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フィンランドにおいては、原子力発電所から取り出された使用済燃料は、再処理されずに、高レベル放射性廃棄物として深い地層中に処分される。フィンランドの高レベル放射性廃棄物処分対策の基本方針は、1983年の廃棄物管理目標の政府による決定により示されており、1987年の原子力法では、原子力施設の許認可取得者が、あらゆる放射性廃棄物の管理対策を講じ、適切な措置を行い、その費用負担の責任を有すると定められている。これを受けて、電力会社2社の共同出資によってポシヴァ社が設置され、最終処分に関する研究開発、処分場の建設、操業を行う実施主体となっている。【1,2,5】
フィンランドでは、地層処分場のサイト選定の段階と目標時期は1983年に政府の「原則決定(詳細はこちら)」として決定された。原則決定とは、政府や行政省庁が施策を行う根拠として政府が決定する文章を言い、民間の事業者にも一定の効力が及ぶ、フィンランド特有の手続である。その後1987年の原子力法の全面改正で、原則決定の手続は原子力施設の導入に不可欠な法定手続となった。この手続では、事業者が申請する事業計画が社会全体の利益になるかを政府が判定し、計画を承認する場合にそれを「原則決定」という文書として国会に提出し、国会の承認を受けて正式のものとなる。政府が原則決定を行うためには、建設予定地の地元自治体の文書による同意が必須とされている。この原則決定は、その後に事業者が行う建設許可申請に必要となる。【1,2】
原則決定の手続
(原子力法等より作成)
フィンランド政府は2000年12月に、ユーラヨキ自治体のオルキルオトに最終処分場を建設する計画に対して「原則決定(詳細はこちら)」を行った。その後、この「原則決定」は、原子力法の規定によりフィンランド国会の審議に付され、2001年5月に国会の承認決議が行われた。この結果、2012年末までの建設許可申請に向けた精密なサイト特性調査(地下坑掘削を含む)が開始されている。この「原則決定」においては、オルキルオト原子力発電所及びロヴィーサ原子力発電所のそれぞれ2基の原子炉から発生する使用済燃料4,000トン(ウラン換算、以下同じ)についての処分のみが認められていた。また、2005年から建設が進められているテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)のオルキルオト3号機から発生する使用済燃料については、2002年5月のオルキルオト3号機の建設についての原則決定とその使用済燃料処分の処分場拡大に関する原則決定により、オルキルオト3号機から発生する分を加えた最大6,500トンの処分が認められた。【14,18,30】
その後、フィンランドの高レベル放射性廃棄物廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2008年のTVO社のオルキルオト4号機の建設申請に対応して、2008年4月に使用済燃料の処分量を最大9,000トンに拡大するための原則決定(詳細はこちら)の申請を行い、2010年5月に政府により原則決定が行われ、同年7月に国会で承認されている。【28,29,31,35,40,42,43】
新規原子炉の建設計画に伴う使用済燃料の最大処分量の変遷
(ポシヴァ社放射性廃棄物管理年報等より作成)
また2000年12月に、地層処分の研究開発のための長期計画がポシヴァ社から発表され、精密調査のために、地下特性調査施設(ONKALO)が建設されることになった。2003年には、このONKALOの建設許可がオルキルオトのあるユーラヨキ地方自治体より発給され、2004年6月から建設が開始されており、2010年6月には処分深度である約420mに達している。フィンランドにおいては、この調査施設は将来的には処分施設の一部として利用される予定である。【13,23,41】
今後、ポシヴァ社は、2012年に使用済燃料の処分場とキャニスタ封入施設の建設許可を申請した後、2014年に処分場の、2015年にキャニスタ封入施設の建設を開始し、2018年の同処分場・施設の操業許可申請の提出を経て、2020年の同処分場・施設の操業開始を目標としている。【14,19,37,39】
フィンランドにおける原子力発電の設備容量は267万kWで、全発電容量の約16%であり、発電電力量は約230億kWhで総発電電力量の約30%となっている(2008年)。原子力発電所は、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)のオルキルオト原子力発電所(沸騰水型原子炉(BWR) 2基)とフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)のロヴィーサ原子力発電所(旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER) 2基)とがある。【48,52】
また、2002年の原則決定(詳細はこちら)により建設が認められ、現在建設中のTVO社のオルキルオト3号機の原子炉は設備容量が約160万kWの欧州加圧水型原子炉(EPR)で2013年の運転開始が予定されている。さらにフィンランドでは、2010年5月の原則決定と同年7月の国会による承認により、TVO社のオルキルオト4号機の建設、及び新規に原子力発電産業に参入するフェノヴォイマ社による1基の原子炉建設が認められている。【49】