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ドイツの高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)は、2014年5月22日の正式発足以降 、2015年5月18日までの約1年間に、合計12回の会合を開催している。処分委員会では、1年目を情報取得フェーズ、2年目を実施フェーズと位置づけて活動を行ってきており1、2015年4月及び5月に行われた第11、12回会合において、2016年6月を予定している最終報告書の取りまとめに向け、3つの常設作業グループに分かれて検討している事項のうち、今後の処分オプションの検討方針及び公衆参加に関する方針について決議を行った。

2015年4月20日に開催された第11回会合では、今後の処分オプションに関する検討方針として、すでに知見のある「岩塩、粘土層、結晶質岩への坑道内処分」を今後の処分委員会において詳細に検討する処分オプションとすることを決議した。この決議は、処分委員会の下に設置された常設作業グループの1つである、作業グループ3「社会・科学技術上の意思決定基準ならびに欠陥是正措置に関する基準」の提案に基づくものである。また、処分委員会は、作業グループ3に対して、この処分オプションについてさらに検討を進めるよう指示した。

2015年5月18日に開催された第12回会合では、作業グループ1「社会対話、公衆参加、透明性」の検討結果として、処分委員会による連邦政府に対する提案の取りまとめに向けた活動への公衆参加の形式・タイミングに関する提案を決議した。この提案には、公衆参加の形式として、市民対話集会、ワークショップの開催、ドキュメンタリー映像の制作、書面・オンラインでの意見表明、最終報告書の採択会合への招聘などが含まれている。このうち、2015年6月20日に開催する市民対話集会では、参加者がテーマ別のグループに分かれて議論するフォーカスグループ・セッションや、参加者がテーブルを巡回して関心のある議論に参加するワールドカフェ形式のセッションが企画されている2。市民対話集会への参加者は200名程度を公募するとしており、議論の結果は処分委員会の最終報告書の取りまとめにおいて考慮する予定である。

なお、処分委員会は、2015年3月2日に行われた第10回会合において、処分委員会事務局が提示した最終報告書の構成案も承認している。その上で処分委員会は全作業グループに対し、この構成案に従いさらに議論を進めるよう指示した。処分委員会は今後、報告書案の改訂状況を随時公開していくとしている。

 

【出典】

 

【2015年6月26日追記】

高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)は、2015年6月20日に、ベルリンで市民対話集会を同日に開催し、事前に申し込みを行った200名以上の市民が参加したことを公表した。市民対話集会では、処分委員会から委員会の活動等に関する情報提供が行われたほか、フォーカスグループやワールドカフェ形式による議論が行われたとしている。

フォーカスグループのセッションは、以下の5つのテーマ別のグループに分かれて実施された。

  • 社会的合意に基づくサイト選定のあり方
  • 公衆がサイト選定手続きに及ぼす影響
  • 地層処分の代替オプション
  • 発生者負担の原則に則った放射性廃棄物管理費用の適正な負担
  • 連邦政府による処分場建設・操業・管理のための新たな体制構築の是非

フォーカスグループのセッションでは、サイト選定手続きへの公衆参加について、より幅広く、早い段階からの参加が望ましいとする意見や、公衆にわかりやすい情報提供を行うとともに、公衆が参加しやすい環境の整備が必要との意見が出された。また、定置した廃棄体の回収可能性を維持すべきとの意見のほか、現在、原子力発電事業者が引当金で個別に確保している放射性廃棄物管理資金について、新たに基金か財団を設置して管理すべきという意見なども出された。

一方、ワールドカフェ形式のセッションでは、処分委員会が第12回会合で決議した、処分委員会活動への公衆参加の形式・タイミングに関する方針について、参加者が話し合いを行った。参加者は処分委員会の方針について概ね肯定的であったが、過去のサイト選定手続きの分析が必要といった意見も出された。

【出典】

 

【2015年7月7日追記】

ドイツの高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)は、2015年7月3日及び4日に、第13、14回会合を開催した。処分委員会は、最終報告書の採択期限を半年間延長して2016年6月30日とすることを正式に決議したほか、最終報告書の作成に向けたスケジュールを決定した。

2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)では、サイト選定法に基づいて設置する処分委員会の最終報告書の採択期限を2015年12月31日としているが、この期限は委員の3分の2以上の賛成により、1度に限り6カ月間延長できることが規定されている。

処分委員会は当初、2013年中の発足が見込まれていたが、委員選定の難航などにより設置が遅れて2014年5月22日に正式に発足した。このため、活動期間の確保を目的として期限延長が検討されていた。

また、処分委員会の最終報告書の作成スケジュールについては、次のように決定した。

  • 2016年1月初頭までにドラフト報告書を作成
  • ドラフト報告書について公衆協議を行い、必要に応じて修正を実施
  • 2016年6月30日までに最終報告書を採択して連邦政府・連邦議会に提出

【出典】


  1. 発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律(サイト選定法)では、2015年末までに最終報告書を提出することが規定されているが、1回に限り半年間(すなわち2016年6月末まで)の延長が可能とされている。委員会発足が遅れたことなどから、最終報告書の提出期限は半年間延長される方針が示されている。 []
  2. フォーカスグループによる議論では、モデレータの調整・進行のもと、少人数の参加者により特定のテーマについて議論が行われる。ワールドカフェ形式は、会議での討論の一方式であり、複数のテーブルが用意され、テーブルホスト以外の参加者が各テーブルを移動しながら議論を繰り返し、最後に各テーブルホストが自分のテーブルに置ける議論を取りまとめ、参加者全員に対して報告する。 []

英国のドーンレイサイト復旧会社(Dounreay Site Restoration Limited,DSRL)は、2015年5月19日付のプレスリリースで、同サイト内に新たに建設した低レベル放射性廃棄物処分施設において廃棄物の受け入れを開始したことを公表した。DSRLは、原子力廃止措置機関(NDA)が所有する原子力施設の操業・廃止措置等をNDAとの契約に基づいて実施するサイト許可会社(SLC。原子力施設法に基づいて原子力サイトとする許可を受けた者)であり、スコットランド北部に位置するドーンレイサイトの廃止措置及び環境修復を実施する事業者である。

DSRLはサイト内に最終的に6つのコンクリートボールトを建設する計画であるが、今回、廃棄物の受け入れを開始した処分ボールトは、第1期の2つの処分ボールト部分であり、残りの4つの処分ボールトについては、今後、第2期及び第3期に分けて段階的に建設・操業する計画である。最終的には、175,000m3の低レベル放射性廃棄物を処分することとしており、このうち、33,000m3は過去に同サイトで処分した廃棄物を回収することによって今後発生するものである。

なお、英国では地方自治政府(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)に放射性廃棄物管理の権限が委譲されており、ドーンレイサイトがあるスコットランドでは、スコットランド政府がその管理方針を決定している。英国政府は、操業中のドリッグ低レベル放射性廃棄物処分場(浅地中処分)で処分ができない低レベル放射性廃棄物を含む高レベル放射性廃棄物等を地層処分する方針であるが 、スコットランド政府は地層処分する方針を採用しておらず、地表近くに設置した施設で長期管理を継続することとしている。

■ドーンレイでの新たな低レベル放射性廃棄物処分場の操業開始までの経緯

ドーンレイサイトでは、高速炉などの原子炉や再処理施設等の廃止措置によって発生する低レベル放射性廃棄物を処分する必要があり、同サイトの廃止措置プログラムの一環として、長期管理方策の検討が1999年より開始された。DSRLは、当時の施設所有者である英国原子力公社(UKAEA)とともに、ステークホルダーや公衆との協議を経て、2005年に「ドーンレイにおける低レベル固体放射性廃棄物に関する全体戦略」を策定し、サイト内に新たな浅地中処分施設を建設する方針とした。DSRLは、2006年に、ドーンレイの地元であるハイランド自治体の議会に対して、環境影響評価書とともに、低レベル放射性廃棄物の処分に関する計画申請書を提出した。

上記の計画申請書については、スコットランドの環境規制当局であるスコットランド環境保護局(SEPA)による評価を経て、2009年4月にハイランド自治体から計画許可が発給された。これと並行してDSRLは、2008年に放射性物質法に基づく処分に関する許可をSEPA1 に申請し、2013年1月に許可を取得している。

DSRLは、新しい浅地中処分施設の建設及び操業を3期に分けて実施する予定であり、その第1期として2つの処分ボールトの建設を2011年11月に開始し、2014年5月に完成した。そのうちの1つは、ドーンレイサイトにある原子力施設の解体によって発生する瓦礫など、比較的放射能レベルの低い廃棄物専用の処分ボールトである。

第2期として、ドーンレイサイトの廃止措置計画の進捗を踏まえて、2020年までにさらに2つの処分ボールトを建設する予定としている。また、第3期では、さらに2つの処分ボールトの建設を予定しているが、今後の低レベル放射性廃棄物の発生スケジュールや総量の見通しを踏まえて、その必要性に関する評価を行うとしている。いずれの処分ボールトも、定置が終了した時点で閉鎖し、覆土等で覆って元に近い状態に戻すとしている。

なお、ドーンレイサイトを所有するNDAと地元ハイランド自治体は、地域振興を目的として、処分施設の建設開始時に100万ポンド(1億8,200万円)、操業開始から10年間にわたり毎年30万ポンド(5,460万円)の合計400万ポンド(7億2,800万円)をNDAがハイランド自治体に支払う取り決めを交わしている。このような資金は、地域の経済活動の再構築を支援するために設置された基金を介して活用される。

【出典】


  1. 放射性廃棄物を処分するための許可は英国の各自治政府の環境規制機関が発給する。 []

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は2015年4月24日付プレスリリースにおいて、地層処分場の操業時のリスク管理に関する原子力安全機関(ASN)の2015年4月7日付の書簡を公表した。今回のASNの書簡は、ANDRAが2013年12月にASNに提出していた地層処分場の操業時におけるリスク管理に関して、研究開発の進捗報告書に対するレビュー結果を示したものである。レビュー結果としてASNが示す要求事項・見解は、ANDRAが進める地層処分場の設置許可申請に向けた研究開発を方向付けるものとなる。なお、ASNは、2006年以降、ANDRAが実施している地層処分関連の研究開発状況をレビューしており1 、今回のASNの書簡も、こうしたレビューの一環で提示されたものである。

今回のASNの書簡によると、ANDRAは、2013年12月にASNに提出した研究開発の進捗報告書において、放射性物質の拡散リスク、廃棄体から発生した水素ガスに起因する爆発リスク、火災リスク、地下施設における処分活動と建設活動の同時進行に伴うリスク、地上施設と地下施設との連結によるリスク管理に重点を置いた研究開発の進捗状況を報告していた。ASNは、以下の点について、操業時のリスク低減に寄与する有意な進展があったとの見解を示している。

  • ASNの要求に基づく火災リスクを低減するための要求事項をまとめた「火災基準」の策定。
  • 長寿命中レベル放射性廃棄物用の処分坑道への超高性能フィルタの設置を伴う動的閉じ込め機能の確保。この措置は、2010年に提出したANDRA報告書のレビューにおいて、廃棄体による静的閉じ込め機能の不具合の場合に対応するため、動的閉じ込め機能を確保する措置の提示を求めたASNの要求に沿ったものである。なお、コンクリート構造の地下施設に設置する設備は、通常の環境よりも早いペースで閉塞を起こす可能性があるため、設置許可申請書と合わせて提出する補助文書において、設備の保守に関する事項を明確にする必要がある。
  • 施設全体の設計が進展しており、放射線管理区域と建設区域の分離を徹底することにより、操業時のリスク管理の容易化が図られている。これは、地下施設における操業活動と建設活動が同時進行することによるリスク分析を補完するよう求めたASNの要求に沿ったものである。

一方、ASNは、操業時のリスク管理との兼ね合いから、設置許可申請書と共に提出する「安全証明」に関する文書において、特に以下の点に注意を払うべきと指摘している。

安全証明アプローチと安全要件

  • 安全機能と主要パラメータ
    設置許可申請書の補助文書では、地層処分場の閉鎖後安全性の範囲を規定し、操業中に監視する主要パラメータ及び操業中の安全性の範囲を規定しなければならない。また、施設の操業安全及び閉鎖後安全に照らして、廃棄体の受け入れ時及び操業中も監視する主要パラメータについて、逸脱を確認した場合に講じる是正措置を提示しなければならない。
  • 施設の設計とサイト内緊急時計画(PUI)において採用する設計基準シナリオの選定方法
    安全オプションに関する資料2 では、深層防護レベル及び原子力基本施設(INB)に関する2012年2月7日付アレテの規定と整合する形でシナリオを分類して示すのが望ましい。一部の廃棄体内部で発熱反応が急速に進むシナリオについても提示しなければならない。
  • 放射線防護目標
    安全オプションに関する文書では、事故・事象発生の状況下で放射線管理区域にいる職員に適用される放射線防護上の目標の最終決定に向けた最適化アプローチを提示しなければならない。

資料等で説明すべきリスク

  • 火災リスク
    安全オプションに関する資料では、供用部分または長寿命中レベル放射性廃棄物の処分坑道のハンドリング用セルで火災が発生した場合、火災発生区画を発生源とする放射性物質の放出を抑制する措置を説明しなければならない。
    設置許可申請書の補助文書では、火災リスクの分析に使用する計算シミュレーションツールを提示し、その使用分野における有効性を立証すること。また、経験のフィードバックや専門家の判断も考慮したうえで、同ツールと地層処分場の特性との整合性を立証する要素について提示しなければならない。
  • 爆発リスク
    火災リスクと同様に、ANDRAが「爆発基準」を策定することが有益である。
  • 放射性物質の拡散リスク
    設置許可申請書の補助文書では、高レベル放射性廃棄物処分孔の排水の管理方法を明示するとともに、廃棄体の移送ケージにハッチが存在する可能性を考慮しなければならない。
  • 作業の同時進行に関するリスク
    設置許可申請書では、施設の安全性に関して影響を与える人間活動を特定する。また、地層処分場の建設開始から操業期間にわたり、関与する企業間の責任所掌を詳細に定めなければならない。

施設の操業

  • 事故・事象発生の状況下での介入と避難
    設置許可申請書の補助文書では、目標とする期限内に事故・事象発生の状況に介入できるよう、採用する技術的・組織的措置を提示しなければならない。
  • 廃棄体の回収
    ANDRAは、地層処分場の操業段階で廃棄体の回収可能性を実証するために慎重なアプローチを採用しなければならない。また、回収可能性オプションに関する研究は、操業中にとどまらず長期的な視野で、安全と放射線防護の観点から種々のオプションの長所と短所を評価しなければならない。

事故・事象発生後の処分場の各種機能の回復

安全オプションに関する資料では、深層防護の原則を適用し、事故・事象発生後の処分場の各種機能の回復について、処分作業の継続、廃棄体の回収、処分場の閉鎖の可能性を区別したうえで、安全面での課題を提示する。また、設置許可申請書では、これらの課題を考慮し、その対応について提示する。

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に規定。原子力施設の設置許可申請に先立って、安全オプションをASNに提出し、その見解を求めることができるとされている。ASNは見解において、設置許可申請を行う場合、申請までに事業者が実施しておくべき補完的な研究や証明についても特定することができる。 []
  2. ANDRAは地層処分場の安全オプションに関する資料を2015年中にASNに提出する方針である 。 []

エネルギー省(DOE)の環境管理局(EM)は、2015年4月16日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の地下施設内で2014年2月14日に発生した放射線事象について、事故調査委員会(AIB)による2回目となる「事故調査報告書(フェーズ2)」を公表した。事故調査報告書(フェーズ2)では、事故調査委員会の調査結果として、2013年12月にロスアラモス国立研究所(LANL)で処理した1本の廃棄物ドラムについて、処分されたドラム中での有機物質と硝酸塩との混合による発熱化学反応が放射線事象及び放射性物質の漏洩の原因と結論づけている。

DOEの環境管理局(EM)のニュースリリースにおいて、事故調査委員会は、WIPP及びロスアラモス国立研究所での徹底的な調査が実施され、放射線事象の発生原因の調査の他、同様な事故の再発防止などに必要な安全対策、管理統制の特定を実施したとしている。また、事故後の化学的、放射線学的及び火災の科学的分析に基づいて、放射線事象及び放射性物質の漏洩の発生原因が究明されたとしている。さらに、2014年2月5日の火災事故は、放射線事象及び放射性物質の漏洩の原因ではなく、また、関連性もないと結論づけられたとしている。

今回公表された事故調査報告書(フェーズ2)では、放射線事象及び放射性物質の漏洩の直接原因がロスアラモス国立研究所(LANL)から運び込まれた廃棄物ドラム番号68660にあること、今回の事象に限った根本原因としてロスアラモス国立研究所での有害廃棄物施設許可の理解・実施及びカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)による管理に欠陥があったことを挙げている。また、管理システムとしての根本原因としては、危険物の適切な処理に係る手順書の作成、レビュー・承認、実施における欠陥を挙げている。さらに、放射線事象につながった寄与要因の12項目を列挙した上で、24項目の結論・問題点(CON)、40項目の措置必要事項(JON)が示され、一覧表で整理されている。

今回の事故調査報告書(フェーズ2)については、2015年4月16日のタウンホール・ミーティングにおいて、事故調査の様子を視覚的に示した説明用のスライドなどで概要が説明された。

【出典】

 

【2016年7月4日追記】

米国ニューメキシコ州で廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)を操業するエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2016年6月30日に、WIPPにおける廃棄物受入基準(WAC)の改訂版を公表した。今回の廃棄物受入基準では、2014年2月に発生した放射線事象に関する事故調査委員会(AIB)の事故調査報告書で示された確認事項に対応するための改訂が行われている。

改訂版の廃棄物受入基準は、2016年7月5日に発効する。改訂版の廃棄物受入基準に適合することが確認されるまでは、DOEのTRU廃棄物発生サイトでの認証プログラムは停止される。改訂版の廃棄物受入基準では、TRU廃棄物発生サイト及びWIPPでの認証プログラムとして、廃棄物発生サイト技術審査及び品質保証の監査を受けることが必要とされている。

放射線事象の発生以前に認証され、WIPPでの処分が行われていない廃棄物容器は、WIPPへの搬出を行う前に改訂版の廃棄物受入基準への適合を検証することが必要となる。一部の廃棄物容器は処理及び再封入が必要となる可能性があるが、その見極めには数カ月を要するとされている。DOEは、新しい廃棄物受入基準に適合する廃棄物容器は全米で約1,000本あり、仮に一部の廃棄物について処理・再封入が必要とされた場合でも、WIPPの操業再開のスケジュールには影響しない見込みとしている。

改訂版の廃棄物受入基準の主な変更点は、以下の通りである。

  • WIPPの管理・操業契約者を廃棄物受入基準遵守プログラムの責任主体に追加
  • 受入可能とするための情報(AK)に関する要件の強化
  • TRU廃棄物の充填物管理に係る承認済み手法の各種文書等における用語を他の承認文書等と整合するよう変更
  • 臨界管理オーバーパック(CCO)と呼ばれる新たな「直接ハンドリングが可能なTRU廃棄物」(CH廃棄物)の容器の追加
  • プルトニウム239当量放射能量(PE-Ci)の限度を超える廃棄物容器の取り扱い
  • 線量当量率要件を満たす廃棄物容器について合理的な範囲での遮へい
  • ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物とTRU廃棄物を含む廃棄物容器における視認可能な液体の取り扱い
  • 核分裂当量重量等に関する適合方法として10 CFR Part 71.15を追加
  • CH廃棄物と「遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物」(RH廃棄物)のラジオアッセイを含む形で添付書類Aを「TRU廃棄物のラジオアッセイ要件」として拡張
  • 添付書類F「CH廃棄物の環境保護庁(EPA)基準適合のためのラジオグラフィー要件」の改訂
  • その他(用語集への追加、インターネットリンクの更新、など)

 

【出典】

ドイツの高レベル放射性廃棄物処分委員会(以下「処分委員会」という)は、2015年3月2日に行われた第10回会合において、連邦政府の責任となっている放射性廃棄物処分について、処分実施主体となる「連邦放射性廃棄物機関(BGE)」を100%国営組織として新たに設置することを求める提案を決議した。

処分委員会は、2013年7月に制定された「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という) に基づいて連邦議会によって設置されたものであり、以下の事項についての提案を2015年末までに連邦政府に提出することになっている

  • 地層処分の代替処分概念の検討を行うかどうか
  • 処分の安全要件、サイトの除外基準・最低要件、母岩固有の除外基準及び選定基準、予備的安全評価の実施方法など
  • 処分の欠陥が認識された際に行う、欠陥是正措置(回収可能性、可逆性などの問題を含む)に関する基準
  • サイト選定に係る組織と手続きに関する要件、並びに、これら組織や手続きに関する代替案の検討
  • 公衆参加及び公衆への情報提供、透明性確保のための要件

現在のドイツの原子力法では、放射性廃棄物処分場の建設・操業等は連邦政府の責任と規定されており、連邦放射線防護庁(BfS)が処分実施主体となっている。また、原子力法では、処分場建設・操業等の作業は第三者に委託できることが規定されており、発熱性放射性廃棄物処分場の開発計画、非発熱性放射性廃棄物処分場であるコンラッド処分場及びモルスレーベン処分場における作業については、BfSが民間会社であるドイツ廃棄物処分場建設・運営会社(DBE社)に委託している1 。また、処分されている廃棄物を回収して閉鎖することを計画しているアッセII研究鉱山の管理作業等については、国有会社であるアッセ有限会社に委託している。

今回の処分委員会が行った決議では、放射性廃棄物処分場の建設・操業等は国営の組織が実施すべきであり、100%国営組織として設置される連邦放射性廃棄物機関(BGE)は、将来も民営化すべきでないとしている。また、現在の放射性廃棄物処分の実施主体であるBfSの他、DBE社及びアッセ有限会社の有している役割のすべてをBGEに継承させることを提案している。さらに同決議では、放射性廃棄物処分に関連した規制、許認可発給2 などのうち、州が担当すべきもの以外のすべてを単一の連邦機関が行うべきとしている 。

処分委員会の2015年3月2日付のプレスリリースでは、今回の提案は、将来の放射性廃棄物処分が、放射性廃棄物発生者の利害とは独立した形で実施されるようにするためのものとしている。また、この提案に沿った形で新たな処分実施主体や規制機関が迅速に作業を開始するためには、必要な法改正が適宜実施される必要があるとしている。

【出典】


  1. DBE社の株式の4分の3は原子力発電事業者の子会社である原子力サービス社(GNS社)が保有している。 []
  2. サイト選定法等に従い、2014年9月に放射性廃棄物分野の規制を担う連邦放射性廃棄物処分庁(BfE)が設置されており、放射性廃棄物処分場に係る許認可発給等の役割を有している 。しかし、使用済燃料や放射性廃棄物の中間貯蔵施設に関する許認可発給についてはBfSが担当している。 []

英国の地質学会(The Geological Society)は、2015年3月27日に、地層処分施設のサイト選定プロセスの初期段階で実施される、英国全土(スコットランドを除く)を対象とした地質学的スクリーニングの評価を行う独立評価パネル(IRP)を設置した。この地質学的スクリーニングは、高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM)が行うものであり、RWMが事前に作成するガイダンスをIRPの7名の委員が評価する。

この独立評価パネル(IRP)は、英国政府の要請により地質学会が設置したものであり、英国政府はIRPに対して、以下の点に注視しつつ、RWMが策定する地質学的スクリーニングのガイダンスを評価するよう要請している。IRPは2015年6月までに評価を完了する予定としている。

  • 地質学的、技術的な知見に立脚したものであること
  • 既存の地質情報を利用して適用できること
  • 地層処分施設(GDF)に関する長期セーフティケースの開発を支援できること

今回設置されたIRPの委員は、委員長を含めて7名であり、産業界及び学術界の経歴を有する英国、スウェーデン、カナダの地球科学分野の専門家で構成されている。委員のうち2名の委員は地質学会員を対象とした公募によって選出した委員であり、その他の5名の委員は地質学会が任命した委員である。以下に各委員の氏名・所属等を示す。

委員長 クリス・ホークスワース教授(英国ブリストル大学、王立協会特別会員)
委員 マイク・ビックル教授(英国ケンブリッジ大学、王立協会特別会員)
委員 ジョン・ブラック氏(コンサルタント)
委員 ロバート・チャプロー博士(コンサルタント)
委員 カーリン・ヘグダール博士(スウェーデンのウプサラ大学)
委員 ゾー・シプトン教授(英国ストラスクライド大学)
委員 リチャード・スミス教授(カナダのローレンティアン大学)

 

【出典】

【2015年6月16日追記】

高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)の放射性廃棄物管理会社(RWM)は、英国全土(スコットランドを除く)を対象とした地質学的スクリーニングのガイダンス案に関して、独立評価パネル(IRP)との公開会合を2015年6月23日にロンドンで開催する。これに先がけ、RWMはIRPのレビュー用に作成したガイダンス案を2015年6月12日付けで公表した。今回のガイダンス案の作成を含む、地質学的スクリーニングの実施に向けたスケジュールについては、2014年10月に開催された技術イベントで公表されていた 。RWMは、IRPによるレビュー結果を踏まえてガイダンス案の完成度を高めた後、2015年内に公開協議を実施したうえで最終化するとしている。RWMは英国地質学会(The Geological Society)とともに、最終化したガイダンスに基づく地質学的スクリーニングを2016年に実施する予定である。

今回、放射性廃棄物管理会社(RWM)が取りまとめた地質学的スクリーニングのガイダンス案では、既存の情報を活用した地質学的スクリーニングの実施方法、また、どのような結果を提示するかなどについて、5つの地質学的なトピックス(岩種、岩盤の構造(断層・破砕帯、褶曲の位置等)、地下水、自然現象(地震・断層活動、氷河作用等)、資源の賦存)ごとに、RWMの取組方針を取りまとめている。

 【出典】

【2015年7月31日追記】

高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)の放射性廃棄物管理会社(RWM)は、2015年7月29日に、英国全土(スコットランドを除く)を対象とした地質学的スクリーニングのガイダンス案に関して、ロンドンの英国アカデミーで2015年6月23日に開催した独立評価パネル(IRP)との公開会合の会合報告書を公表した。会合報告書によると、公開会合にはIRPの7名の委員のうちの5名、RWMから4名、一般傍聴者の約50名がこの会合に参加した。公開会合の模様は、インターネットを通じてライブ配信1 も行われた。

会合報告書によれば、今回のRWMとIRPとの公開会合では、RWMがIRPのレビュー用に事前に取りまとめ・公表していた地質学的スクリーニングのガイダンス案(2015年6月16日追記を参照)で示していた5つの地質学的なトピックス※のうち、①岩種、②地下水、③資源の賦存についての議論が行われた。公開会合の後、RWMとIRPが一般の傍聴者からの質疑に対する応答が行われた。一般傍聴者からは、独立評価パネルの独立性や委員の選出方法、沿岸域での処分場の建設可能性、地質学的スクリーニング結果の説明先に関する質問などの9つの質問が寄せられている。

※5つの地質学的なトピックスは、(1)岩種、(2)岩盤の構造(断層・破砕帯、褶曲の位置等)、(3)地下水、(4)自然現象(地震・断層活動、氷河作用等)、(5)資源の賦存である。(2015年6月16日追記を参照)

 【出典】


  1. 公開会合の模様は、下記アドレスより閲覧可能である。
    https://www.youtube.com/channel/UCpFJyxnagWhTWURacGN42KQ []

米国の連邦議会下院議員のハーディー議員(ネバダ州選出、共和党)は、2015年3月22日に、ネバダ州ユッカマウンテンにおける高レベル放射性廃棄物の地層処分場の建設について、議論を呼び掛ける署名記事を地元新聞に投稿した。3月23日には、記事と同様の内容を議員の公式ウェブサイトにも掲載しており、拒絶のみでなく率直な議論が必要などとしている。ハーディー議員は、ユッカマウンテンが立地するネバダ州ナイ郡などからなる選挙区選出の下院議員として、2014年11月4日の連邦議会議員選挙で初当選した。

ハーディー議員は、ユッカマウンテン問題は長らく「中間」を失った問題となっているとして、連邦議会議員が真の解決策よりも再選を気にしているなどの問題点を指摘し、連邦政府が精力的に調査してきたユッカマウンテン処分場について、ネバダ州知事などが一貫して拒絶してきたが、立地が適切であれば信用しようなどとしている。その上で、エネルギー省(DOE)、大統領府などが示していない「ユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分をネバダ州が受入れることができるシナリオはどのようなものか」との基本的な論点を示し、州内の学校への継続的な投資などネバダ州の地位を向上させる投資、コロラド川からの水利権割合の増加、輸送・インフラ投資の増加、世界から学術研究を呼び寄せる教育システムの確立に繋がる可能性など、具体例を挙げながらこの論点に対する問い掛けを行っている。

ハーディー議員は、ネバダ州民がユッカマウンテンでの高レベル放射性廃棄物処分を望まず、上記の論点に対する答えが、そのようなシナリオは存在しないというものであれば、ネバダ州が立地を強制されることがないよう同議員も州民のために戦うとしつつ、シナリオの成立の可能性があるのであれば、安全基準が確実に守られることを前提として、少なくとも率直な対話は行うべきなどとしている。

ハーディー議員の署名記事の投稿に対して、強行にユッカマウンテン計画に反対しているリード上院議員(ネバダ州選出、民主党、少数党院内総務)は、2015年3月22日のプレスリリースにおいて、ネバダ州での高レベル放射性廃棄物処分は絶対に許容できるものでなく、ネバダ州民を環境破壊から守ることに見合う利益はないとしている。また、ネバダ州独自の専門家による評価では、ユッカマウンテンはリスクが大きく、技術的欠点の多い提案であることがわかっているとしている。なお、ネバダ州選出の連邦議会議員では、他にタイタス下院議員(ネバダ州選出、民主党)も公式ウェブサイトにおいて、ハーディー議員の署名記事を批判するプレスリリースを出している。

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2015年3月3日付で、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズが実施されていたサスカチュワン州のクレイトン・タウンシップとオンタリオ州のシュライバー・タウンシップを、サイト選定プロセスから除外したことを公表した。NWMOは、空中物理探査などの初期フィールド調査で取得したデータを分析した結果、クレイトン・タウンシップとシュライバー・タウンシップの調査対象エリアについて、地質構造が複雑であり、地下に多くの亀裂があることを確認しており、これら2地域において地層処分場に適切な場所を特定できる見通しが低いと判断した。

カナダでは、9段階で使用済燃料処分場のサイト選定を進めることとなっており、現在サイト選定プロセスに第3段階である“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”が行われている。NWMOは、机上調査を行う前期(第3段階第1フェーズ)と、現地での調査を行う後期(第3段階第2フェーズ)に分けており、サイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが完了した20自治体のうち、半数の10自治体が第3段階第2フェーズに進んでいる。今回、NWMOがサイト選定プロセスから除外したクレイトン・タウンシップ及びシュライバー・タウンシップでは、2014年4月から第3段階第2フェーズの調査が開始されていた

サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズでは、初期フィールド調査の実施、処分施設の立地見通しの検討、集中的なフィールド調査の実施を通して、当該地域の潜在的な適合性を評価することになっている(下記参照)

〇初期フィールド調査の実施

  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティとの対話を行い、技術的評価、安全評価、より広範な自治体の参画、自治体の福祉向上に関する調査の実施計画を策定する。
  • NWMOが設定した技術的なサイト評価要素を満たす可能性がある地域を特定し、潜在的な適合性を評価するため、空中物理探査、環境調査、地質図の作成を行う。

〇処分施設の立地見通しの検討

  • 初期フィールド調査の結果に基づいて、技術的要件と自治体の福祉向上に係る要件を満たす可能性が低い自治体については、フェーズの途中でも評価を終了する。
  • 処分プロジェクトの要件を満たす可能性が高い地域を、集中的なフィールド調査を行う対象とする。

〇集中的なフィールド調査の実施

  • 適合性があると選定された地域において、限定的なボーリング調査を実施する。
  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティを交えたパートナーシップのもとで以降のサイト選定作業を行えるようにするため、周辺自治体等に参画を促す活動を行う。

今回、クレイトン・タウンシップとシュライバー・タウンシップの2自治体を調査対象から除外したことから、NWMOはサイト選定プロセスの第3段階第2フェーズの調査を残りの8カ所で継続するとしている。これら8カ所のほかに、オンタリオ州南部のセントラルヒューロン自治体では、第3段階第1フェーズの調査が継続中である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

フィンランドの安全規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)は、2015年2月12日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の地層処分の建設許可申請について、キャニスタ封入施設及び地層処分場を安全に建設することができるとする審査意見書を雇用経済省に提出したことを公表した。建設許可申請書は、実施主体であるポシヴァ社が2012年12月28日に政府に提出していたものである。

放射線・原子力安全センター(STUK)が雇用経済省に提出した2015年2月11日の審査意見書によると、ポシヴァ社が処分するのは、フィンランドで運転中の4基、建設中の1基及び計画されている1基の合計6基の原子炉で発生する、最大で9,000トン(ウラン換算)の使用済燃料とされている。ポシヴァ社が建設許可申請書を提出した以降、STUKは安全審査を実施してきており、2013年4月には、安全審査の第一段階が完了していた。STUKの安全審査が完了したことにより、今後は雇用経済省が建設許可の発給に関する検討を行った上で、最終的に政府によって建設許可が発給されることとなる。また、地層処分場の操業開始の前に、政府により発給されるキャニスタ封入施設と地層処分場の操業許可が必要とされ、ポシヴァ社による操業許可申請は2020年に行われるものと見込まれている。

放射線・原子力安全センター(STUK)の審査結果を受けてポシヴァ社が公表したプレスリリースによれば、今回の建設許可申請の審査に当たっては、STUKのみならず、その他のフィンランドや国際的な専門家が起用されたとしている。

放射線・原子力安全センター(STUK)の審査意見書においては、原子力法第19条で許可発給の基準とする以下の10点に対する審査結果が示されている。

  1. 施設に関する計画が、原子力法に基づく安全要件を満たしており、操業計画の策定時点で作業員及び住民の安全に対する配慮が適切になされているかどうか
  2. 施設のサイトが、計画されている操業の安全性の観点で適切に選定されており、また、操業計画の策定時点で、環境保護が適切に考慮されているかどうか
  3. 操業計画の策定時点で、核物質防護が適切に考慮されているかどうか
  4. サイトが、土地利用・建築法に基づく地域詳細計画において原子力施設の建設のために留保されているか、また、申請者が施設の操業のために必要となるサイトを所有しているかどうか
  5. 放射性廃棄物の最終処分及び施設の廃止措置を含め、放射性廃棄物管理のために申請者が利用できる方法が、十分かつ適切であるかどうか
  6. 申請者による使用済燃料管理のための計画が、十分かつ適切であるかどうか
  7. フィンランド及び国外において、原子力法第63条第1項3)によって規定されているSTUKによる管理の実施のための申請者の準備、及び第63条第1項4)によって規定されている管理の実施のための申請者の準備が十分であるかどうか
  8. 申請者が、必要な専門技術を有しているかどうか
  9. 申請者が、事業を実施し、操業を行うのに十分な資金的条件を備えているかどうか
  10. 申請者が、安全に、かつフィンランドの国際的な契約上の義務を順守しつつ、操業を行うための前提条件を備えていると考えられるかどうか

上記の許可発給の基準のうち、4.は、放射線・原子力安全センター(STUK)の管轄外であるため他の機関によって審査されることとされている。4.以外の9点、及びその他の関連する原子力法の規定に従って審査した結果、計画されている使用済燃料処分が政府による原則決定における社会全体の利益に合致していること、原子力の安全な利用のためには長期的には処分が不可欠であること、原子力法による建設許可発給のための条件が満たされていることから、STUKは、ポシヴァ社が使用済燃料のキャニスタ封入施設及び地層処分場を安全に建設することができると結論付けている。ただし、1.での原子力法で定められた安全要件への適合性に関しては、地層処分施設の閉鎖後のセーフティケースの審査において、さらなる信頼性の向上が必要との指摘を行ったとして、別途、STUKがポシヴァ社に示した改良点を考慮して操業許可申請を行うようにとの指示がされている。

今後、政府が建設許可を発給した場合、放射線・原子力安全センター(STUK)は、地層処分施設の建設を監督するとともに、必要に応じて承認された設計の変更をポシヴァ社に対して要求していくことになる。

【出典】

米国テキサス州のウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社は、2015年2月7日に、低レベル放射性廃棄物のWCSテキサス処分場のサイトにおける使用済燃料の中間貯蔵施設の建設について、2016年4月までに許認可申請を行うとした意向通知(2015年2月6日付け)1 を原子力規制委員会(NRC)に提出したことを公表した。WCS社による使用済燃料の中間貯蔵施設の建設については、WCSテキサス処分場が立地するテキサス州アンドリュース郡が、2015年1月20日に、建設計画を承認する決議を行っていた

WCS社は、中間貯蔵施設の建設プロジェクトの専用ウェブサイトを開設し、親会社であるヴァルヒ社からの公式プレスリリースのほか、中間貯蔵施設の建設サイト予定図などのプロジェクトの概要等を伝えている。建設サイト予定図では、中間貯蔵施設は約14,000エーカー(約5,700万m2)のWCS社サイト内に低レベル放射性廃棄物の処分場等と隣接して設置され、第二期分の中間貯蔵施設のための拡張スペースも確保されていることが示されている。

専用ウェブサイトに掲載された公式プレスリリースでは、2016年4月までに「独立使用済燃料貯蔵施設」(ISFSI)の許認可申請書を原子力規制委員会(NRC)に提出する計画であり、2020年12月には許認可手続を経て建設を完了するとの目標が示されている。

専用ウェブサイトに掲載されたプロジェクト概要資料では、建設プロジェクトの実施に向けてAREVA社と協力していること、使用済燃料の輸送は鉄道に拠ることなどが示されている。また、WCS社の計画は、WCS社の顧客と見込まれる連邦政府に対して、原子力発電所から使用済燃料を引き取る契約義務について、それが果たされる機会を提供するものであるとしている。なお、WCS社は、中間貯蔵施設の許認可・建設等について、連邦政府や州からの資金は求めないとしている。

今回のWCS社の公表に対して原子力エネルギー協会(NEI)は、2015年2月9日に、「集中貯蔵はユッカマウンテン処分場の計画を補完する」とした上で、WCS社による使用済燃料の中間貯蔵施設の建設計画を歓迎するニュースリリースを公表している。NEIのニュースリリースでは、連邦議会に対し、ユッカマウンテン処分場に係る許認可手続の完了のための予算確保とともに、WCS社のプロジェクトなどの機会を活かすため、エネルギー省(DOE)に集中中間貯蔵プログラムに係る実施の権限と予算を与えるように行動することを促している。

【出典】

 

【2015年2月12日追記】

ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社による使用済燃料の中間貯蔵施設の建設計画について、許認可申請に係る原子力規制委員会(NRC)への意向通知(2015年2月6日付け)がNRCのウェブサイトで公表された。今回公表された意向通知では、中間貯蔵プロジェクトの専用ウェブサイトや公式プレスリリースで示されていなかった情報として、以下の点が示されている。

  • 中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請は、2016会計年度2 の第1半期中に行う。
  • 使用済燃料のほか、原子炉関連の「クラスCを超える低レベル放射性廃棄物」(GTCC廃棄物)の貯蔵も行う。
  • 中間貯蔵施設の候補サイトとして、WCS社の14,000エーカー(約5,700万m2)のサイトにおける数百エーカーの土地の評価を行う。
  • 中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請書、及び付随する環境報告書(environmental report)の作成はAREVA社の協力を得て行う。

【出典】

 

【2015年7月2日追記】

ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社は、2015年6月16日に、使用済燃料の集中中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請について、原子力規制委員会(NRC)との許認可申請前ミーティングを行った。公開で開催された本ミーティングの目的は、許認可申請書の一部として提出される環境報告書及び安全解析書の策定方法について協議することとされており、以下の議題が設定されていた。

  • 環境報告書
    • 環境報告書の準備のための全般的方法
    • 社会経済的影響
    • その他の環境への影響
  • 安全解析書
    • 許認可申請の全般的方法
    • 集中中間貯蔵施設に固有の問題への対応方法
    • 安全解析書の構成の概要
  • 一般傍聴者からの質問・コメント

NRCが公表したWCS社の環境報告書のプレゼンテーション資料では、プロジェクトの概要の他、集中中間貯蔵の立地が計画されているWCSテキサス処分場の近傍での他の環境影響評価の事例の参照、地域・公衆の支持、国家環境政策法(NEPA)に基づく代替案の検討を含めた評価の方針及びサイト選定、輸送による影響、社会経済的影響、土地利用・生態等その他の環境影響などについて、策定方針等が示されている。

なお、WCS社の中間貯蔵プロジェクト専用ウェブサイトにおいては、NRCとの許認可申請前ミーティングが順調に行われたとの報告が掲載されている。

【出典】

 

【2015年7月16日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2015年7月10日に、ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社が計画中の使用済燃料の集中中間貯蔵施設の建設に係る許認可申請について、2015年6月16日に開催されたNRCとWCS社との許認可申請前ミーティングの議事要旨を公表した。議事要旨では、許認可申請書の一部として提出される環境報告書及び安全解析書の作成方法について、NRCとWCS社などとの間で具体的な説明・質疑の概要が報告されている。

議事要旨によれば、WCS社は、NRCへの説明の中で、環境報告書では4万トンの使用済燃料を貯蔵する場合の影響について評価を行うものの、許認可申請書では既に廃止措置された原子炉サイトで保管されている5,000トン未満の使用済燃料のみを対象とすること、その後の貯蔵容量の増加は許認可修正により行う意向であることを表明している。また、WCS社からは、集中中間貯蔵施設が事実上の処分サイトとなる可能性の懸念も表明されたが、NRCは本ミーティングの範囲外との回答であった。さらに、WCS社からは、エネルギー省(DOE)が使用済燃料の所有権を取得しない場合、許認可申請を進めないことが付言された。

本許認可申請前ミーティングは公開で行われており、一般の傍聴者及び電話参加者からも質問・意見表明が行われた。テキサス州に隣接するニューメキシコ州の自治体住民からは、同自治体住民は中間貯蔵を支持しておらず、WCS社の申請に反対であること、環境正義(environmental justice)の評価範囲を広げるべきである、当初から4万トンの貯蔵の申請をするべきなどの意見が出された。また、安全性については、キャニスタの経年劣化、水圧破砕法(シェールガス等の採掘で使用される方法)の影響を含めた地震関連の問題、輸送関連の懸念などについての質問が寄せられたことが報告されている。

【出典】

 

【2016年4月20日追記】

ウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社は、2016年4月18日に、WCS社の中間貯蔵プロジェクトの専用ウェブサイトにおいて、許認可申請に係る現況報告書を公表した。WCS社は、「前進」(Moving Forward)と題する本現況報告書について、集中中間貯蔵施設の建設・操業に係る許認可申請書の原子力規制委員会(NRC)への提出が近づく中で、立地自治体・周辺自治体などに対するコミュニケーションの取組を強化するため、NRCでの許認可申請の状況の報告を行うものとしており、今回公表された現況報告書はその創刊号となる。

WCS社は、2015年2月に、使用済燃料の中間貯蔵施設の許認可申請の意向通知をNRCに提出したことを公表しており、その中で2016年4月までに許認可申請書を提出する予定を示していた3。今回公表された現況報告書では、NRCへの許認可申請書の提出は予定通りに行われる見込みであるとしている。さらに、WCS社は、パートナーのAREVA社とNACインターナショナル社とともにNRCとの許認可申請前ミーティングを重ねてきた中で、NRCの安全審査が標準的な3年間で完了することを確信しており、2019年に建設を開始し、2021年には使用済燃料の受入れを開始できる見込みであるとしている。

今回公表された現況報告書では、その他に、パートナーとして「WCSチーム」を構成するAREVA社とNACインターナショナル社の概要、エネルギー省(DOE)による使用済燃料の中間貯蔵を可能とするための法案提出などの連邦議会における中間貯蔵プロジェクト支援の動き、テキサス州等における民間の中間貯蔵施設開発の動きを支持するとの連邦議会におけるエネルギー長官の証言などが報告されている。

【出典】


  1. 提出は任意であるが、原子力規制委員会(NRC)の人員及び予算の確保のため、通例、申請時期を知らせるためのものとなっている。 []
  2. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、2016会計年度は2015年10月1日からの1年間となる。 []
  3. 実際にNRCに提出された意向通知書では、2016会計年度の第1半期中(2016年3月まで)の提出見込みが示されていた。 []