なシナリオ** (__Ad__ditional scenarios) | ||
| AD-I:地震/ | | AD-I:地震/ | ||
| AD-II:緩衝材に影響を及ぼす破壊的事象-(緩衝材の定置ミス、低濃度の氷河融氷水の浸入など)の結果として、キャニスタが破損する | | | AD-II:緩衝材に影響を及ぼす破壊的事象-(緩衝材の定置ミス、低濃度の氷河融氷水の浸入など)の結果として、キャニスタが破損する | | ||
- | | AD-III:気体によって、キャニスタ及び定置孔から、瞬時放出割合が成立する形で水及び/ | + | | AD-III:気体によって、キャニスタ及び定置孔から、瞬時放出割合が成立する形で核種を含む汚染水や揮発形態の核種(C-14)が排出する。 | |
- | | ::: | + | |
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処分場サイトにおける人間侵入シナリオは、人間社会と科学技術水準の状況の移り変わりに伴う不確実性の影響を考慮する必要があるが、このような不確実性は保守的な線量解析では全面的に評価することができないため、「様式化された仮定」に基づきシナリオの確率と影響を見積もる必要がある。 | 処分場サイトにおける人間侵入シナリオは、人間社会と科学技術水準の状況の移り変わりに伴う不確実性の影響を考慮する必要があるが、このような不確実性は保守的な線量解析では全面的に評価することができないため、「様式化された仮定」に基づきシナリオの確率と影響を見積もる必要がある。 | ||
- | 中間概要報告書の中では、人間侵入シナリオの定量的な評価はしていない。このシナリオの評価は、ポシヴァ社は2012年までに生物圏評価の一部として実施する予定であるとしている。 | + | 中間概要報告書の中では、人間侵入シナリオの定量的な評価はしていない。このシナリオの評価は、ポシヴァ社は2012年までに生物圏評価の一部として実施する予定としている。 |
- | + | ||
- | <WRAP round info> | + | |
- | メモ | + | |
- | * POSIVA 2008-06(RNT-2008)のTable 5-1では、評価シナリオのなかに、人間侵入シナリオ(HI-I, | + | |
- | * POSIVA 2010-03(BSA-2009)では、どうなったか調べる。-> | + | |
- | * [[Calculation-cases]] | + | |
- | </ | + | |
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==== 生物圏における放射性核種移行のモデル ==== | ==== 生物圏における放射性核種移行のモデル ==== | ||
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- | <WRAP round todo> | ||
- | 「[[shocase|評価結果の最終版]]」に合わせて書き換える。 | ||
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<WRAP right box 300px> | <WRAP right box 300px> | ||
{{popup> | {{popup> | ||
- | Figure 5-3 of BSA-2009 | + | Figure 5-3 of BSA-2009(マップレイアウトは// |
{{popup> | {{popup> | ||
- | Figure 5-4 of BSA-2009 | + | Figure 5-4 of BSA-2009(マップレイアウトは// |
{{popup> | {{popup> | ||
Figure 7-3 of BSA-2009 | Figure 7-3 of BSA-2009 | ||
- | 注)生物圏オブジェクトの色分けの凡例はBSA-2009 Fig.7-2を基に追記した。 | + | 注)生物圏オブジェクトの色分けの凡例はBSA-2009 Fig.7-2を基に追記した。(マップは// |
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生物圏オブジェクトは、**森林・湿地・耕作地・湖・河川・海岸**の6種類の生物圏オブジェクトを用い、地理的な場所に配置したそれぞれの生物圏オブジェクトについて、関連するパラメータ値の個別に設定することにより特徴づける。ポシヴァ社の「現実的な」生物圏計算ケースでは、166個の生物圏オブジェクトを用いて、処分場閉鎖後の約1万年間にあたる西暦2020年~12520年までの地表景観(ランドスケープ)の変遷をモデル化している。 | 生物圏オブジェクトは、**森林・湿地・耕作地・湖・河川・海岸**の6種類の生物圏オブジェクトを用い、地理的な場所に配置したそれぞれの生物圏オブジェクトについて、関連するパラメータ値の個別に設定することにより特徴づける。ポシヴァ社の「現実的な」生物圏計算ケースでは、166個の生物圏オブジェクトを用いて、処分場閉鎖後の約1万年間にあたる西暦2020年~12520年までの地表景観(ランドスケープ)の変遷をモデル化している。 | ||
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- | FIXME 確認:Figure 7-3に追加した凡例では、Cropland, | ||
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* 24個の森林サブオブジェクト、19個の湿地サブオブジェクト、15個の耕作地サブオブジェクト、11個の湖サブオブジェクト、29個の河川サブオブジェクト、そして68個の沿岸サブオブジェクト(合計166個のサブオブジェクトで構成)。 | * 24個の森林サブオブジェクト、19個の湿地サブオブジェクト、15個の耕作地サブオブジェクト、11個の湖サブオブジェクト、29個の河川サブオブジェクト、そして68個の沿岸サブオブジェクト(合計166個のサブオブジェクトで構成)。 | ||
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- | + | 処分場から漏出した核種が生物圏で放出される地点(放出点)の分布は、地下水流動モデルで評価している。 | |
- | 処分場から漏出した核種が生物圏で放出される地点(放出点)の分布は、地下水流動モデルで評価している。ポシヴァ社の生物圏評価 BSA-2009 では、処分場をパネルA~Cの3つに分け、各パネルから放出した核種が、生物圏に達するまでの時間と放出点の評価結果に基づき、生物圏オブジェクトの構成と必要数を検討している。 | + | ポシヴァ社の生物圏評価 BSA-2009 では、処分場をパネルA~Cの3つに分け、各パネルから放出した核種が放出される場所(放出点)を評価している。 |
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- | Figure 7-3では、キャプションで示すように処分場パネル(A~C)から漏洩した核種の放出地点をマル印で示し、核種の放出量に比例しマル印の大きさを変えている。Realistic release patternでは、Tankarienjärvi(同図では湖となっている)に、パネルA起源の核種の14%、パネルB起源の94%、パネルC起源の71%が放出されるとポシヴァ社は評価している。 | ||
+ | Figure 7-3では、キャプションで示すように処分場パネル(A~C)から漏洩した核種の放出地点を、その放出量の大きさに比例した円印(○記号)によって地図上に示している。Realistic release patternでは、仮想地点 Tankarienjärvi(同図では、中央から右上の湖となっている地点、現時点はバルト海底である)に、パネルA起源の核種の14%、パネルB起源の94%、パネルC起源の71%が放出されるとポシヴァ社は評価している。 | ||
+ | <WRAP clear></ | ||
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- | + | {{popup>posiva2010-03-table7-4top.png|{{posiva2010-03-table7-4top_ja.png? | |
- | \\ | + | //Figure 7-4 of BSA-2009// |
- | \\ | + | 縦軸は、Activity concentrations of C-14(単位は凡例を参照), Sh1ケース、パネルAからの漏出したC-14のみ |
- | \\ | + | |
- | \\ | + | |
- | \\ | + | |
- | \\ | + | |
- | + | ||
- | === 放射性核種移行モデル化 === | + | |
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- | <WRAP box right 300> | + | |
- | {{popup>iscsr2009_f21.png|{{iscsr2009_f21.png? | + | |
- | 図12 1万年後(西暦12,020年)のランドスケープ\\ モデルの模式図 | + | |
- | + | ||
- | {{popup> | + | |
- | 図13 ランドスケープモデル化で適用された3件の\\ 現実的な放出パターンの概略図 | + | |
- | + | ||
- | {{popup> | + | |
- | 図14 生物圏オブジェクトMäntykarinjärviにおける\\ | + | |
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- | 地圏から放射性核種を受け取る可能性のある生態系を地形・生態系進展モデル(TESM)や地下水流動モデル、地表・浅地中の水文学的モデル化から導き出された放射性核種の放出パターンに基づき特定する。 | + | ランドスケープ・モデルを用いた解析例として、仮想地点 Mäntykarinjärvi(Figure 7-3の湖 Tankarienjärvi の西側のやや小さな湖のある地点の仮想地点名、現時点はバルト海底である)に設定された生物圏オブジェクト(7種類)における放射能濃度の評価例を右図に示す。 |
- | 生態系は、生物圏における放射性核種の移行モデル化において、「**生物圏オブジェクト**」と呼ばれる不連続ユニットとしてモデル化する。生物圏オブジェクトは、**森林・湿地・耕作地・湖・河川・海岸**の6種類の生態系の種類、さらに関連するパラメータ値のセットにより特徴づけをする。相互に結びついた生物圏オブジェクトの集合は「**ランドスケープ・モデル**」と呼ばれており、不確実性や時の経過と共に生じる変動可能性を考慮に入れるために様々な方法を用いて構成する。 | + | この図は、BSA-2009(POSIVA 2009-03、2010年3月) ((Hjerpe et al.; Biosphere Assessment Report 2009. POSIVA 2010-03)) |
+ | * 西暦2020~3020年の期間では、仮想地点 Mäntykarinjärvi はバルト海底に位置するとの予測に基づき、C-14の海洋水濃度(Bq/ | ||
+ | * 西暦3250年以降は、現在から続く後氷期の隆起の進行とともに陸地化し、湖が出現する。こうしたランドスケープを反映して、湿地アクロテルム、森林土壌、葦湿地、湖底堆積物のC-14濃度を算出している。 | ||
- | 図12に、生物圏評価の時間窓の終了時点(12, | ||
- | 図13は、処分場基本計算ケース「Sh1」における、3通りの場合の、現実的な生物圏への核種放出パターンを示している。(左図は本書(中間概要報告書)の図7-2、右下図は、RNT-2008報告書の図4-13)パネルA(図13の右下図ではパネル1に相当する(紫色で囲んだ領域))に処分したキャニスタから放射性核種が放出した場合の生物圏オブジェクトへの核種分布の割合を紫の円の大きさで表わしている(同様に、現実的-Bの場合は、図右下のパネル2(赤色で囲んだ領域)にあるキャニスタから核種が放出した場合、現実的-Cの場合は、図右下のパネル5(茶色で囲んだ領域)にあるキャニスタから核種が放出した場合となる)。 | ||
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- | 図14に、図13の赤線で示した生物圏オブジェクト、Mäntykarinjärvi、におけるコンパートメント中のC-14濃度を示している。Mäntykarinjärviは、3020年から3520年の間に海から湖に変化し、12020年においては、一部が森林や湿地へと変化している。12020年ではコンパートメントの中で湿地アクロテルム(活性層)におけるC-14濃度が最も高くなっており、このコンパートメントが線量計算において重要であることを示している。 | ||
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sa/psc2009i/methodology.1300428012.txt.gz · 最終更新: 2011/03/18 15:00 (外部編集)