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米国のホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)は、2017年4月6日付のハイライト情報において、ニューメキシコ州のカールスバッド市近傍の自治体で構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)サイトにおける使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日に原子力規制委員会(NRC)へ建設に係る許認可申請書を提出したことに関する記者会見のビデオを公表した。

ホルテック社は、2015年8月3日に、許認可申請の意向通知をNRCに提出してNRCとの事前協議を進めてきたほか、採用する地下貯蔵方式のHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)システムについて、米国で使用中のすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう、適合承認(CoC)の変更申請を2016年8月30日にNRCに提出している

ホルテック社が許認可申請書を提出した中間貯蔵施設は、HI-STORE CIS(CISは集中中間貯蔵施設(Central Interim Storage)の略)と呼ばれ、HI-STORM UMAXシステムにより、ELEAサイトの最大貯蔵容量である10,000基の乾式貯蔵キャスクが貯蔵された状態でも、環境放射線量は実質的にゼロで無視できるレベルであるとしている。また、ホルテック社は、今回の許認可申請では、同様な貯蔵システムを採用して許認可までを取得し、中止された民間燃料貯蔵(PFS)社の集中中間貯蔵施設の計画において、許認可申請書の審査を通じて得られた10,000年間での再来地震(return earthquake)等の知見が活かされているとしている。さらに、ホルテック社の貯蔵システムは、ウクライナのエネルゴアトム社による集中中間貯蔵施設でも採用されているとしている。

なお、ホルテック社は、今回の許認可申請書の提出に際し、ニューメキシコ州、ELEAを構成するエディー郡、リー郡、カールスバッド市及びホッブズ市など地元自治体等の支持に感謝を示すとともに、エネルギー省(DOE)が民間による中間貯蔵施設の開発の動きを支持する姿勢を見せていることを評価するとの見解を示している。

【出典】

 

【2017年5月25日追記】

原子力規制委員会(NRC)は、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)が計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日にNRCが受領した建設・操業に係る許認可申請書を公開した。本許認可申請書は、初期分として5,000トンの使用済燃料の40年間の貯蔵について、NRCの連邦規則10 CFR Part 72「使用済燃料、高レベル放射性廃棄物及び原子炉関連のクラスCを超える廃棄物の独立貯蔵の許認可要件」に基づく許認可の発給を求めて申請されたものである。

ホルテック社の許認可申請に係るNRCのウェブサイトでは、下記の許認可申請書などが公表されている。

  • 許認可申請書の提出書簡
  • 安全解析書(SAR)
  • 環境報告書
  • 許認可付帯条件案

ホルテック社が建設・操業を申請した中間貯蔵施設は、HI-STORE CIS(CISは集中中間貯蔵施設(Central Interim Storage)の略)と呼ばれるものであり、地下貯蔵方式のHI-STORM UMAX(Holtec International STORage Module Underground MAXimum securityの頭字語)システムが採用されており、安全解析書(SAR)においては既にNRCが承認済みのHI-STORM UMAXシステムが参照されている。ホルテック社は、HI-STORM UMAXシステムについて、米国で貯蔵されているすべての乾式貯蔵キャスクの受入れ・貯蔵が可能となるよう、適合承認(CoC)の変更申請を2016年8月にNRCへ提出している

ホルテック社の環境報告書では、最終的に想定される10万トンの使用済燃料の貯蔵に係る環境影響等が評価されている。また、中間貯蔵施設の建設については、20段階に分けて20年間で進める予定が示されている。なお、ホルテック社の環境報告書及び安全解析書(SAR)では、想定するスケジュールとして、2019年 3月に許認可申請書をNRCが承認し、2022年6月に建設が完了して使用済燃料の受入を開始することが示されている。

【出典】

 

【2017年7月11日追記】

原子力規制委員会(NRC)は、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、2017年3月31日にNRCへ提出した建設・操業に係る許認可申請書に関する情報の十分性を確認する受理審査を実施した。その結果、技術的情報等が十分に示されていないとして、2017年7月7日付けのNRCの書簡及び添付書類において、ホルテック社に対する補足情報要求(RSI)等が示された。

NRCは、補足情報要求(RSI)への対応の期限を書簡の日付けから28暦日としており、対応ができない場合は2週間以内にNRCに通知することを求めている。NRCは、補足情報要求(RSI)へ十分に対応できない場合、許認可申請書を受理しない可能性もあるとしている。

なお、NRCは、補足情報要求(RSI)に加えて、許認可申請書の受理審査を通じた所見(Observations)として課題・問題点も示している。所見については、許認可申請書の受理のために必要となる補足情報要求(RSI)をする段階には達していなが、許認可申請書が受理された後に、さらなる明確化を要求する場合があるとしている。

【出典】

 

【2017年9月26日追記】

原子力規制委員会(NRC)は2017年9月25日に、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料の中間貯蔵施設について、許認可申請書に対する補足情報要求(RSI)に関して行われた2017年8月21日の公開ミーティングの議事要旨を公開した。

2017年7月7日付けのNRCの補足情報要求(RSI)では、RSI通知書簡の日付から28暦日以内の情報提出がホルテック社に要求されていた。ホルテック社は、2017年7月21日にNRCへ提出した対応計画において、ほとんどの項目については2017年10月6日までに、残る3項目については2017年12月22日までに補足情報を提出する予定を示していた。2017年8月21日に行われた公開ミーティングでは、NRCの補足情報要求(RSI)への対応計画等についてホルテック社から説明が行われ、その後、NRCとの質疑応答が行われている。

【出典】

英国政府のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)と原子力廃止措置機関(NDA)は、2017年4月3日に、放射性廃棄物インベントリ報告書の最新版である2016年版を公表した。放射性廃棄物インベントリは、英国政府とNDAが実施している共同研究プログラムの一部であり、放射性廃棄物の管理計画を立案する上での重要なデータとして、今後対策が必要となる1 放射性廃棄物の廃棄物量、放射能量等を3年毎に評価したものである。

今回の2016年版の放射性廃棄物インベントリ報告書に示されている下表の廃棄物量(単位:m3)は、2016年4月1日時点において処理されて貯蔵されている廃棄物量と、今後発生が見込まれる廃棄物量を合計したものである。この廃棄物量には、既に操業しているドリッグ村近郊にある低レベル放射性廃棄物処分場(LLWR)及びドーンレイ低レベル放射性廃棄物処分場で処分された低レベル放射性廃棄物、並びに民間の産業廃棄物処分場で処分された極低レベル放射性廃棄物の量は含まれていない。

2016年版の放射性廃棄物インベントリ報告書では、下表のように、前回の2013年版の放射性廃棄物インベントリ  報告書に比べて、低レベル放射性廃棄物が減少する一方で、極低レベル放射性廃棄物、中レベル放射性廃棄物及び高レベル放射性廃棄物がそれぞれ増加している。これらの放射性廃棄物の増減に関してNDAは、放射性廃棄物の再評価、国家戦略などによる廃棄物パッケージや処理処分オプションなどの変更によるものであると説明している。

英国の分類別の放射性廃棄物インベントリ

廃棄物分類 2013年版報告書 2016年版報告書
極低レベル放射性廃棄物 2,840,000m3 2,860,000m3
低レベル放射性廃棄物 1,370,000m3 1,350,000m3
中レベル放射性廃棄物 286,000m3 290,000m3
高レベル放射性廃棄物 1,080m3 1,150m3
合計 4,497,080m3 4,501,150m3

【出典】


  1. 原子力施設の運転・廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の推定量を含む。 []

米国で2018会計年度1 の大統領予算教書に係る予算方針を示した文書(以下「予算方針文書」という。)が、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表され、エネルギー省(DOE)の予算として、ユッカマウンテン処分場に係る許認可活動の再開及び中間貯蔵プログラムの開始のために1億2,000万ドル(約125億円、1ドル=104円で換算)が計上されている。ユッカマウンテン処分場の許認可手続については、2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 により原子力規制委員会(NRC)における許認可申請書の審査の再開が命じられたものの、連邦議会はNRCによる許認可手続の予算を計上せず、過年度の残予算の範囲内で安全審査等の活動が実施されたが、許認可発給のための裁判形式の裁決手続は再開されていなかった

2018会計年度の予算方針文書では、これらの投資は、放射性廃棄物に対する連邦政府の義務の履行を加速し、国家安全保障を強化し、将来の税負担を軽減するものとしている。なお、今回公表された予算方針文書では、主な省庁のみが対象とされており、原子力規制委員会(NRC)の予算は示されていない。DOE全体の予算については、約5.6%の削減要求となっている。また、大統領府予算管理局(OMB)からは、2017会計年度の予算において軍事費を増額して他の一般歳出を削減する修正要求も公表されているが、軍事費以外の詳細については示されていない。

予算方針文書の公表についてDOEは、エネルギー長官の声明がニュースリリースとして公表されているが、放射性廃棄物関連を含め、具体的な内容についての言及はない。また、連邦議会上下両院の歳出委員会の委員長からもプレスリリースが出されているが、予算要求の内容についての具体的な言及はない。

ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州選出の連邦議会議員からは、ユッカマウンテン関連の予算が要求されたことを非難するプレスリリースが出されている。一方、原子力エネルギー協会(NEI)は、DOEの研究開発費の削減には懸念を示しながらも、ユッカマウンテン処分場の許認可活動の再開と中間貯蔵プログラムの両者に予算要求が行われたことについて歓迎することを趣旨とするニュースリリースを出している。

なお、テキサス州は2017年3月14日に、連邦政府は1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)に定められた高レベル放射性廃棄物処分に係る義務を果たしておらず、同意に基づくサイト選定プロセスの取組などは同法に違反しているなどとして、連邦政府を相手取った訴訟を起こしている。テキサス州の訴状では、違法性の確認などとともに、DOE及びNRCがユッカマウンテン処分場に係る許認可手続の予算を要求すること、許認可申請書の審査の再開を命じることを旨とする判決が出されることを求めている。

【出典】

 

【2017年3月22日追記】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会及び同環境小委員会の委員長は、連名での2017年3月20日付け書簡において、今回就任したエネルギー長官に対して、大統領予算教書に係る予算方針においてユッカマウンテン処分場の許認可手続再開のための予算が含められていることを評価する旨を表明した。また、エネルギー省(DOE)の放射性廃棄物管理政策について、以下の事項を要請した。

  • 法律で要求されているOCRWMの再設置
    1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)(以下「放射性廃棄物政策法」という。)では、エネルギー長官に対して直接的に責任を負う民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)について、同法による高レベル放射性廃棄物処分プログラムの実施に係る組織として設置する旨が規定されており、放射性廃棄物管理政策の実施には専門的に設置された機関が必要である。
  • 軍事起源廃棄物の独立した処分に係る2015年決定の見直し
    軍事起源の高レベル放射性廃棄物 (以下「軍事起源廃棄物」という。)の処分については、1985年の大統領決定を受けて、既に37億ドル(約3,800億円、1ドル=104円で換算)の税金を使用してユッカマウンテン処分場の開発を行ってきており、軍事起源廃棄物の独立した処分場を開発するのであれば、2015年決定の基となった費用・スケジュールの再評価が必要である。
  • ネバダ州及びナイ郡への資金提供
    放射性廃棄物政策法は、処分場により影響を受ける地方政府の技術的活動を支援するための資金提供を認めており、ネバダ州のステークホルダーとの建設的対話構築の一歩として資金提供を行うことが望ましい。
  • 放射性廃棄物政策法の修正に向けた協働
    DOEが使用済燃料の中間貯蔵施設の開発が必要とするのであれば、処分場での処分という確立された放射性廃棄物管理政策と抵触しない形でプログラムが推進できるよう、放射性廃棄物政策法の修正のために協力することを期待する。
  • 放射性廃棄物基金からの支出の月次報告
    2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 以降、DOEの放射性廃棄物処分勘定の残高及び支出対象活動の説明に係る月次報告書を要求しており、今後も同様に、放射性廃棄物基金からの支出の詳細な報告を継続するよう要求する。

