Top » 海外情報ニュースフラッシュ(全記事表示モード)

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年12月16日に、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の独立した処分場の計画案を示す報告書を公表するとともに、2016年12月19日付の連邦官報において、2017年3月20日までコメントの募集を行うことを告示した。DOEは、核兵器開発等で発生した高レベル放射性廃棄物や海軍の船舶炉の使用済燃料を保有しており、今回公表された報告書は、これら軍事起源廃棄物の専用処分場の計画案を示すものである。

DOEは、核兵器開発に伴う高レベル放射性廃棄物は米国で新たに発生しておらず、民間の使用済燃料と比較して廃棄物量が限定されて発熱量も小さいことから、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の処分場は、民間使用済燃料と共同の処分場よりも立地・建設計画の単純化が可能であり、より早期に開発できるとしている。DOEは、全米各地のDOEサイトで保管されている軍事起源廃棄物の撤去及び処分に責任を有しており、専用処分場の開発のために必要な活動について検討してきた。DOEは、軍事起源廃棄物の専用処分場を同意に基づくサイト選定プロセスで開発することにより、今後の米国の全体的な放射性廃棄物戦略に重要な経験をもたらすとしており、軍事起源廃棄物の専用処分場の計画案についてのコメントを募集することが適切としている。

軍事起源廃棄物について独立した専用処分場を開発する方針は、2015年3月に大統領覚書により示されていた。軍事起源廃棄物の処分について、1982年放射性廃棄物政策法第8条においては、費用対効果、保健及び安全、規制、輸送、社会的受容性及び国家安全保障に関連する要因を評価し、軍事起源の高レベル放射性廃棄物の処分場の開発が必要であると大統領が判断した場合、民間から独立した処分場を計画することができると規定されている。2015年3月の大統領の判断は、本法に沿った検討・評価と位置付けられる。

今回公表された報告書では、軍事起源廃棄物の専用処分場の開発に係る法的権限と規制枠組みを示した上で、計画、戦略、計画で必要とされる様々な活動などが示されている。軍事起源廃棄物の専用処分場の開発は、段階的なアプローチで進めるものとされ、同意に基づくサイト選定プロセスを構築した後、16年後には処分場の建設を開始し、23年後には操業を開始する予備的なスケジュール案が示されている。費用については、一例として30億ドル(3,600億円)の概算も示されているが、より信頼できる想定を行うためには、立地地点、地質環境、廃棄物量等の確定が必要としている。

【出典】

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

低中レベル放射性固体廃棄物の浅地中処分場(PPZRO)の立地点(スヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市)

ロシアにおける放射性廃棄物管理実施主体の国営企業ノオラオ社(NO RAO)1 は、2016年12月5日のプレスリリースにおいて、ロシアにおける最初の浅地中処分場(PPZRO)の操業を開始したことを公表した。浅地中処分場はウラル山脈の東麓にあるスヴェルドロフスク州のノヴォウラリスク市にあり、低中レベル放射性固体廃棄物を受け入れて処分する2 。浅地中処分場は長さ140m、幅24m、深さ7mの鉄筋コンクリート構造の処分区画を備えており、合計で1万5千立方メートルの廃棄物を処分できるとしている。
また、浅地中処分場は、天然バリアと人工バリアの多重システムで構成されており、マグニチュード6の地震にも耐える構造を備えている。また、浅地中処分場は、2011年に制定されたロシアの放射性廃棄物管理法の要件と国際原子力機関(IAEA)の国際的な基準に則った施設であるとしている。現在のところ、浅地中処分場で処分が許可された廃棄物は、ノヴォウラリスク市でウラン濃縮事業を行っているウラル電気化学コンビナート社から発生する放射性廃棄物に限られており、それ以外の廃棄物を受け入れて処分する場合には、別途許可を取得する必要がある。
なお、国営企業ノオラオ社は、高レベル放射性廃棄物の処分に関する計画について、クラスノヤルスク地方の鉱業化学コンビナート(MCC)に近いニズネカンスキー花崗岩に地下研究所を建設する計画である。地下特性調査などを実施したうえで、2029年までに、最終処分場を立地するかどうかの決定を行う予定である。

【出典】


  1. ロシアでは、2011年に放射性廃棄物管理法が制定され、同法で規定された安全で経済的な放射性廃棄物管理を実施する国家事業者として、2012年3月に国営企業ノオラオが設立された。 []
  2. ロシアでは処分方法に関連させて放射性廃棄物を6つのクラスに分類している。クラス1は発熱性高レベル放射性固体廃棄物、クラス2は高レベル放射性固体廃棄物と長寿命中レベル放射性廃棄物に分類され、いずれも地層処分相当としている。クラス3は100mの深さまでの浅地中処分施設への処分相当の低中レベル放射性固体廃棄物、クラス4は地表レベルの浅地中処分施設への処分相当の低レベル放射性固体廃棄物及び極低レベル放射性固体廃棄物に分類される。クラス5は低中レベル放射性液体廃棄物、クラス6は探鉱や精錬等で発生する廃棄物に分類されている。浅地中処分場(PPZRO)で処分する廃棄物は、クラス3から4の放射性廃棄物である。 []

ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は2016年11月25日に、高レベル放射性廃棄物処分場の選定プロセスに関与する連邦レベルの公衆参加組織である「社会諮問委員会」の委員9名が決定したことを公表した。9名は、議会選出の6名及び市民代表の3名で構成されており、全体で女性が4名選出された。

社会諮問委員会は、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)において設置が規定されており、中立的な立場からサイト選定手続き全体を監視するとともに、関係者間の調整を行う。サイト選定法では、当初、サイト選定手続き等に関する高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)の最終報告書の評価後に設置することが規定されていた。しかし、処分委員会は、サイト選定手続への早期関与の必要性から、処分委員会の最終報告書の提出後に社会諮問委員会を委員9名で暫定的に設置して活動を開始し、その後、サイト選定プロセス開始時に委員18名の体制で本格化させることを勧告していた。この処分委員会の勧告を反映したサイト選定法の改正が2016年6月に行われ、社会諮問委員会の暫定設置のほか、暫定設置時の委員のうち、6名は連邦議会及び連邦参議院が選出し、3名は市民代表(うち1名は若年層を代表)で構成されることなどが規定された

議会選出委員(6名)

連邦議会と連邦参議院は、次の6名を議会選出委員として選出した。(※は女性)

  • クラウス・ブルンスマイヤー:ドイツ環境自然保護連盟(BUND)代表
  • アルミン・グルンヴァルト:ドイツ連邦議会技術評価局局長
  • モニカ・ミュラー:ロッカム・エヴァンゲリストアカデミー学術部長 ※
  • カイ・ニーベルト:ドイツ自然保護連合(DNR)代表
  • ミランダ・シュルールス:ミュンヒェン政治大学環境気候政策学部教授 ※
  • クラウス・テプファー:元連邦環境大臣

市民代表委員(3名)

市民代表委員は、ドイツ全国から無作為に選ばれた市民から、3段階のプロセスを経て選出された。選出プロセスの第2段階において、市民代表委員の活動を支援する「助言ネットワーク」(合計30名)が選出され、第3段階に相当する助言ネットワークの初回会合(2016年11月5日~6日)において、助言ネットワークのメンバーから市民代表委員として次の3名が選出された。3名のうち1名は、16歳~27歳の若年層を代表する委員である。(※は女性)

  • ベッティーナ・ゲーベル:ミュンヒェン近郊エーベンハウゼン在住 ※
  • ヘンドリク・ランブレヒト:カールスルーエ在住
  • ヨーリナ・ズッコウ:ハンブルク在住(若年層代表) ※

 

【出典】

フランスの原子力安全機関(ASN)は2016年12月1日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2016年3月に提出した地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 について、国際レビューチームのレビュー報告書を公表した。「安全オプション意見請求書」についてASNは、審査の一環として国際原子力機関(IAEA)にレビューを要請していた。

ASNの委託を受けたIAEAは、9名で構成される国際レビューチーム2 を組織し、2016年11月6~15日にかけてレビューを実施し、レビュー報告書を取りまとめた。国際レビューチームは、研究・開発戦略、知見の取得、操業及び閉鎖後の安全評価のためのシナリオ設定に関するアプローチ、福島第一原子力発電所事故を踏まえた対応という観点からレビューを行っており、以下のような評価・勧告を示している。

  • 地層処分プロジェクトの段階的かつ双方向的な進め方、特にパイロット操業フェーズを導入することや「安全オプション意見請求書」を事前に作成する決定がなされたことは高く評価できる。
  • プロジェクトマネジメントの観点から見て、「処分操業基本計画」3 は有効なツールであり、ASN、公衆、その他のステークホルダーとのコミュニケーションやコンサルテーションに役立つ。
  • プロジェクトマネジメントを強化し、ASNやステークホルダーの間での信頼醸成のため、ANDRAは以下のような取組みを行うべきである。
    • 地層処分場開発のフェーズが次フェーズへと移行する際に、それまでに得られた新たな知見の活用方法、前フェーズとのつながりや一貫性を明示すること。
    • 100年超の地層処分場の供用期間にわたって、操業や閉鎖後の安全確保のために重要なデータや情報が更新・維持され、適切に理解されることを担保すること。
    • 研究開発について、その内容、意図、地層処分場開発の各フェーズとの関連性を特定し、優先順位を検討することにより、地層処分場開発と研究開発計画間の整合性を明確にすること。
    • 操業中のモニタリング計画内容の検討をさらに進める:モニタリングのパラメータと処分場閉鎖後の安全性の関連、モニタリング機器の保守・交換等も含めた操業期間中を通じたモニタリング活動のフィージビリティ等を検討すること。
  • 地層処分場のロバスト性の立証を補強するため、ANDRAは以下のような取組みを行うべきである。
    • カロボ・オックスフォーディアン粘土層4 における地下水の挙動に関わる特徴(割れ目など)を考慮すべきである。
    • 標準シナリオにおいて、高レベル放射性廃棄物の処分容器に当初から欠陥があること、あるいは定置後の早い段階で不備が発生することが考慮されていない理由の妥当性について説明すること。
    • 地層処分場のスリーブ5 について、微生物活動による影響をセーフティケースに含めること。
  • 地層処分場の操業時の安全性を評価するためのANDRAの方法論は包括的で体系立てられている。福島第一原子力発電所事故との関連では、ANDRAはASNのガイドラインに従って、補完的安全性評価(フランス版ストレステスト)を実施している。さらにANDRAは、地下施設からの排ガスのフィルタ装置の導入や、斜坑から流入した水を除去する際の地層処分場の設計のロバスト性を評価すべきである。

ASNは、今回の国際レビュー結果を公開するとともに、「安全オプション意見請求書」に関する審査において支援を受ける放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)やASN内の常設専門家グループにも周知する方針である。また、ASNはANDRAが取りまとめた「安全オプション意見請求書」に関する見解を2017年夏頃に表明する予定である。

なお、2016年7月に成立した「高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の可逆性のある地層処分場の設置について規定する法律」に基づいて、ANDRAは2018年に、地層処分場の設置許可申請を行う方針である。ANDRAは、「安全オプション意見請求書」に関して今後ASNが表明する見解を踏まえて、設置許可申請書の作成を行うことになる。

 

《参考》 フランスにおける地層処分場の設置許可申請の段階的な審査プロセス

フランスでは、原子力施設の設置許可申請に先立って、施設の「安全オプション意見請求書」を原子力安全機関(ASN)に提出し、安全確保に関する見解を求めることができる。放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2013年5月から約7カ月間にわたって開催された地層処分プロジェクトに関する公開討論会の結果を受けて、2014年5月に地層処分場プロジェクトの継続に関する方針を公表し、地層処分場の設置許可申請の審査プロセスとスケジュールに関する提案を行っていた。ANDRAは、地層処分場の設置許可申請書類の提出を段階的に進める方針とし、今回レビューを受けた「安全オプション意見請求書」を先行してASNに提出することを提案していた。ANDRAが「安全オプション意見請求書」をASNに提出することにより、地層処分場の設置許可申請書類の一部を成す下記の内容を前もって示すことになる。

  • 施設の設計とその建設に確保されたオプション及び基本原則
  • リスクインベントリ及びリスク予防に関する技術オプション
  • 予備リスク解析及び影響評価 - 操業期間及び閉鎖後期間を対象

これに対し、ASNは、2014年12月19日付けの書簡において、「安全オプション意見請求書」の提出に係るANDRAの決定を承諾し、ANDRAに対し、「安全オプション意見請求書」において示される地層処分場の基本設計の内容が2008年の地層処分に関するASN指針に整合していることを説明するとともに、全ての操業段階での安全確保のために採用された安全目標、設計、原則について網羅的に提示すること等を要請していた。

【出典】

 

【2016年12月08日追記】

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2016年12月6日に、ANDRAが2016年3月に原子力安全機関(ASN)へ提出した地層処分場の「安全オプション意見請求書」に関して、国家評価委員会(CNE)が行った分析と勧告を取りまとめた報告書「CIGEO2016文書の分析及び勧告」を公表した。CNEは2006年の放射性廃棄物等管理計画法等に基づいて、ANDRAが予定する地層処分場の設置許可申請に関する評価報告書を議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出することになっており、今回の「安全オプション意見請求書」に関する分析と勧告は、設置許可申請を見据えたものである。
CNEは今回の報告書において、以下のような意見を示している。

  • 廃棄物の定置が完了した処分孔は、開放状態にせず、隔離すべきである。
  • 地層処分場の操業に関わる作業員の訓練や、操業手順を決定するために、3次元のインタラクティブなシミュレーションを実施することを勧告する。
  • 工事中の区域と操業中の区域における作業員の安全を同時に確保する措置を明確化し、事故が発生した場合の状況分析を行うべきである。
  • 高レベル放射性廃棄物の処分孔、長寿命中レベル放射性廃棄物の処分坑道、さらにはニアフィールドで生じる現象について、処分場の閉鎖前後に着目した経時変化ダイアグラムを示すべきである。
  • 地層処分場の安全性の立証は、地層処分場の構造物及び地質環境における放射性化学種の放出と移行のモデルに基づいているため、異なるレベルの現象を再現する様々なモデルを明確に区別することを勧告する。また、放射性物質のパラメータの変動がシミュレーション結果に与える影響を評価する感度解析を行うことを要請する。
  • 地層処分場の建設によって影響を受けた岩盤に関するパラメータを、より適切に根拠づけて選択できるようにするため、カロボ・オックスフォーディアン粘土層の過剰な圧力上昇や熱-水-応力連成現象等に関する理解を深め、岩盤の長期的な応力挙動に関する包括的な定量化を行う必要がある。
  • 熱-水-応力連成メカニズム及び複雑な化学メカニズムによって、処分場の閉鎖後にその構成要素が影響を受けるおそれがある。特に、水とガスによる影響が生じる過渡的なフェーズに特に注意すべきである。

    【出典】
    •    CNE、「CIGEO2016文書の分析及び勧告」、ANALYSE DES DOCUMENTS CIGEO 2016 ET RECOMMANDATIONS
    https://www.cne2.fr/telechargements/avis/Analyse-DOS-DOREC-PDE-Vfinal.pdf
    •    ANDRA、2016年12月6日付プレス
    http://www.andra.fr/index.php?id=actualite_1_1_1&art=6101


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に関する意見を原子力安全機関(ASN)に請求することができる。 []
  2. フィンランドの安全規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)の放射性廃棄物及び放射性物質規制部長を長とし、英国、スイス、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、米国とIAEAの9名の専門家で構成 []
  3. 処分事業に関する最新の進捗状況を、操業開始、パイロット操業フェーズから本格操業フェーズへの移行、処分施設の閉鎖等に関する主要な課題と決定の時期を伝え続ける書類であり、5年毎に更新 []
  4. 高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の処分が想定されている地層 []
  5. 高レベル放射性廃棄物の処分孔(水平に掘削、全長約40m)の内部に設置される金属製の筒であり、廃棄体の設置及び回収を容易にする []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2016年11月29日付けのプレスリリースにおいて、使用済燃料処分場の建設を12月に開始することを公表した。また、2016年11月29日付の規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)のプレスリリースにおいて、STUKは11月25日にポシヴァ社が地下の処分場の建設を開始できることを確認・決定したことを明らかにした。

エウラヨキ自治体オルキルオトに計画されている使用済燃料処分場について、フィンランド政府は2015年11月にポシヴァ社に対して処分場の建設許可を発給していた。しかし、ポシヴァ社が処分場の建設を実際に開始するためには、法令に基づき、STUKが建設許可に関連した安全関連要因及び安全規則をポシヴァ社が十分に検討したことを確認することが必要となっていた。

STUKのプレスリリースによるとSTUKは、ポシヴァ社からの提出資料やオルキルオトへの訪問を通じて、処分場に関連する文書や計画を評価し、発給された建設許可に従って、ポシヴァ社が処分場の建設を開始する準備ができていると評価したとしている。また、STUKは今回の結論を出す前の夏から秋にかけて、ポシヴァ社の人的資源、事業マネジメント、品質マネジメント、安全文化、設計活動、建設による影響のモニタリング、核物質防護・保障措置等の、処分場建設に係るポシヴァ社の準備状況について監視していたとしている。

なお、STUKのプレスリリースによると、STUKは建設期間中において、ポシヴァ社の活動を詳細に監督し、様々な段階においても技術計画が安全要件に従っていることについて確認するとしている。その一環として、地上のキャニスタ封入施設についても、ポシヴァ社が建設を開始する前にSTUKが計画を確認・決定するとしている。

処分場の最初の掘削作業

ポシヴァ社のプレスリリースによると、ポシヴァ社は処分場の最初の掘削作業について、YITコンストラクション社と契約したことを明らかにした。契約における作業内容は、主要坑道の最初の部分の掘削、及び主要坑道までの車両アクセス坑道の掘削、キャニスタ搬送リフト用の立坑掘削作業のための予備掘削とその支保作業等が含まれるとしている。契約額は2,000万ユーロ(約23億円)であり、作業期間は約2年半が見込まれている。また、本契約によって雇用される人員は1年あたり100~125人(下請会社を含む)としている。

ポシヴァ社によると、次の地下の処分場建設に関しては、建設作業の進捗により契約がなされるとしている。

 

【出典】

 

【2016年12月22日追記】

フィンランドの雇用経済省(TEM)は、2016年12月21日付のプレスリリースにおいて、ポシヴァ社が使用済燃料処分場の建設を開始したことを受け、政府が2015年11月12日に発給した建設許可が発効したことを公表した。建設許可の許可条件には、処分場の建設が2年以内に開始されない場合には許可が無効となることが付されていたが、実際にポシヴァ社が建設を開始したことを受け、雇用経済省は許可条件が満足されたと確認したものである。

プレスリリースにおいて雇用経済省は、ポシヴァ社が2020年に操業許可の申請を行う予定であることについて言及し、実際にポシヴァ社が使用済燃料の処分を開始するには、別途、処分場の操業許可の発給を受けることが必要なことを指摘している。

【出典】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2016年11月8日に、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の安全審査に関連して、新たな知見を取りまとめるための「ナレッジマネジメント報告書」の策定を行うことを決定した。NRCによる許認可申請書の安全審査については、2013年8月13日の連邦控訴裁判所の判決 を受け、過年度の歳出予算の未使用残高の範囲内で安全審査等の活動が実施され、安全性評価報告(SER)の策定、補足環境影響評価書(SEIS)の策定、許認可支援ネットワーク(LSN) (詳細はこちら) への登録文書の公開作業などが行われてきた。今回のNRCの決定は、2015年2月3日の指示文書で指定された活動が2016年末で終了することから、未使用残高として見込まれる約127万ドル(約1億5,200万円)の使途についてNRCが検討し、NRCの委員会が承認したものである。

未使用の残予算で今後の策定が決定したナレッジマネジメント報告書では、2011年にユッカマウンテン処分場に係る安全審査活動が停止された際に策定されたナレッジマネジメント報告書について、その後の新たな知見などを反映した更新が行われる。ナレッジマネジメント報告書で取りまとめる対象項目は以下が示されており、約9カ月の期間と約70万ドル(約8,400万円)の費用が想定されている。

閉鎖前・閉鎖後の安全評価

  • 不飽和帯の地層処分場における人工バリア性能への腐食科学の新たな知見の適用
  • 処分場の地上施設建屋の地盤工学的安定性の評価
  • 地震フラジリティ曲線(SFC、seismic fragility curve)計算手法の評価
  • 処分場の地上・地下施設の解析への地震動情報の適用

気候と水文学

  • 浸透と地下水流動に係る気候モデルへの取組及び気象データの更新
  • 飽和帯における地下水流動の特性調査・モデル化
  • 地層処分場の性能確認のための独立した地下水流動モデルツールの情報管理
  • 不飽和帯の亀裂性岩盤や熱環境のモニタリング方法及びセンサーの現在の性能(リモートセンサーを含む)

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)は、2016年10月24日に、民間プロジェクトによる使用済燃料の集中中間貯蔵のサービスが、DOEによるパイロット規模あるいはフルスケールの使用済燃料貯蔵のために利用可能であるかについて、情報要求(RFI)を行う文書を公表した。情報要求(RFI)は2016年10月27日付の連邦官報で告示されることとなっており、2017年1月27日まで回答を受け付けるとしている。

DOEは、2013年1月に公表した「使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」(以下、「DOE戦略」という)において、パイロット規模及びフルスケールの中間貯蔵施設の開発が必要であるとして、連邦政府による中間貯蔵施設の開発の検討を行ってきた。民間プロジェクトとして進められている中間貯蔵施設は、DOE戦略では想定されていなかったが、連邦政府による中間貯蔵施設の代替または追加として利用可能な有望な選択肢であるとして、本情報要求(RFI)が発行されたものである。今回の情報要求(RFI)では、以下の12の質問への回答が求められている。

  1. 民間プロジェクトが、統合的な放射性廃棄物管理システムの一部として、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵の実現可能な解決策を提供するため、どのような要因が考慮されなければならないか。
  2. 民間プロジェクトは、中間貯蔵施設が立地する地元自治体・州や先住民族にどのような利益をもたらし得るか。隣接自治体についてはどうか。
  3. 民間プロジェクト及び自治体とともにDOEの参加が必要であるとした場合、組織・構造・契約枠組みとしてどのような形が必要か。また、その理由は。
  4. 連邦政府の投資による連邦政府所有・契約者操業の中間貯蔵施設と比較して、民間プロジェクトの長所・短所は何か。
  5. 使用済燃料が民間の貯蔵施設で効果的に管理され、連邦政府の費用が抑えられているとの連邦政府への保証として、どのようなものが適切と考えるか。
  6. 民間プロジェクトではどのようなビジネスモデルの可能性があるか。また、そうしたビジネスモデルの長所・短所は何か。
  7. 貯蔵期間中に生じる可能性がある責任については、どのように管理するか。
  8. 州・地域・先住民族による承認として、どのようなものが必要か。
  9. 民間プロジェクトの概念を、公正で開かれた透明な形で検討、実施し続けるため、連邦政府はどのようにしたら良いか。
  10. 民間プロジェクトに関わる立地州・先住民族・地域自治体と連邦政府の間で支援協定を締結する場合、どのような協定が期待されるか。
  11. その他に考慮すべきことはあるか。
  12. 連邦政府所有でない施設を開発するため、他の代替的なアプローチはあり得るか(例えば、プロジェクトの資金調達、予想される規制・法的問題など)。もし存在する場合、それはどのようなものであり、上記の質問に対してどのような答えが得られるアプローチか。

DOEは特に、中間貯蔵施設の開発の可能性がある事業者、その立地・隣接自治体、及び既存の放射性廃棄物施設の操業者は、本情報要求(RFI)への回答に関心があるものと考えているとしている。なお、米国では、テキサス州においてはウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社が、ニューメキシコ州ではエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)とホルテック・インターナショナル社が、それぞれ中間貯蔵施設の開発を表明し、原子力規制委員会(NRC)による許認可取得に向けて取り組んでいる。

なお、本情報要求(RFI)は、連邦政府が実際に民間貯蔵サービスを調達することを約したものではないとしている。

 

【出典】

ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は2016年10月21日、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づいて設置される連邦レベルの公衆参加組織である「社会諮問委員会」について、市民代表委員を選出するための市民フォーラムを全国5カ所で順次開催することを公表した。

市民フォーラムの参加者は各開催地とも24名であり、ドイツ全国から無作為に選ばれ、賛同の意思を表明した計120名が最も近い開催地での市民フォーラムに出席する。市民フォーラムの開催地と期間は、以下の通りである。

  • ミュンヘン(2016年10月21~23日)
  • ライプツィヒ(2016年10月28~30日)
  • ハンブルク(2016年10月28~30日)
  • デュッセルドルフ(2016年10月28~30日)
  • カッセル(若年層を対象。2016年10月28~30日)

ドイツでは、最終処分場のサイト選定手続きの開始から終了までの全プロセスを中立的な立場から監視し、関係者間の調整を行う組織として社会諮問委員会の設置が定められている。選定プロセス開始に先立って暫定的に設置される社会諮問委員会は、連邦議会及び連邦参議院により指名される6名の委員に加えて、市民代表委員3名の合計9名で構成されることになっており、市民代表委員のうち1名は、16歳~27歳の若年層という条件がある。今回の5カ所で開催される市民フォーラムは、段階的に市民代表委員の3名を選出するプロセスの一環である。

市民代表委員の選出プロセス

市民代表委員の選出プロセス

市民代表委員の選出手続き

社会諮問委員会の市民代表委員は以下の3段階の手続きで選出される。

◯第1段階:市民の招請(2016年9月14日~)

ドイツ全国から無作為抽出された電話番号に電話し、若年層(16歳~27歳)を含む市民に対し、「市民フォーラム」参加への関心の有無を確認し、関心があると答えた市民が市民フォーラムへ参加する。この手続きは、市民フォーラム参加者が年齢層、性別ごとの定員に達するまで実施され、合計120名の市民が登録される。市民フォーラムへの参加者を集める無作為抽出プロセスは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)から委託を受けたバンベルク大学が民間のコンサルティング会社と協力し実施している。

◯第2段階:市民フォーラム(2016年10月21~23日及び28~30日)

市民フォーラムは、全国5カ所の各開催地で24名、合計120名の第1段階で決定した市民が参加して開催される。フォーラム参加者は、年齢層(18歳~34歳、35歳~50歳、51歳~64歳、65歳以上の4つ)、性別ごとの参加者数がほぼ同数となるよう調整されている。ただし、5カ所の開催地の一つであるカッセルでは、16歳~27歳の若年層が参加する市民フォーラムとして企画されている。

市民フォーラムでは、市民が最終処分場のサイト選定に関する課題、今後の選定手続きや社会諮問委員会の役割について学ぶ取り組みが行われ、市民の質問に対して専門家が回答する。また、各地の市民フォーラムでは、市民代表委員の今後の活動に向けた勧告を取りまとめるとともに、次の第3段階で決定される市民代表委員の活動を支援する「助言ネットワーク」のメンバー(合計30名)が選出される。市民代表委員は、助言ネットワークのメンバーから選ばれる。

◯第3段階:助言ネットワークの初会合及び市民代表委員の決定(2016年11月5~6日)

第2段階で選ばれた「助言ネットワーク」のメンバーは、2016年11月5日及び6日の2日間、ベルリンで初会合を行い、5カ所の市民フォーラムにおいて取りまとめられた勧告を評価し、社会諮問委員会の市民代表委員として当初3年間活動する3名(うち1名は若年層)及び委員代理3名(1名は若年層)を選出する。

なお、助言ネットワークは市民代表委員の決定後も引き続き存続し、社会諮問委員会における市民代表委員の活動を支援する役割を担うこととなっている。

【出典】

ドイツ連邦政府は2016年10月19日に、「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」を閣議決定した。同法案には、「脱原子力に係る資金確保に関する検討委員会」(以下「検討委員会」という)が2016年4月27日に提出した最終報告書において示した勧告 を実施するための規定が含まれている。同法案は今後、2016年内の発効を目指し、連邦議会での審議が行われる予定である。

原子力バックエンドの責任分担刷新法案には、二つの新法――①放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律、②原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律――を制定及び関連法令の改正を行う内容が盛り込まれている。同法案に含まれる法律案及び関係法令の改正案の概要は以下の通りである。

放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律案〔基金設置法案〕

ドイツでの原子力発電事業者は、放射性廃棄物管理の将来費用を引当金として内部留保してきた。放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律案(以下「基金設置法案」という)では、新たな公的基金を設置し、連邦政府が責任を負う放射性廃棄物管理(中間貯蔵から最終処分場閉鎖まで、後述)について、必要な資金を基金に拠出して管理するための規定が含まれている。なお、この基金は、連邦経済エネルギー省(BMWi)が所管する。

○基金の構成

新たに設置される基金は、監査組織である「管理委員会」と基金を運営する「運営委員会」から構成される。管理委員会は、連邦財務省、BMWi及び連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の代表者の計3名で構成される。運営委員会の委員は、管理委員会によって、資金管理経験者3名が指名される。

○原子力発電事業者による基金への払い込み

原子力発電事業者による基金への払込金は、放射性廃棄物管理の将来費用(基本払込金)と、リスクに備えるための保険料(基本払込金の35.47%)で構成される。原子力発電事業者は、基本払込金約174億ユーロ(約1兆9,700億円)に保険料約62億ユーロ(約7,000億円)を上乗せした合計約236億ユーロ(約2兆6,700億円)を基金に払い込むこととされている。これらの金額は、概ね2016年4月の検討委員会の勧告と同様である(下表参照)。

原子力発電事業者は、法律発効から7カ月後までに基本払込金、2022年末までに保険料を払い込むことが規定されている。ただし、連邦財務省同意の上でBMWiと合意すれば、基本払込金とリスク保険料の合計額を2026年末までに分割で支払うことも可能とされている。

表:原子力事業者による放射性廃棄物管理基金への払い込み金額

基金設置法
(払込時点で再調整可能性あり)
検討委員会勧告
(2014年価格)
 A. 基本払込金  約174億ユーロ(1兆9,700億円)  a. 引当金から基金への資金移管額  約172億ユーロ(約1兆9,400億円)
 B. 保険料(Aの35.47%)  62億ユーロ(約7,000億円)  b. 保険料(aの約35%)  約61億ユーロ(6,900億円)
 C. 払込総額
(A+B)
 236億ユーロ(約2兆6,700億円)  c. 払込総額
(a+b)
 約233億ユーロ(2兆6,300億円)

 

原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律案〔義務移管法案〕

原子力バックエンドの責任分担刷新法案には、原子力発電事業者と連邦政府の間での放射性廃棄物管理に関する責任分担を変更する新法を制定する条文が含まれている。「原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律案」(以下「義務移管法案」という)の概要は以下の通りである。

○中間貯蔵と処分の実施・資金管理責任の変更

義務移管法案では、放射性廃棄物の中間貯蔵の実施責任者を従来の原子力発電事業者から連邦政府に変更するとともに、資金管理責任についても連邦政府の責任とする規定が設けられている(下表参照)。なお、廃止措置に関しては引き続き、実施・資金確保ともに原子力発電事業者が責任を有する。

保険料を含む基金への払い込み完了により、資金確保を含め、中間貯蔵以降の放射性廃棄物管理に関する責任は連邦政府に移行することになる。したがって、払い込み完了後は、最終処分場の操業開始遅延などに伴い費用が増大した場合でも、原子力発電事業者が追加の負担を求められることはない。

表:放射性廃棄物管理における原子力発電事業者と連邦政府の責任分担

 

現在の責任分担

移管法による責任分担

中間貯蔵

最終処分

中間貯蔵

最終処分

実施

事業者

連邦政府

連邦政府

資金

事業者(各自費用を引当)

連邦政府(ただし基金への払い込み完了後)

○連邦政府への中間貯蔵の移管時期及び実施主体

義務移管法案によれば、原子力事業者から連邦政府への中間貯蔵の実施責任の移行時期は次の通りである。

  • 発熱性放射性廃棄物(使用済燃料及びガラス固化体等):2019年1月1日
  • 非発熱性放射性廃棄物(発熱性放射性廃棄物以外):2020年1月1日

なお、中間貯蔵施設は原子力発電事業者が費用を負担して設置したものであるが、上記期日を以て、無償で連邦政府に引き渡されることとされている。

放射性廃棄物の中間貯蔵に関する実際の活動は、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の監督下に置かれる「連邦政府が100%所有する私法上の組織」によって実施される。放射性廃棄物の最終処分についてはすでに、「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」(2016年7月30日発効)による原子力法改正がなされており、連邦政府が100%所有する実施主体として、連邦放射性廃棄物機関(BGE)が新たな処分実施主体となることが決まっている。中間貯蔵の実施主体についても、今後新たな組織が設置されることになる。

 

その他の法令の改正案など

「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」による「基金設置法案」及び「義務移管法案」の2件の新法制定に伴い、放射性廃棄物管理に係る各種料金や分担金の支払い方法の変更に関係する法令の改正がなされる。関係する法令には以下のものがある。

  • 原子力法
  • 発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律(サイト選定法)
  • 最終処分場設置の前払金令
  • 放射線防護令

 

【出典】

【2016年12月20日追記】

ドイツの連邦議会は2016年12月15日に、放射性廃棄物管理のための公的基金設置等を定める「原子力バックエンドの責任分担刷新法案」を賛成516、反対58で可決した。また、連邦参議院が12月16日に、同法案への同意1 を決議したことにより成立した。

なお、発効日については、別途、連邦官報に公示されることが規定されている。

【出典】

【2017年5月11日追記】

ドイツでは、2016年12月に成立した「原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務の移管に関する法律」(以下「義務移管法」という)に基づいて、今後2020年1月までに、放射性廃棄物の中間貯蔵の実施義務を、従来の原子力発電事業者から連邦政府に段階的に移管する方針である。使用済燃料や放射性廃棄物の処分前に行われる中間貯蔵は、連邦政府が100%所有する私法上の組織が実施することになっている。

ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)と原子力サービス社(GNS社)とは2017年5月8日に、GNS社の所有する中間貯蔵の新たな実施主体「連邦中間貯蔵機関」(BGZ)の株式及びGNS社が所有・操業しているゴアレーベン及びア―ハウスの集中中間貯蔵施設について、2017年8月1日に連邦政府に引き渡すことで合意したことを公表した。現在、BGZはBMUBとGNS社が共同出資した合弁会社として存在しているが2  、引き渡しにより連邦政府が100%所有する組織となる。

GNS社は原子力事業者が共同出資して設立された民間会社である。ドイツ北部のニーダーザクセン州にあるゴアレーベン中間貯蔵施設においては、原子力発電所から発生した放射性廃棄物や使用済燃料のほか、フランスと英国に委託した再処理からの返還ガラス固化体の中間貯蔵を実施している3 。ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州にあるアーハウス中間貯蔵施設では、原子力発電所から発生した放射性廃棄物の中間貯蔵のほか、主として研究炉や高温ガス炉(実験炉と実証炉、いずれも1980年代に廃止)の使用済燃料を乾式貯蔵している4 。

今夏に行われるBGZの株式、ゴアレーベン及びア―ハウスの集中中間貯蔵施設の連邦政府への移管は、義務移管法に規定された中間貯蔵の実施責任移管の第一段階である。義務移管法では次の段階として、原子力事業者が各原子力発電所構内に設置している使用済燃料等の中間貯蔵施設12カ所を2019年1月1日までに、また、原子力発電所の運転・廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の中間貯蔵施設12カ所を2020年1月1日までに連邦政府へ移管することが規定されている。

【出典】

【2017年6月20日追記】

ドイツの連邦経済・エネルギー省(BMWi)は、2017年6月19日に、放射性廃棄物管理のための「放射性廃棄物管理基金」が正式に設置されたことを公表した。これは、「放射性廃棄物管理のための公的基金の設置に関する法律」(基金設置法)及び「原子力発電所運転者からの放射性廃棄物管理の資金及び実施に係る義務移管に関する法律」(義務移管法)を定める「原子力バックエンドの責任分担刷新法」が2017年6月16日付で発効したことを受け、6月19日に基金の監査組織である管理委員会の設置会合が開催されたことによるものである。

放射性廃棄物管理基金には2017年7月1日付で、原子力発電事業者から約236億ユーロ(約2兆7,800億円)の拠出金が払い込まれる予定である。今後、組織・職員構成を整備するとともに、払い込まれた資金の長期安定運用に関する戦略等の検討が進められることになっている。

【出典】


  1. ドイツの国会は二院制であり、連邦議会と連邦参議院がある。連邦参議院は直接選挙で選出されるのではなく、州が代表を送って構成される。ドイツ基本法では、連邦法は連邦議会が議決すると規定しているが、法律の内容によっては連邦参議院の同意が必要となる。 []
  2. ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)と原子力サービス社(GNS社)は、義務移管法の2016年12月成立を受けて、2017年3月1日に共同出資によるベンチャー企業として「連邦中間貯蔵機関(BGZ)」を設立していた。 []
  3. ゴアレーベン中間貯施設は、GNS社の子会社であるゴアレーベン燃料貯蔵会社(BLG)が実施している。1995年から返還ガラス固化体の受け入れを開始したが、2013年の連邦政府とニーダーザクセン州の合意に基づく原子力法の改正により、現在は受け入れが行われていない。今後返還されるガラス固化体は、原子力発電所サイトで中間貯蔵することが計画されている。 []
  4. アーハウス中間貯蔵施設は、GNS社の子会社であるアーハウス燃料貯蔵会社(BZA)が操業している。 []

米国のエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2016年10月14日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)のTRU廃棄物の処分エリアの一部について、閉鎖を実施する方針を公表した。WIPPでは、火災事故及び放射線事象が2014年2月に発生して以来、現在まで操業が停止されており、2016年内の操業再開を目指して復旧活動が行われているが、一部の坑道で崩落が続いたことなどを受けて閉鎖の方針が決定された。DOEは、WIPPの規制機関である連邦環境保護庁(EPA)及びニューメキシコ州環境省(NMED)と既に協議を開始しており、地下施設の南側一部を閉鎖する計画の策定を始めている。

閉鎖が検討されているエリアは、下図に示す処分エリア南端の範囲であり、2014年2月の放射線事象により汚染された区域にある。

閉鎖が検討されているエリア

閉鎖が検討されているエリア

WIPPでは、模擬廃棄物容器を用いたコールドによる操業を2016年8月24日に完了するなど操業再開に向けた準備が進められているが、2016年9月27日に第4パネルの入気坑道で、2016年10月4日には第3パネルの排気坑道で、岩塩の崩落が発見された。2014年2月のWIPPでの放射線事象の後、汚染エリアでは坑道の維持作業が削減されていたため、処分エリアの南端部分では崩落等の兆候が確認されていた。WIPPは、岩塩層に建設された処分施設であり、廃棄物の定置後、長期的には岩塩のクリープ現象による崩壊等で開削空間が閉じられていくことにより、処分エリアが密封されることが想定されており、今回の一部の坑道での崩落もこのクリープ現象によるものである。

DOEは、一部の処分エリアの閉鎖により、作業安全が確保されるとともに、今後、処分が予定されるエリアにおける坑道維持作業等に集中することが可能になるとしている。また、今回の一部の処分エリアの閉鎖は、操業再開の準備や今後の廃棄物定置活動には影響せず、操業再開後の処分施設の操業能力が限定されることもないとしている。

【出典】