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hlw:de:chap3 [2014/01/08 10:55] – [安全規則] sahara.satoshi | hlw:de:chap3 [2018/05/02 16:34] (現在) – sahara.satoshi | ||
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- | ~~bc:3.処分事業に係わる制度/実施体制~~ | + | ~~ShortTitle: |
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | |
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- | ====== 3. 処分事業に係わる制度/実施体制 ====== | + | ====== 3. 処分事業の実施体制と資金確保 |
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- | * ドイツでは**高レベル放射性廃棄物処分場の設置責任は連邦政府にある**とされています。連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMU)が所管省であり、その下の**連邦放射線防護庁(BfS)**が実施主体となっています。BfSはサイト選定の任務を外部委託することなく、主体的に実施することになっています。 | + | * ドイツでは原子力法において高レベル放射性廃棄物処分場の設置及び操業責任は連邦政府にあり、この処分場の設置及び操業の実施については、連邦政府が100%所有する組織に委託しなければならないと規定されています。この規定に基づき、実施主体として連邦放射性廃棄物機関(BGE)が設置され、2017年4月に活動を開始しました。 |
- | * 2014年1月1日に連邦放射性廃棄物処分庁設置法が施行され、今後、放射性廃棄物処分に関する安全規制機関として**連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)**が設置される予定です。これにより、従来は州当局に委任されていた高レベル放射性廃棄物処分に関する許認可権限が連邦に集約されます。 | + | * 放射性廃棄物処分に関する安全規制機関として、2014年9月に連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)が設置されました。BfEは、従来は州当局に委任されていた高レベル放射性廃棄物処分に関する許認可発給やサイト選定手続きの監督・調整などを行っていくこととされています。 |
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===== 実施体制の枠組み ===== | ===== 実施体制の枠組み ===== | ||
- | 下の図は、ドイツにおける高レベル放射性廃棄物処分に係る実施体制を図式化したものです。連邦政府では、原子力問題全般を担当する連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMU)が管轄官庁であり、その下に設けられた**連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)**が、高レベル放射性廃棄物処分に関する規制を担います。処分場建設・操業の実施主体である**連邦放射線防護庁(BfS)**も、BMUに所属する連邦官庁です。 | + | 下の図は、ドイツにおける放射性廃棄物処分に係る実施体制を図式化したものです。連邦政府では、原子力問題全般を担当する連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が管轄官庁であり、その下に設けられた**連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)**が、高レベル放射性廃棄物処分に関する規制を担います。処分場建設・操業の実施主体である**連邦放射性廃棄物機関(BGE)**は、100%連邦政府が所有する私法上の組織として設置され、BMUBの監督を受けます。 |
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- | <WRAP clear></ | + | 2014年1月1日付けで発効した連邦放射性廃棄物処分庁設置法により、2014年9月に連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)が設置されました。BfEは、処分場サイト選定手続全体の監督・調整を担います。処分場サイトが決定した後は、高レベル放射性廃棄物処分に関する規制当局として、実施主体に対する監督を行います。なお、従来は高レベル放射性廃棄物の処分場については、州の管轄官庁が許認可当局としての役割を担っていましたが、BfEの設置などに伴い規制・実施体制が見直されました。 |
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- | 2014年1月1日付けで発効した連邦放射性廃棄物処分庁設置法により、今後連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)が設置される予定です。BfEは処分場サイト選定手続き全体の監督・調整を担います。処分場サイトが決定した後は、高レベル放射性廃棄物処分に関する規制当局として、実施主体であるBfSに対する監督を行います。 | + | |
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- | なお、従来は高レベル放射性廃棄物の処分場については、州の管轄官庁が許認可当局としての役割を担っていましたが、連邦放射性廃棄物処分庁の設置などに伴い規制・実施体制が見直されました。 | + | |
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- | 連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)は、サイト選定の段階から処分場の建設・操業・閉鎖に至るまで一貫して、高レベル放射性廃棄物の処分事業場規制監督の任を担います。 | + | |
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- | 原子力法では、同庁が許認可を発給する際は、州や関係自治体も決定に参加することとされています。 | + | |
