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英国政府がエネルギー法改正案を議会に送付

英国のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2012年11月29日付のプレスリリースにおいて、英国政府がエネルギー法改正案を取りまとめ、議会(国会)に送付したことを明らかにした。この法案は、今後、増加が見込まれるエネルギー需要に伴うエネルギー不足からの経済活動の保護、温暖化などの気候変動対策に向けた法整備を図るものである。英国政府は、2030年代までに電力供給の脱炭素化を目指し、再生可能エネルギー、原子力、ガス、二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)を用いた多様なエネルギーミックスの構築をサポートする考えである。このため、エネルギー法の改正を2013年内に成立させたいとしている。

このエネルギー法改正案には、英国における原子力施設を対象とする安全規制機関である原子力規制局(ONR)の新規設立に関する事項が含まれている。この機関の役割を担う暫定的な組織として、既に2011年4月1日に、保健安全執行部(HSE)の内部にONRが設置されており、原子力施設の原子力サイト許可に係る安全管理や放射性廃棄物の輸送などについて規制業務を行っている。今回のプレスリリースによれば、現在のONRは今後HSEから分離され、独立した安全規制機関となる。今後、法律に基づいて設置されるONRは、DECC大臣の監督下に置かれる。ONRに対して5ヵ年戦略及び年次計画の策定・承認プロセスを法律で規定するなど、規制活動の透明性を高めるとしている。ONRの所掌分野として、原子力安全、原子力サイトにおける保健・安全、セキュリティ、保障措置及び輸送の5点を挙げており、原子力事業者に対する監督が強化されるとしている。

また、英国政府は、民間による原子力発電への新規参入や投資に関して政府が行う検討を円滑にすることを目的として今回の法改正を行う考えである。具体的には、新規原子炉に係る原子力発電事業者による放射性廃棄物移転契約(WTC ― 将来の地層処分場への高レベル放射性廃棄物等の引き渡しの際に締結する契約)や廃止措置資金確保計画(FDP)の妥当性について、原子力債務資金確保保証委員会(NLFAB)への諮問・勧告に係る費用、技術・法務・金融の専門家から助言を受けるための費用に関して、全額を原子力発電事業者に請求できるような規定が盛り込まれている。現行のエネルギー法では、新規原子炉に係る原子力発電事業者に廃止措置及び放射性廃棄物処分の資金確保を義務付けているが、廃止措置資金確保計画(FDP)が提出された際に助言・勧告を得る費用のみが原子力発電事業者から回収可能であった。しかし、廃止措置資金確保計画(FDP)を提出する前段階、放射性廃棄物移転契約(WTC)を締結する際などの助言・勧告を得るための費用の回収ができないものとなっていた。英国政府は、法改正を行うことで、納税者が負担することなく、廃止措置資金確保計画(FDP)等への助言・勧告を得ることが可能になるとしている。

【出典】

 

【2013年12月24日追記】

英国のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2013年12月18日に、エネルギー法改正案が国王の裁可を受け、2013年エネルギー法として制定されたことを公表した。本法律に基づいて、保健安全執行部(HSE)内に暫定組織として設置されている原子力規制局(ONR)は、今後、DECC大臣の政令を受けて、DECC大臣の監督下で独立した原子力安全規制機関として設置されることとなる。

 【出典】

(post by f-yamada , last modified: 2013-12-25 )