なお、下院エネルギー・商務委員会では、連邦議会議員とともにユッカマウンテンの視察を計画しており、本書簡ではエネルギー長官の視察参加も呼び掛けている。

【出典】

 

【2017年3月29日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2017年3月27日付のニュースリリースにおいて、ペリー・エネルギー長官がネバダ州のユッカマウンテン処分場予定地を視察し、その後、ネバダ州知事と会談したことについて、エネルギー長官の声明を公表した。この中でエネルギー長官は、大統領は2018会計年度の予算においてユッカマウンテン許認可手続の再開のために1億2,000万ドルを要求しており、今回のネバダ州知事との会談は、様々な連邦、州及び民間のステークホルダーとの対話を含むプロセスの第一歩であるとしている。

公表されたエネルギー長官の声明では、ネバダ州知事とは率直で生産的な対話が行われたこと、ネバダ州知事はエネルギー長官の訪問を評価しつつも、ユッカマウンテン計画への反対を改めて表明したことを伝えている。エネルギー長官は、ネバダ州知事に対し、以前から親交があるネバダ州知事と今後も様々な問題について協議を続けていくこと、ネバダ州が米国の核・軍事産業に果たしてきた貢献への感謝とともに、今後も使用済燃料管理において重要な役割を維持し続ける必要性などを伝え、冷戦初期から米国の安全保障に貢献してきたネバダ州が、今後も主導的な役割を維持することへの期待を示したとしている。

これに対してネバダ州知事は、2017年3月27日付のプレスリリースを発出しており、ネバダ州は連邦政府機関と様々な問題で協力してきているが、ユッカマウンテンにおける処分問題は考慮する意思のない問題であるとして、今回のエネルギー長官との会談はユッカマウンテンに関する交渉の開始ではないことを表明している。また、ネバダ州選出の連邦議会議員数名も、2017年3月27日付のプレスリリースを発出しており、ユッカマウンテン計画には反対する立場を改めて表明している。

 

【出典】

 

【2017年3月31日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年3月29日のプレスリリースにおいて、エネルギー長官との会談の後、ユッカマウンテン計画への反対を継続するために州が取るべき行動について、ネバダ州原子力プロジェクト室と協議したことを公表した。本プレスリリースの中で知事は、自身がネバダ州司法長官であった当時にユッカマウンテン問題の訴訟を提起したことなどを示した上で、ネバダ州における高レベル放射性廃棄物処分に係る連邦政府のいかなる取組みに対しても、訴訟を含む手段を尽くして反対することの他、ユッカマウンテン計画を復活させる動きを見直すよう政権に要求し続けることなどを表明している。

【出典】

 

【2017年4月18日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年4月13日のプレスリリースにおいて、テキサス州がエネルギー省(DOE)及び原子力規制委員会(NRC)を相手取って、ユッカマウンテン処分場の許認可手続に係る予算を要求することなどを求めた2017年3月14日の訴訟について、訴訟参加の申立てを第5巡回区連邦控訴裁判所に提出したことを公表した。

ネバダ州知事はプレスリリースの中で、テキサス州の訴訟は、ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州の力量を著しく削ぐものであるなどとしている。また、ネバダ州知事は、今回のネバダ州の申立ては、今後数週間、数カ月における一連の行動の一歩に過ぎないとしている。

この他、ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州の動きとしては、ネバダ州選出のヘラー上院議員も、連邦議会上院歳出委員会の幹部議員に対して、ユッカマウンテン計画に対する予算計上を行わないように求める書簡を提出している。

なお、テキサス州による連邦政府に対する訴訟については、原子力エネルギー協会(NEI)及び原子力事業者7社が2017年4月5日に訴訟参加の申立てを行っている。これは、テキサス州の訴訟において、DOEとの契約に基づいて原子力発電事業者が拠出した放射性廃棄物基金について、処分場開発のために使用されていない状況に関連した救済請求の一部に、不当利得返還などの放射性廃棄物基金の制度破綻に繋がる項目が含まれている点について申立てを行ったものである。

【出典】

 

【2017年6月15日追記】

米国のネバダ州知事は、2017年6月14日付けのプレスリリースにおいて、エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)とに対してユッカマウンテン処分場の許認可手続に係る予算を要求することなどを求める2017年3月14日のテキサス州による訴訟について、訴訟却下の申立書を第5巡回区連邦控訴裁判所に提出したことを公表した。ネバダ州は、2017年4月12日に本訴訟への参加を求める申立てを行っており、第5巡回区連邦控訴裁判所は2017年5月19日に、これを認める決定を行っていた。

ネバダ州が2017年6月12日に提出した訴訟却下の申立書では、以下に示す理由から、テキサス州による訴えは却下されるべきであるとしている。

  • テキサス州の請求内容は、認められる可能性がない他、第5巡回区連邦控訴裁判所は本件の管轄権を有していない。
  • 予算に関するテキサス州の要求は、司法判断に適さない政治的な問題である。
  • 仮処分を必要とするような現状変更の理由がない。

ネバダ州知事はプレスリリースの中で、テキサス州の訴訟はユッカマウンテン処分場に係る許認可申請に関して、NRCの審査手続の短縮などを求めているが、仮に現政権や連邦議会がユッカマウンテン処分場計画を再開する場合には、NRCの審査手続におけるネバダ州の適正な手続の権利を断固として守り抜くとしている。なお、ネバダ州知事は、訴訟、NRCの審査手続及び法改正を通して、ユッカマウンテン計画に反対するための計画を策定済みであり、テキサス州による訴訟に対する訴訟却下の申立ては、計画された法的闘争の第一歩に過ぎないことを改めて表明している。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2018会計年度の予算は2017年10月1日からの1年間に対するものである。 []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2017年2月27日に、2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)を公表した。PNGMDRは、フランスにおける全ての放射性廃棄物の管理の現状分析と管理方策の実現に向けた、研究開発を含む取組を取りまとめたものである。

PNGMDRは2006年の放射性廃棄物等管理計画法により、政府が3年ごとに策定・改定することが義務付けられているものである。初めてのPNGMDRは2007年に策定されており、今回のPNGMDRは第4版となる。現在、PNGMDRの取りまとめは、原子力安全機関(ASN)及び環境・エネルギー・海洋省のエネルギー・気候総局(DGEC)が担当しており、PNGMDR(第4版)は2010年に制定された環境に関する取組を強化する法律の制定に伴う関連法令改定を受け、初めて環境行政の観点からの評価を組み込んでおり、環境・エネルギー・海洋省の環境庁(AE)の見解も聴取された。

PNGMDR(第4版)は、以前の計画に沿って実施された放射性廃棄物の管理方法の改善・最適化に向けた取組みの成果と2015年に公表された廃棄物インベントリの内容に基づいて、廃棄物の管理方法ごとのアプローチ、特に、包括的な産業レベルでの処分計画の作成・見直しを強化するものである。また、PNGMDR(第4版)では、特に放射性廃棄物の最終処分の開始期限を決定するために必要となる、放射性廃棄物の中間貯蔵の能力や貯蔵設備に関する調査も要請している。さらに、極低レベル放射性廃棄物の発生量の予測を明確化する必要性や、一部の放射性物質を再利用する可能性の妥当性の証明を強化する必要性を改めて確認している。

PNGMDRにおいて計画された内容の実施は、デクレ(政令)及びアレテ(省令)によって規定されることになっており、2017年2月23日付のデクレ(政令)及び同デクレ(政令)の施行に関する2017年2月23日付のアレテ(省令)が同月25日付官報に公示された。

PNGMDR(第4版)に関する2017年2月23日のデクレ(政令)の規定では1、放射性廃棄物の管理・研究の基本的な枠組みを定めている。このうち、極低レベル放射性廃棄物、長寿命低レベル放射性廃棄物に関しては、包括的な産業レベルでの処分計画を放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が策定することを規定している。また、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物については、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が核種分離・変換の研究を、ANDRAが地層処分場の設置許可申請に向けて必要な研究及び貯蔵の研究をそれぞれ実施することを規定している。

なお、同デクレ(政令)の施行に係る2017年2月23日付アレテ(省令)では、長寿命低レベル放射性廃棄物の管理、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理に関して、それぞれ以下のような具体的な内容が規定されている。

<長寿命低レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2017年3月末までに、処分場の操業開始に向けた目標日程を提案する。
  • ANDRAが2018年6月末までに、処分場の安全要件と設計研究を原子力安全機関(ASN)に提出する。
  • ANDRAが2019年6月末までに、概念設計段階の技術オプションと安全オプションをASNに提出する。
  • ANDRAが2021年末までに、基本設計段階の安全オプション文書をASNに提出する。

<高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物の発生者であるフランス電力株式会社(EDF社)、AREVA社及び原子力・代替エネルギー庁(CEA)は2017年末までに、その時点までに調整された放射性廃棄物の廃棄体の地層処分場への受け入れ可能性について、ANDRAが提出した予備的な受け入れ仕様と比較して分析を実施する。ANDRAの仕様との乖離が明らかになった場合、事業者とANDRAが技術的協議を行う。
  • CEAは2015年までに発生した長寿命中レベル放射性廃棄物の特性評価と調整に関する研究を継続し、2017年6月末までに、今後の研究計画を政府に提出する。
  • CEAはANDRAと協力し、ビチューメン(アスファルト)廃棄物の挙動に関する研究を継続する。CEAは2017年6月末までに、研究結果に関する報告書を政府に提出し、ANDRAはこの研究結果について、ビチューメン廃棄物を地層処分場に受け入れた際の条件への影響について分析し、報告書を2018年6月末までに政府に提出する。
  • EDF社、CEA及びAREVA社は2017年6月末までに、今後少なくとも20年にわたる期間について、全ての高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の中間貯蔵の必要性を提示する。

 

【出典】


  1. 同デクレは、環境法典の規則の部において放射性廃棄物管理に関する規則を定める第5巻第4編第2章に第1節~第8節(第R542-1~R542-73条)の後に、PNGMDRに関する新たな節として第9節を追加する内容となっている。 []

台湾における原子力規制行政機関である行政院原子能委員会(AEC)は2017年2月15日に、原子力発電事業者であり、放射性廃棄物管理に責任のある台湾電力公司が提出していた「低レベル放射性廃棄物処分計画の代替策及び暫定対策の具体的実施案」(以下「実施案」という。)及び「蘭嶼貯蔵施設の移設に関する計画の報告」を審査し、その結果を公表した。この中で、処分計画が進捗を見ない中、台湾電力公司による低レベル放射性廃棄物及び使用済燃料の集中中間貯蔵計画を尊重するものの、蘭嶼島からの早期の搬出を実現するよう、低レベル放射性廃棄物の集中中間貯蔵施設の立地を優先的に進めるべきことが勧告された。

