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《ドイツ》サイト選定手続き等についての法案を公表

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2005年6月23日のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物最終処分場のサイト選定の手続きおよび管轄などについて規定する法案を策定したことを発表し、同省のウェブサイトにおいて法案および政令案の全文、理由書などの関連資料を公開した。ただし、連邦議会の現在の議会期は期間を満了せずに終了1 する見込みのため、連邦議会への法案の提出はできないとしている。ドイツでは、サイト選定手続委員会(AkEnd)による2002年末の勧告を受けて、公開の場での協議を経た後にサイト選定手続きを法的拘束力ある形で決定する予定が示されていた

プレスリリースでは、最終処分場の検討作業は、オープンで透明な手続きとすることが連邦政府の考えであること、今回公表された法案はサイト選定手続委員会(AkEnd)の勧告に基づいたものであるとの連邦環境相の発言を伝えている。
また、サイト選定手続きに関する法案は、以下のような考え方に基づいていることが示されている。

  • あらゆる種類の放射性廃棄物の最終処分場を2030年までに操業可能とする
  • サイト選定手続きは、透明かつ追跡可能なものでなければならない
  • 発生者責任に応じた資金負担が必要であり、BMUの監督下で処分場開発を実施する主体として、主な廃棄物発生者の原子力発電事業者等から成る公法人を設置 する
  • サイト候補地および最終サイトの決定は、連邦議会が行う

なお、このプレスリリースは、「ドイツはプルトニウム利用からの撤退途上にある」と題されており、過半の部分は、現政権による原子力撤退政策の意義と野党が表明している原子力発電延長策への批判に当てられている。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)プレスリリース(2005年6月23日)(www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_01012005/pm/35675.php)
  • 「組織・サイト選定手続き法案(Gesetz zur Errichtung eines Verbands und Festlegung eines Standortauswahlverfahrens für die Endlagerung radioaktiver Abfälle 〔Verbands- und Standortauswahlgesetz – VStG〕)」(BMU、2005年6月17日版)
  1. ドイツでは連邦議会の任期は4年間と定められており、この期間は議会期、任期などと呼ばれている。前回の総選挙は2002年10月に実施されているが、2005年5月、シュレーダー首相は総選挙時期を憲法上可能な限りの早い実施時期である2005年秋に前倒すとの意向を表明している。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )