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《カナダ》使用済燃料処分場のサイト選定の状況-合計6地域の初期スクリーニングの結果が公表

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)及びホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)の2地域に対する初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。これまで5地域が、処分事業及びサイト選定計画についての情報提供に対して関心を表明し、同時に、サイト選定計画の第2段階として行われる初期スクリーニングの実施を要望していたが、今回のホーンペイン・タウンシップは、2011年3月21日に、新たに関心表明、初期スクリーニングの実施を要望していたものである。

今回初期スクリーニング結果が公表された2地域に関して、NWMOは、いずれの地域も今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。また、両地域内には、地層処分場の設置の可能性のある地層を有する地域が存在するとしている。さらに、これらの地域の適性に関しては、地元がサイト選定手続への関心を継続して有する場合、今後のサイト評価の段階で検討されるとしている。

NWMOは、これまでに4地域における初期スクリーニング結果を公表しており 、今回公表された2地域を含めると、初期スクリーニングの結果が公表された地域は以下の6地域となり、いずれも初期スクリーニングの結果は良好なものとなっている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)

【出典】

【2011年6月28日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、これまでに初期スクリーニングの結果を公表した6地域とは別に、新たにレッドロック・タウンシップ(オンタリオ州)の初期スクリーニングを行った結果として、サイト選定プロセスにおける適性のある候補地とは見なさないことを公表した。

初期スクリーニングは、関心表明と初期スクリーニングの実施を要望した地域について、5つのスクリーニング基準を適用して、その地域の潜在的な適合性を既存の情報に基づいて評価するものである 。レッドロック・タウンシップの初期スクリーニングの結果について、NWMOは、検討を行った地域は、地層処分場の母岩として潜在的に適するような地層を含んでいる可能性が低いとしている。また、スクリーニングで考慮した種々の地層について、サイト特性が受け入れられるものでなく、地層処分場の安全な閉じ込め・隔離の機能に合致する可能性が低いとしている。

【出典】

【2011年8月5日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)に関する初期スクリーニング結果及び概要報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、クレイトン・タウンシップについては、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、これまでに、8地域の初期スクリーニング結果を公表しており、今回公表されたクレイトン・タウンシップを含めると、以下の7地域の初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)

なお、次のサイト選定計画の第3段階では、自治体との協力で選定したエリアにおいて、処分事業の詳細要件を満たす可能性があるかについてのフィージビリティ調査を行うこととなっている。

【出典】

【2011年11月1日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、これまでに初期スクリーニングの結果を公表した8地域とは別に、新たにワワ自治体(オンタリオ州)に対する初期スクリーニングの結果を公表し、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、今回のワワ自治体を含めて9地域の初期スクリーニング結果を公表しており、レッドロック・タウンシップ以外については、初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。なお、初期スクリーニング結果が良好なものとされた、8地域は以下のとおりである。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)

【出典】

【2012年1月17日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)によるサイト選定の第2段階での初期スクリーニングでは、8地域での結果が良好とされているが、このうち4地域の自治体議会は、2011年末にかけて、サイト選定プロセスの第3段階に進むことに対する関心表明の決議を行った。2011年11月から12月にかけて関心表明を行った4地域は、以下のとおりである。

  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)

サイト選定の第3段階は、①NWMOが自治体と共同で、その中に潜在的に適合するサイトがあるかどうかを評価するための「フィージビリティ調査」を行う、②潜在的に適合するサイトのある自治体は、詳細なサイト評価へと続行することに関心があるかどうかを評価する、との2つのステップで行われる。このうち、「フィージビリティ調査」は、既存の情報の入手の可能性によって約1年間から2年間で実施され、地球科学と自治体の福祉に関する基準を用いて判断される。

NWMOは各地域の協力の下、2012年初めに第3段階の調査を開始する予定とされている。ただし、自治体は、フィージビリティ調査の実施以後のプロジェクトへの参加を約束する必要はなく、続行することに関心を持たない自治体は、サイト選定プロセスへの参加が終了することとなっている。

【出典】

【2012年3月1日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、使用済燃料の処分場のサイト選定に関心を表明した地域に対して、初期スクリーニングを実施して来ており、これまでに9地域の初期スクリーニングの結果を公表している。

今回、NWMOは、これまでの9地域とは別に、新たにニピゴン・タウンシップ(オンタリオ州)に対する初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る報告書によると、ニピゴン・タウンシップについては、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

NWMOは、今回の新たな地域を含めて10地域の初期スクリーニング結果を公表しており、レッドロック・タウンシップ(オンタリオ州)以外については、初期スクリーニング結果が良好なものであったとしている。初期スクリーニング結果が良好なものとされたのは、以下の9地域である。

  • パインハウス村(サスカチュワン州)
  • イングリッシュリバー先住民族保留地(サスカチュワン州)
  • クレイトン・タウンシップ(サスカチュワン州)
  • イアーフォールズ・タウンシップ(オンタリオ州)
  • イグナス・タウンシップ(オンタリオ州)
  • シュライバー・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ホーンペイン・タウンシップ(オンタリオ州)
  • ワワ自治体(オンタリオ州)
  • ニピゴン・タウンシップ(オンタリオ州)

上記の9地域のうち、これまでにイグナス・タウンシップ、シュライバー・タウンシップ、ホーンペイン・タウンシップ、ワワ自治体のいずれもオンタリオ州の4地域は、サイト選定プロセスの第3段階に進むことに対する関心表明の決議を行っており、この段階では潜在的に適合するサイトの存在を評価するための「フィージビリティ調査」等が実施されることとなる。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )