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《英国》ヒンクリーポイントにおける新規原子炉の建設の計画認可が発給-新たな放射性廃棄物管理等の資金確保制度による計画-

英国のエネルギー・気候変動省(DECC)及びEDFエナジー社の2013年3月19日付のプレスリリースにおいて、EDFエナジー社によるヒンクリーポイントにおける新規原子炉の建設計画に対して、DECC大臣による計画認可が発給されたことが公表された。今回の新規原子炉の計画は、163万kWの欧州加圧水型原子炉(EPR)2基で構成される、総発電設備容量326万kWの原子炉を建設するものであり、原子力発電所の建設・運転は、EDFエナジー社の子会社であるNNBジェネレーション社が実施することとなっている。 英国では、原子力発電は低炭素電源であり、安価で、信頼性があり、安全でエネルギー供給の多様性を向上させるものとして位置付けられている。また、新設される原子炉は、2050年までの温室効果ガス排出量の80%削減とエネルギー供給の確保に貢献するものとされている。 新規原子炉の計画認可の手続きは、2008年エネルギー法によって規定されているものである。ヒンクリーポイントサイトについては、2011年10月31日に、EDFエナジー社が社会基盤計画委員会(IPC。現在の2008年計画法(2011年関連法により改正)による計画審査庁)に対して申請を行っていた。その後、計画審査庁によるDECC大臣への勧告を経て、今回の計画認可に至ったものである。 今回の新規原子炉の計画認可は、2008年エネルギー法に基づいて、大規模な国家的な社会基盤整備に係る計画認可の初めての事例となる。2008年エネルギー法では、新規原子炉についての廃止措置、放射性廃棄物管理のための資金確保について規定しており、原子力発電事業者は、廃止措置、放射性廃棄物の管理・処分費用のうちの自らの負担分の全額を賄うため、確実な資金確保措置を講じなければならないこととなっている。また、新規原子炉の建設の開始に先立って、原子力発電事業者は、関係大臣に対して、廃止措置資金確保計画(FDP)を提出し、承認を得なければならないこととなっている。さらに、FDPの妥当性に関する公平な審査と助言のため、原子力債務資金確保保証委員会(NLFAB)が設置されている。なお、EPR等の新規原子炉で発生する放射性廃棄物及び使用済燃料の地層処分の可能性について、2009年11月に原子力廃止措置機関(NDA)は評価報告書を公表し、新規原子炉からの放射性廃棄物の処分によって新たな問題が生じることはないこと、適切な処分場サイトにおいて新規原子炉から発生する放射性廃棄物及び使用済燃料が処分可能であるとの結論を示している。 なお、下の地図は、英国で現在発電している原子力発電所、新設が計画されている原子力発電所及び運転停止した原子力発電所を示している。

英国における原子力発電所サイト

英国における原子力発電所サイト
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/48841/Map_of_nuclear_power_stations.pdf

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )