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《米国》ユッカマウンテン処分場の許認可申請の審査に関する動き-DOEがヒアリング争点に係る証拠開示のための文書をNRCに提出

米国のエネルギー省(DOE)は、2009年12月7日、原子力規制委員会(NRC)の原子力安全・許認可委員会(ASLB)に対して、ユッカマウンテン処分場の許認可申請のヒアリングの争点に対する準備書を提出した。今回DOEが提出した準備書は、ネバダ州及び原子力エネルギー協会(NEI)が提出していたユッカマウンテン処分場の許認可申請に関する法的問題を扱った争点のうち、第1段階(下記参照)の証拠開示で扱われる争点に対するものである。なお、ユッカマウンテン計画については、DOEの内部文書とされるメモを発端として、2009年12月での許認可申請の撤回も取りざたされていたが、今回の文書提出の期限が12月7日とされており、この文書の提出如何が許認可審査に関連する活動をDOEが継続するか否かを示すものとの見方もされていた。

ユッカマウンテン処分場の許認可審査に関しては、原子力安全・許認可委員会(ASLB)が2009年9月30日に、第1段階の証拠開示を2009年10月1日から2010年11月30日までの期間で行うことを示していた。これは、NRCによる安全性評価報告(SER)の発行が一括ではなく5分冊で発行すること、第1分冊「一般情報」が2010年3月、第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」が2010年9月に発行される予定となっていることから、第1段階において、第1分冊、または第3分冊に関連した争点の証拠開示を行うとしていたためである。第1段階で証拠開示を行う争点は以下に該当するものとされている。

  • 処分場の安全性
  • 環境影響評価
  • 法的な問題点

また、原子力安全・許認可委員会(ASLB)は、2009年10月23日付の命令において、SERの第1または第3分冊に関連した法的問題を扱う争点について、関係者はこの命令の45日後(2009年12月7日)に準備書を提出することとしていた。今回DOEが提出した準備書はこの命令に基づくものである。

今後のDOEによるNRCの許認可審査に関連した活動については、DOEのユッカマウンテンプロジェクトの報道官による発言として、2010会計年度に処分場の許認可手続を続けるために必要な費用などとして割り当てられた1億9,680万ドルをDOEが使用することを確認したなどとする報道もされている。また、DOEの使命は許認可手続きをサポートすることであり、その使命を果たすために活動しているとの同報道官の発言も報道されている。

【出典】

【2010年1月18日追記】

NRCは、2010年1月14日のプレスリリースにおいて、NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)が2010年1月26日及び27日に、ユッカマウンテン処分場の許認可申請に関する口頭弁論などを開催することを公表した。この口頭弁論では、ネバダ州及び原子力エネルギー協会(NEI)が提起しているユッカマウンテン処分場の許認可申請に関する法的問題を対象とするとされている。

なお、今回の口頭弁論は、以下のURLより視聴可能であるが、1月27日は進捗状況により開催されない場合もある。

  • 1月26日 : http://www.visualwebcaster.com/event.asp?id=65080
  • 1月27日 : http://www.visualwebcaster.com/event.asp?id=65081

【追記部出典】

【2010年12月17日追記】

NRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)は、2010年12月8日、ユッカマウンテン処分場の許認可申請書の審査手続きが停止期間中ではないことを確認するとともに、許認可申請書のヒアリングの当事者に対して、2011年1月21日までに証拠開示についての合意状況に関する報告及びスケジュールの修正に関する提案を提出するよう指示した。また、ASLBは、2010年12月14日、ネバダ州などが提起していたユッカマウンテン処分場の許認可申請書に関する10件の法的問題などについて、提起を認めないとの決定を行った。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )