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> 4.研究開発
スイスでは放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が、放射性廃棄物の安全な長期管理を実現するための科学的及び技術的基盤を提供するために、廃棄物管理概念に関する提案、処分場候補サイトの適性の評価、廃棄物インベントリの作成、廃棄物の処分に適した形態へのコンディショニングなどの幅広い分野の研究プログラムを実施している。放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、スイス連邦政府などが出資しているパウル・シェラー研究所をはじめとして、国内外の研究機関、大学などとの密接な協力により、地下研究所における地質調査及び処分の安全評価などの研究を行っている。【14】
放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、1992年に処分場及び中間貯蔵施設の必要性、調査・研究の優先順位などを示した「スイスにおける放射性廃棄物処分:概念及び実現計画」を公表している。また、1995年には地質調査計画、及びその実施スケジュールなども含めた「高レベル放射性廃棄物処分:目的、戦略及びタイムスケール、地質調査、長期安全性及び放射線リスク」が作成されている。また、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)はこれまでの処分の安全性、実現可能性の実証に関連して行った研究・調査結果を「処分の実現可能性実証プロジェクト」報告書をはじめとする技術報告書などにまとめ、公表している。さらに、2009年には放射性廃棄物の処分に関する研究、開発及び実証活動について取りまとめた報告書を作成している。2005年2月に施行された原子力法の第31条では、原子力施設の運転または廃止を行う者は、施設から発生する放射性廃棄物を自らの費用において安全に管理する義務を負い、同管理義務には、研究及び地球科学的調査ならびに地層処分場の適時の準備など、所要の準備作業を含むことが規定されている。【2,5,11,12,13,28】
なお、原子力法第32条は、放射性廃棄物管理義務を有する者に対し、「放射性廃棄物管理プログラム」の策定を義務付けている。このプログラムは、連邦評議会が指定する官庁によって審査され、連邦評議会が最終的にプログラムに対する許可を与えることとなっている。放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)はこの法律の施行に先立ち、2003年より原子力発電会社の依頼により「放射性廃棄物管理プログラム」についての様々な技術面及び科学的背景に関する準備作業を行っていた。同プログラムは放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)により、2008年10月に連邦政府に提出された。【13,14,48】
スイスには、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の研究開発の中核を担うために、グリムゼル試験サイト(結晶質岩)及びモン・テリ岩盤研究所(堆積岩のオパリナス粘土)の2カ所の地下研究所が設置されている。【48,50,51】
グリムゼル試験サイトは、1983年から放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)によって運営されている。同サイトでの調査活動にはドイツ、フランス、日本、スペイン、スウェーデン、台湾、米国、欧州連合などが参加しており、 1997年から2004年まで進められてきた第Ⅴ段階に代わり、より実際の処分場に近い時間スケール及び条件に関する廃棄物処分概念の研究に主眼を置いた第Ⅵ段階が2003年1月より正式に開始されている。現在、同サイトのウェブサイトでは、以下の試験に関する情報が示されている。【43,48,50】
グリムゼル試験サイト
(放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)提供資料及び広報素材集から引用)
モン・テリ岩盤研究所では、スイス国土地理院(swisstopo)の管理の下で研究が進められている。1995年に設置されて以来、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は同研究所の調査に参加している。同研究所での実験は、オパリナス粘土層の地質学、水文地質学、地球化学及び岩石力学的特性を明らかにするために実施されている。これらの実験によって、粘土層、特にオパリナス粘土での放射性廃棄物の処分場の実現可能性及び安全性を評価するために必要なデータが得られている。【48,51】
モン・テリ岩盤研究所
(放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)ウェブサイト及び提供資料より引用)