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1991年の「放射性廃棄物管理研究に関する法律(環境法典第L542条、詳細はこちら)(放射性廃棄物管理研究法)【2】のもと、長寿命放射性核種の分離・変換、可逆性のあるまたは可逆性のない地層処分、放射性廃棄物のコンディショニングと長期地上貯蔵の3つの分野における研究が計画、実施されてきた【21】。
この放射性廃棄物管理研究法は第2条を除き、環境法典に編纂されている(環境法典 第L542条)。2006年6月に制定された「放射性廃棄物及び放射性物質の持続可能な管理に関する計画法」(放射性廃棄物等管理計画法)は、この環境法典第L542条の一部を改訂している。【2,23】
放射性廃棄物等管理計画法の第3条では、長寿命放射性核種の分離・変換、可逆性のある地層処分、中間貯蔵の3つの分野に関する調査・研究方針、それらの具体的な実施スケジュールが示されている。【23】
また、同法の第6条では、政府が2006年末までに放射性廃棄物等の管理に関する調査・研究の実施内容を定めた国家放射性廃棄物等管理計画(PNGMDR)を策定し、以後3年ごとに改訂することが規定されており、策定されたPNGMDRは議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出された後に公表されることとなっている。 なお、2007年5月に原子力安全機関(ASN)により公表された、2007年から2009年までの3年間を対象としたPNGMDRを具体的に実施するためのデクレ(PNGMDRデクレ)が2008年4月に制定されている。【23,45】
放射性廃棄物等管理計画法の第14条により、環境法典第L542条における放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の活動内容が改訂され、ANDRAは政府が策定する国家計画(PNGMDR)に適合した形で、中間貯蔵施設及び可逆性のある地層処分場に関する調査・研究活動を自らまたは他の機関に委託して実施し、また処分場の設置も行うことが規定された。【23】
放射性廃棄物等管理計画法は地層処分場の建設・操業等の資金を廃棄物発生者が引当金として確保することを定めている。また、実際の建設・操業時の資金管理に際しては、同法第16条により放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の内部に設置される基金において管理される。【23】
また、地層処分の調査及び研究開発費用については、同法第15条及び第21条により、同費用がANDRAの内部に設置される基金において管理されること、基金の財源は原子力基本施設(INB)に対して新たに課税される研究税によって賄われることが規定されている。【23】
更に同法は、管理研究及び管理の実施のために、ANDRAが国からの補助金を受けられることも定めている。【23】
なお、2006年の放射性廃棄物等管理計画法による環境法典第L542条の改訂で、地層処分場及び地下研究所を有する各県に設置される公益事業共同体(GIP)のための財源に、原子力基本施設(INB)に対して課せられている連帯税及び技術普及税の一部が充てられることが規定された。また、地下研究所設置地域に設置される地域情報フォローアップ委員会(CLIS)のための財源は、国からの補助金と地層処分に関連する企業からの補助金によって確保されることとなった。【23】
2006年の「原子力に関する安全及び透明性に関する法律」(原子力安全・情報開示法)【22】では、放射性廃棄物処分場は原子力基本施設(INB)としての許可が必要であることを定めている。また、その具体的な手続きについては、同法の施行令である「原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ」(INB等デクレ)において規定されている。【30】
上記の安全規制上の許認可手続きに加えて、放射性廃棄物等管理計画法の第12条は、地層処分場の設置許可段階で必要となる手続きを規定しており、設置許可申請が行えるのは地下研究所による研究対象となった地層に限定している。また、申請前には環境法典L121条【38】に基づいた公開討論会を実施すること、申請時には国家評価委員会(CNE)による評価報告書、原子力安全機関(ASN)の意見書、地元の意見が求められることが定められている。【23】
更に処分場の設置許可申請書は、公開討論会の報告書、CNEの評価報告書、ASNの意見書が添付されて、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出され、OPECSTが同申請書に対する評価を議会に報告することとされている。また、設置許可申請後に、政府は可逆性に関する条件を定める法案を議会に提出し、法案の成立後、デクレ(政令)により処分場設置許可が発給されることになっている。なお、同法第12条は環境法典第L542条に追加規定されている。【23】
地下研究所については、放射性廃棄物管理研究法(環境法典第L542条、詳細はこちら)に基づき、1999年8月にムーズ/オート=マルヌの県境に位置するビュールが粘土層を対象としたサイトとして選定され、建設・操業を許可するデクレ「ムーズ県ビュールへの地下研究所の建設・操業許可に関するデクレ」【7】が発給されている。【2】
2006年6月に制定された「原子力に関する安全及び透明性に関する法律」(原子力安全・情報開示法)及びその施行デクレである「原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ」(INB等デクレ)【30】は、放射性廃棄物処分施設を含む原子力基本施設の許認可申請手続きを定めており、放射性廃棄物処分施設に適用される3つの段階に応じた許認可(設置許可、操業許可、操業停止及び監視段階への移行許可)の各段階で環境影響評価書の提出を要求している。環境影響評価書の内容は、当該原子力基本施設を環境法典(R122-3条)の適用除外としたうえで、具体的な内容をINB等デクレで規定しているものの、実際的には以下に示す環境法典の内容や手続きの多くを準用することとなっている。【22】
環境法典L122条【40】は、事業に対する環境影響評価を制度化することを目的としている。自然界に対して損害を与える可能性のある事業は、その影響評価ができるような調査を行うことが規定されているが、放射線学的な影響については明記されていない。環境法典R122条【41】では、環境影響評価の実施項目と公衆意見聴取が行われる場合に環境影響評価を対象に加えることが規定されている。
環境法典L123条【42】は、環境影響評価を行う場合に、所轄の省庁によって、公衆への情報提供、意見聴取が行われ、その情報公開の方法を明確にすることを目的にしている。同法は、事業が環境に及ぼす影響があるときは、工事に先立って公衆意見聴取を行う必要があることを規定している。
環境法典L121条は、天然資源や自然環境等の保護、開発、管理等の原則を定めていて、開発に先立つ公衆意見聴取での公衆及び団体の参加について規定している。環境法典R121条【39】では、公開討論に関する要件等が示されている。【38】
2006年6月に制定された「原子力に関する安全及び透明性に関する法律」(原子力安全・情報開示法)に基づき、原子力の安全規制機関として原子力安全機関(ASN)が、従来の原子力の安全規制機関である原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)と全国11カ所の地方原子力安全局 (DSNR)とを統括する機関として2006年11月に設置され、活動を開始している。【22,45】
また、原子力安全・情報開示法に基づき、ASNとは独立した原子力安全情報と透明性に関する高等委員会(HCTISN)が設置され、原子力安全及びその情報提供に関するあらゆる問題への意見表明や検討を行っている。【22,45】
高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分に対する安全規制は、2つの側面から行われる。
その一つは、原子力安全・情報開示法及び「原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ」(INB等デクレ)であり、これは、原子力基本施設(INB)としての放射性廃棄物処分場に関する全般的な規制を行うものである。【22,30】
もう一つは、2008年3月に公開された「放射性廃棄物の地層処分場に関する安全指針」【31】である。同指針は1991年の「安全基本規則RFSⅢ.2.f(放射性廃棄物の地層処分)」【1】を改定したもので、規則の性格を持つ安全目標に加え、目標の達成方法についても説明している安全指針として原子力安全機関(ASN)より発行されている。【45】