Top » 海外情報ニュースフラッシュ(全記事表示モード)

スペイン

海外情報ニュースフラッシュ

このWebサイトでは、諸外国における高レベル放射性廃棄物の最終処分や地層処分の計画の動きに注目し、 "海外情報ニュースフラッシュ"として 最新の正確な情報を迅速に提供しています。 ニュースフラッシュを発行した後も、記事トピックをフォローしています。必要に応じて、情報の"追記"を行っています。


スペインの原子力安全審議会(CSN)は2014年1月23日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理公社(ENRESA)が産業・エネルギー・観光省(MINETUR)に対して使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設(ATC)の立地・建設許認可申請書を提出したこと、MINETURがCSNに対して申請書に関する評価報告書の作成を要請したことを公表した。

スペインでは、公募方式により、集中中間貯蔵施設(ATC)の建設地の選定が2009年から開始されており、2011年12月にクエンカ県のビジャル・デ・カニャス自治体に建設することが決定していた

集中中間貯蔵施設(ATC)を含む原子力関連施設の立地・建設・操業に係る許認可については、原子力法に基づいて産業・エネルギー・観光省(MINETUR)が発給することとなっている。許認可申請書の審査手続では、原子力安全審議会(CSN)が原子力安全及び放射線防護の観点から評価報告書を作成し、MINETURに提出することが原子力法及び原子力安全審議会(CSN)設置法に規定されている。また、原子力関連施設の立地と建設の許認可は、一括して申請できることが原子力施設規制令に規定されている。

原子力安全審議会(CSN)は、CSN設置法に基づいて1980年に設置されており、政府から独立した原子力安全及び放射線防護を所管する唯一の機関である。CSNは、2013年11月に、立地・建設許認可申請書の評価の支援を目的とした集中中間貯蔵施設(ATC)プロジェクトのコーディネーターをCSN内に設置することを決定していた。現在、CSNは評価報告書作成のための作業スケジュールを策定している。

また、放射性廃棄物管理公社(ENRESA)の総裁は、2014年1月27日にマドリッドで開催された技術フォーラムの講演において、集中中間貯蔵施設(ATC)の操業開始は2018年を見込んでいることを明らかにした。

 

【出典】

 

【2015年7月31日追記】

スペインの原子力安全審議会(CSN)は2015年7月27日、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設(ATC)に関して、放射性廃棄物管理公社(ENRESA)が2014年1月に提出していた立地・建設許認可申請のうち、立地許認可申請について、条件付きながら肯定的な評価結果を示す決定を行った。CSNは、技術的な評価の結果、提案されたサイトについて、立地サイトとして排除すべき要素は確認されなかったとしている。CSNは、立地許認可発給に係る条件を示す報告書を産業・エネルギー・観光省(MINETUR)に提出することも決定したとしている。

CSNの決定を受けて、今後、MINETURが立地許認可を発給する。立地許認可の発給により、ENRESAは、ATCの貯蔵施設に通じる道路の整備等のインフラ工事に着手することが可能となり、これらの作業を進めながら、建設許認可の取得に向けた手続きを継続するとしている。

 

【出典】

スペインの産業・エネルギー・観光省は2011年12月30日付のプレスリリースにおいて、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設(ATC)1 をクエンカ県のビジャル・デ・カニャス自治体に建設Spain_mapすることが同日の閣議で決定されたことを公表した。

スペインでは、これらの放射性廃棄物を地層処分するという当初の計画に沿って1980年代より段階的な調査が実施されたが、その後に発生した反対運動により1998年にはサイト選定活動が中断された。その後の1999年に政府が承認した第5次総合放射性廃棄物計画(GRWP)では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の最終管理方策の決定を先送りすることとし、集中中間貯蔵施設の建設・操業を当面の最優先課題としている。なお、最終管理方策に関して第5次GRWPで変更された方針は、2006年に承認された最新の第6次GRWPでも踏襲され、引き続き最終管理方策の決定は先送りされているものの、地層処分を有力なオプションと位置付けており、採用された場合の計画等も示されている(2040年に地層処分場の建設開始、2050年に操業開始)。

集中中間貯蔵施設のサイト選定に関しては、2006年7月に承認された王令によって、同施設が遵守すべき基準の策定、及び同基準等に基づいて関心のある自治体の中から候補サイトの選定を行うための省庁間委員会が設置され、サイト選定に向けた準備が進められた。その後の2009年12月には、施設の受け入れに関心を示す自治体を募集するという公募によってサイト選定活動が開始され、応募した14の自治体のうち9自治体が2010年2月に正式な応募自治体として承認された。更に、2010年4月には、自然保護地域の関係から1つの自治体が選定手続きから除外され、最終的に8自治体が候補となっていた。

