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《米国》DOEが許認可支援ネットワーク(LSN)への書類登録証明

米国の連邦エネルギー省(DOE)の民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)は、2007年10月19日のプレスリリースにおいて、ユッカマウンテン処分場の建設認可申請に関する書類の許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細は こちら)への登録証明を、原子力規制委員会(NRC)に対して行ったことを発表した。LSNへの書類登録証明は建設認可申請の6カ月前までに行うことが、NRC規則(10 CFR Part 2)で定められている

プレスリリースによれば、DOEが許認可支援ネットワーク(LSN)において電子的に利用可能な形で登録した書類は350万件以上で、推定ページ数は3千万ページを超えるとされている。DOEは、2008年6月までの許認可申請書提出を計画しており、今後もLSNに書類の追加を行っていく予定としている。ユッカマウンテン処分場開発に係る現行のスケジュールは、2006年7月に公表されたが(既報:2006-07-192006-07-26)、その中ではLSNへの書類登録証明は2007年12月21日までに行うとの予定が示されていた。

今後について、NRC規則では、NRCはDOEによる登録完了通知後30日以内に文書を利用可能な状態にし、公聴会関係者等のその他の当事者は同じく90日以内に文書を登録するものと規定されている。

なお、DOEは以前、2004年末の許認可申請書提出を目指して2004年6月末に許認可支援ネットワーク(LSN)への登録証明を行ったが、ネバダ州の申立てを受けた「許認可申請前段階監督官」(PAPO)の決定により、この登録証明は無効とされた。また、ネバダ州は2007年7月、DOEがいくつかの重要な技術的文献の完成を2008年と予定しながらLSN登録証明を2007年12月に行う予定としているのはNRC規則違反であるとの申立てをPAPOに対して行ったが、DOEが登録証明を実際に行うまでは申立てには成熟性がないとして、2007年9月に申立ては却下されている。NRC規則では、登録証明に対する申立ては10日間以内に行うことが定められている。

【出典】

【2007年10月30日追記】

2007年10月29日、ネバダ州は、「許認可申請前段階監督官」(PAPO)に指名されているNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)に対し、DOEの許認可支援ネットワーク(LSN)への書類登録はトータルシステム性能評価(TSPA)を始めとする重要書類を欠く不完全なものであるとして、DOE登録証明の削除及びネバダ州他の関係者による書類登録義務延期の申立てを行った。

  • ネバダ州「2007年10月19日のDOEによるLSN登録証明の破棄及びDOEの有効な登録証明までの他当事者の登録証明義務延期の申立て」〔pdfファイル:約9.1MB〕、2007年10月29日

【2007年12月13日追記】

2007年12月12日、NRCのPAPOは、NRC規則では許認可支援ネットワーク(LSN)登録証明時点で必ずしも全書類の最終化が必要とは規定されていないとして、ネバダ州の申立てを棄却した。

  • NRCプレスリリース(2007年12月12日)〔pdfファイル:約224KB〕

【2008年1月17日追記】

2008年1月15日、ネバダ州は、NRCのPAPOの決定を不服としてNRCの最上位組織である委員会への不服申立てを行った。

  • ネバダ州「PAPOの2008年1月4日及び2007年12月12日決定に対するネバダ州の不服申立て通知」〔pdfファイル:約264KB〕、2008年1月15日

【2008年6月20日追記】

2008年6月17日、NRCの最上位組織である委員会は、NRCのPAPOの決定を不服としたネバダ州の2008年1月15日の申立てに対し、PAPOの決定を支持する旨の決定を行い、ヤツコ委員の見解が添えられた決定文書を発行した。

  • NRC「覚書及び命令」〔pdfファイル:約144KB〕 、2008年6月17日

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )