TOP > 諸外国の状況 > 英国 > 2.法制度
> 2.法制度
英国では、高レベル放射性廃棄物の処分計画について直接規定する法令は存在しない。
英国では、高レベル放射性廃棄物の処分の実施体制を直接規定する法令は存在しないが、政府は、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の勧告を受けて2006年10月に公表した回答書の中で、原子力廃止措置機関(NDA)に地層処分の計画及び実施に関する責任を与えることを明記している。なお、NDAは2004年エネルギー法第9条【23】において、指定された状況において、有害物質の処理、貯蔵、輸送及び処分を確実に行う責任を有することが規定されており、地層処分の開発及び実施に加え、地層処分が実現するまでの安全かつ確実な貯蔵についても責任を有することになる。【28】
放射性廃棄物処分に係る費用の負担について汚染者支払いの原則が政府決定文書【9】において示されているが、高レベル放射性廃棄物の処分に係る資金確保について規定する法令は存在しない。
1965年原子力施設法(NIA65)【2】は、第1条において貯蔵・処分を含む原子力施設の建設及び操業の目的のためのサイト利用には許認可を要することを規定している。 また、同法第3条ではサイト許認可の変更について規定しており、放射性廃棄物の処分場が、既存の原子力サイト内にあって、そのサイトの許認可取得者によって建設され操業される場合、既存のサイト許認可への変更として取り扱われる可能性がある。新規にサイトを取得する場合には、新たにサイト許認可を取得する必要がある。
環境保護については1995年環境法(EA95)【8】により現在の規制枠組みが定められており、同法に基づいてイングランドとウェールズの環境規制機関(EA)及びスコットランド環境保護機関(SEPA)が設置されている。【26】
EA及びSEPAは、1995年環境法(EA95)【8】により改正された1993年放射性物質法(RSA93)【7】に基づき、原子力施設を含むすべての施設からの放射性廃棄物の処分及び放出される気体及び液体に含まれる放射性物質に関する規制を行う。EAは、2009年2月に、地層処分場及び浅地中処分場それぞれの許可要件に関するガイダンスを公表している。【26,42】
環境影響評価の実施に関する法的要件は、1988年都市田園計画(環境影響評価)規則などに基づいており、イングランド及びウェールズでは2000年の都市田園計画(環境影響評価)規則【17】、スコットランドでは2000年の電気事業(環境影響評価)規則【16】、北アイルランドでは1999年の計画(環境影響評価)規則【15】によって、地域計画当局(LPAs)が規制当局となっている。【26】
なお、これらの規則は、1985年のEU指令85/337の改正指令97/11(1997年)に則るものであり、放射性廃棄物の永久貯蔵または最終処分用に設計された施設について環境影響評価書を作成することを要求している。同規則の下では、環境影響評価書を作成せずに処分場を建設する計画許可を取得することはできない。【7,15,16,17】
原子力関連事業を含むすべての事業の従事者及び影響を受ける可能性のある一般公衆の健康及び安全の確保については、1974年労働安全衛生法(HSWA74)【3】の規定により、保健安全委員会(HSC)及び保健安全執行部(HSE)が設置された。なお、2008年4月よりHSCとHSEは統合され、新たに保健安全執行部(HSE)の名称が与えられている。この統合による機能・規制政策に変更はない。【26,32】
HSEは1965年原子力施設法(NIA65)【2】に基づき、使用済燃料及び放射性廃棄物の管理・処分施設を含む原子力施設の建設、操業などについて、原子力サイト許可を発給した原子力許可サイトとして規制を行う。なお、HSEの内部では、原子力施設の主任検査官を兼務する原子力局(ND)の局長が、原子力サイト許可の発給の責任を大臣より付与されており、NDが実質的な原子力施設の規制の責任を有している。具体的には、このNDに包含される原子力施設検査官室(NII)が、原子力サイト許可の発給及び原子力施設に関する日常の規制を実施する。また、原子力施設などでの放射性廃棄物の処分の実施に際しては、2010年環境許可規則【53】及び1993年放射性物質法(RSA93)【7】に基づき、イングランドとウェールズの環境規制機関(EA)及びスコットランド環境保護機関(SEPA)による事前の許可取得が必要である。【26】
また、公衆への放射線量規制に関しては、原子力許可サイトである放射性廃棄物管理関連機関の検査を行うHSE、及び放射性物質の環境への放出による公衆への影響を監督するEA及びSEPAが共同で責任を有しており、緊密な協力が求められている。HSEとEA及びSEPAとは、相互の規制を矛盾無く、調和的かつ包括的に実施するために協定を結んでいる。【26】