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フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2016年11月29日付けのプレスリリースにおいて、使用済燃料処分場の建設を12月に開始することを公表した。また、2016年11月29日付の規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)のプレスリリースにおいて、STUKは11月25日にポシヴァ社が地下の処分場の建設を開始できることを確認・決定したことを明らかにした。

エウラヨキ自治体オルキルオトに計画されている使用済燃料処分場について、フィンランド政府は2015年11月にポシヴァ社に対して処分場の建設許可を発給していた。しかし、ポシヴァ社が処分場の建設を実際に開始するためには、法令に基づき、STUKが建設許可に関連した安全関連要因及び安全規則をポシヴァ社が十分に検討したことを確認することが必要となっていた。

STUKのプレスリリースによるとSTUKは、ポシヴァ社からの提出資料やオルキルオトへの訪問を通じて、処分場に関連する文書や計画を評価し、発給された建設許可に従って、ポシヴァ社が処分場の建設を開始する準備ができていると評価したとしている。また、STUKは今回の結論を出す前の夏から秋にかけて、ポシヴァ社の人的資源、事業マネジメント、品質マネジメント、安全文化、設計活動、建設による影響のモニタリング、核物質防護・保障措置等の、処分場建設に係るポシヴァ社の準備状況について監視していたとしている。

なお、STUKのプレスリリースによると、STUKは建設期間中において、ポシヴァ社の活動を詳細に監督し、様々な段階においても技術計画が安全要件に従っていることについて確認するとしている。その一環として、地上のキャニスタ封入施設についても、ポシヴァ社が建設を開始する前にSTUKが計画を確認・決定するとしている。

処分場の最初の掘削作業

ポシヴァ社のプレスリリースによると、ポシヴァ社は処分場の最初の掘削作業について、YITコンストラクション社と契約したことを明らかにした。契約における作業内容は、主要坑道の最初の部分の掘削、及び主要坑道までの車両アクセス坑道の掘削、キャニスタ搬送リフト用の立坑掘削作業のための予備掘削とその支保作業等が含まれるとしている。契約額は2,000万ユーロ(約23億円)であり、作業期間は約2年半が見込まれている。また、本契約によって雇用される人員は1年あたり100~125人(下請会社を含む)としている。

ポシヴァ社によると、次の地下の処分場建設に関しては、建設作業の進捗により契約がなされるとしている。

 

【出典】

 

【2016年12月22日追記】

フィンランドの雇用経済省(TEM)は、2016年12月21日付のプレスリリースにおいて、ポシヴァ社が使用済燃料処分場の建設を開始したことを受け、政府が2015年11月12日に発給した建設許可が発効したことを公表した。建設許可の許可条件には、処分場の建設が2年以内に開始されない場合には許可が無効となることが付されていたが、実際にポシヴァ社が建設を開始したことを受け、雇用経済省は許可条件が満足されたと確認したものである。

プレスリリースにおいて雇用経済省は、ポシヴァ社が2020年に操業許可の申請を行う予定であることについて言及し、実際にポシヴァ社が使用済燃料の処分を開始するには、別途、処分場の操業許可の発給を受けることが必要なことを指摘している。

【出典】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2016年11月8日に、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の安全審査に関連して、新たな知見を取りまとめるための「ナレッジマネジメント報告書」の策定を行うことを決定した。NRCによる許認可申請書の安全審査については、2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 を受け、過年度の歳出予算の未使用残高の範囲内で安全審査等の活動が実施され、安全性評価報告(SER)の策定、補足環境影響評価書(SEIS)の策定、許認可支援ネットワーク(LSN) (詳細はこちら) への登録文書の公開作業などが行われてきた。今回のNRCの決定は、2015年2月3日の指示文書で指定された活動が2016年末で終了することから、未使用残高として見込まれる約127万ドル(約1億5,200万円)の使途についてNRCが検討し、NRCの委員会が承認したものである。

未使用の残予算で今後の策定が決定したナレッジマネジメント報告書では、2011年にユッカマウンテン処分場に係る安全審査活動が停止された際に策定されたナレッジマネジメント報告書について、その後の新たな知見などを反映した更新が行われる。ナレッジマネジメント報告書で取りまとめる対象項目は以下が示されており、約9カ月の期間と約70万ドル(約8,400万円)の費用が想定されている。

閉鎖前・閉鎖後の安全評価

  • 不飽和帯の地層処分場における人工バリア性能への腐食科学の新たな知見の適用
  • 処分場の地上施設建屋の地盤工学的安定性の評価
  • 地震フラジリティ曲線(SFC、seismic fragility curve)計算手法の評価
  • 処分場の地上・地下施設の解析への地震動情報の適用

気候と水文学

  • 浸透と地下水流動に係る気候モデルへの取組及び気象データの更新
  • 飽和帯における地下水流動の特性調査・モデル化
  • 地層処分場の性能確認のための独立した地下水流動モデルツールの情報管理
  • 不飽和帯の亀裂性岩盤や熱環境のモニタリング方法及びセンサーの現在の性能(リモートセンサーを含む)

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年10月24日に、民間プロジェクトによる使用済燃料の集中中間貯蔵のサービスが、DOEによるパイロット規模あるいはフルスケールの使用済燃料貯蔵のために利用可能であるかについて、情報要求(RFI)を行う文書を公表した。情報要求(RFI)は2016年10月27日付の連邦官報で告示されることとなっており、2017年1月27日まで回答を受け付けるとしている。

DOEは、2013年1月に公表した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(以下、「DOE戦略」という)において、パイロット規模及びフルスケールの中間貯蔵施設の開発が必要であるとして、連邦政府による中間貯蔵施設の開発の検討を行ってきた。民間プロジェクトとして進められている中間貯蔵施設は、DOE戦略では想定されていなかったが、連邦政府による中間貯蔵施設の代替または追加として利用可能な有望な選択肢であるとして、本情報要求(RFI)が発行されたものである。今回の情報要求(RFI)では、以下の12の質問への回答が求められている。

  1. 民間プロジェクトが、統合的な放射性廃棄物管理システムの一部として、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵の実現可能な解決策を提供するため、どのような要因が考慮されなければならないか。
  2. 民間プロジェクトは、中間貯蔵施設が立地する地元自治体・州や先住民族にどのような利益をもたらし得るか。隣接自治体についてはどうか。
  3. 民間プロジェクト及び自治体とともにDOEの参加が必要であるとした場合、組織・構造・契約枠組みとしてどのような形が必要か。また、その理由は。
  4. 連邦政府の投資による連邦政府所有・契約者操業の中間貯蔵施設と比較して、民間プロジェクトの長所・短所は何か。
  5. 使用済燃料が民間の貯蔵施設で効果的に管理され、連邦政府の費用が抑えられているとの連邦政府への保証として、どのようなものが適切と考えるか。
  6. 民間プロジェクトではどのようなビジネスモデルの可能性があるか。また、そうしたビジネスモデルの長所・短所は何か。
  7. 貯蔵期間中に生じる可能性がある責任については、どのように管理するか。
  8. 州・地域・先住民族による承認として、どのようなものが必要か。
  9. 民間プロジェクトの概念を、公正で開かれた透明な形で検討、実施し続けるため、連邦政府はどのようにしたら良いか。
  10. 民間プロジェクトに関わる立地州・先住民族・地域自治体と連邦政府の間で支援協定を締結する場合、どのような協定が期待されるか。
  11. その他に考慮すべきことはあるか。
  12. 連邦政府所有でない施設を開発するため、他の代替的なアプローチはあり得るか(例えば、プロジェクトの資金調達、予想される規制・法的問題など)。もし存在する場合、それはどのようなものであり、上記の質問に対してどのような答えが得られるアプローチか。

DOEは特に、中間貯蔵施設の開発の可能性がある事業者、その立地・隣接自治体、及び既存の放射性廃棄物施設の操業者は、本情報要求(RFI)への回答に関心があるものと考えているとしている。なお、米国では、テキサス州においてはウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社が、ニューメキシコ州ではエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)とホルテック・インターナショナル社が、それぞれ中間貯蔵施設の開発を表明し、原子力規制委員会(NRC)による許認可取得に向けて取り組んでいる。

なお、本情報要求(RFI)は、連邦政府が実際に民間貯蔵サービスを調達することを約したものではないとしている。

 

【出典】

ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は2016年10月21日、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づいて設置される連邦レベルの公衆参加組織である「社会諮問委員会」について、市民代表委員を選出するための市民フォーラムを全国5カ所で順次開催することを公表した。

市民フォーラムの参加者は各開催地とも24名であり、ドイツ全国から無作為に選ばれ、賛同の意思を表明した計120名が最も近い開催地での市民フォーラムに出席する。市民フォーラムの開催地と期間は、以下の通りである。

  • ミュンヘン(2016年10月21~23日)
  • ライプツィヒ(2016年10月28~30日)
  • ハンブルク(2016年10月28~30日)
  • デュッセルドルフ(2016年10月28~30日)
  • カッセル(若年層を対象。2016年10月28~30日)

ドイツでは、最終処分場のサイト選定手続きの開始から終了までの全プロセスを中立的な立場から監視し、関係者間の調整を行う組織として社会諮問委員会の設置が定められている。選定プロセス開始に先立って暫定的に設置される社会諮問委員会は、連邦議会及び連邦参議院により指名される6名の委員に加えて、市民代表委員3名の合計9名で構成されることになっており、市民代表委員のうち1名は、16歳~27歳の若年層という条件がある。今回の5カ所で開催される市民フォーラムは、段階的に市民代表委員の3名を選出するプロセスの一環である。

市民代表委員の選出プロセス

市民代表委員の選出プロセス

市民代表委員の選出手続き

社会諮問委員会の市民代表委員は以下の3段階の手続きで選出される。

◯第1段階:市民の招請(2016年9月14日~)

ドイツ全国から無作為抽出された電話番号に電話し、若年層(16歳~27歳)を含む市民に対し、「市民フォーラム」参加への関心の有無を確認し、関心があると答えた市民が市民フォーラムへ参加する。この手続きは、市民フォーラム参加者が年齢層、性別ごとの定員に達するまで実施され、合計120名の市民が登録される。市民フォーラムへの参加者を集める無作為抽出プロセスは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)から委託を受けたバンベルク大学が民間のコンサルティング会社と協力し実施している。

◯第2段階:市民フォーラム(2016年10月21~23日及び28~30日)

市民フォーラムは、全国5カ所の各開催地で24名、合計120名の第1段階で決定した市民が参加して開催される。フォーラム参加者は、年齢層(18歳~34歳、35歳~50歳、51歳~64歳、65歳以上の4つ)、性別ごとの参加者数がほぼ同数となるよう調整されている。ただし、5カ所の開催地の一つであるカッセルでは、16歳~27歳の若年層が参加する市民フォーラムとして企画されている。

市民フォーラムでは、市民が最終処分場のサイト選定に関する課題、今後の選定手続きや社会諮問委員会の役割について学ぶ取り組みが行われ、市民の質問に対して専門家が回答する。また、各地の市民フォーラムでは、市民代表委員の今後の活動に向けた勧告を取りまとめるとともに、次の第3段階で決定される市民代表委員の活動を支援する「助言ネットワーク」のメンバー(合計30名)が選出される。市民代表委員は、助言ネットワークのメンバーから選ばれる。

◯第3段階:助言ネットワークの初会合及び市民代表委員の決定(2016年11月5~6日)

第2段階で選ばれた「助言ネットワーク」のメンバーは、2016年11月5日及び6日の2日間、ベルリンで初会合を行い、5カ所の市民フォーラムにおいて取りまとめられた勧告を評価し、社会諮問委員会の市民代表委員として当初3年間活動する3名(うち1名は若年層)及び委員代理3名(1名は若年層)を選出する。

なお、助言ネットワークは市民代表委員の決定後も引き続き存続し、社会諮問委員会における市民代表委員の活動を支援する役割を担うこととなっている。

【出典】

ドイツ連邦政府は2016年10月19日に、「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」を閣議決定した。同法案には、「脱原子力に係る資金確保に関する検討委員会」(以下「検討委員会」という)が2016年4月27日に提出した最終報告書において示した勧告 を実施するための規定が含まれている。同法案は今後、2016年内の発効を目指し、連邦議会での審議が行われる予定である。

原子力バックエンドの責任分担刷新法案には、二つの新法――①放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律、②原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律――を制定及び関連法令の改正を行う内容が盛り込まれている。同法案に含まれる法律案及び関係法令の改正案の概要は以下の通りである。

放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律案〔基金設置法案〕

ドイツでの原子力発電事業者は、放射性廃棄物管理の将来費用を引当金として内部留保してきた。放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律案(以下「基金設置法案」という)では、新たな公的基金を設置し、連邦政府が責任を負う放射性廃棄物管理(中間貯蔵から最終処分場閉鎖まで、後述)について、必要な資金を基金に拠出して管理するための規定が含まれている。なお、この基金は、連邦経済エネルギー省(BMWi)が所管する。

○基金の構成

新たに設置される基金は、監査組織である「管理委員会」と基金を運営する「運営委員会」から構成される。管理委員会は、連邦財務省、BMWi及び連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の代表者の計3名で構成される。運営委員会の委員は、管理委員会によって、資金管理経験者3名が指名される。

○原子力発電事業者による基金への払い込み

原子力発電事業者による基金への払込金は、放射性廃棄物管理の将来費用(基本払込金)と、リスクに備えるための保険料(基本払込金の35.47%)で構成される。原子力発電事業者は、基本払込金約174億ユーロ(約1兆9,700億円)に保険料約62億ユーロ(約7,000億円)を上乗せした合計約236億ユーロ(約2兆6,700億円)を基金に払い込むこととされている。これらの金額は、概ね2016年4月の検討委員会の勧告と同様である(下表参照)。

原子力発電事業者は、法律発効から7カ月後までに基本払込金、2022年末までに保険料を払い込むことが規定されている。ただし、連邦財務省同意の上でBMWiと合意すれば、基本払込金とリスク保険料の合計額を2026年末までに分割で支払うことも可能とされている。

表:原子力事業者による放射性廃棄物管理基金への払い込み金額

基金設置法
(払込時点で再調整可能性あり)
検討委員会勧告
(2014年価格)
 A. 基本払込金  約174億ユーロ(1兆9,700億円)  a. 引当金から基金への資金移管額  約172億ユーロ(約1兆9,400億円)
 B. 保険料(Aの35.47%)  62億ユーロ(約7,000億円)  b. 保険料(aの約35%)  約61億ユーロ(6,900億円)
 C. 払込総額
(A+B)
 236億ユーロ(約2兆6,700億円)  c. 払込総額
(a+b)
 約233億ユーロ(2兆6,300億円)

 

原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律案〔義務移管法案〕

原子力バックエンドの責任分担刷新法案には、原子力発電事業者と連邦政府の間での放射性廃棄物管理に関する責任分担を変更する新法を制定する条文が含まれている。「原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律案」(以下「義務移管法案」という)の概要は以下の通りである。

○中間貯蔵と処分の実施・資金管理責任の変更

義務移管法案では、放射性廃棄物の中間貯蔵の実施責任者を従来の原子力発電事業者から連邦政府に変更するとともに、資金管理責任についても連邦政府の責任とする規定が設けられている(下表参照)。なお、廃止措置に関しては引き続き、実施・資金確保ともに原子力発電事業者が責任を有する。

保険料を含む基金への払い込み完了により、資金確保を含め、中間貯蔵以降の放射性廃棄物管理に関する責任は連邦政府に移行することになる。したがって、払い込み完了後は、最終処分場の操業開始遅延などに伴い費用が増大した場合でも、原子力発電事業者が追加の負担を求められることはない。

表:放射性廃棄物管理における原子力発電事業者と連邦政府の責任分担

 

現在の責任分担

移管法による責任分担

中間貯蔵

最終処分

中間貯蔵

最終処分

実施

事業者

連邦政府

連邦政府

資金

事業者(各自費用を引当)

連邦政府(ただし基金への払い込み完了後)

○連邦政府への中間貯蔵の移管時期及び実施主体

義務移管法案によれば、原子力事業者から連邦政府への中間貯蔵の実施責任の移行時期は次の通りである。

  • 発熱性放射性廃棄物(使用済燃料及びガラス固化体等):2019年1月1日
  • 非発熱性放射性廃棄物(発熱性放射性廃棄物以外):2020年1月1日

なお、中間貯蔵施設は原子力発電事業者が費用を負担して設置したものであるが、上記期日を以て、無償で連邦政府に引き渡されることとされている。

放射性廃棄物の中間貯蔵に関する実際の活動は、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の監督下に置かれる「連邦政府が100%所有する私法上の組織」によって実施される。放射性廃棄物の最終処分についてはすでに、「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」(2016年7月30日発効)による原子力法改正がなされており、連邦政府が100%所有する実施主体として、連邦放射性廃棄物機関(BGE)が新たな処分実施主体となることが決まっている。中間貯蔵の実施主体についても、今後新たな組織が設置されることになる。

 

その他の法令の改正案など

「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」による「基金設置法案」及び「義務移管法案」の2件の新法制定に伴い、放射性廃棄物管理に係る各種料金や分担金の支払い方法の変更に関係する法令の改正がなされる。関係する法令には以下のものがある。

  • 原子力法
  • 発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律(サイト選定法)
  • 最終処分場設置の前払金令
  • 放射線防護令

 

【出典】

【2016年12月20日追記】

ドイツの連邦議会は2016年12月15日に、放射性廃棄物管理のための公的基金設置等を定める「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」を賛成516、反対58で可決した。また、連邦参議院が12月16日に、同法案への同意1 を決議したことにより成立した。

なお、発効日については、別途、連邦官報に公示されることが規定されている。

【出典】


  1. ドイツの国会は二院制であり、連邦議会と連邦参議院がある。連邦参議院は直接選挙で選出されるのではなく、州が代表を送って構成される。ドイツ基本法では、連邦法は連邦議会が議決すると規定しているが、法律の内容によっては連邦参議院の同意が必要となる。 []

米国のエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2016年10月14日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)のTRU廃棄物の処分エリアの一部について、閉鎖を実施する方針を公表した。WIPPでは、火災事故及び放射線事象が2014年2月に発生して以来、現在まで操業が停止されており、2016年内の操業再開を目指して復旧活動が行われているが、一部の坑道で崩落が続いたことなどを受けて閉鎖の方針が決定された。DOEは、WIPPの規制機関である連邦環境保護庁(EPA)及びニューメキシコ州環境省(NMED)と既に協議を開始しており、地下施設の南側一部を閉鎖する計画の策定を始めている。

閉鎖が検討されているエリアは、下図に示す処分エリア南端の範囲であり、2014年2月の放射線事象により汚染された区域にある。

閉鎖が検討されているエリア

閉鎖が検討されているエリア

WIPPでは、模擬廃棄物容器を用いたコールドによる操業を2016年8月24日に完了するなど操業再開に向けた準備が進められているが、2016年9月27日に第4パネルの入気坑道で、2016年10月4日には第3パネルの排気坑道で、岩塩の崩落が発見された。2014年2月のWIPPでの放射線事象の後、汚染エリアでは坑道の維持作業が削減されていたため、処分エリアの南端部分では崩落等の兆候が確認されていた。WIPPは、岩塩層に建設された処分施設であり、廃棄物の定置後、長期的には岩塩のクリープ現象による崩壊等で開削空間が閉じられていくことにより、処分エリアが密封されることが想定されており、今回の一部の坑道での崩落もこのクリープ現象によるものである。

DOEは、一部の処分エリアの閉鎖により、作業安全が確保されるとともに、今後、処分が予定されるエリアにおける坑道維持作業等に集中することが可能になるとしている。また、今回の一部の処分エリアの閉鎖は、操業再開の準備や今後の廃棄物定置活動には影響せず、操業再開後の処分施設の操業能力が限定されることもないとしている。

【出典】

スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は2016年10月3日付けのプレスリリースにおいて、「放射性廃棄物の管理及び処分方法に関する研究開発実証プログラム2016」(以下「RD&Dプログラム2016」という)1 を取りまとめ、放射線安全機関(SSM)に提出したことを公表した。SKB社はRD&Dプログラム2016において、使用済燃料処分場の建設開始を2020年、実際の使用済燃料を収納したキャニスタを処分する試験操業の開始を2030年とする処分事業計画を示している。

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 RD&Dプログラム2016より作成)

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 RD&Dプログラム2016より作成)

使用済燃料の処分に向けて、SKB社は、2006年11月にSSMに対してオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にはSSM及び土地・環境裁判所に対してフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出している。SSM及び土地・環境裁判所はそれぞれ、SKB社による建設許可申請を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することとなっており、SSMは意見書の提出は2017年内になるとの見通しを示している。SKB社がRD&Dプログラム2016で示した処分事業計画は、政府の許可発給が2018年に行われると想定したものとなっている。

SKB社は、今後の放射性廃棄物の処分事業計画に関して、原子力発電所の運転計画の変更を受けた使用済燃料の中間貯蔵容量の確保、並びに原子炉の廃止措置から発生する放射性廃棄物の処分容量の確保の重要性が高まっていることを指摘している。2015年にスウェーデンの原子力事業者2社は、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を受けた規制強化によるコスト増のほか、電力需要の低迷予測を受けて、2020年までにオスカーシャム原子力発電所1、2号機、リングハルス原子力発電所1、2号機の計4基の営業運転を終了するよう運転計画を変更している。SKB社は、使用済燃料の集中中間貯蔵施設(CLAB、1985年操業開始)の貯蔵容量を8,000トンから11,000トンに引き上げる申請を2015年3月に行っているほか、短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR、1988年操業開始)を拡張する申請も2014年12月に行っている。SKB社は、SFRでは処分できない長寿命低中レベル放射性廃棄物の処分場(SFL)を2045年に操業開始するよう準備を進めており、それまでの期間においては、原子力発電所の廃止措置で発生する廃棄物の一部は、SFR内または原子力発電所敷地内で貯蔵する計画としている。

RD&Dプログラム2016に対するSSM等のレビュー

SSMは、2016年10月3日付けのプレスリリースにおいて、SKB社のRD&Dプログラム2016を受理したこと、RD&Dプログラム2016に対する意見募集を行うため、政府機関、大学・研究機関、原子力施設のある自治体、環境団体など約70の関係機関に送付したことを公表した。意見の募集期間は2016年12月31日までとされており、収集した意見を取りまとめた後、SSMはRD&Dプログラム2016に対する意見書を、2017年3月31日までに政府に提出するとしている。

【出典】


  1. RD&Dプログラムとは、使用済燃料を含む放射性廃棄物の安全な管理・処分、及び原子力施設の廃止措置に関する包括的な研究開発などの計画であり、原子力活動法に基づいて原子力発電事業者が3年毎に策定するよう義務づけられているものである。原子力発電事業者4社の委託によりSKB社が取りまとめを行っている。 []
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合計16カ所のボーリング調査予定地点

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016927日に、地質学的候補エリア「ジュラ東部」及び「チューリッヒ北東部」において、サイト選定第3段階で実施するボーリング調査に必要な許可申請書を連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出したことを公表した。NAGRAは、ボーリング調査地点を選定するにあたり、これら2つのエリアにおいて20162月までに地表からの地質構造を調査する三次元弾性波探査を完了させていた。ボーリング調査は、2つの地質学的候補エリアのそれぞれ8地点(右の図の△)、計16地点で実施し、最大2,000メートルの深度までボーリング孔を掘削する計画である。

NAGRAは、特別計画「地層処分場」(詳細はこちら)に基づく地層処分場のサイト選定プロセス第2段階において、今回ボーリング調査の許可申請を行った2カ所の地質学的候補エリアを優先候補として提案している。この提案は、現在、BFE及び連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)がレビュー等を行っており、サイト選定第3段階に進む地質学的候補エリアが確定するのは早くとも2018年末となる見込みである。サイト選定第3段階では最終的に、地層処分場を立地する1つのエリアを選定する計画となっており、ボーリング調査を含む地球科学的調査の結果に基づいて、地質学的候補エリア間の詳細な比較が行われることになっている。今回NAGRAが行ったボーリング調査の許可申請は、サイト選定第3段階に進む地質学的候補エリアが確定した後、速やかにボーリング調査に着手できるように、先行的に行ったものである。 

ボーリング調査の許可手続きと今後のスケジュール

原子力法第35条に基づいて、ボーリング調査のような地下に影響を及ぼす地球科学的調査の実施には、環境・運輸・エネルギー・通信省(Eidgenössisches Departement für Umwelt, Verkehr, Energie und Kommunikation, UVEK)の許可が必要となっており、UVEKの下で連邦エネルギー庁(BFE)が許可発給までの手続を担う1 。NAGRAが提出したボーリング調査の許可申請を受理したBFEは、許可申請書を2017年第1四半期に30日間の公衆縦覧に付す予定としている。また、BFEは、ボーリング調査に関する許可手続の状況について情報提供を行うため、2017年内に関係官庁や報道機関を対象としたセミナーを開催するとしている。BFEの作業と並行して、連邦原子力安全検査局(ENSI)は、今回NAGRAが許可申請したボーリング調査の内容について、安全面からの評価を行い、ボーリング調査が行われる16地点ごとに評価報告書を作成し、2017年末にBFEへ提出するとしている。ボーリング調査に関する許可手続が順調に進んだ場合、16地点でのボーリング調査のUVEKからの許可発給は2018年半ばとなる見込みである2

なお、現在進められているサイト選定第2段階のレビューの結果次第では、NAGRAが予備候補とした地質学的候補エリア「北部レゲレン」も、サイト選定第3段階に進む可能性が残っている。このため、NAGRAは、予備候補の北部レゲレンについても、ボーリング調査の実施地点を検討し、ボーリング調査の許可申請を行う意向である。 

【出典】


  1. 弾性波探査のように地下への影響の少ない調査の実施には、原子力法に基づく許可は不要である。ただし、原子力法令以外の連邦法や州法で別途定めがある場合は、それらの法令に基づく許可の取得が必要となっている。 []
  2. NAGRAはボーリング調査の過程で発生する新たな情報へ柔軟に対応するため、実際に必要とされるよりも多くの許可申請書を提出したとしており、全ての地点に対する許可が発給されない可能性を示している。 []

米国のエネルギー省(DOE)は、高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設及び処分施設の立地に向け、同意に基づくサイト選定プロセスの設計についての意見募集等が終了したのを受け、現在、意見募集・パブリックミーティング等を通じて得られた意見等の集約を行っている。2016年9月15日には、収集した意見等を集約するためのミーティングが計画されているが、これに先だって、2016年9月15日付けのドラフト報告書「公衆からの意見の集約に係るドラフト報告書」(以下「ドラフト報告書」という)を2016年9月14日に公表した。

DOEは、同意に基づくサイト選定プロセスの設計に関する意見募集を2015年12月23日から2016年7月31日まで実施した他、サイト選定プロセスの構築について議論するため、2016年1月20日にはワシントンD.C.でキックオフミーティングを、2016年3月29日から7月21日にかけて全米の8カ所でパブリックミーティングを開催した

DOEが公表したドラフト報告書では、意見募集においてDOEが提示した5つの質問に対する意見に加え、同意に基づくサイト選定に関連する主要なテーマに対する意見、その他の論点に対する意見が要約されている。このうち、その他の論点としては、以下の10点が挙げられている。

  • 原子力の役割に対する考え方
  • 使用済燃料の集中中間貯蔵及び現在の原子力発電所サイト内での貯蔵
  • 原子力発電所の立地自治体からの視点
  • 地層処分に対する考え方
  • 貯蔵から処分への移行に対する考え方
  • ユッカマウンテンプロジェクトに対する考え方
  • 軍事関連の廃棄物のみを対象とした処分場の必要性に対する考え方
  • 現在の民間企業によって進められている集中中間貯蔵施設の建設に向けた取り組みに対する考え方
  • 連邦政府の放射性廃棄物基金による資金確保に対する考え方
  • その他の論点

DOEは2016年12月末までに、同意に基づくサイト選定プロセスの第一案(initial draft)を公表する計画である。また、同意に基づくサイト選定プロセスの設計の一部として、サイト選定基準が必要と認識しており、中間貯蔵施設及び地層処分場のサイト選定における検討事項に関するドラフト報告書を作成し、2016年12月には意見募集を開始する計画である。さらに、これまでの意見募集・パブリックミーティング等において、自治体やステークホルダーから、情報提供、資金的な支援が必要との意見が提示されたため、DOEは2017会計年度の予算要求において、資金提供公募を通じて、同意に基づくサイト選定のための相互学習、関与の取組を自治体レベルに移行するための支援に係る予算を要求した。

【出典】

 

【2016年9月16日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年9月15日付けの連邦官報において、「公衆からの意見の集約に係るドラフト報告書」に対する意見募集を2016年9月15日から2016年10月30日までの期間で実施することを公告した。意見は、電子メール、書簡、FAX及びオンラインでの提出が可能とされている。

【出典】

 

【2016年10月4日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年9月15日に、同意に基づくサイト選定プロセスについて、意見募集・パブリックミーティング等を通じて得られた意見等を集約するとともに、サイト選定プロセスを構築するための次ステップについて話し合うためのミーティング(以下「意見集約ミーティング」という)を開催した。DOEウェブサイトの意見集約ミーティングのページでは、議事の概要が示されるとともに、議事次第や「公衆からの意見の集約に係るドラフト報告書」等の配付資料のほか、質疑応答を含めた議事録とビデオも掲載されている。

今回の意見集約ミーティングでは、DOEが収集した意見の集約及び今後のステップ等についてDOEから報告が行われた後、約1時間の質疑応答が行われた。今後のステップについては、2016年10月30日まで「公衆からの意見の集約に係るドラフト報告書」についての意見募集を行った上で、2016年12月までに最終報告書を発行すること、2016年12月末までに同意に基づくサイト選定プロセスの第一案を公表して意見募集を行うこと、及び輸送・貯蔵・処分など統合廃棄物管理システム(integrated waste management system)の他の要素に係る活動の状況などが示された。中間貯蔵については、民間での取組についても関心があるとして、近々、情報要求(RFI)により関係者の見解を求める意向であるとしている。

【出典】

 

【2017年1月5日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年12月29日付で、同意に基づくサイト選定プロセスについて、意見募集・パブリックミーティング等を通じて得られた意見等を集約した報告書「同意に基づくサイト選定プロセス:公衆からの意見の集約に係る最終報告書」(以下「最終報告書」という)を公表した。本最終報告書は、2016年9月14日に公表されたドラフト報告書について、2016年10月30日までの期間で意見募集を行い、収集した意見を反映して最終版としたものである。ドラフト報告書に対する意見は、DOEの回答とともに公表されている。

DOEは、最終報告書に反映され、また、公衆やステークホルダーとの種々の取組を通して得られた意見等は、今後の同意に基づくサイト選定プロセスの案を構築する上で重要なものとしている。なお、最終報告書においては、ドラフト報告書の第5章で将来の展望としていた「同意に基づくサイト選定プロセスの第一案」やサイト基準などの「施設立地に際しての検討事項策定」に係る記述は削除されている。

一方、DOE原子力局(NE)の同意に基づくサイト選定イニシアティブのウェブサイトでは、今後のステップとして、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の独立した処分場の計画案に対する意見募集を行っていることが示されている。本計画案では、同意に基づくサイト選定プロセスを構築した後に処分場の開発を進める、段階的なアプローチが採られており、今後の民間を含めた全体的な放射性廃棄物戦略に重要な経験となるとしていた。

【出典】

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016年8月12日に、地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書を規制機関に提出したことを公表した。また、NAGRAは、NAGRAが設定した最大深度700mより深いオパリナス粘土層での処分場の建設は極めて困難であること、最大深度700mよりも深く処分する場合には建設・操業に関する安全面で不利になることなどの見解を示した。
今回NAGRAが提出した補足文書は、2014年12月に取りまとめたNAGRA技術報告書『地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案』に対して、規制機関である連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)が2015年11月に提示した補足情報の要求に対応するものである。ENSIは、地質学的候補エリアの絞り込みにNAGRAが用いた指標「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」に関する技術情報に不足があり、評価基準の妥当性を検証できないと指摘していた。今回の補足文書においてNAGRAは、様々な深度における処分空洞、密封、バリアの概念を比較した結果を示している。

○スイスにおけるサイト選定の現状

「第3段階に向けたサイト提案」 (NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

「第3段階に向けたサイト提案」
(NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

現在行われているサイト選定第2段階では、サイト選定第1段階で選定された高レベル放射性廃棄物の3つ、低中レベル放射性廃棄物の6つの地質学的候補エリアの中から、高レベル放射性廃棄物用、低中レベル放射性廃棄物用のそれぞれの地層処分場について、2カ所以上の候補を提案することが目標となっている。

高レベル放射性廃棄物の地層処分場について、当初の地質学的候補エリアは「ジュラ東部」「北部レゲレン」「チューリッヒ北東部」である。NAGRAは、2014年12月に取りまとめた技術報告書において、岩盤強度及び変形特性を考慮した上での建設上の適性の観点からの最大深度を地下700mと設定し、これに基づいて、オパリナス粘土層の多くが700mより深いところに分布している「北部レゲレン」をサイト選定第3段階で検討する優先候補とせず、予備候補として留保する提案を行っていた。

NAGRAの提案に対する連邦原子力安全検査局(ENSI)の依頼に基づく外部専門家によるレビューにおいて、NAGRAが提出した岩盤力学的な基本情報や想定条件、設計基準等が不十分かつロバストではないとの指摘を受けており、2015年11月にENSIは、「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」を用いた評価を可能とするため、NAGRAに補足情報の提出を求めていた。

今回、NAGRAは地質学的候補エリアの地質工学的条件について、構造地質学的な履歴や処分深度に応じた変化を踏まえて評価するとともに、処分場の人工バリア及び天然バリアに及ぼす影響を長期安全性の観点から評価することにより、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場の最大深度を地下700mとする根拠を明らかにした。NAGRAは、北部レゲレンを地層処分場とすることについて、「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」と比較すると明らかに適性が劣ると評価している。

○今後の予定

今後、連邦原子力安全検査局(ENSI)は、2015年1月にNAGRAが取りまとめた報告書と今回の補足文書とを合わせて、サイト選定第2段階の絞り込み結果について審査を継続する。特別計画「地層処分場」(詳細はこちら)に基づいて、ENSIは審査結果の取りまとめを2017年春に公表する予定である。その後、原子力安全委員会(KNS)1 と州委員会2 がENSIの審査結果に対する見解を表明する。ENSIの審査結果、KNSと州委員会の見解を踏まえて、連邦エネルギー庁(BFE)は地質学的候補エリアの提案に関する成果報告書とファクトシートを作成する。2017年末には、成果報告書とファクトシートについて3か月にわたって州、自治体、政党、関心のある住民、近隣諸国を対象に意見聴取が実施される。意見聴取の結果を踏まえ、2018年末に連邦評議会3 が地質学的候補エリアの提案を承認する予定となっている。

 

【出典】


  1. 原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit, KNS)は、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  2. 州内に地質学的候補エリアが含まれる7つの州に、近接する地方バーゼル半州を加えた8つの州の代表が参加している。また、投票権は有さないが、連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)、連邦原子力安全検査局(ENSI)、ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)、及びドイツの3つの自治体の代表者も参加している。 []
  3. 日本の内閣に相当 []