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> 3.資金
ベルギーにおける高レベル放射性廃棄物の処分費用総額については、2001年12月にベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)が公開した安全評価・実現可能性第2次中間報告書(SAFIR2)技術概要報告書において、全量再処理または直接処分の両オプションに対する試算がなされ、以下の表のように比較が行われている。見積もりは、原子力発電所の運転期間を40年とし、モルの地下約240mのブーム粘土層に処分場を建設することを前提として行われている。なお、この金額は、高レベル放射性廃棄物を中低レベル放射性廃棄物と併置処分した場合の、高レベル放射性廃棄物についての費用である。【6,7】
また、この金額にはサイト選定前の費用は含まれていない。サイト選定前の費用については、1974~2000年までに使用された金額が約1億5,000万ユーロ(約165億円)、今後要すると予想される金額が約7,500万(約83億円)~1億ユーロ(約110億円)と考えられている。(1ユーロ=110円で換算)【6】
| 不確実性の考慮前 | 不確実性の考慮後 | |||
|---|---|---|---|---|
| 全量再処理 | 直接処分 | 全量再処理 | 直接処分 | |
| 投資段階 | 1億9,000万ユーロ | 4億3,000万ユーロ | 3億7,100万ユーロ | 10億3,200万ユーロ |
| 操業段階 | 6,300万ユーロ | 5,300万ユーロ | 1億2,200万ユーロ | 1億4,400万ユーロ |
| 閉鎖段階 | 3,600万ユーロ | 1億 600万ユーロ | 8,500万ユーロ | 3億1,800万ユーロ |
| 合計 |
2億8,900万ユーロ (318億円) |
5億8,900万ユーロ (648億円) |
5億7,800万ユーロ (636億円) |
14億9,400万ユーロ (1,643億円) |
ベルギーでは、将来に必要となる放射性廃棄物管理の資金確保のため、ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)が管理する基金が設けられている。放射性廃棄物処分を含む放射性廃棄物管理に関するONDRAF/NIRASの活動に要する費用は、その活動によって利益を受ける者が負担するものとされ、ONDRAF/NIRASとの契約に基づく形で拠出金の支払いが行われている。【6,16】
高レベル放射性廃棄物処分については、固定費と変動費に分けて費用が試算されている。固定費は、処分予定廃棄物量に応じて課されるもので、廃棄物発生者によって支払保証がなされることになっている。変動費は、ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)に実際に引き渡された廃棄物量に応じて課金される。拠出金は、実質年2%の利率で割り引き計算が行われている。【6】
拠出金についての詳細な条件はONDRAF/NIRASと廃棄物発生者の契約によって決められており、固定費部分については引き渡しが行われた量とは無関係に、支払い保証義務が定められている。【12】
基金はベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)が管理するものとされ、2003年4月4日に制定された王令に沿って、ベルギー国債によって運用を行っている。【16】
また、廃棄物発生者の一部は使用済燃料管理及び廃止措置等について引当金を計上しているが、2003年に制定されたバックエンド引当金法では、引当金による資金確保の要件、管理体制等が定められた。同法では、シナトム社を「原子力引当金会社」として指定し、許認可保有者が計上する廃止措置及び使用済燃料管理の引当金をシナトム社に移転することが定められている。なおベルギー政府は、シナトム社が 1994年に民営化されてからは、燃料供給やバックエンド政策に関して同社がベルギーのエネルギー政策に反するような決定をした場合、それを否決できる特別な権利を保有している。 【12】