同プレスリリースによれば、今回の集中中間貯蔵施設を受け入れる自治体の決定は、候補サイトの選定を行うために設置された省庁間委員会が作成した各候補サイト(候補自治体)に関する報告書(提供される土地、プロジェクトに対する支援、地理的状況、地域における社会経済的効果など、様々な項目を分析)を詳細に検討した結果であるとしている。選定されたビジャル・デ・カニャス自治体は、施設のために提供される土地の面積、地形、地質、地盤、地震活動、気象、水文地質、周囲の危険設備の有無、市中心部からの距離などの項目で最も良い評価を得ており、更に、同自治体は集中中間貯蔵施設に必要とされる技術的特性をすべて備えている。また同自治体の失業率が高い状況にあることから、投資総額が約7億ユーロと見込まれる集中中間貯蔵施設プロジェクトによる社会経済的なプラスの効果も期待できると判断された。

今後は、原子力施設としての、及び環境分野における各種許認可手続きを含めた、集中中間貯蔵施設の建設開始に向けた手続きが進められる予定である。

【出典】

【2013年11月1日追記】

スペインの放射性廃棄物管理の実施主体であるスペイン放射性廃棄物管理公社(ENRESA)は、2013年10月30日付のプレスリリースにおいて、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設(ATC)の立地及び建設の許認可申請を2013年中に行う予定であることを公表した。

スペインでは、集中中間貯蔵施設を含む原子力施設は、立地、建設、操業の各段階で許認可を取得する必要がある。これらの許認可は、原子力安全審議会(CSN)の評価を踏まえ、産業・エネルギー・観光省(MINETUR)が発給するが、立地及び建設の許認可については同時に申請できることが原子力施設規制令に規定されている。

ENRESAは、ATCの立地サイトにおける地質、水文地質、気象、地震活動、地震危険度等の詳細な特性調査を実施しており、これらの結果はENRESAの学際的専門家チームによるレビュー後、許認可申請書に反映するとしている。

【出典】

  • 原子力施設規制令(1836/1999.12.3)

  1. スペイン語のAlmacén Temporal CentralizadoからATCとも称される。なお、同貯蔵施設には、関連する技術センターが併設される計画である。 []

スペインの産業・観光・商務省(MITYC)は、2009年12月23日付のプレスリリースにおいて、建設が計画されている使用済燃料等の集中中間貯蔵施設(ATC)及び同施設に隣接される関連技術センターを受け入れる候補自治体選定のための公募開始について、政府の承認が得られたことを公表した。同施設の公募開始はエネルギー担当大臣の下に設置されている省庁間委員会の決議により採択されていたものであり、今回の政府承認を経て公募が開始されることとなる。

なお、政府承認を受けた集中中間貯蔵施設(ATC)のサイト選定に関する省令が12月29日付で公開され、これをもって公募が開始されている。同省令では、公募期間は1ヶ月とされ、関心自治体は事前に自治体議会の同意が必要であることが示されている。

同プレスリリースによれば、ATCの建設は次の3段階で実施される。

  • 第1段階:5年間と見積られるこの期間に、第1貯蔵建屋及び技術センターが建設され、基礎となるインフラ整備が行われる。これらの施設の建設後に運用が開始される。
  • 第2段階:第2貯蔵建屋の建設が行われ、建設後は6年間の操業を予定する。
  • 第3段階:第3貯蔵建屋の建設が行われ、建設後は14年間の操業を予定する。

スペインで計画されている集中中間貯蔵施設(ATC)は、オランダの高レベル放射性廃棄物等の貯蔵施設であるHABOGを参考としたものとされている。2006年7月7日には、第6次放射性廃棄物計画と共に承認された王令によって、ATCが遵守すべき基準の策定を行うとともに、その基準等に基づいて関心のある自治体の中からATCの候補地の選定を行うための委員会が設置されていた。その後、2006年7月27日から施設建設に関する情報が公開されており、産業・観光・商務省(MITYC)のウェブサイトでは、同プロジェクトに関するウェブページが開設されている

放射性廃棄物管理公社(ENRESA)が公開したATCの概説資料によれば、同施設では、スペインの原子力発電所からの7,000トンの使用済燃料、一部の使用済燃料の再処理に伴う高レベル放射性廃棄物等、並びに、約1,900m3におよぶ原子力発電所の解体廃棄物が管理される予定である。また、同プレスリリースによれば、本事業の投資総額は約7億ユーロ(約930億円)と見積られており、第1段階では1日あたり300名、ピーク時には500名の労働者が施設建設に従事すると見込まれている(1ユーロ=133円として換算)。

なお、スペインにおける使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物等の最終管理方策の決定は第6次放射性廃棄物計画でも先送りされているが、地層処分を有力なオプションとして、採用された場合の計画として、建設開始(2040年~)及び操業開始(2050年~)の時期が同計画で示されている。

【出典】

  • 産業・観光・商務省(MITYC)、2009年12月23日付プレスリリース、 http://www.mityc.es/es-ES/GabinetePrensa/NotasPrensa/Paginas/reformanuclear231209.aspx
  • 放射性廃棄物管理公社(ENRESA)、2009年12月23日及び29日付プレスリリース、 http://www.enresa.es/actualidad/weblog/post/luz_verde_del_gobierno_a_la_convocatoria_del_almacen_temporal_centralizado , http://www.enresa.es/actualidad/weblog/post/boe_convocatoria_seleccion_candidatos_atc
  • スペイン官報、2009年12月29日付 http://www.emplazamientoatc.es/NR/rdonlyres/FB5E0606-64CD-4848-9AFB-3B8C5395B264/0/BOEConvocatoriaATC.pdf
  • 集中中間貯蔵施設に関するウェブサイト、 http://www.emplazamientoatc.es/

【2010年2月4日追記】

産業・観光・商務省(MITYC)は、2010年2月3日付のプレスリリースにおいて、集中中間貯蔵施設(ATC)サイトの公募に13の自治体が応募したことを発表し、応募自治体名を暫定的に公表した。同プレスリリースによれば、後日、正式な応募自治体のリストを公開するとしている。

【追記部出典】

  • 産業・観光・商務省(MITYC)、2010年2月3日付プレスリリース、
    http://www.mityc.es/es-ES/GabinetePrensa/NotasPrensa/2010/Paginas/nplistaprovisionalatc.aspx

【2010年2月24日追記】

産業・観光・商務省(MITYC)は、2010年2月22日付のプレスリリースにおいて、集中中間貯蔵施設(ATC)サイトの公募で正式に承認された9自治体名を公表した。

今回のATCサイトの公募では、最終的に14の自治体が応募し、省庁間委員会が検討した結果、公募で定められた要件を充たしていなかった5自治体が除外され、最終的に9自治体が正式な応募自治体として承認されたとしている。今回承認された正式な応募自治体は以下の通りである。

  • アルバラ(カセレス県)
  • アスコ(タラゴナ県)
  • コンゴスト・デ・バルダビア(パレンシア県)
  • メルガル・デ・アリバ(バジャドリド県)
  • サンテルバス・デ・カンポス(バジャドリド県)
  • トルビア・デ・ソリア(ソリア県)
  • ビジャル・デ・カニャス(クエンカ県)
  • ジェブラ(グアダラハラ県)
  • サラ(バレンシア県)

【追記部出典】

  • 産業・観光・商務省(MITYC)、2010年2月5日付プレスリリース、
    http://www.mityc.es/es-ES/GabinetePrensa/NotasPrensa/2010/Paginas/nplistaprovisionalatc050210.aspx
  • 産業・観光・商務省(MITYC)、2010年2月22日付プレスリリース、
    http://www.mityc.es/es-ES/GabinetePrensa/NotasPrensa/2010/Paginas/listaatcdefinitva220210.aspx
  • 放射性廃棄物管理公社(ENRESA)、2010年2月23日付プレスリリース、 http://www.enresa.es/actualidad/weblog/post/municipios_optan_almacen_temporal_centralizado
  • 集中中間貯蔵施設に関するウェブサイト、
    http://www.emplazamientoatc.es/NR/rdonlyres/5D4EAD8A-70B9-4F08-B7A5-5B0AB080D368/0/Listadefinitivadecandidaturasadmitidasyexcluidas.pdf

スペインの産業・観光・商務省(MITYC)は2006年8月9日付けのプレスリリースにおいて、建設が計画されている使用済燃料等の集中中間貯蔵施設プロジェクトに関する情報を公表した。本施設の立地は、関心のある自治体の中から候補地が選出されることになっており、施設建設に関する情報が2006年7月27日から公表され、9月の第3週には自治体の応募手続きに関する情報が官報に掲載されることになっている。今回のプレスリリースでは、施設の概要や投資額、立地自治体への補償金、諸外国での中間貯蔵の状況、2006年7月に設置された施設が遵守すべき基準を策定するための委員会の活動状況などが示されている。

計画されている集中中間貯蔵施設は、オランダの高レベル放射性廃棄物等の貯蔵施設である”HABOG”を参考としたものとされており、同施設の他に最終管理のために必要な様々な分野の研究活動を行う技術センター及び事業用設備の設置が計画されている。計画では、集中中間貯蔵施設の面積が13ヘクタール、技術センターが7ヘクタール、そして事業用設備のために使用される面積が5ヘクタールとされている。施設の建設から操業開始までには4~5年かかるとされており、操業期間は60年の予定となっている。

同プレスリリースによると、集中中間貯蔵施設が遵守すべき基準の策定を行う委員会が、情報公開の開始(2006年7月27日)からの2週間でスペイン全土の自治体及び個人から数十件もの情報請求を受けたとしている。なおこの委員会は、第6次総合放射性廃棄物計画と共に承認された王令により2006年7月7日に設置されたものである。また、産業・観光・商務省(MITYC)では、プロジェクトに関するウェブサイトも開設している。施設を受け入れる準備のある自治体の最終的な数は、2006年9月の第3週から始まる公式な応募書類の提出期間の終了以降に判明するとされている。

同プレスリリースによると、集中中間貯蔵施設全体としての初期投資額は、立地地域への社会、経済及び産業的な振興策も含めて、約7億ユーロ(1,000億円)と想定されている。また、受け入れ自治体は諸税の他に、影響を受ける自治体への補償金の配分基準などを定めた省令で規定された補償金を受け取るとされている。同プレスリリースでは、この省令に基づき計算された2006年時点での補償金年額は、固定費である約202万ユーロに、変動費(燃料1トン当たり約2万4,300ユーロ)を加え、年間平均では約1,150万ユーロ(16億3,000万円:貯蔵量により変動する)になるとされている(1ユーロ=142円として換算)。さらに、建設段階での労働者数が平均で300人、操業段階の要員が約90人と見込まれており、建設に必要な労働力の約60%、操業についてはそれ以上の割合が立地地域の周辺から調達される予定となっている。

【出典】

  • 産業・観光・商務省(MITYC)プレスリリース、2006年7月26日 (http://www.mityc.es/es-ES/Servicios/GabinetePrensa/NotasPrensa/HistoricoNoticias/2006/7/anuncioatcmediosdecomunicacion26.07.06.htm)
  • 産業・観光・商務省(MITYC)プレスリリース、2006年8月9日 (http://www.mityc.es/es-ES/Servicios/GabinetePrensa/NotasPrensa/atcprimerasinformaciones09.08.06.htm)
  • 集中中間貯蔵施設に関するウェブサイト (http://www.emplazamientoatc.es/)

スペインの産業・観光・商務省(MITYC)は2006年6月23日付けのプレスリリースにおいて、政府が、放射性廃棄物の管理対象となる廃棄物量や管理費用の見積等の情報を含む、第6次総合放射性廃棄物計画を承認したことを公表した。

産業・観光・商務省(MITYC)のプレスリリースによると、放射性廃棄物管理公社(ENRESA)の草案に基づいて策定された今回の第6次総合放射性廃棄物計画では、1985年から2070年迄に放射性廃棄物管理のために必要となる総費用を約130億ユーロ(1兆8千億円)と見積もっている。このうち31億2,800万ユーロ(4,285億円)は1985年から2005年までの管理費用としての実績額であり、残りの97億3,400万ユーロ(1兆3,340億円)が今後(管理期間の終了する2070年迄1 、必要とされる費用である(1ユーロ=137円として換算)。また、管理の対象となる廃棄物の内訳に関しては、使用済燃料と高レベル放射性廃棄物2 が12,800m³、低中レベル放射性廃棄物が176,300m³と見積もられている。

なお、同計画では、使用済燃料と高レベル放射性廃棄物の管理に関しては集中中間貯蔵施設の建設が優先事項であり、その最終的な管理方針の決定は先送りされること、廃棄物管理に必要な施策を実施するための意思決定における社会とのコミュニケーションや社会の参加の重要性等が示されている。