台湾には現在、操業中の低レベル放射性廃棄物処分場はなく、一部の低レベル放射性廃棄物は、蘭嶼島の貯蔵施設において貯蔵されている。低レベル放射性廃棄物処分に向けて、2006年5月に「低レベル放射性廃棄物最終処分場設置条例」が施行された。同条例に基づいて、行政院経済部の下に設置されたサイト選定委員会によってサイト選定が進められ、2012年7月には2カ所の低レベル放射性廃棄物処分場の推薦候補サイトが公告されたものの、同条例の規定によってサイトの決定のために必要となる住民投票は未だ実施されていない。こうした状況を踏まえて原子能委員会は台湾電力公司に対して、低レベル放射性廃棄物最終処分計画の代替策を検討し、2016年末までに原子能委員会に提出するよう求めていた。

「実施案」に対する原子能委員会の審査報告によると、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に先立ち、暫定対策として集中中間貯蔵施設の建設を提案した。原子能委員会は、これを了承するものの、集中中間貯蔵施設建設計画の開始から施設の操業開始までの期間を8年間、サイト選定及び用地取得は計画の開始後3年以内の期間で完了するべきとし、3年間でサイト選定と用地取得が完了しなかった場合、放射性物料管理法に基づいて3,000万新台湾ドル(1新台湾ドル=約3.5円で換算して約1億1千万円)の罰金を課すとしている。

また、審査報告によると、台湾電力公司は、集中中間貯蔵施設において、低レベル放射性廃棄物に加えて使用済燃料も貯蔵する計画を提示していた。原子能委員会は、この計画も了承するものの、使用済燃料の貯蔵の開始を前倒しするため、低レベル放射性廃棄物の貯蔵が遅延するのは避けるべきであるとしている。そのために、集中中間貯蔵は段階的に進める必要があり、低レベル放射性廃棄物の貯蔵を優先的に進め、蘭嶼島に貯蔵されている廃棄物の搬出を前進させるべきであるとしている。

さらに、原子能委員会は、集中中間貯蔵施設のサイト選定は、2016年6月に原子能委員会が制定した「放射性廃棄物集中中間貯蔵施設サイト選定基準」に即して客観的・科学的に行うべきであるとしている。また、集中中間貯蔵は暫定的な対策に過ぎず、台湾電力公司は低レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を進めるべきとしている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)環境管理局(EM)は、2017年1月17日のニュースリリースにおいて、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の操業再開の式典が、エネルギー長官、ニューメキシコ州知事等が列席して2017年1月9日に開催されたことを公表した。WIPPは、2014年2月に発生した火災事故及び放射線事象により操業が停止されていたが、2016年12月23日に操業再開が決定され、操業再開後の初めてのTRU廃棄物の定置が2017年1月4日に行われていた

エネルギー省(DOE)環境管理局(EM)の2017年1月17日のニュースリリースでは、WIPPの操業再開について、WIPPを監督するDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)から、以下のような情報が示されている。

  • 操業再開に際しては、DOEの事故調査委員会(AIB)の指摘、ニューメキシコ州環境省(NMED)や国防核施設安全委員会(DNFSB)、環境保護庁(EPA)、労働省鉱山安全保健管理局等の詳細な監督を受けて、多くの改善が行われた。
  • 火災事故の影響による電力供給の回復、安全管理プログラムの改善、施設・装備等の強化、岩盤管理(ground control)、除染など、復旧活動は複雑であり、35カ月という長期を要した。
  • 作業環境が放射能で汚染された環境へ変化するとともに、天井や壁のロックボルト打設などの岩盤管理作業が特に困難な課題となった。
  • 放射能汚染区域は処分施設南側区域の早期閉鎖で約6割が減少したほか、岩塩による放射性核種の吸収等で表面汚染は減少を続けているが、第7パネルが閉鎖されるまで放射能汚染区域は残る見込みである。
  • 廃棄物受入れは徐々に頻度を上げて、2017年後半には週5回程度の受入れを見込んでいるが、以前と同じペースでの廃棄物受入れには、2021年以降に完成予定の新たな排気立坑等による換気能力の強化が必要である。
  • TRU廃棄物の各DOEサイトからの輸送は、2017年春頃の再開を見込んでおり、詳細な予定を策定中である。
  • 放射能汚染された地下施設での復旧作業では、防護服等の着用により、最大75%も作業効率が低下したが、作業員の努力により復旧を達成できた。

【出典】

 

【2017年4月12日追記】

米国のエネルギー省(DOE)環境管理局(EM)は、2017年4月10日のニュースリリースにおいて、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、2017年1月4日に操業を再開してから初めてとなるTRU廃棄物の受入れを行ったことを公表した。DOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)のWIPP復旧情報のウェブサイトにおいても、同様な内容を伝えるWIPP更新情報が掲載され、廃棄物受入れの様子を伝えるビデオも公表されている。

今回受入れが行われたTRU廃棄物は、アイダホ国立研究所(INL)から搬入されたものであり、DOEは、2014年2月の火災事故及び放射線事象でWIPPの操業が停止されてからTRU廃棄物の貯蔵を余儀なくされていた各DOEサイトにとっても、WIPP自身にとっても、重要なマイルストーンであるとしている。WIPPにおけるTRU廃棄物の受入れは、当初は週2回のペースで行われ、2017年末までには週4回のペースに増加する予定とされている。

なお、DOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、今回のTRU廃棄物輸送の再開に向けて、各DOEサイトからWIPPまでの輸送経路及びWIPP近傍において、実際の廃棄物輸送容器の展示や説明を行う「ロードショー」を実施していた。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2017年1月12日に、「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の集中貯蔵・処分施設のための同意に基づくサイト選定プロセス案」(以下「サイト選定プロセス案」という)を公表するとともに、2017年4月14日までコメントの募集を行うことを2017年1月13日付の連邦官報の告示文書に記載した。DOEは、2016年12月に、同意に基づくサイト選定イニシアティブを開始しており、本サイト選定プロセス案は、全米8カ所でのパブリックミーティングや意見募集で収集した意見、及び「米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会」の最終報告書・勧告などを反映し、同意に基づくサイト選定プロセスの実施のための具体的なステップや設計原則について、DOEの考え方を示したものとされている。本サイト選定プロセス案については、2016年9月15日に開催された意見集約ミーティングにおいて、2016年内に発行する予定が示されていた。

今回公表されたサイト選定プロセス案では、安全性などに加えて、公正・公平、十分な情報を得ながらの参加、立地地域への便益、任意参加/撤退の権利、透明性、段階的・協調的意思決定など、サイト選定プロセスを設計する際の原則を示した上で、具体的なサイト選定の段階が、下表のように示されている。なお、以下で示される「コミュニティ」は、直接の立地コミュニティのみならず、サイト選定プロセスで重要な役割を担う州や地方政府、地域選出の連邦議会議員や先住民族政府等も含むものとされている。

フェーズI 同意に基づくサイト選定プロセスを開始し、より多くを学ぶためのコミュニティへの参加要請
ステップ1 実施主体が法律上の権限と予算を取得
ステップ2 実施主体が同意に基づくサイト選定プロセスを開始
ステップ3 コミュニティがより多くを学ぶための資金供与プログラムを実施主体が開始
ステップ4 学びたいコミュニティが資金供与プログラムに関心を表明
ステップ5 実施主体が申請書を評価して資金供与コミュニティを決定
ステップ6 コミュニティが予備的サイト評価を要求
フェーズII サイト評価
ステップ7 実施主体が予備的サイト評価を実施(わが国の「概要調査」に相当)
ステップ8 コミュニティが詳細サイト評価を要求
フェーズIII 詳細評価
ステップ9 実施主体が詳細サイト評価を実施(わが国の「詳細調査」に相当)
ステップ10 適合サイトのあるコミュニティが受入意向の可能性を決定
フェーズIV 合意
ステップ11 コミュニティがさらに進むための条件を提示
ステップ12 コミュニティと実施主体が協定について交渉・承認
ステップ13 コミュニティと実施主体が協定を締結(ここまで、コミュニティは撤退の権利を有する)
フェーズV 許認可、建設、操業、閉鎖
ステップ14 施設の許認可
ステップ15 施設の建設・操業
ステップ16 施設の閉鎖・廃止措置
ステップ17 閉鎖後もサイトを監視し、コミュニケーションを維持

今回公表されたサイト選定プロセス案の報告書では、サイト選定プロセスにおける考慮事項についても案が示されている。サイト選定プロセスの初期段階においては、大枠の除外要件が示されるとした上で、詳細なサイト評価段階においては、以下を含むサイト選定要件項目について、評価に必要な情報が取得されるとしている。

  • サイト周辺の人口
  • 土地の広さ
  • 地震動及び大規模断層
  • 鉱山活動など人工的な地震の誘発
  • 地表面の断層
  • 流動化など地盤動に繋がり得る土壌・母岩条件
  • 地耐力
  • 洪水の影響
  • 施設設計や操業安全に影響する自然現象
  • サイト及び設計に影響し得る地域産業
  • 輸送インフラへの近接

また、地層処分場の詳細なサイト評価段階については、さらに、水文地質学、地球化学、母岩特性、侵食、溶解、地質構造、人間侵入の可能性などのサイト選定要件項目が必要になるとしている。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2016年12月23日の更新情報において、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)におけるTRU廃棄物の処分について、操業再開をDOEが承認したことを公表した。WIPPでは、火災事故及び放射線事象が2014年2月に発生して以来、現在まで操業が停止されている。操業再開後の初めての廃棄物の定置は、坑道の岩盤管理(ground control)などの準備作業が終了した後、2017年1月初めに実施の見込みとされている。

現在、WIPPの廃棄物取扱建屋に保管されているTRU廃棄物を地下に移送するために必要とされる活動は、すべての審査を受けて検証が完了しており、廃棄物定置の公式の再開日は、坑道床面の平準化などの第7処分パネルで必要とされる軽微な準備作業の完了後に決定するとしている。

今回のDOEの決定は、DOEの操業準備審査(DORR)で指摘された操業開始前段階での是正活動について、すべて完了・検証されたことを確認するものとなる。2016年12月23日のWIPP更新情報では、独立の審査や監督規制組織による報告書として以下が示されている。

  • DOEの操業準備審査(DORR)(http://www.wipp.energy.gov/Special/WIPP_DORR_Final_Report.pdf)
    DOEの操業準備審査チームによる評価であり、緊急時対応、廃棄物受入れ、火災防護などの機能的領域、及びDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の監督能力などが評価された。操業準備審査での指摘事項への対応として、操業開始前に対応が必要とされた21項目の完了が確認され、操業開始後に廃棄物定置活動と並行して対応が可能とされた15項目の是正活動計画が承認された。
  • 契約者操業準備審査(CORR)(http://www.wipp.energy.gov/Special/WIPP_CORR_Final_Report.pdf)
    契約者操業準備審査では、「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)の定置作業に係るすべての側面を対象として、管理・操業契約者の準備状況に対する独立的な評価がDOEに提供された。初動対応を含む緊急時対応や訓練、調達管理など7項目が操業開始前に必要とされたほか、放射線管理など5項目の操業開始後の対応事項が指摘された。
  • 国家環境政策法(NEPA)補足分析(http://www.wipp.energy.gov/Special/Supplemental_Analysis.pdf)
    DOEは、2016年12月21日に最終版とした補足環境影響評価書(SEIS)に対する補足分析において、WIPPへの廃棄物の輸送とWIPPにおける処分の再開・継続は、WIPP操業開始時の補足環境影響評価書(SEIS)や2009年の補足分析に対して重大な変更を行うものではなく、新たに重大な環境上の懸念等もないとして、さらなる国家環境政策法(NEPA)文書の策定は不要と決定した。
  • 鉱山安全保健管理局―技術支援評価(http://www.wipp.energy.gov/Special/MSHA_Technical_Support_Evaluation.pdf)
    労働省鉱山安全保健管理局がDOEカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)らの依頼を受けて行った評価であり、地下における換気の制約や防護服着用による生産性低下等の課題が認識されたが、違反等の指摘はなかった。
  • WIPPサイト事象の独立レビューチーム(WSIR)―ニューメキシコ鉱山技術大学(http://www.nmt.edu/images/stories/WSIIRFINALReport2016.pdf)
    DOEの要請によりニューメキシコ鉱山技術大学の科学者らが独立の評価を行ったものであり、DOEの事故調査委員会(AIB)や技術評価チーム、ロスアラモス国立研究所等のレポートが評価された。

また、WIPPでの有害廃棄物処分に係る規制機関であるニューメキシコ州環境省(NMED)は、2016年12月16日に、WIPPの有害廃棄物の許可条件及び是正活動について検査を行った結果として、WIPPにおける通常の操業状態への復帰を承認することを通知している。

なお、WIPPの操業再開時期については、2014年9月公表の復旧計画では2016年第1四半期とされていたが、その後、2016年末へと変更されていた。

【出典】

 

【2017年1月6日追記(エネルギー省(DOE)プレスリリース(2017年1月9日)の追加)】

米国のニューメキシコ州環境省(NMED)は、2017年1月4日に廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)が操業を再開したこと、操業が停止されてから初めてのTRU廃棄物の定置が行われたことなどを公表した。WIPPは、ニューメキシコ州カールスバッド近郊でエネルギー省(DOE)カールスバッド事務所(CBFO)が1999年3月26日から操業を行ってきた軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場であるが、2014年2月に発生した火災事故及び放射線事象により操業が停止されてきた。WIPPでの操業再開については、2016年12月23日に、DOEが管理・操業契約者(M&O)による操業再開を承認していた。

ニューメキシコ州環境省(NMED)は、2014年2月の火災事故及び放射線事象の発生以来、包括的な調査を実施し、DOEの責任を明確にするとともに、指定した是正活動の実施を監督してきたことが、今回の操業再開に繋がったとしている。

【出典】

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016年12月20日に、『放射性廃棄物管理プログラム2016』及び本プログラムに沿って実施される研究開発計画書を連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出したことを公表した。放射性廃棄物管理プログラムは、スイスの4カ所の原子力発電所にある5基の原子炉の運転、廃止措置、並びにそれらから発生する放射性廃棄物の貯蔵、処分の計画を示したものであり、2005年施行の原子力法及び原子力令に基づいて、5年毎に更新することになっている。放射性廃棄物管理ブログラム2016によると、医療・産業・研究等から発生してNAGRAが処分することになっている放射性廃棄物を含め、最終的に地層処分する放射性廃棄物の総量は、最大で約9万2千m3となると推定している。

 

表:放射性廃棄物管理プログラム2016における放射性廃棄物発生量の推定

 

放射性廃棄物の分類と廃棄物量(廃棄体の体積m

放射性廃棄物の発生

高レベル放射性廃棄物(HAA)

アルファ廃棄物
(ATA)

低中レベル放射性廃棄物
(SMA)

合計

使用済燃料(BE)

8,995

8,995

英国、フランスに委託した再処理に伴って返還される廃棄物(WA)

398

414

812

炉内構造物等(BA)

31,271

31,271

原子炉の運転廃棄物(RA)

1,811

1,811

原子炉の廃止措置廃棄物(SA)

24

27,366

27,390

医療、産業及び研究分野の廃棄物(MIF)

8

634

19,010

19,652

使用済燃料及びガラス固化体の廃棄体製造施設から発生する廃棄物(BEVA)

2,302

2,302

合計

9,402

1,072

81,760

92,234

*:わが国のTRU廃棄物に相当

 

○処分場サイト選定のスケジュール

スイスでは、NAGRAが特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づき、3段階からなるサイト選定プロセスを実施しており、現在、サイト選定第2段階にある。放射性廃棄物管理プログラム2016においてNAGRAは、公衆参加や各段階での審査手続、許認可手続の所要時間に不確定要素が多いことなどから、処分サイトの決定と概要承認手続きの終了を2031年としている。また、低中レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2050年、高レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2060年としている。

スイスにおける地層処分場サイト選定スケジュール

〇処分費用見積り

NAGRAは放射性廃棄物管理プログラム2016において、原子力発電事業者の団体であるスイスニュークリアが2016年12月に提出した原子力発電所の廃止措置及び放射性廃棄物の処分に関する費用見積りに基づいて、処分及び廃止措置の費用を示している。低中レベル放射性廃棄物処分、高レベル放射性廃棄物処分、廃止措置の費用見積りはそれぞれ以下の表のとおりである。

表:放射性廃棄物管理プログラムにおいて示された費用の見積り

項目

費用(1スイスフラン=105円で換算)

低中レベル放射性廃棄物処分

44億2,400万スイスフラン(約4,645億円)

高レベル放射性廃棄物処分

76億9,400万スイスフラン(約8,079億円)

原子力発電所の廃止措置*

34億600万スイスフラン(約3,576億円)

*:原子力発電所の廃止措置は電力会社が実施する。

〇研究開発計画書

NAGRAは『放射性廃棄物管理プログラム2016』と合わせて取りまとめた研究開発計画書において、今後5~10年に実施する研究を以下の図のような6つのテーマに分けて示している。これらのテーマの間では相互にデータや情報を交換しながら取り組みが進められる。NAGRAは研究開発の基本戦略について、今後、サイト選定第3段階で地質学的候補エリアが確定した際に見直しが必要になるとの認識を示している。

放射性廃棄物処分についてNAGRAが実施する基礎研究テーマ

【出典】

ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は、2016年12月21日に、2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)を改正する法案(以下「改正法案」という)が同日に閣議決定されたことを公表した。サイト選定法の改正法案は、高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)が、2016年7月5日に提出した最終報告書で示した勧告を反映したものであり、サイト選定法を全面改正する内容となっている。

サイト選定法の改正法案では、ドイツ全土から3段階のサイト選定手続き (下表参照)により候補サイトを絞り込むこと、公衆参加の枠組みとして、連邦、地域横断、地域の各レベルで委員会や合議体を設けてサイト選定手続きへの関与を図ることが具体的に規定されている。また、処分委員会の最終報告書で提示していたサイト選定における除外基準と最低要件、地質学的な評価基準といった技術的な要件も条文に組み込まれている(下記参照)。なお、処分委員会は、高レベル放射性廃棄物処分の安全要件もサイト選定法で規定することを求めていたが、今回の改正法案では処分の安全要件に関しては、別途政令で定めるとしている。

BMUBのウェブサイトによれば、サイト選定法の改正法案の議会審議は2017年第1四半期に終える見込みであり、その後、連邦官報公示の翌日に発効することになる。今後、今回の改正法案によって改正されたサイト選定法が発効した後に、実際のサイト選定手続きが開始される。なお、今回の改正法案では、2031年までに最終的な処分場サイトを決定するとしているサイト選定法での当初のスケジュールについては変更していない。

■サイト選定における地球科学的な除外基準と最低要件

処分委員会が最終報告書で提示していたサイト選定における除外基準と最低要件は、サイト選定手続きの各段階において適用されることになっており、除外基準に該当する、あるいは最低要件を満たさない地域やサイトは手続きから除外されることになる。処分委員会の最終報告書で示された除外基準及び最低要件には、以下の事項が含まれている。

〇地球科学的な除外基準

  • 一定以上の広域的な隆起が予想される
  • 活断層が存在する
  • 現在または過去の鉱山活動の影響が存在する
  • 一定以上の地震活動が予想される
  • 過去の火山活動が存在する、または将来予想される
  • 年代の新しい地下水が存在する

〇地球科学的な最低要件

  • 岩盤の透水係数が10-10m/s以下
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域1 の厚みが100m以上
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の深度が300m以深
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の広がりが処分場建設に可能な面積を有している
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の健全性が100万年にわたり維持されることが疑問視されていない
表 ドイツ全土から3段階のサイト選定手続き
段階

各段階での取り組み

段階の終了

第1段階

ドイツ全土を対象にサイト選定プロセスを開始。地質学的な除外基準及び最低要件に基づき、対象外となる地域を除外。地質学的な評価基準及び項目を限定した予備的安全評価(第1次予備的安全評価)に基づき、主に連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)や州の地質調査所が保有する既存のデータを元に地域間の比較を実施し、候補地域と地上探査の対象サイト地域を選定。

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の提案に基づき、候補地域と地上探査の対象サイト地域を連邦法によって決定。

第2段階

地上からの探査を実施。地質学的な除外基準、最低要件、評価基準及び第1段階より範囲を拡大した予備的安全評価(第2次予備的安全評価)に基づき、サイト間の比較を実施し、地下探査の対象サイトを選定。

BGEの提案に基づき、地下探査の対象サイトを連邦法によって決定。

第3段階

地下探査などの処分の安全性の観点からの詳細な調査を実施。包括的な予備的安全評価を実施し可能な限り安全性の高いサイトの特定に向け、サイトの比較を実施し、処分場サイトを選定。

連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)の提案に基づき、処分場サイトを連邦法によって確定。

【出典】

 

【2017年4月4日追記】

ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は、2017年3月31日に、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)を全面的に改正する法律(以下「改正法」という)が成立したことを公表した。改正法は、2017年3月23日に連邦議会で可決されており、3月31日に連邦参議院の同意を得たことにより成立した2

今回成立した改正法では、最終処分場のサイト決定の時期に関して、当初2013年7月に制定されたサイト選定法での「2031年までに決定する」という期限を定める条項が改正され、「2031年までの決定を目指す」という目標に変更された。また、2016年12月に閣議決定された改正法の法案では、別途政令で定めるとのみ規定されていた高レベル放射性廃棄物処分の安全要件に関して、改正法では以下の安全原則が示されるとともに、政令で安全要件を策定することなどが規定されている。

  • 放射性物質及びその他有害物質を生物圏から確実に隔離し、最終処分に伴う放射性物質の放出による影響から、100万年にわたり確実に防護すること
  • 国外における最終処分の人間と環境への影響が、国内で許容される影響を上回ることがないようにすること
  • 処分場操業中及び閉鎖後500年間は、定置した放射性廃棄物の回収を可能とすること
  • 処分場閉鎖後に人間の介入や維持作業を要しない処分場設計・操業を行うこと

改正法は、連邦官報に公示された翌日に発効するとされている。なお、改正法の発効により、2013年7月制定の現行のサイト選定法は廃止される。

【出典】


  1. 人工バリアや地質工学的なバリアとともに、隔離期間に廃棄物の閉じ込めを保証する地質バリアの一部 []
  2. ドイツの国会は二院制であり、連邦議会と連邦参議院がある。連邦参議院は直接選挙で選出されるのではなく、州が代表を送って構成される。ドイツ基本法では、連邦法は連邦議会が議決すると規定しているが、法律の内容によっては連邦参議院の同意が必要となる。 []