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> 1.処分の進捗
対象廃棄物は、オルキルオト原子力発電所1号機及び2号機(沸騰水型原子炉(BWR))、ロヴィーサ原子力発電所1号機及び2号機(旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER))、現在建設中のオルキルオト原子力発電所3号機(欧州加圧水型原子炉(EPR))及び建設予定のオルキルオト原子力発電所4号機から発生する最大9,000トンの使用済燃料である。【14,23,42,43】
処分方針は、これらの使用済燃料を再処理せずに、そのまま高レベル放射性廃棄物として処分する直接処分である。【14,23】
使用済燃料は、下の写真に示されたような、外側が銅製の容器、内側が鋳鉄製の容器という2重構造の容器(銅-鋳鉄キャニスタ)に封入した後、フィンランド国内の深地層(結晶質岩)に処分される。【14】
外側の銅製容器が腐食に耐える役割を、内側の鋳鉄製容器が荷重に耐える役割を各々担っている。キャニスタは、下の図に示したように、3通りのサイズのものが考えられているが、これは、3つの異なるタイプの原子炉からの使用済燃料に対応するためであり、左がロヴィーサ原子力発電所の2基の旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER)から発生する使用済燃料用、中央がオルキルオト原子力発電所の2基の沸騰水型原子炉(BWR)から発生する使用済燃料用である。右が新設されるオルキルオト原子力発電所の3基目の原子炉である欧州加圧水型原子炉(EPR)から発生する使用済燃料を封入するキャニスタで、他の2つのキャニスタと直径は同じである。【11,23】
オルキルオト原子力発電所、ロヴィーサ原子力発電所から発生する使用済燃料のどちらのキャニスタにも12体の集合体の収納が考えられており、ポシヴァ社の安全評価書等では、キャニスタの寿命は10万年以上とされている。【10,23,37】
また、新設されるオルキルオト原子力発電所の欧州加圧水型原子炉(EPR)より発生する使用済燃料のキャニスタは4体の集合体の収納が考えられている。【23】

銅-鋳鉄キャニスタ
(ポシヴァ社ウェブサイト【51】及びポシヴァ社報告書等より引用、作成)
2000年12月のオルキルオト処分場に関する政府の「原則決定(詳細はこちら)」において、既存原子炉4基から発生する使用済燃料4,000トン(ウラン換算、以下同じ)についての処分のみが認められた。また、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)が建設を進めているオルキルオト3号機から発生する使用済燃料については、2002年5月の同機の建設についての原則決定とその使用済燃料処分についての原則決定により、オルキルオト3号機から発生する分を加えた最大6,500トンの処分が認められた。【18,23】
さらに2008年4月のTVO社によるオルキルオト4号機の建設計画に関する原則決定(詳細はこちら)の申請に対応するため、ポシヴァ社は、2008年4月に使用済燃料の処分量を最大9,000トンに拡大する原則決定の申請を行い、2010年5月に政府により原則決定が行われ、同年7月に国会で承認されている。【28,29,31,35,40,42,43】
詳細サイト特性調査の対象となった地区は、アーネコスキのキヴェッティ、クーモのロムヴァーラ、ユーラヨキのオルキルオト、ロヴィーサのハーシュトホルメンの4地点であった。【11】
処分場建設のための予定地として精密なサイト特性調査を行う地区には、「原則決定(詳細はこちら)」によりユーラヨキのオルキルオトが選定されている。【14】
この法令に基づく手続(原則決定(詳細はこちら)手続)により、2000年12月の政府決定、2001年5月の国会承認の結果、フィンランド西部のユーラヨキ自治体のオルキルオトに使用済燃料の最終処分場を建設する計画の原則決定が行われている。【16】
オルキルオトのあるユーラヨキ自治体は、フィンランド西部に広がるボスニア湾に面した海岸部にある。首都ヘルシンキから北西に約240kmの距離にあり、面積は約340km2、人口は約6,000人の自治体で、オルキルオトは、ユーラヨキ市街から約10km西に位置する面積約12km2の島である。【10,11,50,53】
オルキルオトには、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)が所有するオルキルオト原子力発電所がある。1号機と2号機はそれぞれ1978年と1980年から運転されているほか、3号機の建設が2005年から開始されている。また、TVO社は4号機の建設計画に関する原則決定の申請を2008年4月に行い、それに対して政府は2010年5月に原則決定を行い、同年7月に国会が承認している。使用済燃料の最終処分地は、この原子力発電所から東に約1kmのところにある。原子力発電所で発生する使用済燃料は、所内の中間貯蔵施設(KPA store)で貯蔵されている。【11,40,42,43】
また、発電所内で発生する放射性廃棄物の処分場もあり、地下60m以深のサイロ型の岩盤空洞で、1992年から処分が実施されている。【47】
処分場予定地の位置
(ポシヴァ社ウェブサイト【51】より引用)
フィンランドでは、使用済燃料をオルキルオトの地下約400mの深さの結晶質岩中に地層処分する方針がとられている。【10】下の図は処分概念を示したものである。処分概念は、隣国のスウェーデンにおいて考えられている概念(KBS-3概念)を基本として、20年以上の研究開発が行われてきた。【11】
使用済燃料に含まれる放射性核種を、使用済燃料自体、キャニスタ、緩衝材(ベントナイト)、埋め戻し材、岩盤からなる多重バリアシステムにより長期にわたって隔離することとされている。【16】
定置の方法としては、使用済燃料が入れられたキャニスタを地下の処分坑道の床面に掘削された処分孔に一本ずつ定置する、処分孔竪置き方式が考えられている。キャニスタの周囲には緩衝材(ベントナイト)が充填される計画である。なお、現在は、スウェーデンとともに処分坑道横置き方式の研究も進められている。【11】
処分深度は地下約400mが考えられている。【23】
処分場の規模(5,500トン相当の場合)は、面積が約2~3km2、処分坑道延長距離は約42kmである。【23,51】
オルキルオト処分場設置イメージ
(ポシヴァ社ウェブサイト【51】より引用)
KBS-3概念によるキャニスタの定置イメージ
(ポシヴァ社ウェブサイト【51】より引用)
フィンランドでは、高レベル放射性廃棄物として直接処分される使用済燃料の主な発生者は、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)とフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)の2社の原子力発電事業者である。両社は、それぞれオルキルオト原子力発電所とロヴィーサ原子力発電所を所有している。【32】
オルキルオト原子力発電所には2基の沸騰水型原子炉(BWR)が、ロヴィーサ原子力発電所には2基の旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER)が運転中である。また、TVO社は国内で5基目の原子炉施設の建設を進めており、法令に基づく手続(原則決定(詳細はこちら)手続)により、2002年1月の政府決定、2002年5月の国会承認の結果、建設計画に対する原則決定が行われている。【32】
なお、この原則決定により建設が認められたTVO社の3基目の原子炉は設備容量が約160万kWの欧州加圧水型原子炉(EPR)で2013年の運転開始が予定されている。【49】
TVO社は、その親会社に電力を供給する民間の電力会社である。TVO社はオルキルオト4号機の建設計画に関する原則決定(原則決定(詳細はこちら)の申請を2008年4月に行った。それに対して政府は2010年5月に原則決定を行い、同年7月に国会が承認している。【40,42,43】
現時点では、操業中の原子炉から発生した使用済燃料は、各原子力発電所で貯蔵されている。なお、ロヴィーサ原子力発電所から発生した使用済燃料は、1996年まではロシアに返還されていた。しかし1994年の原子力法改正によって使用済燃料の輸出入が禁止され、その後はフィンランド国内での処分が義務付けられている。【2,30】
また、フィンランドでは、原子力発電産業に新たに参入するフェノヴォイマ社が2009年1月に原子炉建設に関する原則決定の申請を行い、2010年5月に政府により1基の原子炉建設の原則決定が行われ、同年7月に国会が承認している。【34,40,42,43】
なお、フェノヴォイマ社の新規原子炉から発生する使用済燃料については、詳細な放射性廃棄物管理計画と使用済燃料最終処分に関する計画の策定、さらに2010年7月の原則決定に対する国会の承認から6年以内に、TVO社及びFPH社との間で放射性廃棄物処分に関する協力協定を締結するか、独自の使用済燃料最終処分場の建設に向けた環境影響評価(EIA)計画書を雇用経済省に提出することがフェノヴォイマ社に求められている。【42】
原子力法第9条は、原子力発電所の許認可取得者に処分責任があると規定している。また、同法第29条及び原子力令第80条は、原子力発電所の許認可取得者が共同で処分事業を行う場合の許認可要件を規定している。これらの規定に基づいて、1995年にフィンランドの原子力発電所の許認可取得者2社によって高レベル放射性廃棄物処分事業の実施主体、ポシヴァ社が設立された。【2,11,24】
このポシヴァ社が、それまでの民間の原子力発電所の許認可取得者テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)の使用済燃料処分計画に、国営の原子力発電所の許認可取得者フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)(1999年に改称する以前の社名はイマトラン・ヴォイマ社(IVO社))の使用済燃料処分も含める形で、これまでの計画を継承・策定し、実施している。【14,51】
また、原子力法第34条によると、フィンランドでは、使用済燃料は、その処分場が閉鎖されるまでは、TVO社、FPH社という原子力発電所の許認可取得者2社に所有権と貯蔵、処分の責任がある。処分場が閉鎖された後の使用済燃料については、政府がその所有権と責任を引き継ぐこととなる。【2,14】
処分関連機関
(ポシヴァ社パンフレット等より引用)