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《フランス》国家放射性廃棄物等管理計画(案)が公表 -原子力安全当局(ASN)が計画案に対する意見聴取を開始

2005年7月13日、フランスの原子力安全当局(ASN)は、ウェブサイトにおいて、放射性廃棄物および再利用可能な物質の管理に関する国家計画(PNGDR-MV。以下「国家放射性廃棄物等管理計画」という)についての案を公表し、国家放射性廃棄物等管理計画(案)に対する国民からの意見聴取を開始した。国家放射性廃棄物等管理計画は、2000年3月の議会科学技術選択評価委員会(OPECST)の勧告を受けて、政府が2003年6月に原子力安全当局(ASN)に作成を委託していたものである。国家放射性廃棄物等管理計画(案)に対する意見聴取は2005年末まで行われる予定であり、この聴取結果や2005年秋に開催が予定されている公開討論でのさまざまな意見などを踏まえて改訂が行われ、2006年初めには国家放射性廃棄物等管理計画が策定されることになっている。また、原子力安全当局(ASN)は、議会科学技術選択評価委員会(OPECST)の2005年3月の報告書において勧告されているように(既報を参照)、国家放射性廃棄物等管理計画については、2006年上半期に政府によって議会に提出され、審議される予定の放射性廃棄物管理法案における管理計画とされる可能性があるとしている。

原子力安全当局(ASN)の2005年7月13日付のプレスリリースによると、国家放射性廃棄物等管理計画の目的は、フランスにおける放射性廃棄物の管理に関する包括的な枠組みを定義することにあるとされている。また、国家放射性廃棄物等管理計画が策定されることで、放射性廃棄物の管理を目的として実施されるさまざまな活動間の一貫性が、廃棄物の性質および発生者に関わりなく確保され、廃棄物ごとに管理方法が開発され、放射性廃棄物の最終処分に対する国民の懸念が十分に考慮されるようになるとされている。

今回公表された国家放射性廃棄物等管理計画(案)の要約報告書によると、報告書本体は以下のような4部構成とされている。

  • 第1部:既存および今後発生する放射性廃棄物の管理方策について
  • 第2部:劣化ウランや回収ウランのような将来再利用可能となる物質の取り扱いについて
  • 第3部:放射性廃棄物の長期管理プロセスの一貫性について
  • 第4部:放射性廃棄物管理における問題点、検討点などについて

また、同プレスリリースによると、原子力安全当局(ASN)は、国家放射性廃棄物等管理計画に当たって、廃棄物発生者をはじめ、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、議員代表者、環境保護団体の代表者、関連する大臣、技術的な専門家などを、可能な限り広範に関与させるように配慮したとしている。原子力安全当局(ASN)は、さまざまな意思決定プロセスにおいて、一般規制文書の作成に関連する主要な当事者たちを、可能な限り早い段階から関与させるという意図を明確に示している。さらに、原子力安全当局(ASN)は、政府が望む情報提供および公衆参加プロセスにも積極的に加わっているとしている。

【出典】

  • 原子力安全当局(ASN)の2005年7月13日付けのプレスリリース、http://www.asn.gouv.fr/data /information/28_2005_cdp.asp
  • 原子力安全当局(ASN)のウェブサイトでの国家放射性廃棄物等管理計画(案)に対する国民の意見募集公告、 http://www.asn.gouv.fr/domaines/dechetsnuc/index51.asp
  • 国家放射性廃棄物等管理計画(案)の要約報告書
  • RAPPORT sur L’ETAT D’AVANCEMENT ET LES PERSPECTIVES DES RECHERCHES SUR LA GESTION DES DECHETS RADIOACTIFS, OPECST, Mars 2005

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )