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米国では、商業用使用済燃料については、再処理せずに高レベル放射性廃棄物として直接処分する方針が取られている。また、米国の場合、国防活動より発生した高レベル放射性廃棄物(使用済燃料もしくは高レベル・ガラス固化体)についても、商業用使用済燃料と同じ処分場に処分されることになっている。ただし、長期的な高レベル放射性廃棄物などの管理戦略の再検討を行う方針がオバマ政権により表明され、2010年1月に高レベル放射性廃棄物管理戦略を含む核燃料サイクルにおけるバックエンド政策の包括的な検討を行うブルーリボン委員会が設置された。同委員会は、2年以内にエネルギー長官に検討結果の報告を行うこととなっている。【36,52,59】
ユッカマウンテンサイトにおいて計画されている処分方法としては、使用済燃料及び高レベル・ガラス固化体ともに廃棄物パッケージに封入し、深地層の凝灰岩に処分することとされている。【25】
1982年放射性廃棄物政策法第111条(a)(4)において、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の最終処分の責任は連邦政府にあるが、処分費用は発生者及び所有者が負担することが定められている。また、同法第211条はエネルギー省(DOE)を処分場開発主体として定め、特に同法第304条によりエネルギー省(DOE)に設置された民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)が施策の実施に当たっている。なお、2011会計年度の予算要求では、OCRWMを廃止し、DOEの原子力局がその業務を引き継ぐ方針が示されている。【6,60】
エネルギー省(DOE)は、ユッカマウンテンにおける10年以上に亘るサイト特性調査を行い、2001年、処分場としての長期的性能に関する評価結果などを示すユッカマウンテン科学・工学報告書(SER)、環境影響評価書案(DEIS)補足、次いで予備的サイト適合性評価(PSSE)報告書を公表した。これらの報告書についてパブリックコメント及び公聴会を経て最終化されたものが、エネルギー長官から大統領へのサイト推薦に添付された。【17,15,22,23,24,25,26】
2002年1月10日、1982年放射性廃棄物政策法に基づく手続として、ユッカマウンテンサイトを大統領に推薦する旨の通知がエネルギー長官からネバダ州知事及びネバダ州議会に対して行われ、2002年2月14日にはエネルギー長官から大統領へ、2002年2月15日には大統領から連邦議会に対して同サイト推薦の通知が行われた。【20,23,27】
地元ネバダ州には、1982年放射性廃棄物政策法により、60日以内にサイト推薦に係る不承認の表明を行うことが認められており、2002年4月8日、ネバダ州知事は連邦議会にユッカマウンテンサイトの不承認通知を行った。しかし、同法の規定に基づいて、この不承認通知を覆す立地承認決議案が上下両院に提出・承認され、2002年7月23日の大統領の署名によって、ユッカマウンテンサイトへの立地承認決議が法律として成立した。【6,28,29,30】
DOEは、処分場建設のための許認可申請書を2008年6月に原子力規制委員会(NRC)に提出した。許認可申請書は2008年9月にNRCによって正式に受理され、1982年放射性廃棄物政策法により3~4年とされる審査が開始された。しかし、2009年に誕生したオバマ政権は、2009年2月に示した2010会計年度予算要求において、予算は許認可手続のみに必要な程度のレベルに削減し、並行して高レベル放射性廃棄物処分の新たな戦略を検討するという方針を示していた。2010年3月には、DOEは、許認可申請の取り下げ申請をNRCに対し提出し、現在、NRCにおいて検討が行われている。DOEの許認可申請の取り下げ申請に対しては、原子力施設を有する州などが反対を表明しており、一部で訴訟の動きもある。【51,52,54,60,61,63,64】
米国における処分事業の流れ
米国における原子力発電は、設備容量が1億576万kWで全発電容量の約10%であり、発電電力量は8,366億kWhで総発電電力量の約19%となっている。(2007年、【58】)
米国における原子力発電所は全部で85カ所あり、そのうち65カ所にある104基の原子炉が運転中であるが、28基の原子炉は既に閉鎖されている。運転中の原子炉の内訳は、加圧水型原子炉(PWR)が69基、沸騰水型原子炉(BWR)が35基であり、閉鎖された原子炉の内訳は、加圧水型原子炉(PWR)が11基、沸騰水型原子炉(BWR)が8基、その他が9基である。また、原子炉新設の動きとして、2010年3月現在で26基の新規原子炉に対する17件の申請書が原子力規制委員会(NRC)に受理されている。【57,66】