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スウェーデンで1984年に定められた「原子力活動法」に基づき、原子力発電事業者は、原子力発電から発生する使用済燃料やその他の放射性廃棄物を最終処分する責任を有する。同法律の制定にあわせて、原子力発電事業者4社は共同出資によって、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)を設立した。このSKB社が最終処分に関する研究開発から、処分場の建設、操業、廃止までを行う実施主体となっている。【3,25】
スウェーデンでは、原子力発電所で発生した使用済燃料を再処理せずに、高レベル放射性廃棄物として地層中に処分する計画である。処分場が操業開始するまでの間、使用済燃料は、オスカーシャム自治体にあるCLABという集中中間貯蔵施設で貯蔵される。SKB社はCLABの操業も行っている。今後、処分を行うためには、使用済燃料をキャニスタに封入する施設(封入施設)と処分場の2つの施設が必要である。【25】
処分場のサイト選定は、その方法及び進捗をSKB社が3年ごとに取りまとめる「研究開発実証プログラム」(RD&Dプログラム)の中で提示し、それを規制機関が審査する形で進められている。規制機関は、そのプログラムに対する意見を、サイト選定に関係する自治体などからも募り、意見を取りまとめて政府に提出し、政府が承認する。【3,25】
1992年の研究開発実証プログラム(RD&D92)において、SKB社は、処分場の立地に関する総合的な調査研究のほか、フィージビリティ調査、サイト調査、詳細特性調査の3段階でサイト選定を進める計画を策定した。ただし、その後の計画において、詳細特性調査は処分場の建設時に実施される活動と見なされるようになり、サイト調査の結果に基づいて、処分場の立地・建設の許可申請が行われる(詳細はこちら)。
第1段階のフィージビリティ調査は、文献調査や環境・社会面の調査が主体であり、SKB社は、この調査を自治体承認を得た自治体でのみ実施する考えを示した。同年12月に、SKB社は全国の自治体に、フィージビリティ調査の説明と立候補の依頼を送付し、調査地の公募を行った。1995年からは、原子力施設近隣の自治体にフィージビリティ調査の実施申し入れを行った。フィージビリティ調査活動は1993年から2000年まで継続し、この間に、公募に応じた2つの自治体、調査実施の申し入れを行って承認を得た6つの自治体の合計8つの自治体でフィージビリティ調査が実施された。【19,25】
第2段階の「サイト調査」は、地上からのボーリング調査や環境影響評価が主体の調査である。サイト調査候補地は、SKB社がフィージビリティ調査の結果から3ヵ所を選定した。2000年11月にSKB社は、サイト調査候補地として、オスカーシャム、エストハンマル、ティーエルプの3つの自治体内の3ヵ所を選定し、候補地の選定理由や以後の調査の進め方を報告書に取りまとめた。この報告書は、規制機関による審査を受け、2001年11月に政府はサイト調査候補地の選定を承認した。その後、各自治体議会でサイト調査の実施受け入れが審議された。エストハンマル自治体とオスカーシャム自治体の議会は、サイト調査の実施を承認したが、ティーエルプ自治体議会は否決した。【12,19,39】SKB社は、2002年からエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体で、地表からのボーリング調査を含むサイト調査を開始した。この調査は2007年まで続いた。【39】
2009年6月にSKB社は、サイト調査の結果に基づき、地層処分場の建設予定地として、エストハンマル自治体のフォルスマルクを選定したことを発表した。2011年3月16日、SKB社は境影響評価書及び安全評価書を取りまとめ、それらとともに処分場の立地・建設の申請を行った。許可は、政府が出すことになっている。この申請に対する法律に基づいた決定が行われることにより、スウェーデンにおいて処分場の建設地が正式に決定することになる。
使用済燃料の処分場の建設には「原子力活動法」に基づく許可と「環境法典」に基づく許可の両方が必要である。SKB社は、処分場立地・建設の許可申請を2011年3月に行った。許可申請を行うためには、環境法典に定められた「環境影響評価協議」(EIA協議)を経て作成された「環境影響評価書」が必要とされており、SKB社は、サイト調査の開始と同時に、エストハンマル自治体とオスカーシャム自治体のそれぞれにおいて、処分場立地計画の必要性や環境への影響を低減するための措置などについて協議を行っている。この協議には、各種の関係行政機関のほか、地元の自治体、個人、環境団体等が参加している。【3,5,16,41】
SKB社は、2011年3月におこなった許可申請の審査が順調に進んだ場合、早ければ2025年から処分開始できると見込んでいる。処分開始前には、処分場の操業の許可を受ける必要がある。SKB社の「研究開発実証プログラム2010」に示された事業計画では、「試験操業」として使用済燃料を封入したキャニスタを年間25~50体定置するペースで処分を開始し、その後処分ペースを徐々に増加して年間150~160体のキャニスタを処分する「通常操業」に移行する計画である。試験操業と通常操業の開始前に、安全評価書の審査が行われることになっている。【3,31,41】

使用済燃料の最終処分に向けたタイムスケジュール
2007年におけるスウェーデンの原子力発電の設備容量は907万kW(全発電容量の約27%)、発電電力量は約670億kWh(総発電電力量の約45%)となっている。【38】
スウェーデンには、操業中の原子力発電所が3カ所にあり、合計で10基の原子炉が運転されている。その内訳は、沸騰水型原子炉(BWR)が7基、加圧水型原子炉(PWR)が3基である。スウェーデンでは、4カ所の原子力発電所で合計12基の原子炉が導入されたが、1980年の国民投票の結果を踏まえて、原子力発電からの段階的な撤退政策がとられている。当初は撤退の期限が2010年に設定されていたが、1997年にこの期限は撤廃されている。政府の決定により、バーセベック発電所の1号機と2号機は、それぞれ1999年、2005年に商業運転を停止した。1984年に制定された「原子力活動法」において、発電用原子炉を新規に建設することは禁止されている。【3,13,37,40】