諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

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フィンランドにおける
高レベル放射性廃棄物処分

 フィンランドは、高レベル放射性廃棄物の地層処分場のサイト選定が世界で初めて最終決定された国である。地元自治体の承認を経て、2000年末には政府により地層処分場をオルキルオトにおいて建設する原則方針が決定され、2001年5月には議会による承認も行われている。2004年からオルキルオトにおいて詳細な調査を行うための地下特性調査施設(ONKALO)の建設が開始されており、計画では2012年に処分場の建設許可申請が行われ、2020年に処分場の操業が開始される予定である。
使用済燃料を廃棄物として直接地層処分

 フィンランドにおいては、原子力発電所から取り出された使用済燃料は、再処理されずに、高レベル放射性廃棄物として深い地層中に処分される。フィンランドの高レベル放射性廃棄物処分対策の基本方針は、1983年の廃棄物管理目標に関する政府の原則決定(詳細はこちら)により示されており、1987年の原子力法では、原子力施設の許認可取得者が、あらゆる放射性廃棄物の管理対策を講じ、適切な措置を行い、その費用負担の責任を有すると定められている。これを受けて、電力会社2社の共同出資によってポシヴァ社が設置され、最終処分に関する研究開発、処分場の建設、操業を行う実施主体となっている。【1,2,5】

サイト選定には安全・環境影響評価を含む 「原則決定」手続 が必要

 フィンランドでは、地層処分場のサイト選定の段階と目標時期は1983年に政府の「原則決定(詳細はこちら)」として決定された。原則決定とは、政府や行政省庁が施策を行う根拠として政府が決定する文章を言い、民間の事業者にも一定の効力が及ぶ、フィンランド特有の手続である。その後1987年の原子力法の全面改正で、原則決定の手続は原子力施設の導入に不可欠な法定手続となった。この手続では、事業者が申請する事業計画が社会全体の利益になるかを政府が判定し、計画を承認する場合にそれを「原則決定」という文書として国会に提出し、国会の承認を受けて正式のものとなる。政府が原則決定を行うためには、建設予定地の地元自治体の文書による同意が必須とされている。この原則決定は、その後に事業者が行う建設許可申請に必要となる。【1,2】

図1:原則決定の手続
原則決定の手続
(原子力法等より作成)

ユーラヨキのオルキルオトが処分場サイトとして選定される

 フィンランド政府は2000年12月に、ユーラヨキのオルキルオトでの最終処分場建設に向けて「政府の原則決定(詳細はこちら)」を行った。その後、この「原則決定」は、原子力法の規定によりフィンランド議会の審議に付され、2001年5月に議会の承認決議が行われた。この結果、2012年末までの建設許可申請に向けた精密なサイト特性調査(地下坑掘削を含む)が開始されている。この「原則決定」においては、オルキルオト原子力発電所及びロヴィーサ原子力発電所のそれぞれ2基の原子炉から発生する使用済燃料4,000トン(ウラン換算、以下同じ)についての処分のみが認められていた。また、当時建設計画中であったオルキルオト3号機の原子炉から発生する使用済燃料については、原子炉建設に関する原則決定に付託されていた。オルキルオト3号機の原子炉の建設についての原則決定とその使用済燃料処分についての原則決定が2002年5月に承認されたことにより、現在では合計6,500トンの処分が認められている。【14,18,32】

 その後、フィンランドの高レベル放射性廃棄物廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、オルキルオト4号機の建設許可申請に対応して2008年4月に使用済燃料の処分量を最大9,000トンに拡大する原則決定(詳細はこちら)の申請を行った。さらにポシヴァ社は、ロヴィーサ3号機の建設許可申請に対応して2008年5月に処分量を最大12,000トンに拡大する環境影響評価(EIA)計画書を、同年10月に環境影響評価(EIA)報告書を雇用経済省に提出した。その後、ポシヴァ社は2009年3月に処分量を最大12,000トンに拡大する原則決定を申請し、その際にEIA報告書を添付している。【30,31,33,38】

図2:使用済燃料の蓄積量
使用済燃料の蓄積量と処分量
(ポシヴァ社放射性廃棄物管理年報等より作成)

 また2000年12月に、地層処分の研究開発のための長期計画がポシヴァ社から発表され、精密調査のために、地下岩盤特性調査施設(ONKALO)が建設されることになっていた。2003年には、この地下岩盤特性調査施設(ONKALO)の建設許可がオルキルオトのあるユーラヨキ地方自治体より発給され、2004年6月から建設が開始されている。フィンランドにおいては、この調査施設は将来的には処分施設の一部として利用される予定である。【13,24】

処分場の操業開始目標は2020年

 今後、上記「原則決定(詳細はこちら)」に定められたスケジュール及び2003年の一部スケジュール変更に従って、ポシヴァ社は、2012年の処分場の建設許可申請、2020年の処分場の操業開始を目標としている。【14,19】

原子力発電の状況

 なお、フィンランドにおける原子力発電の設備容量は267万kWで、全発電容量の約16%であり、発電電力量は約234億kWhで総発電電力量の約29%となっている(2007年)。原子力発電所は、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)のオルキルオト原子力発電所(沸騰水型原子炉(BWR) 2基)とフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)のロヴィーサ原子力発電所(旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER) 2基)とがある。【41,48】

 また、2002年の原則決定(詳細はこちら)により建設が認められ、現在建設中のテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)のオルキルオト3号機の原子炉は設備容量が約160万kWの欧州加圧水型原子炉(EPR)で2012年の運転開始が予定されている。さらにフィンランドでは、複数の原子力発電所の建設が計画されている。【45】


本ホームページは、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業として、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが整備しています。

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