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《スウェーデン》エストハンマル自治体(フォルスマルクサイト)におけるサイト調査の現状

2002年9月10日時点でのサイト調査の進捗状況は下記のとおりである。

(1) 空中物理探査

2002年の夏から開始されたヘリコプターによる空中物理探査は、当初の予定より多少遅れて2002年9月18日に終了する予定である。遅延の理由は、測定機器に技術的な問題が生じたことと、強風のために数日間測定を行うことができなかったことである。

(2) ボーリング調査

最初のボーリング孔の掘削は、週4日24時間体制で実施されており、現在地下458mに達している。金曜日には機械および測定システムの点検が行われ、掘削は行われない。現時点での評価としては、亀裂の発生頻度が1mあたり1カ所程度であることと、地下水の流入量が少ないこととが報告されている。

(3) その他の調査

上記に加えて、現在、Geocon社によるGPSの設置、スウェーデン地質調査所(SGU)による地質調査、農業大学による土壌調査が行われている。また、2002年9月中は、SGUにより川、湖、海から水の採取が行われる予定である。

(4) 準備状況

エストハンマル自治体におけるサイト調査エリア

調査地点へのアクセスを容易にするためのサイト内道路改良計画が、県域行政機関と森林保護機関から許可された。整備予定は図に示されているとおりで、特にブールンド湾周辺の道路(図中実線)が整備される。カーブを緩やかにして補強工事と舗装を行うとともに、側溝を敷設し、電線および光ファイバーケーブルを設置する予定である。ストゥールシェーレット(第三ボーリング孔近辺)への道路(図中点線)は、周辺の牧草地・遊牧地保護の観点から舗装工事のみが行われる。工事は2002年末までに終了する予定である。

これにあわせて、第二、第三のボーリング孔を掘削するための準備が行われている。ボーリング調査にあたっては、まず表層を剥いで新鮮部を露出させ、分布図のデ-タを取得するために岩種と亀裂を調査し、その後砂利を敷き詰める。第二ボーリング孔では現在調査が行われており、第三ボーリング孔でも引き続き作業が実施される予定である。これらの作業は、2002年秋のうちに完了する予定である。

(5) サイト見学

2002年の夏期には、フォルスマルク発電所の見学ツアーの一環として、ボーリング調査場の見学が行われた。これまで約3,000人がボーリング調査を見学している。

なお、弊センターでは、今後も随時サイト調査の状況について報告予定である。

【出典】

  • SKBニュースレター2002年9月10日号

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )