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《米国》2009会計年度の予算要求

2008年2月4日、米国で大統領の2009会計年度1 の予算教書が連邦議会に提出され、連邦エネルギー省(DOE)のウェブサイトにおいても予算要求資料が公表された。ユッカマウンテン・サイトにおける高レベル放射性廃棄物処分場建設プロジェクトに関する予算要求額は、約4億9,474万ドルと、2008年度の要求額[nl p=805,既報2007-02-07]とほぼ同じで、予算決定額より1億ドル強高いレベルとなっている。なお、予算要求説明書では、原子力規制委員会(NRC)への認可申請書提出は、2008年内とされている。(米国の予算制度については、こちらを参照)

下の表はこの2009年度の予算要求におけるユッカマウンテン関連の要求額について、2008年度の要求額と歳出予算決定額とを比較する形で示したものである。

  民間分 国防分 合計
2008年度要求額(a)  2億245.4万  2億9,204.6万  4億9,450万
2008年度歳出予算決定額(b)  1億8,726.9万  1億9,917.1万  3億8,644万
2009年度要求額(c)  2億4,737.1万 2億4,737.1万 4億9,474.2万
 前年度要求比(c-a)   +4,491.7万   △4,467.5万     +24.2万
 同歳出予算比(c-b)   +6,010.2万   +4,820万 +1億,830.2万
(単位:USドル)

予算要求説明書では、DOEは2008年内にNRCに建設認可申請書を提出するとしており、したがって、2009年度は、申請書提出後の多年度にわたる手続きの最初の年になるとしている。同説明書では、高レベル放射性廃棄物処分プログラムの2009年度の活動概要が以下のように示されている。

  • 2008年に提出予定の建設認可申請書についての確固たる擁護
  • 廃棄物受入施設の予備的設計の進捗
  • 全米輸送計画をサポートするための州・地方・先住民族政府との継続的な交流
  • ネバダ州内鉄道敷設のための敷地用地申請及び配置計画の完了
  • 処分場の建設及び操業の設計・許認可・管理を効率的に行うためのOCRWM組織の構成・人員配備・訓練
  • 商業用原子力発電所からの使用済燃料引取未履行による連邦政府債務増加への対応
  • 廃棄物の処分・輸送・管理に係る保障措置、安全及び緊急時対応プログラムの統合的遵守計画策定

また、2009年度の予算要求では、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)実施のための先進燃料サイクル・イニシアチブ(AFCI)について、前年度歳出予算額の1億8,100万ドルを上回る3億150万ドルが盛り込まれている。

【出典】

  • 連邦エネルギー省(DOE)、2009会計年度予算要求資料(第5巻)、2008年2月〔pdfファイル:約3.7MB〕

【2008年2月13日追記】

2008年2月11日、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)はプレスリリースにおいて、ユッカマウンテン処分場開発の建設認可申請書を2008年中に原子力規制委員会(NRC)に提出した後の段階に向けた動きとして、プロジェクトの管理・操業に係る次期の契約業者の選定手続きを開始することを公表した。プレスリリースでは、以下の4点が管理・操業契約の主要な活動として示されている。

  • 処分場設計の完成のための専門的な管理及びサポートの実施
  • 申請書提出後にNRCから要求される追加的情報や質問への対応、NRCの許認可プロセスによるDOE活動のサポート
  • ユッカマウンテン・サイトの運営
  • 建設管理と統合サポートの提供

なお、ベクテル・SAIC社との現契約は2009年3月までとなっている。

【2008年4月10日追記】

2008年4月9日、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の局長は、上院歳出委員会エネルギー・水資源小委員会における予算ヒアリングの中で、2008会計年度歳出予算の削減の影響により、2017年3月に処分場操業開始とするスケジュールは維持できず、スケジュールの再設定を進めているものの、2008年6月の許認可申請は予定通り実施できるとの見通しを示した。

  1. 米国における会計年度は前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2009会計年度の予算は2008年10月からの1年間に対するものである。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )