諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

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ドイツにおける
高レベル放射性廃棄物処分

> 1.処分の進捗

1.1 対象廃棄物・処分方針・処分量

 対象廃棄物は、使用済燃料、使用済燃料の再処理により発生する高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)及び我が国でTRU廃棄物とされている廃棄物の一部(ハル・エンドピース圧縮体など)である。ドイツでは、放射性廃棄物の区分として、発熱性放射性廃棄物と非発熱性放射性廃棄物が定義されており、使用済燃料を含む高レベル放射性廃棄物は発熱性放射性廃棄物に分類されている。【28,33】

ドイツの放射性廃棄物処分における分類
ドイツの放射性廃棄物処分における分類

 処分方針には、再処理により発生する高レベル放射性廃棄物についてはガラス固化を行った上で処分する他、1994年からは原子力法の改正により、使用済燃料の直接処分も含まれる。2002年の原子力法改正により、2005年7月以降の再処理のための使用済燃料の引渡しは禁止になった。【2,28】

 高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の場合は、キャニスタに封入され、地層処分される。使用済燃料の場合は、ポラックス型キャスクもしくは専用のキャニスタ(BSKキャニスタ)に封入され、地層処分される。【21,36】

使用済燃料用ポラックス-8型キャスク
使用済燃料用ポラックス-8型キャスク
(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)資料より引用【21】)

 また、廃棄物の定置方式としては、処分坑道横置き方式と処分孔縦置き方式の2通りが検討されている。【36】

 発熱性放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物はこれに含まれる)の処分量は、2002年に改正された原子力法に定められた原子力発電所の運転期間32年を前提とすると、2040年までで約29,000m3と見積もられている。一方で、2010年9月、連邦政府が既設の原子力発電所の運転期間を平均で12年延長することを盛り込んだエネルギー構想を閣議決定したことから、廃棄物の発生量の増加が予想される。【38,39,47】

1.2 処分場サイト

 1977年にニーダーザクセン州のゴアレーベンが、州の提案を受ける形で、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の処分場候補サイトとして選定された。ゴアレーベンでのサイト調査は1970年代から継続して行われてきたが、1998年以降の政策の見直しにより、2000年10月以降新たな探査活動が暫時凍結された。その後、2009年10月に成立した現連立政権は、ゴアレーベン・サイトの探査活動の凍結を撤廃する方針を示したことから、2010年11月に探査活動は再開された。【5,28,35,37,50】

ゴアレーベン
ゴアレーベン
(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)資料より引用【24】)

 なお、1999年から、岩塩以外の地層も含めた検討、サイト選定手続のあり方を含めて、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)の下にサイト選定手続委員会(AkEnd)が設けられ、2002年12月にAkEndの最終報告がまとめられている。【23,27】

AkEndの最終報告書
AkEndの最終報告書(【23】)

ゴアレーベン処分場サイトの位置図
ゴアレーベン処分場候補サイトの位置図(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)資料などより作成【24】)

1.3 候補岩種・処分深度・処分場の規模

 ゴアレーベン・サイトの岩種は、岩塩である。ゴアレーベン・サイトにおける処分深度は、840mから1,200mの範囲で考えられている。ゴアレーベンの岩塩ドームの規模は長さ約14km、幅約4kmであり、今後発生する全ての放射性廃棄物を処分可能な規模が予定されている。なお、岩塩ドームとは、岩塩層がその上位に堆積した地層との比重差によってドーム状に隆起して形成された構造であり、ゴアレーベン・サイトの岩塩ドームは約2億5千年前に出来た岩塩層が長い年月をかけて隆起して形成されたものと考えられている。【14,18,21】

ゴアレーベンにおける処分概念イメージ
ゴアレーベンにおける処分概念イメージ
(ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)等資料より引用【14】)

ゴアレーベンにおける廃棄物定置の概念図
ゴアレーベンにおける廃棄物定置の概念図
(左:使用済燃料→処分坑道横置き方式、 右:ガラス固化体→処分孔縦置き方式) (ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)資料より引用【21】)

1.4 廃棄物発生者

 ドイツにおいては、使用済燃料を含む高レベル放射性廃棄物の主たる発生者は、現在運転中の17基の原子炉を持つ発電事業者である。運転中の17基の他に、既に廃止された原子炉も18基ある。運転中の17基の内訳は、加圧水型原子炉(PWR)が11基、沸騰水型原子炉(BWR)が6基となっている。【41】

ドイツの原子力発電所
ドイツの商業用原子炉

1.5 実施主体

 原子力法第9a条は、放射性廃棄物処分場の設置は、連邦が責任を持つものと定めている。連邦政府では、以前は連邦物理・技術研究所(PTB)が処分事業の責任者となっていたが、1989年に放射性廃棄物の処分に関するあらゆる活動が連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)の下に設立された連邦放射線防護庁(BfS)に移管されており、現在はBfSが処分場の建設及び操業を行う実施主体となっている。【2,10,43】

 また、同じく原子力法によれば、連邦放射線防護庁(BfS)が実施主体としての義務を果たすに当たっては第三者の起用が認められており、1979年に設立されたドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)連邦放射線防護庁(BfS)との契約により、連邦放射線防護庁(BfS)のために処分場の建設・操業作業にあたっている。【2,43】

ドイツにおける処分事業の実施体制図
ドイツにおける処分事業の実施体制図


本ホームページは、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業として、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが整備しています。

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