諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

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フランスにおける
高レベル放射性廃棄物処分

> 1.処分の進捗

1.1 対象廃棄物・処分方針・処分量

 地層処分の対象廃棄物は、使用済燃料の再処理などから発生する高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物とされている。【17,23】

CSD-V
溶融したガラスの注入装置とガラス固化体用キャニスタ(CSD-V)
【高さ1.35m、直径0.43m、体積150リットルのステンレス製、約1.3トン分の高レベル放射性廃棄物を収納】
(ANDRAウェブサイト【43】より作成)

 フランスの全ての原子力発電所から発生する使用済燃料は年間約1,150トンであり、そのうち約850トンが再処理され、約200トンが再処理されずに使用済燃料のままで毎年蓄積されている。プルサーマル用MOX燃料の使用済燃料は毎年約100トン発生しており、これも当面はそのまま貯蔵する方針となっている。【17】

 2007年末におけるフランスの高レベル放射性廃棄物および使用済燃料等の貯蔵量は、ガラス固化体が2,293m3、長寿命中レベル放射性廃棄物が41,757m3、使用済燃料が12,887トンとなっている。 【33】

 また、加圧水型原子炉(PWR)の使用済燃料を年間850トン再処理することを想定して、2020年までに原子力に関する活動によって発生、蓄積される 廃棄物貯蔵量は、高レベル放射性廃棄物が3,605m3、長寿命中レベル放射性廃棄物が46,979m3、使用済燃料が16,894トンになるとされている。 【33】

 フランスでは使用済燃料は再利用が可能な資源(再処理を前提)とされているが、1991年放射性廃棄物管理研究法(詳細はこちら)のもとで、再処理せずに直接処分するオプションについての検討も行われてきた。また、高レベル放射性廃棄物の構成と量は、再処理の状況によって変化することが予想されるが、2002年の研究省の報告では、現在の施設の能力などを前提にした仮定の下で、次の3つのケースについて40年後の使用済燃料とガラス固化体の量が試算されている(下のグラフ)。【11,13】

  • 使用済燃料を全て再処理する場合(全量再処理)
  • 使用済MOX燃料のみを再処理しない場合(一部再処理)
  • 2010年に再処理を停止する場合(再処理停止)

40年後の使用済燃料およびガラス固化体の予測発生量
40年後の使用済燃料及びガラス固化体の予測発生量(m3
(研究省 研究戦略及び計画2002年【13】より作成) )

1.2 処分場サイト

 2006年放射性廃棄物等管理計画法は、2015年迄に可逆性のある地層処分場の設置許可申請を行うことができるように調査研究を実施することを規定している。また、処分場の設置許可発給は、可逆性に関する条件を定める法律制定後に行うとしている。更に同法は、処分場の設置許可申請が行えるのは地下研究所による研究対象となった地層に限定している。【23】

 1991年の放射性廃棄物管理研究法(詳細はこちら)に基づいて、可逆性のあるまたは可逆性のない地層処分の実現可能性を調査するための地下研究所設置サイトとして、フランス東部のムーズ/オート=マルヌの県境に位置するビュール(粘土層)が1998年に選定され、1999年に建設・操業許可が発給されている。なお、この地下研究所は原子力基本施設(INB)ではないため、実験を目的とした放射性物質の一時的な利用は認められているが、地下研究所で放射性廃棄物の貯蔵や処分を行うことは禁じられている。【2,7】


ビュール地下研究所及び周辺250km2の区域
(ANDRA資料より作成)

 1998年12月に政府がビュール地下研究所の建設を決定し、2000年以降、建設と共に研究が進められている。一方、同政府決定では花崗岩を対象とした第2地下研究所の必要性が示されたが、その後の反対運動のためにサイト選定活動は中止された。【8,43】

 ANDRAは、2006 年の放射性廃棄物等管理計画法で規定されたスケジュール等に基づき、ビュール地下研究所周辺の約250km2の区域を対象としたサイト選定に向けた調査を行い、2009年末には同区域から今後詳細な調査を行う候補サイト区域(約30km2の区域)を政府に提案し、2010年3月に了承された。ANDRAは2010年5月から、同区域での詳細な地質調査と地上施設の設置に関する調査を開始しており、2013年には地上施設を含む地層処分サイトを特定し、公開討論会を経て2014年中には地層処分場の設置許可申請を行う予定である。【43】


今後の詳細な地下の調査を行う、地層処分場の地下施設の展開が予定される約30km2の区域


地上施設を配置する可能性のある区域
(複数の地下施設配置案に対応可能な6つの候補区域)

1.3 候補岩種・処分深度・処分場の規模

 2006年放射性廃棄物等管理計画法は、処分場の設置許可申請が行えるのは地下研究所による研究対象となった地層に限定している。【23】

 ビュール地下研究所が存在する、深度420mに層厚約130mで存在するカロボ・オックスフォーディアン粘土層(地質年代が1億5千万年前)を対象とした処分概念では、処分深度は約500mとなっている。【2,7,8,43】

ビュール地下研究所の地層の概観
ビュール地下研究所の地層の概観
(ANDRAウェブサイト【43】より作成)

処分場の概念図
処分場の概念図
(ANDRAウェブサイト【43】より作成)

廃棄物の定置イメージ
廃棄物の定置イメージ
(ANDRA報告書【18】より作成)

1.4 廃棄物発生者

 地層処分される高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の主な廃棄物発生者は、フランス電力株式会社(EDF:原子力発電事業者)、AREVA社(使用済燃料再処理等)、原子力・代替エネルギー庁(CEA:研究省、国防省、エネルギー省、産業省の共同管轄下にある原子力等の研究開発機関)である。【17】

1.5 実施主体

  1991年放射性廃棄物管理研究法及び2006年放射性廃棄物等管理計画法の規定により、廃棄物発生者とは独立した立場である「商工業的性格を有する公社(EPIC)」として、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が放射性廃棄物の長期間の管理を行う組織として設置されており、次のような任務が課せられている。【3,17,23】

  • 国内の放射性物質及び放射性廃棄物のインベントリを作成し、3年ごとに改訂・公表
  • 政府が策定した「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に適合した形での、中間貯蔵施設及び地層処分場に関する研究及び調査活動を実施
  • 高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理に必要な費用の見積
  • 原子力安全基本規則等を遵守した形で放射性廃棄物処分に関する仕様の作成、及び管轄行政当局に対して廃棄物の調整に関する仕様についての見解を提示
  • 中間貯蔵施設または放射性廃棄物処分場の設計、設置、実現、管理、及びそのために必要な研究活動の実施
  • 放射性廃棄物の収集、輸送、引受ならびに放射能汚染サイトの環境修復
  • 放射性廃棄物の管理に関連する様々な情報を公衆が利用できるようにすると共に、この分野における科学及び技術的な文化の普及への貢献

処分事業の実施体制
処分事業の実施体制


本ホームページは、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業として、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが整備しています。

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