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> 1.処分の進捗
地層処分の対象廃棄物は、バーセベック、フォルスマルク、オスカーシャム、リングハルスの4カ所の原子力発電所から発生する使用済燃料である。【19】
SKB社が検討している処分方針では、使用済燃料を再処理せず、高レベル放射性廃棄物として、スウェーデン国内の深い地層中に処分する。使用済燃料は、キャニスタ(外側が銅製、内側が鋳鉄製の二重構造)に封入し、その周囲を緩衝材(ベントナイト)で覆うようにして、処分場内に掘削された定置孔に処分する計画である。この処分概念は「KBS-3概念」と呼ばれており、隣国のフィンランドでもこの処分概念が採用されている。キャニスタの定置方法として、垂直方式(KBS-3V)と水平方式(KBS-3H)が検討されている。【19,31】
キャニスタ
(RD&D-Programme 2007, SKB, 2007.09【31】 より引用)
KBS-3V概念(左)とKBS-3H概念(右)による使用済燃料処分場
(RD&D-Programme 2007, SKB, 2007.09【31】 より引用)
処分される使用済燃料の量は、「研究開発実証プログラム2007」において、各原子力発電所における原子炉の運転期間の延長計画(以前は一律40年と想定していたが、50年または60年に延長)を反映した結果、約12,000トン(ウラン換算)、処分するキャニスタ数は約6,000体と評価されている。【31】
2009年6月に、SKB社は、処分場の建設予定地として、エストハンマル自治体のフォルスマルクを選定したことを公表した。SKB社は、2002年からエストハンマルとオスカーシャムの2自治体でサイト調査を実施していたが、地質条件の優位性を主たる理由として、フォルスマルクを建設予定地に絞り込んだところである。今後、SKB社は2011年3月に、フォルスマルクに処分場を立地・建設する許可申請を行う予定である。
フォルスマルクは、スウェーデンの首都ストックホルムから北に約120kmの所にある。隣国フィンランドとの間にあるボスニア湾の南端部に面しており、沖合にはアーキペラルゴと呼ばれる群島が数多く点在している。このような景観から、避暑地や観光地としても有名な場所である。フォルスマルクがあるエストハンマル自治体の面積は、約2,790km2、人口は約21,400人である。
フォルスマルクには原子力発電所があり、沸騰水型原子炉(BWR)3基が運転中である。1号機は1980年から運転を開始しており、スウェーデンの4ヵ所の原子力発電所のうち、発電開始順では最も新しい場所である。
フォルスマルク原子力発電所の沖合の海底下には、SFRと呼ばれる低中レベル放射性廃棄物の処分場がある。地下約60mにおいて、全国の原子力発電所の運転に伴って発生する使用済み樹脂などを固化した廃棄物が、1988年から処分されている。
候補岩種は、10~20億年前に形成された結晶質岩である。【14】
処分場建設予定地のフォルスマルクでの処分深度は、地下約500mである。SKB社の「研究開発実証プログラム98」では、キャニスタ4,500体を処分する場合の処分場の面積は約1~2km2、トンネルの総延長距離は約45kmと評価されている。【14】

地層処分場の概念図
(Final repository for spent nuclear fuel, Underground design Forsmark, Layout D1 (R-06-34), SKB, 2006.4【26】より引用)
高レベル放射性廃棄物として処分される使用済燃料は、4カ所の原子力発電所から発生している。原子力発電所の操業者は、バーセベック・クラフト社、フォルスマルク発電会社、OKG社、リングハルス社の4社であるが、いずれも自社株式を所有する電力会社に売電する卸電力会社である。【19,33】
1984年に制定された原子力活動法において、原子力発電事業者は、原子力発電所から発生する使用済燃料やその他の放射性廃棄物を最終処分する責任を有することが明確化された。この法律の制定に合わせて、原子力発電事業者は、共同出資によって、実施主体となるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)を設立した。SKB社は、使用済燃料の最終処分に必要な研究開発から、処分場のサイト選定、建設、操業、閉鎖までを行う。【3】
なお、SKB社の年次活動報告書によると、SKB社株式の保有会社は、バッテンファル社、イーオン原子力発電スベリエ社、OKG社、フォルスマルク発電会社の4社となっている。【36】
処分事業の実施体制
(情報冊子「諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について」より引用)