- | 各研究所等が行う基礎的な調査・研究は、連邦経済・エネルギー省(BMWi)及び連邦教育・研究省(BMBF)が中心となって進めています。 | + | BfEは、サイト選定の段階から処分場の建設・操業・閉鎖に至るまで、高レベル放射性廃棄物の処分事業に対する規制監督の任を一貫して担います。 |
+ | 原子力法では、BfEが許認可を発給する際は、州や関係自治体も決定に参加することとされています。 | ||
+ | BfEは、2016 年の法改正により、「連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)」に名称変更されました。 | ||
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===== 実施主体 ===== | ===== 実施主体 ===== | ||
- | ドイツの原子力法では、放射性廃棄物の処分場を連邦政府が設置することになっています(州は、必要な場合、中間貯蔵施設を設置する責任があります)。処分場の建設・操業の実施主体として、**連邦放射線防護庁(BfS)**が1989年に設置されています。BfSは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMU)の監督下にあり、主として放射線防護、通信機器の電磁波対策に関する連邦の業務を実施していますが、所掌の一つとして放射性廃棄物の処分・輸送などに関する業務も担当しています。 | + | ドイツの原子力法では、放射性廃棄物の処分場を連邦政府が設置することになっています。処分場の建設・操業の実施主体としてはこれまで、連邦放射線防護庁(BfS)がその役割を担ってきました。BfSは、民間会社であるドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE 社)と業務契約を結び、ゴアレーベンでの探査作業を委託していました。しかし、2016 年に原子力法が改正され、連邦政府は、処分場の設置等の役割を連邦政府が100%所有する私法上の第三者に委託しなければならないと規定されました。この規定に基づき、処分場の建設・操業の実施主体として**連邦放射性廃棄物機関(BGE)**が設置されることになっています。BGE は、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の監督下で、BfS、DBE 社及びアッセII 研究鉱山を管理するアッセ有限会社の役割すべてを継承し、実施主体としての役割を果たしていくこととされています。 |
- | 2013年7月に新たに制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)では、BfSは“サイト選定の任務を第三者に委任できない”と規定されました。なお、サイト選定以外の業務の委任については制限はありません。ドイツでは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定プロセスは連邦政府が主導する形になります。 | + | BGEは、2013年7月に新たに制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づく選定手続きにおいても、探査地域・サイトの提案、探査や予備的安全評価の実施などの役割を果たすことになっています。 |
- | サイト選定法の制定以前は、BfSは民間会社であるドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)と業務契約を結び、放射性廃棄物処分に関する実務作業(ゴアレーベンでの地下探査など)を委託していました。DBE社は、PTBが実施主体であった1979年に連邦政府系の出資も含めて設立された会社です。現在は政府系機関からの出資はなく、原子力発電所を所有する電力会社が株主となっている原子力サービス社(GNS)が、DBE社に75%を出資しています。 | + | <WRAP clear/> |
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===== 安全規則 ===== | ===== 安全規則 ===== | ||
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- | 発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件 | ||
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ドイツにおける放射性廃棄物処分に関する安全規則としては、1983年4月に当時の所轄官庁であった内務省が制定した「鉱山における放射性廃棄物の最終処分に関する安全基準」があります。ここでは、放射線防護令で規定された安全基準である年間0.3mSv(ミリシーベルト)が保証されなければならないとされています。この最終処分の安全基準は、コンラッドでの非発熱性放射性廃棄物の処分に係る計画確定手続において適用されました。 | ドイツにおける放射性廃棄物処分に関する安全規則としては、1983年4月に当時の所轄官庁であった内務省が制定した「鉱山における放射性廃棄物の最終処分に関する安全基準」があります。ここでは、放射線防護令で規定された安全基準である年間0.3mSv(ミリシーベルト)が保証されなければならないとされています。この最終処分の安全基準は、コンラッドでの非発熱性放射性廃棄物の処分に係る計画確定手続において適用されました。 | ||
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|**線量基準**:評価期間は100万年を目安とする。 | |**線量基準**:評価期間は100万年を目安とする。 | ||
|○発生確率の高い事象 | |○発生確率の高い事象 | ||
|○発生確率の低い事象 | |○発生確率の低い事象 | ||
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+ | 発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件 | ||
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- | 一方、BMUは、2009年7月に「発熱性放射性廃棄物の最終処分のための安全要件」を策定しました。なお、ゴアレーベンでの探査活動の再開に先立ち、BMUはゴアレーベン・サイトへの安全要件の適用についてニーダーザクセン州を含む各州の政府と協議し、2010年9月に安全要件の一部を改訂しています。ただし、安全要件に幾つかの課題があることから協議を継続していました。 | + | ゴアレーベン・サイトへの適用を前提に、BMU(現BMUB の旧称)は |
+ | 2009年7月に「発熱性放射性廃棄物の最終処分のための安全要件」を策定し、2010年9月に安全要件の一部を改訂していました。 | ||
- | 今後は、2013年に制定されたサイト選定法に基づき、2015年末までに「高レベル放射性廃棄物処分委員会」が安全要件に関する検討結果を勧告としてまとめて政府・議会に提出し、議会がこれを元に安全要件等のサイト選定に関わる各種の基準を、連邦法として採決する予定となっています。 | + | その後、2013年に制定されたサイト選定法では、「[[chap4#高レベル放射性廃棄物処分委員会]]」が、安全要件についても検討し勧告を行うことになっています。高レベル放射性廃棄物処分委員会は、2016年7月に安全要件に関する検討結果を勧告としてまとめて政府・議会に提出しました。勧告には、安全要件をサイト選定法に組み入れるべきことや各種規定の妥当性等を再確認すべきことなどが含まれています。今後、議会がこれを元に安全要件の改定について検討し法令として策定することになっています。 |
- | 現状の安全要件では、100万年を評価目安期間として線量基準を規定しています。その他放射線防護一般に関しては放射線防護令で定められています。 | + | 現状の安全要件では、100万年を評価目安期間として線量基準を規定しています。その他放射線防護一般に関しては放射線防護令で定められています。その他の放射線防護一般に関しては放射線防護令で定められています。 |
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+ | ====== 3.2 処分費用の確保 ====== | ||
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+ | * ドイツではこれまで、放射性廃棄物処分費用については、廃棄物発生者である電力会社等が引当金を確保し、現段階で発生する費用については、処分場の設置・運営の責任を有する連邦政府に対して、原子力発電事業者が毎年支払いを行っていました。 | ||
+ | * しかし、2016 年に新たな法律が制定され、公的な基金を設置し処分費用などを管理することが決定されました。この法律に基づき、2017年に放射性廃棄物管理のための基金が設置され、原子力発電事業者から拠出金の払込みが行われました。 | ||
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+ | ===== 処分費用の負担者 ===== | ||
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+ | ドイツでは、廃棄物の発生者は、これまで引当金として放射性廃棄物管理費用を確保してきました。しかし、2016 年に新たな法律が制定され、公的基金を設置し放射性廃棄物管理費用を管理することとなりました。廃棄物発生者が、基金に対して放射性廃棄物管理の将来費用と、リスクに備えるための保険料を払い込む代わりに、放射性廃棄物の輸送、中間貯蔵から処分までは連邦政府の責任で行うこととなりました。 | ||
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+ | 今後、資金確保を含め、放射性廃棄物管理に関する責任は連邦政府に移行し、基金への払い込み完了後は、費用が増大した場合でも、廃棄物発生者が追加の負担を求められることはありません。 | ||
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+ | ===== 処分費用の確保制度 ===== | ||
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+ | ドイツでは、これまで放射性廃棄物管理費用の確保に関する公的な基金制度はありませんでした。このため、原子力発電事業者などは、原子炉の廃止措置のための費用や、放射性廃棄物の管理のために発生する将来費用を引当金として確保していました。 | ||
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+ | しかし、2016年12月に公的基金の設置等を規定した法律が制定されました。 | ||
+ | この法律により、放射性廃棄物管理のための基金が設置され、廃棄物発生者である原子力発電事業者は、 | ||
+ | 2017年7月に基金に対して放射性廃棄物管理の将来費用として約179億ユーロ(約2兆3, | ||
+ | リスクに備えるための保険料として約62億ユーロ(約8, | ||
+ | これにより、放射性廃棄物の中間貯蔵以降の放射性廃棄物管理費用は、この基金から支払われ、 | ||
+ | 不足した場合には連邦政府が負担することになります。 | ||
+ | 基金で賄われる放射性廃棄物管理費用には、放射性廃棄物の輸送、中間貯蔵、処分場の建設・操業・閉鎖の費用が含まれます。 | ||
+ | なお、原子力による発電電力量に応じた基金への拠出はありません。 | ||
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+ | ===== 処分費用の見積もり ===== | ||
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+ | 連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が2015年に公表した見積りによると、発熱性放射性廃棄物処分場の建設・操業・閉鎖に係る費用は、約77億ユーロ(約1兆240億円)です。このうち、処分場の建設の費用が約39億ユーロ(約5, | ||
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+ | また、サイト選定法に基づくサイト選定のための費用は、20億ユーロ(約2, | ||
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====== 3.2 処分に関わる法制度 ====== | ====== 3.2 処分に関わる法制度 ====== | ||
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* 高レベル放射性廃棄物処分に関する基本的な枠組みは、原子力法で定められています。ただし、ドイツの特徴としてサイト調査段階においては原子力法の適用はなく、地下における活動等は鉱山法によって規制されています。 | * 高レベル放射性廃棄物処分に関する基本的な枠組みは、原子力法で定められています。ただし、ドイツの特徴としてサイト調査段階においては原子力法の適用はなく、地下における活動等は鉱山法によって規制されています。 | ||
* 「原子力の平和利用及びその危険の防護に関する法律」(原子力法)は原子力関係の基本法ですが、2002年4月に「商業発電のための原子力利用の秩序正しい終結に関する法律」という名称の改正法が成立しています。それまでの原子力法は原子力の平和利用の促進を目的としていましたが、改正後は商業用原子力発電からの段階的撤退が規定されています。原子力法は、原子力の利用、放射性廃棄物管理(貯蔵・処分等)の許認可手続や、関係機関の役割や責任等を定めている法律です。放射性廃棄物の処分場設置の責任が連邦にあることも、この原子力法で定められています。 | * 「原子力の平和利用及びその危険の防護に関する法律」(原子力法)は原子力関係の基本法ですが、2002年4月に「商業発電のための原子力利用の秩序正しい終結に関する法律」という名称の改正法が成立しています。それまでの原子力法は原子力の平和利用の促進を目的としていましたが、改正後は商業用原子力発電からの段階的撤退が規定されています。原子力法は、原子力の利用、放射性廃棄物管理(貯蔵・処分等)の許認可手続や、関係機関の役割や責任等を定めている法律です。放射性廃棄物の処分場設置の責任が連邦にあることも、この原子力法で定められています。 | ||
- | * 一方、処分サイトの選定は「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づいて行われます。この法律では、選定に関わる安全要件や調査対象サイトの決定、処分サイトの最終決定など、サイト選定に関わる重要な決定は、市民集会などの公衆参加プロセスにかけた上で、最終的に議会が連邦法として採択するという形をとるとしています。 | + | * 一方、処分サイトの選定は「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づいて行われます。この法律では、選定に関わる安全要件や調査対象サイトの決定、処分サイトの最終決定など、サイト選定に関わる重要な決定は、市民集会などの公衆参加プロセスにかけた上で、最終的に議会が連邦法として採択するという形をとると定めています。 |
* ドイツでは放射性廃棄物を定置する前のサイト調査活動は原子力法の適用を受けず、鉱山法の許認可取得が必要となります。ゴアレーベンの地下探査活動も、この鉱山法の許可に基づいて行われていました。 | * ドイツでは放射性廃棄物を定置する前のサイト調査活動は原子力法の適用を受けず、鉱山法の許認可取得が必要となります。ゴアレーベンの地下探査活動も、この鉱山法の許可に基づいて行われていました。 | ||
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* 放射性廃棄物に関する安全規制については、原子力法では概括的な考え方が規定されているのみです。放射線防護に関する全般的な安全規制としては放射線防護令がその基本的な法令ですが、処分場に特定化した形での規制は定められていません。 | * 放射性廃棄物に関する安全規制については、原子力法では概括的な考え方が規定されているのみです。放射線防護に関する全般的な安全規制としては放射線防護令がその基本的な法令ですが、処分場に特定化した形での規制は定められていません。 | ||
* 放射性廃棄物処分に関する安全基準としては、もとは原子炉安全委員会(RSK)の勧告として出された1983年の「鉱山における放射性廃棄物の最終処分のための安全基準」があり、放射性廃棄物処分に関する基本的な要件を定めています。この安全基準は、コンラッドでの非発熱性放射性廃棄物の処分に係る計画確定手続において適用されました。 | * 放射性廃棄物処分に関する安全基準としては、もとは原子炉安全委員会(RSK)の勧告として出された1983年の「鉱山における放射性廃棄物の最終処分のための安全基準」があり、放射性廃棄物処分に関する基本的な要件を定めています。この安全基準は、コンラッドでの非発熱性放射性廃棄物の処分に係る計画確定手続において適用されました。 | ||
- | * 2009年7月、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」を策定しました(2010年9月に一部改訂)。この安全要件は、発熱性放射性廃棄物の地層処分のみに適用されるものであり、「鉱山における放射性廃棄物の最終処分のための安全基準」に代わるものとされています。 | + | * 2009年7月、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(現BMUB の旧称)は「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」を策定しました(2010年9月に一部改訂)。この安全要件は、発熱性放射性廃棄物の地層処分のみに適用されるものであり、「鉱山における放射性廃棄物の最終処分のための安全基準」に代わるものとされています。 |
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*<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | *<fs 90%>1. [[prologue|高レベル放射性廃棄物の発生状況と処分方針]]</ | ||
*<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | *<fs 90%>2. [[chap2|地層処分計画と技術開発]]</ | ||
- | *<fs 90%>3. [[chap3|処分事業に係わる制度/実施体制]]</ | + | *<fs 90%>3. [[chap3|実施体制と資金確保]]</ |
*<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | *<fs 90%>4. [[chap4|処分地選定の進め方と地域振興]]</ | ||
- | *<fs 90%>5. [[chap5|処分事業の資金確保]]</ | + | *<fs 90%>5. [[chap5|情報提供・コミュニケーション]]</ |
- | *<fs 90%>6. [[chap6|安全確保の取り組み・コミュニケーション]]</ | + | |
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hlw/de/chap3.1389146124.txt.gz · 最終更新: 2014/01/08 10:55 by sahara.satoshi