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《米国》ユッカマウンテン処分場開発の新スケジュール公表(続報) -エネルギー省(DOE)が議会証言書を公表

2006年7月19日、米国のエネルギー省(DOE)はプレスリリースとともに、DOE民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)ウェブサイトにおいて資料を掲載し、ユッカマウンテン高レベル放射性廃棄物処分場開発プロジェクトの新スケジュールを公表した。新たなスケジュールでは、処分場建設の申請書提出は2008年6月、処分場の操業開始は2017年3月とされている。OCRWMウェブサイトで公表された資料は、2006年7月19日に開催された下院エネルギー・商務委員会のヒアリングにおけるOCRWM局長の証言書であり、スケジュール部分については、前日に上院エネルギー・天然資源委員会のプレスリリースにおいて公表されていた

公表された証言書の添付資料では、ユッカマウンテン処分場スケジュールが以下の通り示されている。

2007年11月30日 申請のための設計完了
2007年12月21日 許認可支援ネットワーク(LSN:詳細はこちら)への登録証明
2008年5月30日 補足環境影響評価書(EIS)発行、申請書の最終検証完了
2008年6月30日 原子力規制委員会(NRC)への申請書提出、鉄道敷設の最終環境影響評価(FEIS)発行
2008年9月30日 NRCが申請書を受理

また、処分場の建設から操業に至るスケジュールとしては、最善な場合に達成可能なものとして以下が示されている。

2009年10月5日 ネバダ州での鉄道建設開始
2011年9月30日 NRCからの建設認可
2013年3月29日 廃棄物受け入れ及び保有のための許可申請書をNRCに提出
2014年6月30日 鉄道運用開始
2016年3月30日 初期操業のための建設完了
2016年12月31日 立ち上げ及び操業前試験完了
2017年3月31日 廃棄物受け入れ開始

なお、証言書では「最善な場合に達成可能なスケジュール」の意味についても説明されており、必要な歳出予算の承認及び2006年4月のDOEの立法提案に基づいた法案の可決、原子力規制委員会(NRC)による遅滞無い許認可が行われるとの前提に基づいているとしている。その他、訴訟や土地収用の議会承認、処分場及び輸送システムのための連邦や州の許認可取得も遅れを引き起こす可能性がある要因としているが、こうした不確実性の殆どはDOEの立法提案に基づいた法案の規定で対応できるとされている。

また、証言書によれば、申請書草案や重要な技術的プロセス及び品質保証問題について外部の専門家による独立した評価を実施する予定とされている。証言書では、さらに、2006年6月に新局長が就任した民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)新体制下での戦略目標として、以下の4点が示されている。

  • 2008年6月30日までの申請書提出
  • 民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)スタッフの充足・訓練
  • 廃棄物引取等の連邦の契約上債務への対応
  • 包括的輸送計画の開発・実施

【出典】

【2006年8月7日追記】

2006年8月3日、連邦議会上院のエネルギー・天然資源委員会は、2006年4月のDOEによる立法提案に基づいた法案(S.2589)に関するヒアリングを開催した。

  • 連邦議会上院エネルギー・天然資源委員会ウェブサイト(ヒアリングのページ) energy.senate.gov/public/index.cfm?FuseAction=Hearings.Hearing&Hearing_ID=1583

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )