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《フィンランド》地下特性調査施設(ONKALO)における研究開発の動向―坑道の掘削状況及び定置装置の試験計画

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2013年4月2日付けプレスリリースにおいて、オルキルオトに建設されている地下特性調査施設(ONKALO)における坑道の掘削計画・状況、緩衝材とキャニスタの定置装置等の試験計画、その他の研究開発状況を公表した。

プレスリリースによると、ポシヴァ社は、現在、ONKALOと将来的に建設される処分場との間を連絡する坑道を掘削しており、今後約70mの坑道エリアにおいて2本のパイロットボーリング1 孔を掘削する計画である。また、掘削済みの第1実証坑道と第2実証坑道に加え、新たに2本の短い実証坑道(それぞれ23m、26m;図の拡大部分)の掘削をこの春から夏に開始する計画である。さらに、2013年秋には、第2実証坑道において追加の試験処分孔を掘削する予定である。

ONKALOにおける実証坑道(ポシヴァ社ウェブサイトの図に一部加筆)(クリックで拡大表示)

また、同プレスリリースによると、ポシヴァ社は、この春にベントナイト緩衝材の定置装置の試験を開始する計画である。緩衝材の定置装置の試験は、最初に地上で実施し、その後ONKALO内部の実際の条件下で試験を実施する予定である。また、キャニスタの搬送・定置用の輸送車両の試験を2013年末に予定している。

さらに、同プレスリリースによると、ポシヴァ社は、ONKALOにおける処分坑道の実物大プラグ2 の建設と機能試験のための調査を予定している。なお、本調査は、欧州委員会(EC)と処分実施主体との共同研究による、処分場のプラグとシールに関する研究開発プロジェクト(DOPASプロジェクト(Full-Scale Demonstration Of Plugs And Seals))の一環として実施されるとしている。DOPASプロジェクトは2012~2016年の予定で実施され、ONKALOにおける実物大プラグの建設は2014年頃が予定されている。なお、本調査の協力関係は、欧州連合(EU)の第7次フレームワーク計画(FP7)である地層処分実施技術プラットホーム(IGD-TP)の実施に当たっての戦略的研究アジェンダが契機となっている。

 

【出典】

  1. 本格的な岩盤調査・掘削前の予備調査のためのボーリング []
  2. 処分坑道の埋め戻し材の流出防止等のために設置される構造物。 []

(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-11 )