Learn from foreign experiences in HLW management

《フランス》放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が情報公開活動の評価やフォローアップを行うための委員会(COESDIC)を設置

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のウェブサイトにおいて、ANDRAにおける情報公開活動に関する評価やフォローアップを行うための委員会(COESDIC)が同機関内に設置され、その初会合が2007年11月13日に開催されたことが公表された。COESDICは、ANDRAによる地元住民に対する情報公開手続を支援するために設立された委員会であり、その対象は高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)であるが、長寿命低レベル放射性廃棄物である黒鉛・ラジウム廃棄物の処分プロジェクトも、必要に応じて対象に含まれるとされている。

同ウェブサイトによると、今回の初会合により表記委員会(COESDIC)の活動の枠組が決定された。COESDICは、これまで設置されていた地下研究所の運営をフォローするためのANDRA内の委員会を踏襲するもので、今後、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の科学評議会と連携してANDRA理事会に意見を示すとされている。また、マリー=クロード・デュピュイANDRA理事長は、放射性廃棄物等管理計画法に規定されている公開討論会に備え、実用的かつ革新的な公衆参加方法を推進したいとの意向を表明しているとのことである。

表記委員会(COESDIC)の最初の使命は、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物処分プロジェクト(HAVLプロジェクト)の枠内で提案されている情報提供や住民意見反映方法の取りまとめについて支援することとされている。この方法については、現在、報告書として取りまとめられているところであるが、これにより放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、全国および地方の窓口機関と、これらの方法に関する事前協議を開始することができるとしている。更にANDRAは、この事前協議が理想的には地元関係者との協議につながり、これらの協議を経て、今後のサイト選定における科学的な基準に加えて、地域の社会環境等に関する基準が開発されることも期待している。

同ウェブサイトによると、同委員会(COESDIC)は公衆参加の分野に関する専門家で構成されており、放射性廃棄物管理事業者や国際的に著名な学識経験者も含まれている。なお、COESDICの委員は以下のとおりである。

  • ミシェル・カロン:放射性廃棄物管理機関(ANDRA)科学評議会評議員、パリ国立高等鉱業学校教授、パリ鉱山大学イノベーション社会学センター所属社会学者
  • アンヌ・ベルグマンス:社会学者、アントワープ大学助教授
  • ピェール・ブノア・ジョリー:経済学者、社会学者
  • サイダ・ララロチ・エングストローム:スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)の環境影響評価・情報公開部門の責任者
  • ブライアン・ウィン:物理学博士、英国ランカスター大学社会学教授、ゲノム技術経済的社会的影響研究センター副所長、気候変動研究センター研究部長、ロンドン王立協会社会科学委員会委員

【出典】

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)ウェブサイト、http://www.andra.fr/interne.php3?id_article=1010&id_rubrique=80

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )