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ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は、2015年8月12日付けプレスリリースにおいて、BMUBが策定した「使用済燃料及び放射性廃棄物の責任ある安全な管理のための計画」(以下「国家放射性廃棄物管理計画」という)について、連邦政府が承認したことを公表した。今回、連邦政府が承認した国家放射性廃棄物管理計画は、欧州連合(EU)理事会が2011年7月に採択した「使用済燃料及び放射性廃棄物の責任ある安全な管理に関する、共同体(EURATOM)の枠組みを構築する理事会指令」(2011/70/Euratom)(以下「EU指令」という)に基づき、ドイツを含むEU加盟国が2015年8月23日までに欧州委員会(EC)に提出することが義務付けられている「使用済燃料及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」に相当するものである 。連邦政府は、今回承認した国家放射性廃棄物管理計画を欧州委員会に提出する予定である。

EU指令に基づいて、EU加盟国は、「使用済燃料及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」において、使用済燃料及び放射性廃棄物管理に関する全体的な目標、スケジュール、インベントリ及び将来の発生量、関連研究、放射性廃棄物管理費用の見積り、資金確保の枠組み等を示すことになっている。また、EU加盟国は、国家計画を定期的に改訂することも義務付けられている。

国家放射性廃棄物管理計画によれば、ドイツ国内で2080年までに発生が見込まれる放射性廃棄物量は、既発生分を含めて以下の通りである。

○発熱性放射性廃棄物1

  • 原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料:キャスク約1,100体分(約1万500トン)
  • 使用済燃料の海外再処理に伴う返還廃棄物(ガラス固化体やハル・エンドピースの圧縮体など):キャスク約300体分
  • 研究炉、実証炉等の運転に伴う使用済燃料:キャスク約300体分

○非発熱性放射性廃棄物

  • 原子力施設の運転・解体に伴い発生する放射性廃棄物、医療・産業等における放射線利用に伴い発生する放射性廃棄物等:約60万m3(アッセⅡ研究鉱山から回収される放射性廃棄物約20万m3、及びウラン濃縮施設で発生する放射性廃棄物約10万m3を含む)

■放射性廃棄物の管理計画

ドイツでの放射性廃棄物の処分方針として、非発熱性放射性廃棄物と発熱性放射性廃棄物のために1カ所ずつ、合計2カ所の処分場を設置するとしている。このうち1カ所は、非発熱性放射性廃棄物の処分を行うコンラッド処分場であり、すでにサイトが確定し、建設・操業等の許認可も発給されており、現在は操業に向けた準備が進められている。国家放射性廃棄物管理計画によれば、コンラッド処分場は2022年の操業開始が見込まれている。

発熱性放射性廃棄物処分場については、現在、2013年7月制定の「発熱性放射性廃棄物の処分場サイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づいて、サイト選定に向けた取り組みが行われており 、2031年までに処分場サイトを確定し、2050年までに操業を開始する計画が示されている。

なお、アッセⅡ研究鉱山は、閉鎖のためにすでに処分された放射性廃棄物を回収する方針が決定している。国家放射性廃棄物管理計画では、回収される廃棄物量を約20万m3と見込んでいる。このアッセⅡ研究鉱山から回収される放射性廃棄物及びウラン濃縮施設から発生する放射性廃棄物については、非発熱性放射性廃棄物の処分場であるコンラッド処分場を拡張2 して処分するオプションも完全には排除していないが、基本的には発熱性放射性廃棄物処分場に処分することを想定していることが示されている。

■放射性廃棄物管理費用

放射性廃棄物の管理費用の見積りについては、国家放射性廃棄物管理計画の添付文書として欧州委員会に提出される「使用済燃料及び放射性廃棄物管理に係る費用及び資金確保に関する報告書」に示されている。放射性廃棄物管理費用のうち、非発熱性放射性廃棄物及び発熱性放射性廃棄物の処分場の建設・操業・閉鎖に係る費用は、以下のように見積られている。

  • 非発熱性放射性廃棄物処分場(コンラッド処分場):約75億ユーロ(約1兆200億円。2007年までに支出した計画や探査作業等の費用約9.3億ユーロ(約1,260億円)を含む)
  • 発熱性放射性廃棄物処分場(サイト未定):約77億ユーロ(約1兆500億円)

【出典】


  1. ドイツでは発熱による処分空洞壁面の温度上昇が3℃以下である放射性廃棄物を「非発熱性放射性廃棄物」と定義している。それ以外が「発熱性放射性廃棄物」に分類され、使用済燃料や海外再処理に伴い返還されるガラス固化体やハル・エンドピースの圧縮体などがこれに該当する。 []
  2. 現在計画されているコンラッド処分場の処分容量は約30万m3であり、国家放射性廃棄物計画で示されている非発熱性放射性廃棄物の発生量60万m3(2080年まで)より小さい。 []

フランスの憲法院(Conseil constitutionnel)1は2015年8月5日に、「成長、活動、経済機会の平等のための法律」(2015年7月9日成立)のうち、地層処分場の設置許可申請スケジュールの変更等を定めた条文を含む複数の条文が違憲であるとの決定を行った。憲法院が違憲と決定した条文は施行されず、憲法院の決定に対する不服申立ても認められない。

フランスでは議会で成立した法律は大統領による審署により執行力が与えられるが、審署前に、国会議員60人以上の求めがある場合には憲法院に合憲性審査を付託することが可能である。今回の法律に関する合憲性審査は、約200人の国会議員が2015年7月15日に審査を付託したものである。

今回の法案を提出した経済・産業・デジタル省のマクロン大臣は2015年8月6日付のプレスリリースにおいて、憲法院が当該条文を違憲と判断した理由として、同法の目的との関連が弱いこと、または、法案審議で取り上げられたタイミングが遅かったことであると指摘している。なお、同大臣は、今秋以降の議会において、これら違憲と判断された条文に規定された措置について再検討する方針を明らかにしている。

 

【出典】


  1. 憲法裁判所である憲法院(Conseil constitutionnel)は、議会の議決後、大統領による審査・署名前の法律に対する違憲審査、大統領選挙の選挙管理、大統領及び国会議員の選挙に関する裁判等を行う。司法権にも行政権にも属しない機関である。参考:http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/pdfs/dai5gijiroku-2.pdf []

英国政府のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2015年8月4日に、地層処分事業を「国家的に重要な社会基盤プロジェクト(NSIP)」と位置付ける上で必要となる持続可能性評価(AoS,Appraisal of Sustainability)と生息環境規制評価(HRA,Habitats Regulations Assessment)の実施内容案を示した技術的な協議文書を公表した1

英国では、2008年計画法(2015年3月改訂)により、イングランドに設置する場合の高レベル放射性廃棄物等の地層処分施設(GDF)に加えて、候補サイトを評価するために実施する地上からのボーリング調査も「国家的に重要な社会基盤プロジェクト(NSIP)」の一つと位置づけられており、その実施には計画審査庁からの勧告を受けた担当大臣による開発同意令が必要となっている2 。英国政府は、地層処分施設に関する開発同意令の発給審査の基礎となる国家政策声明書(NPS)3 のドラフト版の策定を進めており、この国家政策声明書には、2008年計画法に従った、持続可能性評価(AoS)と生息環境規制評価(HRA)の評価結果を含むことになっている。

また、英国政府は、今回公表した協議文書についての意見等を2015年9月25日まで受け付けるとしており、今後、寄せられた意見等を踏まえて、持続可能性評価(AoS)と生息環境規制評価(HRA)の実施内容を確定し、評価を実施することとなる。英国政府は、国家政策声明書のドラフト版及びそれぞれの評価結果をまとめた報告書について、2016年に公開協議を行うとしている。

■持続可能性評価(AoS)の目的と協議文書で示された内容

国家政策声明書(NPS)の前提となる持続可能性評価(AoS)では、一般的なサイトを対象とした地層処分に関する国家政策声明書のドラフト版に対して、環境に影響を与える計画及びプログラムの環境アセスメントに関する欧州連合(EU)の「戦略的環境アセスメント(SEA4 )指令」(2001/42/EC)で求められている環境アセスメント、及び環境アセスメントと同様の手法による社会・経済的影響評価が行われる。なお、EUのSEA指令は、計画及びプログラムに対する影響評価だけでなく、計画及びプログラムの目的や地理的範囲を考慮した合理的な代替案に対する影響評価も実施することを定めている。

国家政策声明書のドラフト版に対する持続可能性評価の目的は以下の通りである。

  • 持続可能な開発に貢献し、気候変動の緩和と適応、景観への配慮がされていることを保証すること
  • 環境及び社会・経済的影響を特定して定量化すること
  • 好ましい影響を増強し、好ましくない影響を回避・抑制・管理するための適切な措置を特定すること
  • 法定諮問機関、ステークホルダー、より広範な公衆、事業者、事業者のコミュニティ、利害に関係する環境及び社会・経済的影響について認識させ、見解を出させること。また、国家政策声明書のドラフト版への見解提出や改善提案を促すこと

国家政策声明書(NPS)のドラフト版についての持続可能性評価(AoS)に当たっては、NPSの全般的な目的、地層処分事業の開発原則、一般的な影響とサイト選定で考慮されるべき点、一般的な緩和措置を特に考慮して、持続可能性への影響が評価される。また、EUのSEA指令に沿って、AoSではNPSドラフト版に対する影響評価だけでなく、NPSドラフト版の代替案に対する影響評価も実施される。英国政府によるSEA指令についてのガイダンスでは、計画及びプログラムの実施の必要性、実施方法、実施地域、実施時期、実施内容の詳細についての代替案を作成すべきとしている。

英国政府は、国家政策声明書(NPS)の代替案として、①特別な環境影響が懸念される地域を除外するなどの除外基準を設けたNPS、②地層処分施設の複数の立地候補サイトを示したNPS、③NPSを定めず地層処分事業を実施しない場合の3案を挙げている。また、地層処分を高レベル放射性廃棄物等の管理方針として決定しているため、持続可能性評価(AoS)において地層処分の代替案を設定しないとしている。

■生息環境規制評価(HRA)の目的と協議文書で示された内容

国家政策声明書(NPS)の前提となる生息環境規制評価(HRA)では、一般的なサイトを対象とした地層処分に関するNPSのドラフト版に対して、EUの生息環境指令(1992/43/EEC)で求められている土地利用計画による欧州のある地域への影響評価が行われる。

国家政策声明書(NPS)のドラフト版についての生息環境規制評価(HRA)に当たっては、NPSの全般的な目的、地層処分事業の開発原則、一般的な影響とサイト選定で考慮すべき点、一般的な緩和措置を特に考慮して、影響評価が実施することとなっている。

生息環境規制評価(HRA)を実施する英国政府は、国家政策声明書(NPS)は特定のサイトを対象としていないため、HRAではイングランドの特定の地域を対象として、その地域への影響について評価することは適切ではなく、欧州のある地域を全般的に保護するために必要な措置を特定するための評価を行うことが、より適切であるとしている。なお、英国政府は持続可能性評価(AoS)で取り扱う3つの代替案を対象としたHRAを実施するとしている。

【出典】


  1. 持続可能性評価(AoS)及び生息環境規制評価(HRA)は、国家政策声明書(NPS)が策定される前に、国レベルで見込まれる環境及び社会・経済効果を特定し、考慮に入れられるようにするために実施される。 []
  2. 英国では、地方自治政府(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)のうち、イングランド以外は地方自治政府に放射性廃棄物管理の権限が委譲されており、イングランド以外で地層処分施設を計画する場合は各地方自治政府が定める許可制度が適用される。 []
  3. このNPSは、特定のサイトではなく一般的なサイトを対象とした地層処分施設等について作成される。 []
  4. 戦略的環境アセスメント(SEA)は、事業の計画決定過程、立地選定段階などで実施される環境アセスメントを指す。 []

英国の地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)の完全子会社の放射性廃棄物管理会社(Radioactive Waste Management Limited, RWM)は、地層処分対象となる放射性廃棄物を抽出した報告書「地層処分:2013年版抽出インベントリ」(以下「インベントリ報告書」という)を2015年7月22日に公表した。RWMは、これまでもインベントリ報告書を定期的に作成しており、2007年版と2010年版を作成している。RWMは2007年版のインベントリ報告書をもとに、一般的な条件における処分システム・セーフティケース1 (gDSSC)を作成したが、今回RWMが公表した2013年版のインベントリ報告書は、2016年末に予定されているgDSSCの更新版の作成において活用するとしている。

英国政府は2014年に、高レベル放射性廃棄物等の地層処分施設の設置に向けた新たなサイト選定プロセス等を示した白書『地層処分の実施-高レベル放射性廃棄物等の長期管理に向けた枠組み』 において、処分場立地の可能性を検討する自治体を含む地域に対して、地層処分対象の放射性廃棄物インベントリの全体像を予め提示することを方針としている。これは、地層処分対象の放射性廃棄物地層処分の受け入れを検討している地域に対して、地層処分場に処分される廃棄物を明確に把握してもらうためとしている。

今回RMWが公表したインベントリ報告書では、地層処分対象の放射性廃棄物として、高レベル放射性廃棄物(HLW)、中レベル放射性廃棄物(ILW)、浅地中処分できない一部の低レベル放射性廃棄物(LLW)のほか、再処理の対象とならない使用済燃料(SF)、再処理によって分離・回収した余剰のプルトニウム(Pu)及びウラン(U)を含めている(表1参照)。なお、英国では、安全基準を満足するセーフティケースが実現することを前提として、費用の削減の観点から、地層処分施設は1カ所を想定している。

 

表1 地層処分対象の放射性廃棄物インベントリ

廃棄物分類 廃棄物量(m3
(貯蔵時)
廃棄物量(m3
(処分容器収納時)
高レベル放射性廃棄物(HLW) 1,410 9,290
中レベル放射性廃棄物(ILW) 267,000 456,000
低レベル放射性廃棄物(LLW) 9,330 11,800
プルトニウム(Pu) 0.567 620
使用済燃料(SF) 9,850 66,100
ウラン(U) 26,300 112,000
合計 314,000 656,000

※表1には、地層処分を実施しない方針のスコットランドが保有する、高レベル放射性廃棄物等のインベントリは含まれない。

RWMは、地層処分対象の放射性廃棄物インベントリを抽出する上での将来の原子力発電の導入と再処理計画に関する想定として、英国で初期に導入されたガス冷却炉(GCR,マグノックス炉)の使用済燃料約55,000トン(ウラン換算、以下同じ)は2017年まで再処理してガラス固化体として地層処分するとしている。既存の原子炉から発生する使用済燃料のうち、改良型ガス冷却炉(AGR)の使用済燃料の一部と加圧水型原子炉(PWR、1基)の使用済燃料のほか、今後新設が計画されている原子炉計12基分から発生する使用済燃料約22,050トンは高レベル放射性廃棄物に含めておらず、再処理せずに使用済燃料として処分すると想定してインベントリを計上している。なお、RWMは、地層処分対象の放射性廃棄物インベントリは、2013年版の放射性廃棄物インベントリ報告書 で示された英国全体での全放射性廃棄物インベントリの約6%程度であるとしている。

 

【出典】


  1. 英国で見つけられるような地質環境を想定し、サイトを特定しないで一般的な条件で作成した処分システム・セーフティケースであり、英語では generic Disposal System Safety Case と呼ばれている。 []

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2015年7月22日に、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」という)1 の処分について、NRCの運営事務局長(EDO)がNRC委員に対して、テキサス州に許認可権限を与えるという提案の承認を求めた2015年7月17日付の文書を公表した。テキサス州では、ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社が、連邦政府に処分責任があるGTCC廃棄物等について、GTCC廃棄物等を低レベル放射性廃棄物処分場で処分することを禁止しているテキサス行政法(TAC)の修正を州当局に求めており、このため、テキサス州はNRCに対して、GTCC廃棄物、GTCC類似廃棄物及び超ウラン核種を含む放射性廃棄物(以下「TRU廃棄物」という)2 の処分に対する法的権限の明確化を求めていた。

今回公表された2015年7月17日付の文書によれば、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法では、GTCC廃棄物はNRCの許可を受けた施設で処分すべきことを規定しており、さらに、NRCは1989年に、低レベル放射性廃棄物処分場において処分を行うという提案がNRCにより承認されなければ、GTCC廃棄物は地層処分しなければならないとする連邦規則を定めている。しかし、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法においては、協定州3など にGTCC廃棄物の処分場に対する許認可権限があるのか、あるいはNRCのみが権限を有するのかについては不明確である。このため、NRC委員はNRCスタッフに対して、GTCC廃棄物の処分を歴史的な観点から整理するよう指示していた。

今回公表された2015年7月17日付の文書は、上記のNRC委員からの指示及びテキサス州からの明確化の要求に答えるために作成されたものである。本文書では、以下の3つのオプションが検討対象とされた。

  • オプション1: WCS社によるGTCC廃棄物の受け入れ及び処分に対して、NRCが許認可を発給し、規制する。また、現在はTRU廃棄物の処分には適用されないNRCの連邦規則10 CFR Part 61「放射性廃棄物の陸地処分のための許認可要件」を、TRU廃棄物の処分にも適用できるように改正を図る。
  • オプション2:NRCは、テキサス州がGTCC廃棄物の処分に対して許認可を発給し、規制を行うのを認める。また、現在はTRU廃棄物の処分には適用されない連邦規則10 CFR Part 61を、TRU廃棄物の処分にも適用できるように改正を図る。
  • オプション3:特段の対応を行わない。

NRCスタッフは、これらの3つのオプションについての検討を行った結果、オプション2(テキサス州が許認可権限を持つ)を採用する提案を承認するよう、NRC委員に求めるとしている。オプション2を支持する理由としては、GTCC廃棄物とTRU廃棄物の処分についての共通的な規制要件を定めることができること、GTCC廃棄物処分の許認可権限を州に認めるオプションを維持するというこれまでのNRCの見解との一貫性を確保できること、テキサス州は既にWCSテキサス処分場の許可・規制を行っているために規制の効率上は望ましいことなどを挙げている。今後、NRC委員の本文書に対応して出される指示に基づいて、NRCはテキサス州に対する回答を作成する予定としている。

なお、米国では、GTCC廃棄物の処分責任は連邦政府にあるとされており、この責任の履行のため、エネルギー省(DOE)は2005年に、GTCC廃棄物の処分に関する環境影響評価書(EIS)の準備を行うことについての事前通知を行っており、また、2007年には、GTCC廃棄物の処分オプションに関する環境影響評価を実施することを公表していた。さらに、2011年には、GTCC廃棄物の処分オプションに関するドラフト環境影響評価書(DEIS)を公表し、処分方策を含む望ましい管理方策は最終環境影響評価書(FEIS)において提示することを示していた。しかし、DOEの主要な環境影響評価のスケジュールに関する2015年7月15日付の情報によれば、未だにFEISの作成に向けたスケジュールは確定していない。ただし、2015年7月17日付けの文書においてNRCは、DOEが2015年内にステークホルダーの意見等を反映し、望ましい管理方策を示したFEISを出すことが見込まれるとしている。

【出典】

 

【2015年8月20日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2015年8月13日に、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下、「GTCC廃棄物」という )の処分に向けた課題及び現在の規制環境について、NRCの委員に対する公開でのブリーフィングを開催した。ブリーフィングは、以下に示すように、外部関係者によるパネルと政府関係者によるパネルの2部構成で実施され、それぞれのパネルに対してNRCの委員による質疑が行われた。

パネル1:外部関係者

原子力エネルギー協会(NEI)

GTCC廃棄物の処分に対する産業界の見解

DWジェームズ・コンサルティング社

GTCC廃棄物を含む、原子力発電プラントから発生する低レベル放射性廃棄物

ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社

すべてのGTCC廃棄物の受入れに対する低レベル放射性廃棄物処分サイトの関心

エネルギー環境研究所(IEER)

GTCC廃棄物の処分に対する公衆の関心の視点

パネル2:政府関係者

エネルギー省(DOE)環境管理局(EM)

GTCC廃棄物の処分

テキサス州環境品質委員会(TCEQ)

GTCC廃棄物の処分についてのテキサス州における検討

NRCスタッフ(核物質安全・保障措置局(NMSS)など)

・歴史的な展望
・政策的問題
・課題

なお、2015年8月18日に公開された議事録において、GTCC廃棄物の放射能濃度について、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で処分される超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)と比較した場合、両者の放射性核種と放射能インベントリは似通っているが、原子力発電所など非軍事起源のGTCC廃棄物の放射能濃度は、セシウム-137を除いて、平均でTRU廃棄物の50倍強、最高で1,200倍以上になること、WIPPでの「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)の放射能濃度に匹敵することをNRCスタッフが説明したことが記されている。

【出典】

 

【2015年12月25日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2015年12月22日付けの運営事務局長(EDO)宛ての指示文書において、クラスCを超える低レベル放射性廃棄物(以下、「GTCC廃棄物」という )の処分に係る許認可権限をテキサス州に与える案の検討に関して、テキサス州宛の回答案を作成することなどを指示した。この回答案においては、地層処分以外の方法によるGTCC廃棄物の処分の規制基盤(regulatory basis)を検討し、必要に応じて処分基準等を策定するとした上で、今後検討する規制基盤がテキサス州による規制権限の明確化に対する回答の根拠を与えるものであること、規制基盤の検討の過程で州からの意見を要請する旨を伝えることとされている。

本指示文書では、現在行われているNRCの連邦規則(10 CFR Part 61「放射性廃棄物の陸地処分のための許認可要件」)の改定作業の完了から6カ月以内に、浅地中処分など地層処分以外の方法によるGTCC廃棄物の処分に係る規制基盤を検討し、NRC委員に提出することをNRCスタッフに命じている。さらに、この規制基盤は、GTCC廃棄物が、協定州への権限委譲を禁ずる1954年原子力法第274条c.(4)の規定に該当する程度の危険性を持つ放射性廃棄物であるかどうかを分析するものとされ、分析の結果として浅地中処分が適している可能性があるとの結論に達した場合、NRCスタッフは、連邦規則10 CFR Part 61の下でGTCC廃棄物の処分を許可するための処分基準を含む規則改定案を策定すべきとしている。

さらに、本指示文書では、NRCスタッフが、規制基盤の策定過程で、テキサス州及び他の関心あるステークホルダーからの意見を聴くため、公開のワークショップを開催すべきことも指示している。なお、NRCの委員は、近い将来にGTCC廃棄物の処分を求める者に対しては、NRCの連邦規則10 CFR Part 61に規定されているケースバイケースの審査が引き続き可能であることを確認している。

また、本指示文書において、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の処分についても、NRCの連邦規則10 CFR Part 61が適用されるべきとするNRCスタッフの提案を承認している。

【出典】


  1. 米国では、1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法、原子力規制委員会(NRC)の連邦規則(10 CFR Part 61「放射性廃棄物の陸地処分のための許認可要件」)において、地下30mより浅い浅地中処分が可能な低レベル放射性廃棄物としてクラスA、B、Cの分類が定められている。GTCC廃棄物は、放射能濃度などがクラスCの制限値を超える放射性廃棄物であり、連邦規則に基づいて操業されている浅地中処分に適さないものとされている。 []
  2. 「TRU廃棄物」は、低レベル放射性廃棄物のカテゴリーには含まれないが、NRCは10 CFR Part 61において、TRU核種を含有していても一定の条件を満たす廃棄物については、低レベル放射性廃棄物の処分場において処分することを認めている。 []
  3. 原子力法及び1985年低レベル放射性廃棄物政策修正法の規定に基づいて、州とNRCとが協定を締結することにより、州は低レベル放射性廃棄物の処分を規制する権限を得ることができる。 []

フランスで2015年7月9日に、地層処分場の設置許可申請スケジュールの変更、可逆性の定義、パイロット操業フェーズの導入等に関する規定を含む「成長、活動、経済機会の平等のための法律」が成立した。本法律の制定に伴って、2006年放射性廃棄物等管理計画法において規定されていた「可逆性のある地層処分」の処分場の設置許可申請時期が2015年から2017年に改定された。また、2006年放射性廃棄物等管理計画法での多くの規定が取り込まれている環境法典が改正され、「パイロット操業フェーズ」が正式に導入されることとなった。

フランスでは、2006年放射性廃棄物等管理計画法及び環境法典において可逆性のある地層処分場の設置について規定されており、2006年放射性廃棄物等管理計画法では、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2015年に地層処分場の設置許可申請書を提出することが規定されていた。一方、設置許可申請書の提出に先立って、2013年5月から約7カ月間にわたって公開討論会が開催されており、ANDRAはこの結果をふまえ、2014年5月に、地層処分プロジェクトの継続に関する新たな方針を示し、設置許可申請スケジュールの変更や、パイロット操業フェーズの導入等を提案していた。今回下院で最終可決された法律には、これらのスケジュール等を変更する規定が含まれている。なお、2006年放射性廃棄物等管理計画法では、2015年に設置許可申請書が提出された後、政府が地層処分の可逆性の条件を定める法案を提出することになっているが、今回の法律により、環境法典に可逆性の定義が盛り込まれた。今後、政府は、パイロット操業フェーズが終了した後の操業中を対象として、地層処分場の可逆性の実施に関する条件を定める法案を策定することとなる。

今回下院で最終可決された「成長、活動、経済機会の平等のための法律」では、可逆性のある地層処分場について以下のような内容が規定されている。

  • 2006年放射性廃棄物等管理計画法に規定された地層処分場の設置許可申請時期を2015年から2017年に変更する。
  • 環境法典に以下の内容を規定する。
    -「可逆性」とは、将来世代にとって、段階的な地層処分の実施に際して下される決定の見直しが可能であることである。可逆性によって、一定の期間中に地層処分場内に定置済の廃棄物パッケージを回収する可能性が担保されるとともに、当初設計に基づく処分場を将来の選択に合わせて変更することが可能となる。
    -地層処分場の可逆性の原則については少なくとも10年に1度の頻度で見直す。
    -操業者は、地層処分場における実地試験を実施し、地層処分場の可逆性と安全性の立証を強固にすることを目的としたパイロット操業フェーズを導入する。このフェーズにおいては、全ての廃棄物パッケージは容易に回収できる状態で維持されなければならない。このフェーズにおける試験には、廃棄物パッケージの回収試験も含まれる。
    -デクレ(政令)による設置許可の発給後、原子力安全機関(ASN)がパイロット操業フェーズの操業を許可する。
    -パイロット操業フェーズの結果については、ANDRAが報告書をまとめるとともに、ASN及び国家評価委員会(CNE)が見解を提示する。さらに公衆意見聴取の対象区域内に全部又は一部が所在する地方公共団体に対する意見聴取を行う。
    -ANDRAの報告書はASN及びCNEの見解とともに、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出される。OPECSTはANDRAの報告書について評価し、放射性廃棄物管理政策を担当する議会上下両院の委員会に、評価作業を報告する。
    -政府は今後、可逆性の条件に代えて、パイロット操業フェーズの終了後の操業中における地層処分場の可逆性の実施に関する条件を定める法案を策定する。
    -操業中の地層処分場の可逆性の実施に関する条件を定める法律の公布後、ASNは地層処分場の全面的な操業の許可に関する見解を表明する。法律に定められる可逆性の実施に関する条件を満たしていない場合、全面的な操業は許可されない。

当初、政府は、現在も議会で審議中の「グリーン成長のためのエネルギー転換に関する法案」において、地層処分場の設置許可申請スケジュールの変更等について規定する方針であったが、最終的に2014年6月に下院に提出された法案には、規定は盛り込まれなかった。また、今回可決された「成長、活動、経済機会の平等のための法律」は上下両院における2回の審議を経て、下院で最終可決されたものである。

 

【出典】

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2015年7月1日に、国家放射性廃棄物インベントリレポートの2015年版を公表した。ANDRAは2006年の放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、3年毎にインベントリレポートを改訂しており、前回のレポート改訂は2012年に行われていた

今回取りまとめられた国家放射性廃棄物インベントリレポートは、次の3つのレポートで構成されており、ANDRAのホームページからダウンロードできる。

  • 総論レポート
  • 廃棄物分類別インベントリ(廃棄物の特性分類別のインベントリ情報を整理)
  • 地域別インベントリ(地域別のインベントリ情報を整理)

※現在公開されているものは、いずれもフランス語版のみ。

総論レポートによれば、2013年末時点でフランス国内に存在する放射性廃棄物の総量は約146万m3であり、2010年末時点のインベントリを整理した3年前のレポートから14万m3増加している。ANDRAは前回のレポートからの廃棄物量の変化について、発電、調査研究、産業・医療分野などでの通常の廃棄物の発生に加えて、次のような要因を挙げている。

  • 廃止措置中のブレニリス原子力発電所(モンダレー発電所のガス冷却重水炉)からの使用済燃料の再処理の決定に伴う、高レベル放射性廃棄物の減少(以前はこの使用済燃料を高レベル放射性廃棄物として計上していた)。
  • ビチューメン(アスファルト)固化を予定していた一部の長寿命中レベル放射性廃棄物の処理方法の変更に伴う廃棄物量の増加。
  • モナザイト(トリウム等の原料となる鉱物)の加工によって発生するラジウム含有廃棄物の処理方法の変更に伴う長寿命低レベル放射性廃棄物量の増加。
  • 長寿命中レベル放射性廃棄物の一部が、長寿命低レベル放射性廃棄物に分類変更されたことに伴う長寿命低レベル放射性廃棄物量の増加。

 

【出典】

ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)は、2015年6月19日のプレスリリースにおいて、使用済燃料の海外再処理に伴って発生した発熱性放射性廃棄物の高レベルガラス固化体及び中レベルガラス固化体を収納したキャスク(貯蔵・輸送容器)のうち、ドイツへの返還が完了していない26基のキャスクの貯蔵先に関する提案を示した。BMUBは、4か所の原子力発電所サイトにおいて、26基のキャスクを分散して貯蔵することを提案している。

ドイツでは原子力法の規定により、2005年7月1日以降、再処理を目的とした使用済燃料の海外輸送が禁止されているが、これ以前にフランスに5,379トン、英国に851トンの使用済燃料が輸送された。これらの使用済燃料の再処理に伴って発生した放射性廃棄物のうち、フランスからの高レベルガラス固化体の返還は2011年11月までに完了し、ゴアレーベン(ニーダ―ザクセン州)に存在する集中中間貯蔵施設において108基のキャスク(高レベルガラス固化体で3,024本)が貯蔵されている。フランスからはさらに、中レベルガラス固化体〔CSD-B〕(わが国では「低レベル放射性廃棄物ガラス固化体(CSD-B)」と呼称)を収納した5基のキャスクが返還されることになっている。また、英国からの返還は開始されておらず、再処理により発生する中低レベル放射性廃棄物については等価交換が行われるため、今後、高レベルガラス固化体を収納した21基のキャスクのみが返還される。

これらの今後返還されることになる放射性廃棄物については当初、フランスからの高レベルガラス固化体と同様に、ゴアレーベンの集中中間貯蔵施設において貯蔵することが計画されていた。しかし、2013年7月の原子力法の改正において、海外から返還されるガラス固化体については、原子力発電所サイト内外の中間貯蔵施設での貯蔵に配慮することが規定された。このため、ゴアレーベン中間貯蔵施設に代わる貯蔵先の検討が進められてきた。

プレスリリースによるとBMUBは、原子力利用に伴う負担の公平性、及び技術的、法的、政治的、また手続的な側面を考慮した結果、異なる4つの州に所在する以下の4カ所の原子力発電所サイト内の中間貯蔵施設が、返還されるガラス固化体の貯蔵先として最適であるとしている。

  • フランスから返還される中レベルガラス固化体(キャスク5基)の貯蔵先
    • フィリップスブルク原子力発電所サイト(バーデン・ビュルテンベルク州)
  • 英国から返還される高レベルガラス固化体(キャスク21基)の貯蔵先
    • ビブリス原子力発電所サイト(ヘッセン州)
    • ブロックドルフ原子力発電所サイト(シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州)
    • イザール原子力発電所サイト(バイエルン州)

プレスリリースによると、BMUBと廃棄物発生者である電気事業者4社は、今後、共同の作業グループを設置して、貯蔵先及び各貯蔵先に貯蔵する廃棄体キャスク数を決定することなどで合意したとしている。また、フランスからの返還は2017年に、英国からの返還は2018~2020年に行われることが予定されている。これらの原子力発電所サイト内の中間貯蔵施設において返還されるガラス固化体を貯蔵するためには、別途、連邦放射線防護庁(BfS)から許可を取得する必要がある。

なお、フランスからは、固型物収納体〔CSD-C〕1 も返還されるが、この廃棄物については、アーハウス集中中間貯蔵施設(ノルトラインヴェストファーレン州)における貯蔵が計画されている。

 

【出典】


  1. 燃料棒のせん断片(ハル)等を圧縮して高レベルガラス固化体と同型の容器に収納したもの []

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年6月24日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書に対する安全審査について、その第一回目となる中間結果を公表した。SSMは、今回示した結果は中間的なものであり、全体的な結論に至るには早すぎるとしつつも、SKB社が進めている処分概念に対して、慎重ながらも肯定的な見方であることを示した。

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念による使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にはオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を提出し、その後、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

今回、SSMは、第一回目となる中間結果として、①「使用済燃料の処分施設の建設・操業」、②「長期の放射線安全に係る処分場の初期状態及び建設・操業のフィージビリティ」に関する2つの中間報告書を公表した。SSMは、処分場の建設・操業期間に行われる岩盤の掘削や地下施設におけるキャニスタの搬送・定置等の活動について、SSMが定める原子力安全及び放射線防護に関する基準を満たすことをSKB社は立証しているとの予備的な見解を示している。また、処分場閉鎖後の安全解析の開始時点となる初期状態についても、銅製キャニスタの製造に関連した課題があるものの、慎重ながら肯定的な見方をしているとのSSMの考えを示している。また、最低でも10万年という期間にわたって放射線安全の要件が満たされうるかという質問に対してSSMが見解を示せるようになるには、安全審査にさらに時間が必要としている。

今後の安全審査のスケジュールについてSSMは、次の中間結果を2015年内に公表し、2016年春にSKB社の立地・建設許可申請の全体に対する意見を土地・環境裁判所に提出し、2017年に包括的な最終審査結果を政府に提出するとしている。

【出典】

【2015年11月18日追記】

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年11月17日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査の第二回目の中間結果を公表した。

SSMは、長期安全性の観点から、SKB社が行った代替サイトの適合性の評価を含めてサイト選定プロセス自体の精査を行っており、今回の中間結果において、処分場建設予定地であるフォルスマルクは岩盤の亀裂が限定的であり、地下水流動が小さいことから、放射線安全の観点からの評価として、使用済燃料処分場のサイトとして最も適切なサイトであるとしている。また、SSMは、将来の処分場からの放射性物質の放出による影響評価に関して、SKB社が用いた方法についても審査を継続しており、現時点では、慎重ながらも肯定的な見方をしていることを示している。

【出典】


  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きに定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

フランスにおいて放射性廃棄物等の管理に関する取組、研究・調査等の進捗状況を評価する国家評価委員会(CNE)は、第9回評価報告書を2015年6月18日にCNEウェブサイトで公表し、地層処分プロジェクトなどに対する見解を示した。

CNEは、2006年の放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する研究・調査の進捗状況について、「放射性物質及び放射性廃棄物管理国家計画」(PNGMDR)に定める基本方針を基準として毎年評価し、その結果を報告書に取りまとめて議会に提出することになっている。第1回評価報告書は2007年6月に取りまとめられており、今回の報告は第9回目となる。

CNEは、第9回評価報告書の「要約と結論」において、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が進める地層処分場の設置許可申請に向けた研究開発状況について、以下のような見解を示している。

  • ANDRAが地層処分場の設置許可申請を行う時期は、放射性廃棄物等管理計画法で定められた期限の2015年ではなく、2017年頃になる予定である。CNEとしては新たなスケジュールが遵守されることを期待する。
  • ANDRAは、高レベル放射性廃棄物の処分坑道において発熱性のある廃棄物パッケージの定置の最適化作業を進めており、その一環でカロボ・オックスフォーディアン粘土層の熱・水・応力(THM)挙動に関する研究を実施している。その結果を反映してANDRAは、地下施設の高レベル放射性廃棄物の処分区域のレイアウトを大きく変更した。処分場のTHM挙動を精緻に把握し、カロボ・オックスフォーディアン粘土層における熱応力破壊の範囲をより明確にするとともに、熱応力破壊に関する判断基準が満たされないことによる安全性への影響を評価するためには、さらなる調査・研究が必要である。
  • ANDRAは、廃棄物発生者と共同で策定する廃棄物管理産業プログラム(PIGD)1 で示される全ての高レベル放射性廃棄物について、安全規則を遵守して処分を行うため、高レベル放射性廃棄物の処分区域の設計を十分慎重に行うべきである。また、今後の新たな知見により、地下空間をより効率的に利用できる可能性もある。
  • ANDRAは、地層処分場内での大規模火災を想定した熱条件下におけるビチューメン(アスファルト)固化体の挙動に関する研究を行い、これらのパッケージのロバスト性及びビチューメン固化体の化学的な不活性さを確認している。これらの新たなデータによって、火災が廃棄体に与える影響に関する懸念は払しょくされたとCNEは判断した。引き続きANDRAは、地層処分場の操業期間を通じて、ビチューメン固化体の化学的安定性に関する研究を継続すべきである。
  • ANDRAは現在も、処分場の操業開始後、最初に処分する廃棄物パッケージの仕様を確定するため、廃棄物発生者(事業者)と協議を行っている。CNEは、放射性廃棄物の管理プロセスにANDRAが可能な限り早い段階から関与できるようにすることを勧告する。
  • 地層処分場のコスト評価について、ANDRAと廃棄物発生者との間で意見が対立している。CNEは、コストが慎重に評価され、安全性の確保に必要なコストが削減されることがないよう改めて要望する。

【出典】


  1. 地層処分場の設計にあたって考慮すべき廃棄物インベントリ、中間貯蔵施設からの輸送手段や流れ等に関してANDRAと廃棄物発生者が共同で策定した計画 []