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§ 2004年12月22日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

ベルギーの短寿命・低中レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定-デッセル自治体での地域パートナーシップが最終報告書を提出

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ベルギーの放射性廃棄物管理の実施主体であるベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、2004年11月5日付のニュースリリースで、ONDRAF/NIRASによって設立された地域とのパートナーシップの内の一つであるデッセル自治体の低レベル放射性廃棄物調査・協議グループ(STOLA-Dessel)が、最終報告書を地元自治体議会に提出したことを公表した。ニュースリリースによると、デッセルの住民は、報告書の提出により、ベルギーの短寿命・低中レベル放射性廃棄物の長期管理のための持続可能な方策を提案する用意があることを示しているとしている。

ベルギーでは、短寿命・低中レベル放射性廃棄物は、現在、中間貯蔵施設の立地するデッセル自治体で貯蔵されている1。1998年1月、ベルギー政府は、ONDRAF/NIRASに対して、この短寿命・低中レベル放射性廃棄物の処分に関する恒久的、段階的、可逆的な解決策を見つけることを委託した。これを受け、ONDRAF/NIRASは、原子力施設のある自治体の一つであるデッセル自治体との間に、大学等の協力の下、1999年7月に地域パートナーシップを結び、同年9月に協議のための母体として非営利団体であるSTOLA-Desselを設立していた。STOLA-Desselは、技術的および社会的な問題を統合した処分プロジェクトを開発することを最終目的としており、立ち上げ段階、研究段階、開発段階および決定段階の四段階で進められてきた。このパートナーシップには76人の地元住民の参加もあり、約4年半の議論の末、2004年11月5日にSTOLA-Desselの最終報告書が地元自治体へ提出された。

この報告書では、放射性廃棄物はいつかは処分する必要があり、この問題は単に技術的な問題だけでなく、社会的な問題でもあり、また、経済的な基準でのみ決定がなされるものであってはならず、将来が短期的な利益で危うくされることがあってはならないとしている。更に、以下の条件が満たされる場合には、デッセル住民は、この放射性廃棄物の処分場を受け入れる用意があるとしている。

  • 安全が確保され、環境・健康へのフォローアップ、技術面での進展を継続すること。
  • STOLAによって開発された浅地中または深地層処分場概念オプションによること。
  • このSTOLAが目的を果たして終了した後も、地域社会が参加でき、コミュニケーションを図ることが出来る恒久的なフォーラムが設立されること。
  • デッセル持続性基金の設立、環境計画への参加など、地域社会にプラスがあること。
  • 処分の最終段階まで、放射性廃棄物管理に対する透明性の確保、原子力に関する中核的拠点としての機能維持および雇用確保などが確約されること。

今後、デッセルの地域住民代表は、処分サイトに関係する企業、自治体の上位にある監督機関との間で、今回の報告書で提示された提案や条件等に関する交渉を行い、住民の大多数の支持のもと、法的拘束力のある合意に達する必要がある。また、この問題の管轄は地元当局にあるが、STOLAは、政府の決定が出るまで、処分プロジェクトの進捗を監視し、状況を地域住民へ公表し続ける機関の設立を要求するとしている。

今回、STOLA-Desselが開発した技術的および社会的な問題を統合した処分プロジェクトは、STOLA-Desselの総会で承認された後、地元のデッセル自治体へと委ねられたものである。これを受けてデッセル議会は、デッセル議会として、処分プロジェクトを継続するか否かを検討した上で、ONDRAF/NIRASおよび連邦政府に対して勧告を行うこととなっている。

STOLA-Desselによる浅地中処分概念図
(STOLA-Dessel最終報告書より引用)

STOLA-Desselによる深地層処分概念図
(STOLA-Dessel最終報告書より引用)

【出典】

  • 放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS) 2004年11月5日付ニュースリリース
    http://www.niras.be/engels/1_index_eng.html
  • Does it belong in Dessel? An integrated disposal project with technical and social implications. STOLA-Dessel 2004年11月(STOLA-Dessel最終報告書)
  • 放射性廃棄物等安全条約に基づくベルギー国別報告書(第1回) First meeting of the Contracting Parties to the Joint Convention on the Safety of Spent Fuel Management and the Safety of Radioactive Waste Management; November, 2003

  1. ベルギーにおける放射性廃棄物はONDRAF/NIRASによって管理されており、デッセル自治体の中間貯蔵施設はONDRAF/NIRASの子会社であるベルゴプロセス社によって操業されている。 []

(post by 原環センター , last modified: 2013-07-03 )