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《米国》処分場建設の認可申請時期は2006年初頭の見通し -エネルギー省(DOE)が状況報告書を原子力規制委員会(NRC)に提出

米国の連邦エネルギー省(DOE)は、2005年6月1日、原子力規制委員会(NRC)に月次状況報告書を提出し、ユッカマウンテンにおける高レベル放射性廃棄物処分場建設の認可申請時期は2006年初頭となるとの見通しを示した。状況報告書では、許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)への書類登録証明が2005年8月になる見込みであること、認可申請書の提出はLSN登録証明からおよそ6カ月後に行う見通しであることが示されている。2005年2月に公表されたDOEの2006年度予算要求資料では、申請書の提出時期は遅くとも2005年12月とされていた

2005年5月18日に行われた高レベル放射性廃棄物処分場の申請前案件管理会議において、NRCの「許認可申請前段階監督官」(PAPO)により月次状況報告書の提出命令が出されており、今回提出された月次状況報告書は、この第1回目の報告書となる。この提出命令により、DOEは、許認可支援ネットワーク(LSN)への登録証明および申請書の提出時期についての最新の見通しを毎月1日に提出することが義務付けられた。なお、今回の報告書で示されたスケジュールの見通しは、2005年5月4日および2005年5月18日の申請前案件管理会議におけるDOE側弁護士の発言でも示されていた。

申請前案件管理会議は、許認可申請前段階監督官(PAPO)に指定されているNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)が招集しているものであり、処分場建設に係る許認可申請前段階における書類免除問題について、紛争解決を効率的に行うためのものである。許認可支援ネットワーク(LSN)には、許認可申請に関係するすべての書類を登録することが必要とされているが、国防を始めとする機密情報や個人のプライバシーを不当に侵害するものなど一定の書類については、見出し情報のみの登録で良いとする免除特権が認められている。免除の適否については数多くの係争が予想されることから、関係者間の協議によって免除対象などについて事前に合意し、手続きの効率化を図ることがこの会議の目的とされている。申請前案件管理会議の基本的な構成員は、DOE、ネバダ州およびNRC職員となっているが、その他の利害関係者も意見表明の機会を与えられている。関係者間の協議は、2005年1月から始められているが、具体的な合意には至っていない。

【出典】

【2005年8月4日追記】

2005年8月1日、エネルギー省(DOE)は第3回月次状況報告書を原子力規制委員会(NRC)に提出し、許認可支援ネットワーク(LSN)への書類登録証明については、これまで2005年8月中としていたものが2005年9月に延期となり、処分場建設の認可申請書提出はその6カ月以上後になるとして、申請のスケジュールが更に遅れる見通しを示した。

【2005年9月30日追記】

2005年9月22日、NRCの許認可申請前段階監督官(PAPO)は、DOEが作成したドラフト許認可申請書も許認可支援ネットワーク(LSN)への登録対象書類に該当するとの決定を下した。これはネバダ州の申立てにより審理されていたもので、今回の決定によりDOEはLSN登録証明を行う前までにドラフト許認可申請書をLSNに登録する必要がある。

【2005年10月05日追記】

2005年10月3日、DOE及びNRC事務局は、2005年9月22日の上記許認可申請前段階監督官(PAPO)決定に対する不服申立てを行った。また、同日DOEがNRCに提出した第5回月次状況報告書では、許認可支援ネットワーク(LSN)への書類登録はこの不服申立てに対する決定後とされ、具体的な期限は明示されていない。

【2006年2月2日追記】

2006年2月2日、NRCの委員会(NRC内の意思決定を行う委員会)は、上記の不服申立てに対し、ドラフト申請書は許認可支援ネットワーク(LSN)への登録対象書類には該当しないとの決定を行った。

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )