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《スウェーデン》RD&Dプログラム2001

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)は、2001年9月に「研究開発・実証プログラム2001」(RD&D-プログラム2001)を作成、公表した。RD&D-プログラム2001においては、処分の実施までにより詳細な検討が必要とされる 課題の整理と、その研究・開発計画が中心に述べられている。

RD&Dプログラムとは、同国原子力活動法の定めるところにより、使用済燃料の最終処分を実施する同社が3年ごとに研究、開発、実証計画を示すものである。これまでのRD& Dプログラムでは主にサイト選定について検討されてきたが、同社が2000年12月に行ったサイト調査地の選定結果に対する政府の承認が出されていなかったこともあり、RD&D-プログラム2001ではサイト選定に関して特に新たな内容は付け加えられていない。今回のRD&D-プログラム2001では、これまでの同社の技術報告書や最終処分についての安全評価報告書への政府等によるレビュー結果を踏まえて、特に安全評価手法の高度化と、処分場内で長期的に発生する現象の研究とに焦点が当てられている。

安全評価手法に関する検討の中心は前回の安全評価報告書では不十分と指摘された問題点であり、一つは、現象のモデル化と評価シナリオの選択である。もう一つは、安全評価における不確実性やパラメータの感度に関する詳細な検討であり、解析解を新たに使用して計算の高速化を行うことにより改善が図られている。 処分場内で長期的に発生すると考えられる現象のうち、優先的に研究を実施する項目として、燃料ペレットの溶解現象と、キャニスタの耐食性と強度に影響を与える現象とが挙げられている。その他にも、安全性に与える重要度とこれまでの研究成果とを考慮して、緩衝材や埋め戻し材の膨潤に影響を与える地下水の影響等が、この数年間に研究することが必要である課題として整理されている。その中には、エスポの地下研究所で研究が実施されているものもある。

今後のRD&D-プログラムでは、処分事業の進展に合わせ、それぞれの時点で必要とされる技術項目に焦点が当てられる予定であり、順に、「処分キャニスタおよび封入技術:密封方法の選択」、「地層処分技術および代替処分方法の継続的研究」、「処分手法の最終選択」、「地層処分場の操業」、「計画と評価」となると考えられている。

なお、前述のサイト調査地の選定結果については、2001年11月に政府より承認が得られている。SKB社は、今年からサイト調査を実施し、2006年には環境影響評価を行う予定である。

【出典】

  • Programme for research, development and demonstration of methods for the management and disposal of nuclear waste, (RD&D-Programme 2001), SKB TR-01-30, September 2001. (スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB):放射性廃棄物の管理と処分方法のための研究、開発、実証プログラム2001)

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )