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> 3.資金
2008年7月に原子力廃止措置機関(NDA)が公表した見積りによれば、地層処分場に関する総見積費用は割引1)前で122億ポンド(1兆6,230億円)である。その内NDAが負担すべき分が101億ポンド(1兆3,430億円)であり、残りはNDA以外の処分場利用者が負担すべき分とされている。なお、割引率2.2%で割引後のNDA負担分費用は、37億ポンド(4,900億円)となる(1ポンド=133円として換算)。【37】
注1)
将来の価値が現在どれだけの価値に相当するかを計算するときに適用される利率を割引率と言い、割引率を用いて、将来において生じる価値を現在の価値に直すことを割引と言う。
例えば、割引率が2.2%である場合、1年後の10,000ポンドの現在価値は、10,000/(1+0.022)=9,785ポンドとなる。同様に、2年後の10,000ポンドの現在価値は、10,000/(1+0.022)2=9,574ポンドとなる。
放射性廃棄物の発生者と所有者は、規制コストや自身、あるいは規制機関が行う関連研究のコストを含めて、廃棄物を管理・処分するコストを負担する責任がある。また、放射性廃棄物の管理・処分に伴う債務をその発生前から見積っておき、それを満たす適正な資金を引き当てておかなければならない。【9】
EDF社については、放射性廃棄物の管理費用などは原子力債務基金(NLF)で管理することが政府との取り決めによって決まっており、EDF社はその取り決めに従ってNLFに拠出を行っている。なお、将来的にNLFによる確保額が不足する場合には、政府が不足分を補てんすることになっている。EDF社では放射性廃棄物の管理費用を、5億9,900万ユーロ(約659億円)(2009年3月末時点、3%の割引後)と見積っている(1ユーロ110円で換算)。【47】
また、ガス冷却炉(Magnox炉)などから発生する放射性廃棄物の処分費用を賄うため、英国核燃料会社(BNFL)や英国原子力公社(UKAEA)などが引当金を計上していたが、2004年エネルギー法に基づき、2005年4月よりBNFLなどが所有していたサイトなどの所有権が原子力廃止措置機関(NDA)に移り、関連する資産及び債務も移転されたため、現在はNDAが約445億400万ポンド(約5兆9,190億円)を引き当てている。毎年の引当金への充当については、NDAの活動資金から行われるが、このNDAの活動資金は2004年エネルギー法の規定に基づき、透明性の確保を目的とするために、エネルギー・気候変動省(DECC)の大臣が設定、維持する原子力廃止措置資金勘定(NDFA)によって与えられる。NDFAは、政府の補助金及び原子力発電所(ガス冷却炉)や再処理施設の運転によってNDAが得た商業的な収入を基にしている。【48】