適応性のある段階的管理(APM)

2005年11月、核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「進むべき道の選択」を天然資源大臣に提出し、この中で原子力発電所の使用済燃料の管理アプローチとして「適応性のある段階的管理(Adaptive Phased Management)」 と呼ばれる管理方法を勧告した。この適応性のある段階的管理とは、最終的には地層処分を行うが、当面(約60年間)は、原子力発電所サイト内貯蔵、集中中間貯蔵を実施するという計画である。

NWMOは、核燃料廃棄物法で比較検討することが規定されている3つの使用済燃料の長期管理アプローチ(地層処分、原子力発電所サイト内貯蔵、集中貯蔵)の評価を『進むべき道の選択』(2005年11月) 1) の中で示している。それによると、どのアプローチも単独では、市民が重要と考える価値及び目的を完全に満足することは無く、利点及び限界があるとしている。原子力発電所サイト内貯蔵及び集中貯蔵の2つの管理アプローチでは、少なくとも今後175年間は安定して管理できるが、長期間ではリスク及び不確実性が増大する。また、安全に効率的に管理するためには、強力な組織と積極的な管理を必要とし、長期的にはこれらの要素に不確実性が伴うと評価している。カナダ楯状地での地層処分に関しては、長期的な管理において非常に安定しているが、市民の求めている適応性という点について劣っていると評価している。NWMOは、これらの点を踏まえ、3つのアプローチそれぞれの利点に基づくものとして、適応性のある段階的管理を提案している。



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1)
NWMO(2005): Choosing a Way Forward The Future Management of Canada's Used Nuclear Fuel.