諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況

 

トップページ


ニュースフラッシュ

諸外国での最新の
動きを紹介


諸外国の状況

要約(一覧表形式)

処分の進捗
法制度
資金
研究開発

国別情報

  1. 米国
  2. フィンランド
  3. スウェーデン
  4. ドイツ
  5. スイス
  6. フランス
  7. カナダ
  8. 英国
  9. スペイン
  10. ベルギー

諸外国での安全評価

安全評価事例集


ポイントピックアップ

諸外国の特徴的な
ポイントを説明


情報冊子

『諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について』

『諸外国における放射性廃棄物関連の施設・サイトについて』


諸外国の
処分関連機関


原子力環境整備促進・資金管理センター

TOP > 諸外国の状況 > 英国 > 1.処分の進捗

英国における
高レベル放射性廃棄物処分

> 1.処分の進捗

1.1 対象廃棄物・処分方針・処分量

 英国では、高レベル放射性廃棄物は、高濃度で熱を発生する放射性廃棄物のことを言い、主に使用済燃料の再処理にともなって高レベル放射性廃液として発生する。高レベル放射性廃液は、ガラスと混ぜて固化されたガラス固化体として処分される。ガラス固化体は、短寿命核種の崩壊による発熱の減少を待つために、少なくとも50年間は貯蔵すべきであるとされている。【9,14】

 原子力発電によって生ずる使用済燃料については、「必要な規制要件さえ満たせば、使用済燃料を再処理するか否かは、使用済燃料の所有者の判断に任せる」とされており、ガス冷却炉(GCR)から発生する使用済燃料は安全上の問題ですべて再処理されるものの、改良型ガス冷却炉(AGR)と加圧水型原子炉(PWR)から発生する使用済燃料の一部に対する今後の扱いについて未定である。なお、政府が2007年6月に公表した協議文書では、現時点で廃棄物として扱われていない使用済燃料、プルトニウム、ウランなども地層処分の対象とする想定を行っている。【9,11,14,29】

  高レベル放射性廃棄物の処分方針については、2001年9月に環境・食糧・農村地域省(Defra)によって開始された放射性廃棄物管理方針の協議プロセスの中で、2006年10月に政府が地層処分の実施及び地層処分場の設置までの中間貯蔵を行うことを決定している。また、この決定を受けて、2007年6月に公表された、地層処分の実施計画の概要及びサイト選定プロセスの枠組み決定を目的とした協議文書では、経済性及び環境影響の観点から、既存のドリッグ処分場に処分できない低中レベル放射性廃棄物との併置処分の可能性も示されている。【28,29】

キャニスタ
ガラス固化体を収納するステンレス製キャニスタ
(Radioactive Wastes in the UK, A Summary of the 2004 Inventoryより引用【25】)

高レベル・ガラス固化体の貯蔵施設
ガラス固化体の貯蔵施設
(写真は英国原子力グループ(BNG)社の提供、
Image supplied courtesy of British Nuclear Group Ltd)

 政府の2008年6月の白書「放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向けた枠組み」では、地層処分すべき高レベル放射性廃棄物量は1,400m3とされている。また、同白書では将来地層処分される可能性のあるものとして、使用済燃料11,200m3、プルトニウム3,300m3、ウラン80.000m3も示されている。以下の表のように廃棄物の発生量が見積られている。【34】

英国の放射性廃棄物インベントリ
英国の放射性廃棄物インベントリ

1.2 処分場サイト

 英国における、高レベル放射性廃棄物のサイト選定では、2008年6月に公表された白書「放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向けた枠組み」において以下の6段階からなるサイト選定手続が示されている。【34】

  • 第1段階:公募の開始、自治体からの関心表明の受け入れ(本段階は、自治体が将来の処分場の受け入れに関する責任を持たずに政府と率直に検討を行う段階と位置付けられている)
  • 第2段階:不適格な地域を判断するための初期スクリーニングの実施(不適格な場合は自治体にその旨が通知される)
  • 第3段階:参加決定を行うための自治体での検討(検討後の自治体の参加決定は、この段階以降のサイト選定プロセスに公式の責任を有すると見なされる)
  • 第4段階:参加地域に関する机上調査の実施
  • 第5段階:好ましいサイトを特定するための残された候補地域での地表からの調査の実施(政府はこの調査の後に好ましい1つのサイトを決定して次の段階に移行する。この政府の決定の前まで、自治体には撤回の権利が保持される。)
  • 第6段階:サイトの適性を確認するための地下での調査の実施

 政府は、白書の公表とともに、サイト選定の第1段階として政府との協議への参加を希望する、将来処分場を受け入れる可能性のある自治体の募集を行っている。これまで、カンブリア州、同州コープランド市及び同州アラデール市の1州2市が関心表明を行っており、2010年にこれらの自治体に対しては第2段階の初期スクリーニングが行われた。初期スクリーニングでは、1つまたは複数の除外基準が適用され、処分場立地地域として明らかに不適格な地域が示された。【50】
 英国では、2025年までに処分場サイトが選定され、2040年ごろに処分場が操業開始されることが見込まれている。【33,45,46,51】

関心表明した州及び自治体
関心表明した州及び自治体

初期スクリーニング基準
初期スクリーニング基準

初期スクリーニングで除外された地域
初期スクリーニングで除外された地域

1.3 候補岩種・処分深度・処分場の規模

 英国における、地層処分場の概要について、2007年6月に公表された、地層処分の実施計画の概要及びサイト選定プロセスの枠組み決定を目的とした協議文書では以下のように示されている。 【29】

 候補岩種は未定

 処分深度は、200mから1,000m程度の深さを想定

 処分場の規模は、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の処分施設として面積が 3km2程度の規模となることを想定

処分場概念図
地層処分場概念図

1.4 廃棄物発生者

英国において、高レベル放射性廃棄物の発生者は、民間の発電事業者として加圧水型原子炉(PWR)1基と改良型ガス冷却炉(AGR)を所有・運転するEDFエナジー社(EDF社)と、2004年エネルギー法に基づき、2005年4月1日より、ガス冷却炉(GCR)及び再処理施設などの原子力施設を所有する原子力廃止措置機関(NDA)である。【22,23,57】

1.5 実施主体

  高レベル放射性廃棄物の処分の実施主体は、原子力廃止措置機関(NDA)である。NDAは2007年3月にNirex社を統合し、NDAの下に放射性廃棄物管理局(RWMD)が設立されている。このRWMDは地層処分場の計画立案及び開発などの責任を有し、サイト選定後は、地層処分場の原子力サイトとしての許認可所有者となって、地層処分場の建設、操業に必要な全ての許認可の取得を行うことになる。【29】

実施体制図
実施体制図


本ホームページは、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業として、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが整備しています。

  Valid XHTML 1.0!   Valid CSS!