諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

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ベルギーにおける
高レベル放射性廃棄物処分

 ベルギーでは、使用済燃料の再処理を凍結して、使用済燃料の管理オプションについて評価が行われている段階である。当初は全ての使用済燃料を再処理する計画であったが、1993年に新たな再処理契約を凍結し、再処理又は直接処分の両オプションの比較を行う決定がなされ、現在も引き続き調査が行われている。両オプションの場合とも、粘土層での地層処分が検討されている。処分場の建設は、2025年以前には開始されない計画である。
再処理と直接処分の両オプションを比較

 ベルギーにおいては、商業用原子力発電所から取り出された使用済燃料は、全量再処理を行うのが原則とされていた。この方針に従い、全部で約670tの使用済燃料がフランスのAREVA NC社(旧COGEMA社)において再処理された。その後、1993年に、新たな再処理契約を5年間凍結し、その間に再処理と直接処分のバックエンド戦略の比較検討を行うべきとの議会決議がなされ、同様の政府決定も行われた。5年後の1998年にまとめられた報告書も両オプションの評価には不十分とされ、さらに再処理の凍結が延長され、研究開発が続けられている。また、長寿命中低レベル放射性廃棄物も高レベル放射性廃棄物とともに地層処分することが考えられている。【8,16】

実施主体はONDRAF/NIRAS

 ベルギーにおける高レベル放射性廃棄物処分の実施主体は、ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)である。ONDRAF/NIRASは、1980年に設置され、ベルギーにおける全ての放射性廃棄物管理を一元的に行う機関である。廃棄物発生者から拠出された基金の管理もONDRAF/NIRASが行っている。ただし、処分場の立地等は具体的に決定されていないため、処分場の操業自体は、現在実施されている放射性廃棄物管理の場合と同様に、ONDRAF/NIRASから他の機関に委託される可能性もある。【16】

 なお、ONDRAF/NIRASは、2006年2月の戦略的環境影響評価に関する法律に基づき、高レベル放射性廃棄物の長期管理に関する方針を示す国家廃棄物計画を2010年に策定するために、市民との対話集会、専門家との学際的会議及び公式の協議等の活動を行っている。【24】

図1:ベルギーの実施体制
図1:ベルギーの実施体制

粘土層での地層処分を検討

 ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、高レベル放射性廃棄物に関しては、ベルギー国内の粘土層での地層処分を検討している。ベルギーには処分場の建設が可能となるような岩塩ドームは無く、また結晶質岩層は非常に深い位置にあるため、粘土層における地層処分の可能性が研究されている。また、ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)のあるモルというサイトでは、地下約225mのブーム粘土層に地下研究所が建設されており、研究開発が実施されている。【22,23】
 なお、ベルギーでは、国際共同処分についても並行して検討するオプションと位置付けられている。【6】

図2:ベルギーの地層処分概念
図2:ベルギーの地層処分概念
(ONDRAF/NIRASウェブサイト【22】より引用)

原子力発電の状況

 ベルギーにおける原子力発電は、設備容量は583万kWで、全発電容量の約36%であり、発電電力量は約482億kWhで総発電電力量の約55%となっている(2007年)。原子力発電所は、ドール原子力発電所(加圧水型原子炉(PWR) 4基)とチアンジュ原子力発電所(加圧水型原子炉(PWR) 3基)とがある。操業者は全てエレクトラベル社である。なお、ベルギーでは、2003年1月に、新規の原子力発電所の建設を禁止し、また既存の原子力発電所の運転年数を40年間に制限する、原子力発電からの段階的撤退法が制定された。これにより、ベルギーのエネルギーの安定供給に支障が生じない限りは原子力発電からの撤退が行われる方針となっていたが、2009年10月に連邦政府は、2015年閉鎖予定の3基の運転年数を10年間延長することを決定している。【11,16,17,18,19】


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