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高レベル放射性廃棄物の長期管理について、2006年7月の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の勧告を受け、地層処分を実施し、処分場が設置されるまでは中間貯蔵を行う政府の方針が2006年10月に決定されている。高レベル放射性廃棄物処分の実施主体については、原子力廃止措置機関(NDA)とすることが同時に政府によって決定されている。【28】
原子力発電によって生じる使用済燃料の管理政策については、「必要な規制要件さえ満たせば、使用済燃料を再処理するかどうかは使用済燃料の所有者の判断に任せる」とされており、ガス冷却炉(GCR)から発生する使用済燃料は安全上の問題ですべて再処理されるが、改良型ガス冷却炉(AGR)から発生する使用済燃料の約半分と、加圧水型原子炉(PWR)から発生する使用済燃料については、今のところ再処理の契約は結ばれていない。 2007年6月に公開された政府の協議文書では、地層処分の対象として、再処理において発生した高レベル放射性廃液のガラス固化体である高レベル放射性廃棄物の他に、将来的に地層処分対象となる可能性のあるものとして使用済燃料、ウラン、プルトニウムなども想定されている。【9,11,29】
英国では高レベル放射性廃棄物等の長期管理方法として、1995年の「放射性廃棄物政策レビュー(Cmnd.2919)」などにおいて、地層処分が適切であるとの勧告等が出されていた。2001年9月に環境・食糧・農村地域省(Defra)は放射性廃棄物管理に関する協議文書「放射性廃棄物の安全な管理」を公表し、法制度の整備も含んだ放射性廃棄物管理戦略の実施に向けて、4段階からなる協議プロセスを開始した。この第1段階においてDefraは、公衆協議を行い、協議文書への意見の概略を取りまとめた報告書を作成した。2003年11月には第2段階として、新しい独立組織である放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が設置され、放射性廃棄物管理オプションの検討に関する活動を開始した。CoRWMは、公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムなどを経て管理オプションをまとめ、2006年7月に政府に勧告を行った。政府はこれを受けて2006年10月に地層処分と処分サイトが決定するまでの中間貯蔵を組み合わせる管理方針を決定した。政府は第3段階として、2007年6月より2007年11月までの間、関心表明の募集(募集文書の発行及び地域社会からの関心の表明)、地域社会のパートナーシップなどのアプローチやサイト選定の審査及び評価基準など、地層処分の実施に向けた手続き、計画などについて公衆協議を実施し、2008年1月にはその結果を取りまとめた報告書を公表した。【6,9,13,14,18,19,21,24,27,30,31,51】
上記の公衆協議の結果も踏まえ、政府は2008年6月に白書「放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向けた枠組み」を公表した。今後は第4段階として、中間貯蔵及び地層処分計画が実施されることになる。この白書は、地層処分による放射能レベルの高い放射性廃棄物の長期管理に関する政府の枠組みを示すものであり、次の6段階からなる地層処分場の選定段階が示されている。【33,34】
サイト選定プロセスの諸段階
2008年6月の放射性廃棄物管理に関する白書の公表を受け、多くの原子力施設が立地しているカンブリア州のコープランド市は、2008年7月に地層処分場選定に関する政府との協議への関心表明を提出した。また、2008年12月にはカンブリア州が関心表明を行うことを示した書簡を提出しており、さらに2009年2月には、同州のアラデール市が関心表明を行った。現在、初期スクリーニングが行われている。【46,48,49,54】
英国における原子力発電は、設備容量は1,098万kWで、全発電容量の約15%であり、発電電力量は約630億kWhで総発電電力量の約16%となっている(2007年12月31日現在)。【35】
英国には、17カ所の原子力発電所があり、現在運転中の原子炉が19基(加圧水型原子炉(PWR)1基、ガス冷却炉(GCR)4基、改良型ガス冷却炉(AGR)14基)、閉鎖が26基(ガス冷却炉(GCR)22基、改良型ガス冷却炉(AGR)1基、蒸気発生重水炉(SGHWR)1基、高速増殖炉(FBR)2基)である (2009年1月1日現在)。【36,38】