また、同プレスリリースでは、政府が使用済燃料と高レベル放射性廃棄物等の集中中間貯蔵施設が遵守すべき基準を策定するための委員会の設置に関する王令を承認したとしている。この委員会の設置は、2006年4月の下院からの要請に応えるものであり、今後策定される基準等に基づき、関心のある自治体の中から集中中間貯蔵施設の候補地を選出することとなる(7月7日付けのMYTICからのプレスリリースによれば、同委員会は7月7日に設置されている)。

【出典】

  • 産業・観光・商務省(MITYC)プレスリリース、2006年6月23日  (http://www.mityc.es/es-ES/Servicios/GabinetePrensa/NotasPrensa /ListadoNoticias.htm)
  • 産業・観光・商務省(MITYC)プレスリリース、2006年7月7日  (http://www.mityc.es/es-ES/Servicios/GabinetePrensa/NotasPrensa /ListadoNoticias.htm)

  1. 管理期間の終了する2070年とは、使用済燃料と高レベル放射性廃棄物の最終管理方策として地層処分が選定された場合に想定される施設の閉鎖時期を指している。 []
  2. ここでの高レベル放射性廃棄物とは、使用済燃料の海外再処理委託に伴い返還されるガラス固化体に加え(現在は再処理を行わないこととなっている)、操業中の浅地中処分施設では処分ができない、半減期が30年を超える長寿命アルファ線放出核種が0.37GBq/t以上含まれるものを指す。具体的には、海外再処理に伴い返還されるガラス固化体以外の廃棄物や原子力発電所の解体廃棄物などが含まれる。 []

2006年3月、スペインの放射性廃棄物管理公社(ENRESA)はプレスリリースにおいて、第6次総合放射性廃棄物計画(詳細はこちら)の草案が産 業・観光・商務省(MITYC)のウェブサイトに掲載されたことを公表した。本草案は意見募集のために2006年3月15日から1カ月間公開され、その後は必要な修正を加えた上で、政府の承認を得るために提出される予定である。総合放射性廃棄物計画は、スペインにおける放射性廃棄物の処理・処分及び原子力施設の廃止措置に関して、政府の技術的戦略と経済的な対策を策定するものである。

産業・観光・商務省(MITYC)のウェブサイトでは、意見募集のための簡単なメッセージとともに草案を含む文書が公開されている。総合放射性廃棄物計画は1997年7月に承認された計画が有効となっているが、2005年12月にはスペイン下院議会の産業・観光・商務委員会において、政府により 総合放射性廃棄物計画の見直し手続きを進めるべきことが決議されていた。この目的のために放射性廃棄物管理公社(ENRESA)が、同計画の改訂案をMITYCに提出したことが示されている。

また、ENRESAのプレスリリースでは、総合放射性廃棄物計画をMITYCのウェブサイトに掲載すること、及び放射性廃棄物管理に直接的に関係する30以上の組織に本草案を送付することは、社会に対する本計画内容についての情報公開手続きの一環であるとしている。

公開された文書は以下に示す目次構成となっており、冒頭で簡単な概要が説明され、第6次総合放射性廃棄物計画の草案が添付書類として示される形となっている。

  • 放射性廃棄物に関する総合計画の発表
  • 放射性廃棄物に関する総合計画(添付書類)
    • A.序文
    • B.放射性廃棄物の発生
    • C.行動方針
    • C.I.低中レベル放射性廃棄物の管理
    • C.II.使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理
    • C.III.施設の閉鎖
    • C.IV.その他の手続き
    • C.V.調査・開発
    • D.経済・財務的視点
    • D.I.管理コスト
    • D.II.管理コストの概要
    • D.III.管理コストに対する資金供与
    • E.法規定
    • F.用語及び略語解説

公開された文書では、第6次総合放射性廃棄物計画草案の主要部分(B~D章)の概要が以下の通り示されている。

B.放射性廃棄物の発生
放射性廃棄物の発生や処理、その発生源及び将来の発生予測に関する現状を、実際のデータを用いて提示している。
C.行動方針
4段落に分け、期間中に予想される戦略的解決や今後の4~5年の詳細な手続きを進めるために、国内外の状況を示した上で手続きの方向性を示している。
D.経済・財務的視点
徴収されるべき必要収入、費用見積りと資金調達システムなど、廃棄物管理などに関する経済的・財務的な問題を扱っている。


【出典】

  • 放射性廃棄物管理公社(ENRESA)プレスリリース(2006年3月)(www.enresa.es/Actualidad/Comunicados_Corporativos/Publicos/es/PGRR_MITYC.htm?pagina=1)
  • 産業・観光・商務省(MITYC)ウェブサイト(第6次総合放射性廃棄物計画草案の公開ページ) (www.mityc.es/Energia/Herramientas/Novedades/Borrador.htm)

2004年5月、スペインの放射性廃棄物管理の実施主体であるスペイン放射性廃棄物管理公社(ENRESA)は、2004-2008年の5年間を対象とする第5次研究開発計画を策定したことをニュースリリースで公表した。この計画は、1999-2003年を対象とした第4次研究開発計画を引き継ぐもので、スペインにおける放射性廃棄物管理全般を対象としている。ニュースリリースでは、新研究開発計画の位置付け、策定経緯に加え、計画の概要が示されており、5年間における投資額は約2,900万ユーロ(1ユーロ132円として約38億円)とされている。

スペインでは、放射性廃棄物管理全般の実施主体であるENRESAが研究開発も推進することとされており、1987年以来研究開発計画を策定し、研究開発活動を行ってきた。ニュースリリースによれば、今回の2004-2008年の新研究開発計画も、これまでの研究成果及び施設をベースとし、スペインの放射性廃棄物管理の基本計画である第5次総合放射性廃棄物計画(詳細は こちら)と密接な関連を持つものとして、現在の環境条件に対応して策定されたことが示されている。ニュースリリースで紹介された新研究開発計画の概要は以下の通りである。

方法論及び環境条件

科学的・技術的適合性を社会的・政治的に受容可能にするため必要な段階的戦略を基本として、高レベル、中・低・極低レベル放射性廃棄物、廃止措置、国際的状況、技術状況、ENRESA戦略の各項目ごとの計画立案上の環境条件が示されている。高レベル放射性廃棄物に関しては次の4点が挙げられている。

  • 使用済燃料の長期的解決策は、主に深地層処分を想定
  • 核種分離・変換は、工業的に実行可能な場合は深地層処分でも廃棄物容積・特性等を考慮
  • 原子力発電所の廃止等に伴い、使用済燃料中間貯蔵施設の容量追加が必要
  • 計画実施期間中にEUまたは国際原子力機関(IAEA)が、特別な手続/計画の確立を各国に求める可能性あり

計画の目標

研究開発計画の目標は、戦略上、科学・技術上、国際協力上の3区分で示されている。高レベル放射性廃棄物に関連するポイントは以下に示す通りである。

  • 戦略上の目標
    • 最終管理オプション、深地層処分、安全評価等に関する戦略書類作成支援
    • 使用済燃料管理展開のための実証済み技術、知見等の利用可能性
    • 国際協力の維持
    • 研究開発で得られた知見の管理
  • 科学・技術上の目標
    • 地層処分場(粘土及び花崗岩層)で重要なプロセス、パラメータ、モデルでの不確実性低減
    • 処分場の影響を含む地質バリア総合的機能の特性把握技術改善
    • 処分場建設から閉鎖に至るエンジニアリングに関する研究開発の開始
  • 国際社会での目標
    • 各階層での国際協力の維持(国、機関、多国間組織及び研究センターレベル)
    • EUの第6次フレームワーク計画への積極参加
    • 地下研究所等の作業の一本化による作業効率の改善
    • スペインの事例に適用可能なプロジェクトへの集中

計画の管理

今回の研究開発計画の最も革新的な点の一つとして計画の管理が挙げられており、以下のポイントが示されている。

  • プロジェクトは可能な限り統合
  • 計画遂行のため研究者及び研究機関の役割強化
  • ENRESAの情報ツールの活用
  • 活動の統合、管理改善、成果の確実な活用等のため、技術局長職を新設

なお、スペインでは、高レベル放射性廃棄物の最終管理方針に関する決定は2010年までの間延期し、地層処分技術および核種分離・変換の研究を行っていく方針が採られている。また、スペインにおけるこれまでの研究開発計画は以下の通り、策定、実施されてきた。
    第1次研究開発計画:1987年~1991年
    第2次研究開発計画:1991年~1995年
    第3次研究開発計画:1995年~1999年
    第4次研究開発計画:1999年~2003年

新研究計画書は同社のウェブサイトでは未だ公開されていない(2004年6月3日時点)。

【出典】

  • スペイン放射性廃棄物管理公社(ENRESA)ニュースリリース
    (http://www.enresa.es/ultimahora/Not10/noticia.html)
  • スペイン放射性廃棄物管理公社(ENRESA)技術報告書PT-07-01
    (IV Jornadas de investigacion y desarrollo tecnologico en gestion de residuos radiactivos)