諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

トップページ


ニュースフラッシュ

諸外国での最新の
動きを紹介


諸外国の状況

要約(一覧表形式)

処分の進捗
法制度
資金
研究開発

国別情報

  1. 米国
  2. フィンランド
  3. スウェーデン
  4. ドイツ
  5. スイス
  6. フランス
  7. カナダ
  8. 英国
  9. スペイン
  10. ベルギー

諸外国での安全評価

安全評価事例集


ポイントピックアップ

諸外国の特徴的な
ポイントを説明


情報冊子

『諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について』

『諸外国における放射性廃棄物関連の施設・サイトについて』


諸外国の
処分関連機関


原子力環境整備促進・資金管理センター

TOP > 諸外国の状況 > 米国 > 2.法制度

米国における
高レベル放射性廃棄物処分

> 2.法制度

2.1 法制度-計画

 1982年放射性廃棄物政策法により、米国における高レベル放射性廃棄物処分の基本的な枠組が定められている。処分事業の計画については、1982年放射性廃棄物政策法第301条において、エネルギー省(DOE)が、プログラムの包括的な計画を示した「ミッション・プラン」を作成すべきことを規定している。【6】

 また、エネルギー省(DOE)の民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、ミッション・プランとは別に、5年間のより短中期的な計画を表した「民間放射性廃棄物管理プログラム・プラン」も約2年毎に作成している。しかし、2011会計年度の予算要求では、OCRWMを閉鎖することが示されている。【13,56】

 1982年放射性廃棄物政策法では、第二処分場の検討に関する規定も置かれており、1982年放射性廃棄物政策法第161条において、2007年1月1日から2010年1月1日までの間にエネルギー長官が第二処分場の必要性について大統領及び連邦議会に報告することが規定されている。なお、1982年放射性廃棄物政策法では、第二処分場が操業開始となるまでは、第一処分場の処分容量の上限は70,000トン(重金属換算)と規定されている。【6】

 2010会計年度のエネルギー省(DOE)関係の歳出法では、ブルーリボン委員会に対して500万ドルの予算が割り当てられていた。ブルーリボン委員会において高レベル放射性廃棄物管理戦略を含むバックエンド政策の包括的な検討を行うこととなっており、既存法令の改正の必要性についても検討される。また、ブルーリボン委員会については、2010年3月に設立趣意書が公表されている。【54,58】

2.2 法制度-実施体制

 1982年放射性廃棄物政策法の第111条は、「高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料を永久処分することは連邦政府の責任である」と規定し、1982年放射性廃棄物政策法第123条、第211条及び第304条は、具体的にその責任はエネルギー長官が負い、エネルギー長官の下に民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)長が同法に基づくエネルギー長官の職務を履行すると規定している。ただし、2010年2月の2011会計年度の予算要求では、OCRWMを廃止する方針が示されている。【6,56】

2.3 法制度-資金確保

 1982年放射性廃棄物政策法第111条は、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料及びガラス固化体)の処分はエネルギー省(DOE)が実施し、費用は全額、電気事業者等の廃棄物発生者が負担すると規定している。【6】

 この規定を受け、1982年放射性廃棄物政策法第302条では、廃棄物発生者である電気事業者が1ミル/kWhの拠出金をエネルギー長官に支払うよう規定している。この拠出金は、エネルギー省(DOE)が廃棄物の処分を実施することへの対価として位置付けられており、財務省内に設置した放射性廃棄物基金(NWF)に預託されることとされている。また、高レベル放射性廃棄物を連邦政府に引き渡す者は、連邦政府に対して拠出金以上の金銭的債務を負わないことも規定されている。【6】

 また、実施主体のエネルギー省(DOE)が放射性廃棄物基金(NWF)で賄える費用は、1982年放射性廃棄物政策法第302条(d)(1)~(6)に示されており、処分場の選定、建設、操業、研究開発等が列挙されている。ただし、この支出に係る予算は、合衆国の一般予算に含まれるものとされており、エネルギー省(DOE)は、処分事業に必要な費用の支出に当たっては、連邦議会による歳出承認が必要とされている。【6】

 また、基金に積み立てられた資金の運用を行う場合は、一定の条件を満たす合衆国債権(国債)によることも1982年放射性廃棄物政策法で規定されている。【6】

 なお、エネルギー省(DOE)から連邦議会に提出された立法提案では、連邦予算の中で、放射性廃棄物基金への拠出金の扱いをユッカマウンテンへの歳出額を限度として義務的収入から裁量的相殺収入へと分類替えをし、ユッカマウンテンへの歳出と相殺可能とする条項が含まれている。この規定は、許認可及び建設の段階における十分な資金調達を容易にするものとしている。【36,37,39】

※予算制度の詳細については、こちら

2.4 法制度-サイト選定

 米国の高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定を規定している法律は、1982年放射性廃棄物政策法である。さらに、1987年放射性廃棄物政策修正法によりユッカマウンテンを唯一のサイト特性調査を行う処分候補地として指定している。1982年放射性廃棄物政策法第112条は候補サイトの選定(通知、公聴会、地元との協議、意見聴取等を含む)、第113条はサイト特性調査、第114条は大統領への推薦に始まる一連のサイト承認手続、第115条はネバダ州の不承認を覆す立地承認決議を含めた連邦議会における処分地指定手続、第116条は大統領の推薦に対するネバダ州の不承認について規定している。なお、ユッカマウンテン以外で行われていたサイト特性調査は、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)の第160条の規定により停止されている。【6】

 また、サイト選定に当たっての指針として放射性廃棄物処分場サイト推薦のための一般指針及びユッカマウンテン・サイト適合性指針(10 CFR Part 960、963)が策定されている。【18】

米国における処分事業の流れ 米国における処分事業の流れサイト推薦から決定までの動き(2002年)
(「諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について」より引用)

2.5 法制度-環境

 米国では、1969年国家環境政策法(NEPA)の第102条等により、重要な連邦政府の措置に当たっては環境影響評価の実施が必要とされている。1982年放射性廃棄物政策法においても環境影響評価に関する規定がされており、1982年放射性廃棄物政策法第114条では、エネルギー長官によるサイト推薦は重要な連邦政府措置とされ、サイト推薦に当たって環境影響評価を実施することが求められている。そのため、エネルギー省(DOE)は、1999年にドラフト環境影響評価書(DEIS)を公表しており、2002年2月にはサイト推薦に際して最終環境影響評価書(FEIS)が公表されている。また、2008年6月には、処分場の建設認可に係る許認可申請に盛り込まれた処分施設の設計変更、及び処分場閉鎖後100万年までのトータルシステム性能評価(TSPA)の結果を反映した補足環境影響評価書(SEIS)、廃棄物輸送及び鉄道敷設に関する最終環境影響評価書(FEIS)が公表されている。【2,12,6,24,42,67】

 なお、原子力規制委員会(NRC)が行う許認可発給についても重要な連邦政府の措置であることから、環境影響評価が必要となるが、原子力規制委員会(NRC)は可能な限りエネルギー省(DOE)の作成した環境影響評価書を採用することが1982年放射性廃棄物政策法に規定されている。【6】

 連邦政府機関が環境影響評価の後に実際に措置を行うに当たっては、意思決定記録(ROD)を連邦官報に掲載することが必要とされている。【2】

 また、1982年放射性廃棄物政策法第112条では、サイト選定、特に処分候補地の絞り込みに当たっては1969年国家環境政策法(NEPA)に基づく環境影響評価は不要であるが、環境アセスメント(EA)の実施が必要と規定している。エネルギー省(DOE)は、1984年には9地点の環境アセスメント(EA)、1986年には5地点の環境アセスメント(EA)を出している。【2,6,24】

 環境影響評価についてのより詳細な規定は、国家環境政策法施行規則の他に、エネルギー省(DOE)個別の実施規則も10 CFR Part 1021として制定されている。【3,9】

※環境影響評価(EIS)の詳細については、こちら

2.6 法制度-安全

 高レベル放射性廃棄物処分の一般的に適用される連邦規則については、原子力規制委員会(NRC)が策定しているものと、環境保護庁(EPA)が策定しているものとの2種類がある。前者が「地層処分場における高レベル放射性廃棄物の処分(10 CFR Part 60)」であり、後者が「使用済燃料、高レベル及びTRU放射性廃棄物の管理と処分のための環境放射線防護基準(40 CFR Part 191)」である。【6,7】

 また、1992年エネルギー政策法第801条に基づいて、ユッカマウンテンのみに適用される連邦規則として、環境保護庁(EPA)の放射線防護基準(40 CFR Part 197)及び原子力規制委員会(NRC)の処分基準(10 CFR Part 63)が2001年に制定されていた。【10,16,19】

 しかし、2004年7月9日に、ワシントンDC巡回区控訴裁判所は、ネバダ州などによる一連の訴訟に対して、環境保護庁(EPA)の放射線防護基準(40 CFR Part 197)における1万年という評価期間の規定は、全米科学アカデミー(NAS)の勧告に沿っていないため無効であるとの判決を行った。全米科学アカデミー(NAS)の勧告に基づいて矛盾のない連邦規則を策定することは、1992年エネルギー政策法で規定されている。【10,31】
 環境保護庁(EPA)は、2005年8月に改定した40 CFR Part 197の案を公表し、パブリックコメントの募集、行政管理局(OMB)での検討などを経て、2008年9月30日に最終版を策定し、公表した。40 CFR Part 197の最終版では、処分後1万年までの安全基準値を0.15mSv/年とし、1万年以降で地質学的に安定な期間(100万年までと定義)を1mSv/年と規定している。【32,46】
 40 CFR Part 197と同時に一部無効とされた原子力規制委員会(NRC)の10 CFR Part 63についても、2005年9月に改定した連邦規則案が公表されてパブリックコメントが募集され、環境保護庁(EPA)の改定基準発行を受けた最終規則が、2009年3月13日の連邦官報に掲載されている。【33,52】


本ホームページは、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業として、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが整備しています。

  Valid XHTML 1.0!   Valid CSS!