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《英国》放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が管理オプションリストを公表 -管理オプション候補が4つに絞られる

2005年4月4日、英国の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、プレスリリースにおいて、2006年7月に政府に勧告することになっている放射性廃棄物管理オプションの候補リストを15から4つまでに絞り込んだことを公表した。CoRWMが今回発表した候補リスト及びその評価手法案については、2005年4月4日から開始される、CoRWMが実施している公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階において、協議されることになる。

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、2003年11月の活動開始以降、政府への勧告に向けて、4つの検討段階を踏んで放射性廃棄物の管理オプションを検討することを予定しており、現在はその第2検討段階にある。同プレスリリースによると、CoRWMは放射性廃棄物管理オプションについて、9つの基準に基づいて評価を行ってきた結果、以下の4つの管理オプションを候補リストに残すことを正式に決定したとのことである。

  • 地層処分
  • 段階的地層処分
  • 短寿命放射性廃棄物の浅地中処分
  • 中間貯蔵

また、15あったオプションのうち、以下の5つのオプションが正式に候補リストから外されることになったとしている。なお、貯蔵オプションは1つのオプション内で中間貯蔵と無期限貯蔵の2つに区別されていたため、ここで表記するオプション数は実質16となっている。

  • 宇宙処分
  • 氷床処分
  • 地層への直接注入処分
  • 海洋処分
  • 無期限貯蔵

今回、候補リストから外されなかった以下の7つのオプションのうち、1.から4.のオプションについては、CoRWMは管理オプションとしては考慮しないが、将来において管理オプションと共に利用される技術として位置づけている。5.から7.のオプションについては、現時点では、CoRWMは候補リストから外すべきとの意向を示すに留まっている。

  1. 原子炉内燃焼
  2. 焼却
  3. 核種分離・変換
  4. 金属溶融
  5. プレート沈み込み帯への処分
  6. 希釈処分
  7. 海洋底下処分

同プレスリリースによると、この4つのオプションからなる候補リスト及びその評価手法案について協議される公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階は、2005年4月4日から2005年6月27日までの期間、実施されることになっている。PSEプログラムは、会合、ワークショップ、ディスカッショングループなどを通じて、英国全土においてCoRWMが実施する放射性廃棄物に関する大規模な協議プログラムである。PSEプログラムにおける協議段階は、CoRWMが実施している各検討段階ごとに開催される予定となっている。なお、PSEプログラムの第1協議段階は2004年11月から2005年1月の期間において実施されていた。また、2005年中には第3協議段階が実施されることになっている。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイトの2005年4月4日付けのプレスリリース、http://www.corwm.org/content-729
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイト、http://www.corwm.org/content-232
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階資料

【2005年8月15日追記】

2005年8月11日、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、プレスリリースにおいて、公衆・利害関係者参画(PSE)プログラムの第2協議段階における協議の結果、正式に放射性廃棄物管理オプションを上記4つに絞り込んだことを公表した。CoRWMは、PSEプログラムの第2協議段階において、公衆、原子力産業、環境団体等の利害関係者及び科学者等の専門家を含む幅広い人々と協議を行ったとしている。また、CoRWMは、今回の管理オプション・リストの決定により第2協議段階が終了したとしている。

今後、CoRWMは、どのオプションもしくは、オプションの組合せが、市民や利害関係者が示した安全、健康や環境への危険性、費用等の9つの基準を最も満たすかについての評価を行うこととしている。

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)のウェブサイト 2005年8月11日付けのプレスリリース、http://www.corwm.org/content-594

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )