諸外国での高レベル放射性廃棄物処分

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 ======TURVA-2012====== ======TURVA-2012======
 +<wrap lo tip>TURVA はフィンランド語で「安全」(safety)を意味します。</wrap>
 +{{:srsr:turva-2012:Posiva_2012-12.png?150&direct|}}
 +
 Safety Case for the Disposal of Spent Nuclear Fuel at Olkiloto - Synthesis 2012 \\ Safety Case for the Disposal of Spent Nuclear Fuel at Olkiloto - Synthesis 2012 \\
 December 2012, Posiva 2012-12, Posiva Oy December 2012, Posiva 2012-12, Posiva Oy
  
-<wrap lo tip>TURVA はフィンランド語で「安全」(safety)を意味する。</wrap> 
  
 +<WRAP clear></WRAP>
 +\\
 +====== ======
 +----
 +  * 1. [[start|安全評価書の位置付けとレビュー]] <- :!: NOW You are Here!
 +  * 2. [[sysdesc|処分システムと安全要件]]  | <wrap smaller>対象廃棄物 / 想定処分地 / 処分概念 / 放射線防護基準 </wrap>
 +  * 3. [[methodology|安全評価の進め方]] | <wrap smaller>FEP / シナリオ / モデル / 不確実性の取り扱い</wrap>
 +  * 4. [[showcase|評価結果]]
  
 +----
 +
 +<WRAP clear/>
 +\\
 =====TURVA-2012セーフティケースの位置付け===== =====TURVA-2012セーフティケースの位置付け=====
 +{{http://www2.rwmc.or.jp/images/misc/faq01/q02.gif?nolink}}処分地選定プロセスのどの段階で、どのような目的で実施された安全評価なのか...
 ==== 評価の目的 ==== ==== 評価の目的 ====
-ポシヴァ社は、2012年12月28日、使用済燃料の処分場の建設許可申請書を政府に提出した。建設許可申請においてポシヴァ社は予備的安全解析書(PSAR 2012)を取りまとめ、規制機関へ提出した。**TURVA-2012**は、PSAR 2012及びオルキルオト・サイトにおいて使用済燃料の処分を行う処分場の建設許認可に関する申請を支援するために、ポシヴァ社が作成したセーフティケースと位置付けられている。+ポシヴァ社は、[[nf>p=8839|2012年12月28日、使用済燃料の処分場の建設許可申請書を政府に提出]]した。建設許可申請においてポシヴァ社は予備的安全解析書(PSAR 2012)を取りまとめ、規制機関へ提出した。**TURVA-2012**は、PSAR 2012及びオルキルオト・サイトにおいて使用済燃料の処分を行う処分場の建設許認可に関する申請を支援するために、ポシヴァ社が作成したセーフティケースと位置付けられている。
  
 TURVA-2012セーフティケースでは、計画中の処分システムが長期間にわたり放射能面で安全なものであることを示す論拠が取り扱われている。なおTURVA-2012は、使用済燃料定置後の処分システムの変遷、性能及び安全性を取り扱う長期的な放射線学的なセーフティケースを取り扱うものであり、安全性のその他の側面についてはPSAR等で取り扱われている。 TURVA-2012セーフティケースでは、計画中の処分システムが長期間にわたり放射能面で安全なものであることを示す論拠が取り扱われている。なおTURVA-2012は、使用済燃料定置後の処分システムの変遷、性能及び安全性を取り扱う長期的な放射線学的なセーフティケースを取り扱うものであり、安全性のその他の側面についてはPSAR等で取り扱われている。
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 {{:sa:turva-2012:turva-2012-portfolio_w1200.png?300|TURVA-2012 safety case portfolio}} {{:sa:turva-2012:turva-2012-portfolio_w1200.png?300|TURVA-2012 safety case portfolio}}
 </WRAP> </WRAP>
-ポシヴァ社は、セーフティケースをポートフォリオの構成で作成している。+ポシヴァ社は、セーフティケースを “[[portfolio|ポートフォリオ]]” の構成で作成している。
  
 <WRAP clear></WRAP> <WRAP clear></WRAP>
- 
  
 =====ポシヴァ社の安全評価戦略===== =====ポシヴァ社の安全評価戦略=====
 +
 +{{ :srsr:turva-2012:Posiva_2012-12-F2-4_ja.png?200&nodirect|図2}}
 +
 フィンランドにおける原子力廃棄物処分場の長期的な安全確保の考え方は、人工バリアと母岩からなる多重バリア処分システムに基づくものである(図2)。 フィンランドにおける原子力廃棄物処分場の長期的な安全確保の考え方は、人工バリアと母岩からなる多重バリア処分システムに基づくものである(図2)。
 +
 +<WRAP clear></WRAP>
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 +{{ :srsr:turva-2012:Posiva_2012-12-F2-3_ja.png?200&nodirect|図3}}
  
 安全理念とは、これらの理念が全体として、使用済燃料の安全な処分をオルキルオト・サイトの現在及び将来の条件において達成することを目的として適用される方法の概念的な記述である。(図3) 安全理念とは、これらの理念が全体として、使用済燃料の安全な処分をオルキルオト・サイトの現在及び将来の条件において達成することを目的として適用される方法の概念的な記述である。(図3)
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 |**閉鎖材**  |地下開口部によって、地表環境及び人間、植物及び動物の通常の居住/生息地からの処分場の長期的な隔離が損なわれる事態を防止する。▶開口部を通じた重要な透水性流動経路の形成を防止することにより、その他の人工バリアにとって良好かつ予測の比較的容易な地球化学及び水理地質学的な条件に寄与する。▶処分場からの有害物質への流入及び放出を制限し、遅延させる。  | |**閉鎖材**  |地下開口部によって、地表環境及び人間、植物及び動物の通常の居住/生息地からの処分場の長期的な隔離が損なわれる事態を防止する。▶開口部を通じた重要な透水性流動経路の形成を防止することにより、その他の人工バリアにとって良好かつ予測の比較的容易な地球化学及び水理地質学的な条件に寄与する。▶処分場からの有害物質への流入及び放出を制限し、遅延させる。  |
  
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 +====セーフティケース中間概要報告書2009年に関する規制機関からのフィードバック====
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 +ポシヴァ社が『セーフティケース中間概要報告書2009年』 ((Posiva 2010. Interim Summary Report of the Safety Case 2009. Eurajoki, Finland: Posiva Oy. POSIVA 2010-2. ISBN 978-951-652-173-5)) を提出した後に、原子力規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)は、長期安全性及び操業安全性を明示する作業におけるポシヴァ社の準備状況と、「原子力廃棄物の処分の安全性に関する政令(736/2008)」を参照し、原子力廃棄物処分に関する安全要件の履行状況の評価を行った。
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 +STUKは、一般的な指摘事項として、ポシヴァ社の安全性に関する情報の提示方法に一貫性がなく、場合によってはトレーサビリティの観点から問題があるとしている。また、ポシヴァ社が提出した資料は、推論及び分析の面で限界が見受けられるため、様々な要件が満たされていることを明示するため、さらには導き出された結論の立証を行う際に、不足点があることを指摘している。
 +
 +TURVA-2012セーフティケースは、これらSTUKからの指摘事項を優先的に取扱うべき重要問題として考慮に入れ、作成されている。
  
  
  
srsr/turva-2012/start.1391775589.txt.gz · 最終更新: 2014/02/07 21:19 by ss12955jp