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《スウェーデン》SKB社がRD&Dプログラム2007を公表

スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は2007年9月28日付けプレスリリースにおいて、「放射性廃棄物の管理及び処分方法に関する研究開発実証プログラム2007」(RD&Dプログラム2007)を取りまとめ、原子力発電検査機関(SKI)に提出したと公表した。RD&Dプログラムとは、使用済燃料を含む放射性廃棄物の安全な管理・処分、及び原子力施設の廃止措置に関する包括的な研究開発などの計画を、原子力活動法に基づいて原子力発電事業者が3年毎に策定するよう義務づけられているもの。原子力発電事業者4社の委託により、SKB社が取りまとめを行っている。

SKB社は2009年末に地層処分場に関する立地、建設の許可申請を行うことを当面の目標としており、RD&Dプログラム2007はこの目標に向けた取り組みの説明に重点を置き、以下の6部からなる報告書を取りまとめている。

第1部 SKB社の行動計画
第2部 使用済燃料の地層処分
第3部 地層処分計画に関連する技術開発
第4部 安全解析と科学技術研究
第5部 地層処分の社会科学研究
第6部 低中レベル放射性廃棄物処分計画と廃止措置

RD&Dプログラム2007によると、SKB社は地層処分場のサイト選定に向け、フォルスマルク自治体及びエストハンマル自治体において2002年からサイト調査を行っているが、その大部分は完了しており、安全評価の基礎となるサイト記述モデルへの反映作業を進めている。SKB社はプレスリリースにおいて、2009年中にサイトを選定し、地層処分場の建設などの申請が可能との見通しを示した。

地層処分の技術開発を進めているSKB社は、使用済燃料を銅製キャニスタに封入して地下400~700mの深さに処分する概念(KBS-3概念)に基づく処分方法が、長期的な人間及び環境の保護に関して最適であるとの評価を示した。同概念におけるキャニスタの定置方式についてSKB社は、現段階では縦置き方式の採用を考えているが、横置き方式の検討も2002年から進めている。横置き方式の開発継続の判断は2007年末頃に行う予定であり、RD&Dプログラム2007の取りまとめ時点では開発を続ける意向を示している。横置き方式の開発継続が決定されたとしても、同方式の全面的な試験の実施や安全評価を行うことが必要であるため、処分場の建設申請におけるキャニスタ定置方法を横置き方式に変更するか否かの判断は2012~2013年に行うとしている。

SKB社は使用済燃料の地層処分事業計画に関し、使用済燃料のキャニスタ封入施設が使用済燃料中間貯蔵施設と統合した施設形態とする許可が得られることや、地層処分関連の技術開発が計画通りに進められることなどを前提として、以下のようなスケジュールを示している。

  • 2009年半ば:地層処分場に関するサイト選定
  • 2009年末:キャニスタ封入・使用済燃料中間貯蔵の統合施設及び地層処分場に関する建設許可等の申請
  • 2011年末:キャニスタ封入・使用済燃料中間貯蔵の統合施設及び地層処分場に関する建設許可等の発給
  • 2012年初め~2020年半ば:キャニスタ封入・使用済燃料中間貯蔵の統合施設及び地層処分場の建設、操業準備
  • 2020年半ば~2021年末:地層処分場の初期操業
  • 2022年初め~:地層処分場の本格操業

【出典】

  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2007年9月28日付けプレスリリース、http://www.skb.se/FileOrganizer/Pressrum/Pressmeddelanden%202007/Pressmeddelande%20Fud%202007.pdf
  • Fud-program 2007, Program för forskning, utveckling och demonstration av metoder för hantering och slutförvaring av kärnavfall September 2007.(スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社):放射性廃棄物の管理及び処分方法に関する研究開発実証プログラム2007)、http://www.skb.se/upload/publications/pdf/Fud%202007webb.pdf

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-10 )